とある師弟のD×D   作:カツヲ武士

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冥界に来て最初の行事が若手悪魔が
集う会合だってのはビックリしたけど、
俺達の最初のライバルは部長と同世代のヒト達だもんな!

今のところ評判では実戦を経験してて、
英雄って言われてる部長の評価が高い
みたいだけど・・・

アザゼルの言い方や部長の様子を見るに、
どうやら部長は自分以上の存在が同期に
居るって思ってるみたいだ。

へっ!まぁどんなヤツだって俺が倒して、
部長こそ最高の主様だって証明してやるぜッ!


オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!


52話

ーー兵藤一誠視点ーー

 

歓声を上げる人たちを後にし、地下鉄に

乗って辿り着いた先は都市で一番立派な

建物の地下にあるホームだった。

 

電車から降りてエレベーターに乗った時、

部長は俺達に向き合い、最終確認といった

感じで途中で何度も言ってた事を告げる。

 

「皆、もう一度確認するわ。何が起こっても

平常心でいること。

何を言われても手を出さない事。上に居るのは

将来の私たちのライバルたちよ」

 

無様な姿は見せられないと言って気を

引き締める部長。

 

特に俺だよなぁ。魔王様や堕天使の総督に

噛み付くような真似をする眷属なんて部長

からしたら寿命が縮むようなモノだった

って言うし。

 

けど部長を馬鹿にされたりするのは

どうしても我慢出来ねぇし、ソレを我慢

したら部長の眷属失格じゃねぇか!

 

この辺の折り合いを付けろって話なんだ

ろうけど、部長は部長で何だかんだ言って

嬉しそうだし。

 

あの笑顔を見たらなぁ。

 

色々考えているウチにエレベーターが停止し扉が開く。

 

エレベーターの中から見る限りかなり

広いホールみたいだ。

 

随分上に上がったみたいだけど、外を確認

しようと動く前に、エレベーターの前で待機

していた使用人みたいな人が声をかけて来る。

 

「ようこそグレモリー様。こちらへどうぞ」

 

その声に従い、使用人の人の後ろに続く俺達。

 

通路を進んでいくと、一角に複数の人影が見える

 

「サイラオーグ!」

 

人影に向かって声を掛ける部長。

どうやら知り合いがいるみたいだ。

 

あちらも部長を確認すると、コチラに

歩いてくる。

男性だ。見た目は黒髪で長身。筋肉質。

年齢は俺達と同年代に見える。

 

「久しぶりだなリアス」

 

向こうも親し気に部長にアイサツをしてくる。

 

低い声に落ち着きと自信が見え隠れしてる。

活動的に見える服装と短髪。てか武道家系?

 

紫の瞳からは強い意志が感じられるな。

野性的なイケメンだが、一体全体部長と

どんな関係なんだ?

 

俺の訝し気な様子を察したのか、アイサツ

を交わしていた部長がコチラに向き直り、

言葉を交わしていた悪魔を紹介してくれる。

 

「えぇ、本当に久しいわ。あぁ、初めてのヒトも

居たわね。彼はサイラオーグ。母方の従兄弟よ」

 

従兄弟サンでしたか。そうでしたか。

それなら親しくてもしょうがないよな!

 

「俺はサイラオーグ・バアル。バアル家の次期当主だ」

 

そう言って自己紹介をするサイラオーグさん。

 

てか今、バアル家って言わなかった?

バアル家って序列一位の大王家だよな?!

 

部長は魔王様の妹で大王の姪になるのか?!

いや、俺の主様は本当にすげぇな!

 

テンション上がりまくりの俺を尻目に

部長が俺達を紹介していく。

 

上級悪魔だろうから、シツレイは駄目だよな!

驚きながら頭を下げる俺の紹介が終わった後

部長はサイラオーグさんと話を続ける。

 

「ソレで、こんな通路で何をしていたの?」

 

そうだよな?このヒトも会合に参加するなら

その為の部屋が有るんだろ?

 

「あぁ、くだらんから出てきただけだ」

 

ん?退屈だとか?

 

「くだらない?・・・他のメンバーが何かしてるの?」

 

部長は何か察したようだが、あえて確認をして見るみたいだ。

 

「・・・向こうにはアガレスもアスタロトも

来ている。挙句にゼファードルもな。

ソレで着いた早々にゼファードルとアガレス

がやり合い始めてな」

 

心底嫌そうな顔をするサイラオーグさん。

やり合うっていったい何を?

 

そう考えていたら

 

ドォォォォォォォォォォォォォ!

 

建物を揺らすかのような大きな音が響いてくる!

何事?!近くの部屋から聞こえて来たけど?!

 

部長も気になったのか、音のした方、大きな扉へ向けて歩を進める。

 

「まったく。だから開始前の会合などいらんと進言したんだ」

 

サイラオーグさんは嘆息しながら眷属のヒト達を

連れて部長の後に続いた。

 

何だ?どーゆーことだ?

 

不思議に思うも、危険な場所なら部長を一人で

向かわせるわけには行かない!

俺達も覚悟を決めて部長の後を追い、大きな

扉の先を見ると・・・

 

そこには色んなモノが粉々に破壊された大広間が有った。

 

広間の中央では青色のローブを纏う

女悪魔が殺気を放ち、部屋の隅を睨み

付けている。

 

眷属のヒト達?も同じ方向を殺気を放ちながら睨んでる。

 

怖いっ!怖いって!。元が美少女だからって

言うのも有るけど、明らかにマジギレして

るし、感じる魔力も下手をすれば俺達を上回る

程のモノだ。

 

「ねぇゼファードル、こんなところで戦い

をしても仕方ないと思わない?死にたいの?

殺しても上に咎められないかしら?」

 

あまりの殺気に気圧されてたら、その

女悪魔が殺気を強めながら部屋の隅を

睨みながら声を掛ける。

 

その視線の先では・・・

 

「自摸。混一色・対々和・中・発・ドラ三。

親倍満で8000オールだ。さっさと出せ」

 

「うわー。そう来ますか!」

 

「白じゃないんっすか?!」

 

「えぇ。僕も白を止めてたのに」

 

・・・女悪魔の殺気やら何やらを完全に無視して、小さな子供たちと麻雀をやってる大柄な悪魔が居た。

 

え?コレってどう見てもやり合ってる

って感じじゃないよな?

 

「へぇ。大三元か小三元の上乗せかと思えば

まさかのホンイツ止めか・・・やるね」

 

その手を見て感心してる男の悪魔。

 

普通に平和に麻雀してるようにしか見えないんだけど・・・

 

「話を聞けって言ってるでしょうがぁぁ!!」

 

「・・・」

 

部長は目を点にして固まってるし

サイラオーグさんは頭を抱えている。

 

動きを固めた部長をみて、サイラオーグさんが

やれやれと言った感じで頭を振りながら状況を説明してくれる。

 

「まぁこういう事だ。ココは時間が来るまで

若手悪魔が集まる待機所で、軽いアイサツを

する場でもあったんだがな。奴は本当に

軽く挨拶をしたと思ったら眷属と麻雀を

始め、アスタロトはソレを見学しているのだ」

 

な、なるほど。けどまぁ待機なんだろ?

本を読もうが麻雀しようが他人に迷惑

掛けないならソレで良いのでは?

 

「麻雀を知らない俺やアガレスは完全に無視

された形になる。まぁ俺としては無駄に騒ぐ

くらいなら麻雀だろうが何だろうがしてくれ

と言ったところなんだが、アガレスが我慢

出来なかったようでなぁ」

 

よ、予想以上に下らねぇ・・・

 

ま、まぁ確かに若手の会合なのに

身内で麻雀してたら駄目だよな!

面子とか色々あるだろうし。

 

「ん?おぉ無能コンビが来たか。しかし女の方は

相変わらず・・・いや、マヌケ面に更なる磨きが

かかってんなぁ。まずは鏡見て来たらどうだ?」

 

は?コイツ、今コッチを見てなんてった?

 

「んじゃあとはソーナが来たら終わりかね。

あぁ、アガレスの嬢ちゃん。とりあえず

さっき散らかした分は片付けしとけよ。

自分が散らかした分は自分で片付けるのは

常識だ。あと食べ物粗末にすんな」

 

そう言ってテーブルの上に積まれている

果物を魔力で引き寄せて頬張る大柄な男。

 

ん?テーブル?何か違和感が・・・

 

「・・・装飾品や壁、椅子などは破壊

されているが、テーブルやその上にある

食べ物には埃一つ付いていない。

恐らくアノ大柄な悪魔が守ったのだろう」

 

違和感に首を捻っていると、普段あんまり

喋らないルー・ガルーさんが説明してくれた。

 

なるほど、俺が感じた違和感はソレか。

 

「さて、時間的に次でラスだ。気合を入れろよ」

 

「「「了解!」」」

 

まだやんのかよ!

 

蟀谷に血管を浮かび上がらせそうな

女悪魔と完全に目が点になってる部長。

溜息をつくサイラオーグさんと

楽しそうに後ろで見てる男悪魔、そして

全自動雀卓のスイッチを押す大柄な悪魔。

 

・・・完全にカオスだ

 

「その辺にしておけアガレス家の姫シーグヴァイラ」

 

サイラオーグさんはとりあえず女悪魔を

止めることにしたようだ。

 

実際実力行使したのは彼女だし、

後片付けもあるもんなって・・・

 

いや、アイツさっき部長を無能とかマヌケとか言わなかったか!?

 

アイツが言った事が頭の中で再生され、ソレを

理解した時

 

「クルルァ?!」

 

気付いたら俺は大柄な悪魔に飛びかかっていた!

 

「イッセー?!」

 

止めないで下さい部長!部長への無礼を

許したら眷属失格っすよッ!

 

そう!俺はッコイツがッ泣くまでッ殴るのをッ止めないッ!

 

 

・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

「あれ?」

 

気が付いたときはベッドの上だった。

 

ヒトの気配を感じて横を見れば、アーシアがベットの側の椅子に座りながら寝息を立てている。

 

んん?ココハドコ?

 

俺の部屋じゃないよな?

 

アレ?夢??

 

見知らぬ天井を見て首を捻るが、何が何やら

さっぱりわからないぞ。

 

微妙に頭も痛いし、体も重い。もしかしたら

どこかにぶつけたかも知れないな。

 

うーむ・・・とりあえず安静にして、アーシアが起きたら聞いてみようかな。

 

そう考えて、ひとまず布団の中で目を閉じた。

 

・・・なんつーか。良い布団だよなぁ。

 

馴れない環境で、もともと疲れてたんだろう。

襲い来る睡魔に抵抗なんか出来るハズもなく、

俺はそのまま眠りに落ちてしまった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーサイラオーグ視点ーー

 

「クルルァ?!」

 

「イッセー?!」

 

何を言ってるのか良く分からない発声をして

ゼファードルに殴りかかろうとするリアスの

眷属。

 

恐らく主君の無能扱いが我慢出来なかった

のだろうが、迂闊すぎる。

 

相手はグラシャラボラス家の次期当主では

無いし、凶児と呼ばれるほど素行が悪い男

だが、れっきとした上級悪魔で貴族だ。

 

たかだか挑発された程度で眷族が手を出して

良い相手ではない。

 

・・・アガレスに至っては完全にルール違反

だが、同じ貴族同士だし向こうが気にして

ないなら何とかなるだろう。

 

しかしまさか凶児が常識を説くとはな。

 

奴に説教されたアガレスがキレるのもわからんでは無いが・・・

 

「イッセェー?!」

 

さっきよりも大きなリアスの声が響く。

 

見れば先程紹介された赤龍帝が壁に激突

して気を失ってるように見える。

 

いや、アレは壁に当たる前に気を失っていたか?

 

「ねぇ・・・今の見えた?」

 

さっきまでの激情を全く感じさせない、

冷たい視線でゼファードルを視るアガレス

の問いに、俺は首を横に振ることで答える。

 

事実赤龍帝が飛びかかったところまでしか

見えなかったし、ゼファードルが何かを

したようにも見えなかった。

 

そもそも俺が部屋を出たあとに、アガレスから

建物を揺らすほどの攻撃を受けたにも関わらず、

本人が無傷なのはまだしもテーブルやその上の

食べ物まで保護し、さらに麻雀の卓やら牌やらも

一切ダメージが無いと言うのはどういう事だ?

 

完璧にアガレスの攻撃を受け止めた?いや、

部屋にダメージが有るから受け流したのか?

 

くそっ。こうなると部屋を出ていたのは痛い。

 

自分の堪え性の無さを反省すると共に

噂とはアテにならんモノだとしみじみ思う。

 

凶児の噂を聞いて俺が思った素行の悪さとは方向性が全く違う。

 

眷属と麻雀って。

 

シツレイにはシツレイだろうが、そもそも

我々には協調性など求められてないだろうし、

こうして互いを敵視する分には成長の為に

発破をかけていると言える。

 

結果としては悪魔としては間違ってない

のかも知れんが・・・

問題の本質はソコじゃない。

 

ヤツは俺を含めた全員が眼中に無いのだ。

 

眼中にないから親交を深めようとしないし、

弱みを貸しにしようともしない。

 

その結果が麻雀だ。おそらく俺達の相手を

するくらいならこうして眷族と麻雀をして

コミュニケーションを深めると共に、

知的訓練をした方がマシだと判断したのだろう。

 

アスタロトは彼らの手を見ることで、

癖や性格を掴もうとしているわけだ。

 

アガレスも最初は似たようなモノなの

だろうが、完全な無視に対してタガが

外れたんだろうな。

 

ソレを理解出来なかったのが、今来た

ばかりのリアスとその眷族。

 

状況が把握できないなら、まずは様子見が

基本なのに、感情に任せて動く癖は変わってない。

 

元々リアスには才能があった。だがなまじ

才能が有ったせいで甘やかされたのだろう。

 

フェニックス家のライザー殿との試合や

その後の行動を見て、今のリアスは

『典型的な才能に溺れた貴族のお嬢さん』と

判断し、警戒には値しないとしていたのだ。

 

だが最近の報道を聞いて、実戦を経験した

ことで才能が開花したのかと思って真っ先に

接触してみたのだが・・・

 

この様でコカビエルとの戦いに生き残り、テロリストを手玉に取っただと?

 

コカビエルは大戦を生き抜いた経験豊富な

堕天使だし、テロリストとて勝算あっての

計画だったはず。

 

感情で動く未熟者が、行き当たりばったり

で何とか出来るようなモノではないぞ。

 

・・つまり報道は嘘と言うことだろう。

 

天使や堕天使と休戦協定を結んだのは事実。

その二勢力も同じような報道をしてるのは、

事実だからでは無く何やら秘密が有るのだろう。

 

リアスの本質は何も変わっていない。

ただの我侭な小娘だ。

 

噂の赤龍帝もこの程度なら警戒には値しないと評価を定める。

 

尤も、油断して足を掬われる気は無いがな。

 

「とりあえず、化粧直しをしてこい。

まだ時間はあるし、考えを整理する

時間も必要だろう」

 

「……そうね」

 

そう言うとアガレスは頷きながら

眷属を引き連れ部屋を後にした。

 

「あら?待機場所はココだと聞いて来たのに、随分と荒れてるわね。椿姫、係員のヒト達を呼んできて頂戴」

 

「はい」

 

そう言って新たに部屋に入って来た女悪魔。

シトリーの声を聴き、己の過ちに気付く。

 

 

 

・・・しまった。部屋の片付けをさせるのを忘れていた。

 

何だかんだで俺もゼファードルの言動に動揺していたのだろうな。

 

担当の方々には迷惑をかけるが、

後で何か差し入れでも用意しよう。

 

・・・費用はアガレス家に請求できるよな?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーソーナ視点ーー

 

「はぁ・・・」

 

あんまり部屋が荒れてたし、リアスは

性犯罪者を抱えながらゼファードルを

睨んでるし、ゼファードルは麻雀してるし

ディオドラは麻雀の観戦をしてるから、

一人残って何やら考えごとをしている

サイラオーグに事情を聞いたんだけど、

もう溜息しか出ないわ。

 

「兵藤・・・アイツ、本当に馬鹿だったんですね」

 

匙がそう言うけど、否定出来ないわ。

 

リアスが甘やかすからなんだろうけど、

一向に素行が改まらないみたいね。

 

「とりあえずリアス、彼を横になれる

部屋に運んだら?睨んでても何も解決

しないわよ?」

 

姫島さんも殺気とも言えないような

幼稚なナニカを出してるけど、そんなのが

ゼファードルに通用するハズないでしょう。

 

こんなのと同列扱いされてるって思うと

悲しくなるし、見てるだけで頭が痛く

なるからさっさと消えて欲しいわ。

 

「そ、そうね!アーシア!回復をお願い!」

 

運びながら元聖女に回復をさせるリアス。

 

・・・へぇ。

 

「あの回復量は凄いですね。魔力の量

以上の何かがあるみたいです」

 

僧侶の憐耶もソレを興味深そうに見てる

けど、やっぱりあれは不自然よね。

 

何か回復に必要な条件付けをすることで

効果を増してるとか、そんな感じかしら。

 

「人狼が一番動きが良いですね。体術

としてはそれなり、魔力的には中の上。

もしかしたら準一等に届きますか?」

 

戦車の翼紗はリアスの眷属の動きを

観察し評価を下す。

 

私も同意見よ。だけどアレなら弱点も

分かってるから特に気にする必要は無い。

 

いえ、連携次第では厄介ね。

 

「吸血鬼は慌てるだけ。何やらゼファードル殿

を睨んでますけど、神器を使ってる様子は

ありません。つまりはタダのガキですね」

 

もう一人の僧侶、桃が神器持ちの吸血鬼を見定める。

 

ま、動きを止めても単独じゃ意味無いしね。

精々麻雀の邪魔ができるくらいだし。

 

実はソレが一番の嫌がらせだってことに

気付いたら面白いんだけど・・・

一度目の前で使ってくれないかしら?

 

神器の情報が欲しいのよね。

 

「姫島は完全にリアス殿と同じ状況です。

フォローも何も無し。タダの小娘ですよ」

 

係のヒトを呼びに行った椿姫が返って来た。

 

彼女の場合は今までの評価が高すぎたからねぇ。

今まではバラキエルの娘だからって下駄

履いてたのに、その力を使いこなせずに

にいたら、そりゃタダの小娘よ。

 

主を補佐する女王としても無能だし。

 

マトモな実戦を経験していない時から

自分の評価が高いことに疑問を覚えて

なかったみたいだけど・・・現実を

見れないのは相変わらずね。

 

「兵藤に至っては完全に雑魚です。

警戒するとしたら譲渡ですけど、周囲の

能力と本人の性格を見れば・・・現状

問題無いですね」

 

兵士の匙の意見に留流子が頷く。

 

「そうね。とりあえず一度声を掛けて、

手伝う感じで肩でも貸してきなさい。

そして会合が終わるまで目覚めないように

少し手を加えてきて頂戴」

 

バレない程度にね。と言うと匙は小さく

敬礼してリアスたちのところへ向かった。

 

まずコレで良し。後は・・・

 

「とりあえずリアスとシーグヴァイラが

戻って来るまではすることも無いし、

ゼファードルの麻雀でも見学しましょうか?」

 

顎に手を当てて考え込んでるサイラオーグを誘って麻雀見学よね。

 

何せ最も警戒しなきゃいけないのは

目の前の格闘家崩れじゃない。

文字通り地獄の経験を潜り抜けてきた

ゼファードル!

 

今は少しでも情報が欲しいし、心理戦の

真骨頂とも言える麻雀を見学出来るなら

それに越したことは無いわ!

 

お姉様にアイサツして衣装の調整に時間が

掛かったのが勿体無かったわね。

 

「・・・麻雀をすることに関して文句は無いのか?」

 

「は?」

 

コイツは何言ってるのかしら?

 

修行修行で頭まで筋肉になったって噂は聞いてるけど・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「麻雀だって立派な修行でしょ?

頭が悪い奴は何やっても失敗するし、

先を読めないヤツは何やっても駄目。

我慢出来ないのも駄目だし、空気を

読めないのも問題外。違う?」

 

チェスとかと一緒で、遊びながら

鍛えれるんだからむしろ推奨すべきでしょ?

 

「そ、そうか・・・」

 

なんか納得してないみたいだけど、

まぁ良いわ。

 

私は私が必要と思うことをするだけよ!




真剣勝負()の邪魔はしてはいけません。

コイツ等は同期であるが故に常に比べられます。

それ故行動や言葉の節々から互いを警戒し、
探るのが普通です。

特にサイラオーグ君は負けられませんからねぇってお話


あがり役や煽り文句、目が覚めた彼の様子を
微妙に修正しております。

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