とある師弟のD×D   作:カツヲ武士

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キングクリムゾンっ!!

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62話

ーー兵藤一誠視点ーー

 

アザゼル・・・先生からトレーニングメニューを

もらった俺たちは各自が修行を積み、部長の実家

であるグレモリー家に集合した!

 

久し振りに見るが、ギャスパーは少しだけ

逞しくなったように見えるし、ルー・ガルー

さんはピリピリした感じがするくらい野生?

を磨いてきたらしい。

 

「イッセーさん!」

 

そう言って俺に駆け寄ってくるアーシア!

あぁ、そうだよ。コレが女の子なんだよ!!

 

アザゼル・・・先生に連れられて堕天使

のヒトたちに鍛えられてきたけどみんな

ムサイ男ばっかだったしな!

 

その中でも、朱乃さんのお父さんである

バラキエルさんは、俺が弱いままだと

朱乃さんが危ないからっていう理由で

徹底的にしごいてきたんだ。

 

だけどソレも白龍皇が受けた修行だって

言うから逃げるわけには行かなかった!

 

なんたってライバルらしいしな!

 

今は特別任務で不在だったけど、あんまり

差があれば部長だって面白くないだろ?

 

最強の兵士として胸を張るにはライバル

には負けられないってな!

 

・・・だけど禁手には至れなかったんだ。

 

アザゼル・・先生が言うには禁手はそんなに

簡単に至れるモノじゃないって話だけど、

白龍皇が簡単に禁手してるのを見たからか

やぱり悔しいよな。

 

そのことを考えてちょっと落ち込んだけど、

少なくとも俺が成長したことは事実だ。

 

部長は何よりも基礎的なことを学ぶべきだ

と言う理由で、細かい戦術やら何やらを

重点的に学び、朱乃さんは自分の中に流れる

堕天使の血を受け入れろって言われてた。

 

楽しみにしててくださいって言われたから

きっとそういうのを受け入れたんだろう。

 

アーシアも、神器の威力の調節は出来なかった

けど、近距離なら飛ばすことも出来るように

なったらしい!

 

ギャスパーは神器の制御のほかに身体能力

を高めるトレーニングをしてたって話だった。

 

だから逞しくなってたんだな!

 

俺たちの成長を見て、ソーナ会長との試合に

負けはないと断言するアザゼル・・先生に

ちょっと違和感を覚えたけど、俺は俺が

するべきことをするだけだぜ!

 

「では総督殿、私たちは第一戦を見ない方が

良いと言うのを撤回すると?」

 

みんなが集まって、報告が終わったあと。

アザゼル・・先生がそんなことを言い出した。

 

へへん。俺たちが予想以上の成長を遂げたという

ことだよな!

 

そう思っていたんだけど・・・

 

「そうだ。第一戦はディオドラ・アスタロト

とシーグヴァイラ・アガレスのゲームに変更

されたからな」

 

はぁ?順番が変わったってのか?なんで?

 

「・・・彼らのレベルが高すぎて、第二戦

や第三戦の若手の心が折れるからですか?」

 

悔しそうに唇を噛む部長。

 

ま、まさか本当にそんな理由で?

 

その意見を否定して欲しくてアザゼル・・先生

を見るも、彼は当然のように頷いて部長の言葉

を肯定した。

 

「その通りだ。今回は来賓も居るからな。

あまりにも差が有れば余興にもならねぇと

判断されたんだ」

 

クソっ。その言葉を聞いて屈辱に歪む部長の

顔を見て、情けなさと怒りでアザゼルに殴り

掛かりそうになるが、そんなことをしたら

我慢してる部長の心意気が台無しになって

しまう!そう思って必死に耐える俺を横目に

見て、朱乃さんが質問をする。

 

「では第三戦は見ることを許可して貰える

のでしょうか?」

 

なんで第三戦なんだ?と思ったけど、普通に

考えればレベルが違うって言うならトリだよな。

 

最初は心が折れるからって理由でダメって

言われたけど、成長した今なら・・・

 

「ダメだな。とりあえず奴らとの試合の

日程が決まり、その直前まで鍛えてから

じゃねぇと無駄になるだろうよ」

 

そんな俺の希望はあっさりと打ち砕かれた。

 

成長したって評価をされても尚、力の差が

あるってことなんだろう。

 

一体どんだけ強いんだよ、そのゼファードル

ってヤツはっ?!

 

「試合の順番は変わるが、お前とシトリーの

ゲームは二日目だからな。まずは第一戦で戦う

連中の試合内容を見て自分の糧にしろ」

 

そう言って立ち去るアザゼル・・・先生。

 

悔しさに唇を噛み震える部長と、ソレを

宥める朱乃さん。

 

パーティの前日だってのに、空気は最悪と言って

良いものだった。

 

 

 

・・・・・・

 

 

昨日のアレから一夜明け、どうなるかと戦々恐々

してたけど・・・今では部長も気分が回復したようだ!

 

「心配かけてゴメンなさい」

 

そう言いながら俺の頭を撫でてくれる部長!

そうだよ、部長は諦めずに一歩一歩前に進む

って決めたんだもんな!

 

そりゃ今は負けるかもしれねぇけど、俺が

強くなればその分倍加の力も強くなるし、

鍛えて強くなったみんなを更に強化できる

ようになれば、誰にも負けねぇチームに

なるんだ!

 

そう思い直し、俺も前を向こうと決心する!

 

そして昼になり、パーティ会場に向かうために

客間で待機してた俺たちを迎えに来たヒトに

案内され、前の会合の時みたいに地下鉄で移動

する。

 

冥界での部長の人気が凄くて、気軽に移動

出来ないってのが難点だよなぁ。

 

人気があるって言うのも大変だと思いながら

景色を眺めること数時間。

 

魔王領ルシファードに到着した俺は

正装である駒王学園の学生服に着替えて

パーティー会場の建物に入った。

 

ルー・ガルーさんや女性陣(何故かギャスパーも)

は着替えに時間がかかるってことで別行動。

 

なんとパーティ会場の周辺の施設が

全部そういう準備するためのモノらしく、

これから部長たちは髪のセットだとか

衣装合わせを行うんだとか。

 

いやぁ金持ちって凄げぇわ。

 

待機所には地上にいたときでは

考えられないような料理やら何やらが

所狭しと用意されている。

 

種族とか色々あるからこれでも足りない

可能性があるんだとか・・・

 

いやぁ金持ちって凄げぇわ。

 

住んでる世界の違いを再認識しちゃうね!

 

「ん?兵藤か?」

 

待機所でみんなが来るのを待ってたとき

知り合いの声が耳に入ってきた。

 

この会場に来る悪魔で、俺のことを

知ってる悪魔となれば数は限られる。

 

そしてその声に聞き覚えがあると思って

振り返ってみれば。

 

「匙か。久し振りだな!」

 

生徒会に所属する匙が、青を基調とした

スーツを身に纏って立っていた。

 

・・・え?学生服じゃないの?

 

驚愕する俺を見て眉をひそめる匙。

 

「相変わらずアホみたいな顔してるが、それより

なんで学生服なんだ?スーツを忘れたのか?」

 

いや、えっと・・・

 

アホと言われたことより、当たり前にスーツ

の話題を振られたことに狼狽する俺。

 

「学生の正装は制服で良いって聞いたから・・・」

 

新品の制服で来たんだけど。と言うと

匙はマジかコイツ!?って顔をした。

 

「地上の冠婚葬祭ならそうだ。だがココは

冥界で、お前は学生としてじゃなく悪魔と

して出席するんだぞ?

それもグレモリー家の眷族悪魔としてだ。

なら相応しい格好ってもんがあるだろ?」

 

当たり前のように口にしてくる匙に、

言われてみれば・・・と不安になる。

 

青いのはソーナ会長の家を象徴する色

らしく、そういうのを纏うのが正しい

作法らしい。

 

ルー・ガルーさんは大学生だし、ギャスパーは

女装癖があるからって油断してた!

 

「まぁお前んとこの部長さんはニンゲンの

文化が好きだし、ある意味その格好も

オンリーワンだからソレはソレで目立つと

考えたのかも知れんが・・・もしも普通に

勘違いしてたらアレだぞ?お前も主人も恥

かく事になるぞ」

 

真剣な顔をして忠告してくれる匙の様子を

見れば、嘘を吐いてるとかそういうのは

無さそうだ。

 

いや、確かに部長は勘違いするかも。

 

誰も部長には突っ込まないだろうけど

裏で笑われるかも?!

そう思えば居ても立ってもいられない

くらい不安になってきた!

 

そんな俺を見て、匙は呆れ顔で情報をくれた!

 

「あんまりワタワタするな。こういう

ところは服を汚したりした場合に

備えて着替えを用意してるもんだ。

とりあえず自分に合ったサイズの服を

キープして貰えばいい」

 

「な、なるほど。キープだな!」

 

着替えなくていいんだな?!

 

「そう、キープだ。そんでもって人狼サン

に話を聞いて、着替える必要が有ると

言われたら着替えれば良いし、そのままで

良いと言われたらそのままで良いだろ。

勝手に着替えるのは部長さんの顔を潰す

ことになるから止めとけよ」

 

部長の顔を潰す?ナンデ?

 

「主君が下僕の服も用意しなかったって

噂になるんだよ。

当然この会場の中で部長さんや部長さんに

親しいヒトに聞こえるようには言わねえ。

だけど貴族の評価ってのは貴族だけじゃ

なく使用人や領民など色んな立場の人間が

いろんな場所でするもんだ」

 

だから眷属悪魔は主君の顔を潰さない

ように注意しなきゃなんねぇんだよ。

 

ハテナマークを浮かべた俺に苦笑いで

教えてくる匙。

 

そうか、そんなもんなのか・・・

 

部長の眷属として恥ずかしくないように

強くなる!とは言うものの、こういう

常識は正直よくわかってねぇ。

 

グレモリー家で部長のお母さんや教師役

の人に教えてもらってるけどなぁ。

俺はこの間悪魔になったばっかだぞ?

 

そう思ってた俺が甘かった。

 

「いいか兵藤、周りにとっちゃ俺たちが

悪魔になったばかりだとかは関係無い。

眷属に常識がないのは主君が下僕への教育

を怠ったから。そう判断されるんだ」

 

真顔で告げる匙の言葉に、俺は絶句することとなった。

 

「お、俺のせいじゃなく部長のせいになるんだな?」

 

言われてみれば、今まで俺が魔王様に反論

したりアザゼル・・先生相手に騒いだり

したとき、怒られるのは俺じゃなく部長だった。

 

ソレを思い出すと、今の自分の格好が

あまりにも場違いなように思えてきて、

また部長の顔を潰すのかと思うと怖くなる。

 

「そうだ。いいか?主君に恥をかかすな。

着替えが必要だとわかったら、酒でもなんでも

服にこぼせ。それから着替えれば、それはお前

がおっちょこちょいだったって話で済む」

 

な、なるほど・・・

 

コレが下僕悪魔としての心得と言うもの

なんだろう。俺の両肩を掴んで正面から

真剣な顔つきで教えてくれる様子を見れば

「余計なお世話だ!」なんて口が裂けても言えない。

 

「けど、なんでソレを教えてくれるんだ?

俺は今度お前たちと戦う敵だぞ?」

 

普通なら俺が失敗したのを見て馬鹿に

するとかじゃないのか?

 

そう考えてた俺は自分の考えの浅さを自覚する。

 

「だからだよ。対戦相手の評価があまりにも

アレなら、ソレに負けた場合の会長の評価はどうなる?」

 

「え?!」

 

ま。まさか対戦相手の俺にそんな事を

言ってくるなんて・・・

 

アザゼル・・先生が言ってたように、匙も

俺たちに勝てないと判断してるのか?!

 

ま、まぁ神滅具を持つ俺や反則級の神器を

持つギャスパー。

滅びの魔力を持つ部長に堕天使の幹部の血を

引いて悪魔には毒になる光すら使えるって

言う朱乃さん。そしてアザゼル・・先生も上級

クラスの実力があると認めるルー・ガルーさん

に、傷を負っても即回復させることができるアーシア。

 

こんなメンバーが命懸けの実戦経験まで

積んでるんだから、そりゃ初陣の会長が不利

なのはわかってるけど・・・

 

そうか、向こうもソレを自覚してるのか。

だから俺が無様を晒して部長の評価を

落とせば、俺たちに負けた会長の評価は

さらに落ちる。

 

そりゃシャキッとしろ!って言いたくなるよな。

 

「すまねぇ匙。とりあえず服をキープして

からルー・ガルーさんと話して来る!」

 

匙の心遣いを無駄にしない為、俺は男性用の

更衣室として使用されている区画(部屋

じゃなくて区画そのものがそういう扱い)

に向かって歩を進める。

 

「おう、さっさと行け。焦っても走るなよー」

 

そう言って手を振る匙。忠告をくれた恩を

返すためにも、しっかりした姿を見せなきゃな!

 

 

 

 

「・・・俺らが言うのもアレだが、まともに

眷属を教育できねぇのが悪魔の『英雄』か。

そんなだらしねぇヤツを担いで大丈夫かねぇ」

 

 

とりあえずまた血液GETだぜ。

 

俺の背中を見ながらそう呟いた匙の言葉は

俺の耳に入ることはなかった。

 

 

 

・・・・・・

 

 

結論から言えば俺は着替える必要は無いらしい。

 

本当のパーティならまだしも、今回のは

次期当主のお目見えと言うよりは各家の

当主やお偉いさんが集まるための口実

みたいなモノで、部長や会長はアイサツ

くらいはするけど、それ以上のモノでは

無いんだとか。

 

焦らせてくれた匙を一瞬恨んだが、部長や

朱乃さんが言うには、匙の言うことは

決して大げさでも間違いでもないから、

ちゃんと感謝するようにってことだった。

 

うーむ。部長や朱乃さんが言うなら

そうなんだろう。

 

学生服でも問題が無いってだけで、

普通に考えればこういうパーティーの

ときにスーツで正装するのは間違いじゃ

ないもんな。

 

部長も俺に似合うスーツを新調して

くれるって言うし、結果オーライだ!

 

柄にもなく緊張したのと焦って走ったせいで

貧血気味になったけど、美味いメシ食って

たら回復したし。

 

うん。今度匙には何かやろう。

 

アイツの趣味とかわかんねぇから何が

喜ばれるかわかんねぇけど、その辺は後で聞いてみるか!

 

「最上階にある大フロアが会場みたいね。

イッセー。各御家の方々に声を掛けられたら

キチンとアイサツするのよ?」

 

心配そうに俺を見る部長。実際礼儀作法

に関しては詳しくねぇんだよな。

 

匙も言ってたけど向こうにしたら期間

なんか関係なく、俺は部長の眷属だし。

 

俺一人の問題なら別にどうなっても

良いんだけど、部長に恥をかかすのは

ダメだよな!

 

「正直自信があるとは言えません・・・

出来るだけ目立たないようにします!」

 

そう思って正直に心中を打ち明けると

部長を始めとしたみんなが苦笑いしている。

 

アレ?なんかミスりました?

 

「後ろ向きなんだか前向きなんだか

わからないわね」

 

そう言って頭を撫でてくれる部長に

 

「あらあら。なら私がエスコートして

差し上げますわ」

 

と言って手を取ってくれる朱乃さん!

胸が!胸が当たってますって!

 

「うーうー」

 

そんな二人に負けじと俺の服を掴んで

自己主張するアーシア。

なんか幼児退行してない?!いや、可愛いから良いけど!

 

アーシアの可愛さを再認識してる間にも

部長と朱乃さんの戦いは続いている。

 

「私が一緒に回るわ!朱乃は他の女王の

ヒトたちと情報交換するって仕事が

あるでしょ?」

 

「あらあら、その場にイッセー君が居たら

話も弾むと思いませんか?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

ふ、二人の背景にそんな文字が見えるぜ!

 

「とりあえず、往来の邪魔だ。エスコートに

ついての相談は通路の真ん中じゃなくて、

隅っこに寄るか、自分に割り振られた専用の

待機所でやってくれや」

 

二人の剣幕に怯えてたら、後ろから声が

かかってきた。

 

いや、その通り。ホントスミマセンと

思いながら声がした方を振り返ると、

少し離れたところに緑色を基調とした

中華服?っぽいのを着た2メートル近い

大男が、同じような格好をした数人の

ヒトを連れて立っていた。

 

おそらくパーティーの出席者で、周りの

人たちは眷属なんだろうけど・・・

 

アレ、このヒトどこかで会ったことないか?

 

そう思って首を傾げて記憶を探ってると

いつの間にか戦いを止めていた部長と朱乃

さんがコッチをすごい目で睨んでた。

 

ヒェ?!

 

俺が睨まれたわけじゃないのに、ひゅんとしたぜ!

 

「ゼファードル・・・」

 

お二人の剣幕にビビる俺に構わず部長が

そう呟いた。

 

ゼファードルってアイツか?!麻雀しながら

俺を倒して、会合で部長やサーゼクス様を

侮辱したヤツで、アザゼル・・先生が俺たち

じゃ絶対に勝てないって言い切った悪魔か!

 

怒りより驚きの目で視線を上に向けソイツ

の顔を見れば、部長や朱乃さんの殺意が篭った

視線を警戒するでもなく、ただひたすらに

面倒臭げに受け止めている。

 

「前にも言ったがお前さんに関わる気は

無いんだ。とりあえず通路の真ん中で

騒ぐのは止めて、進むか退くかしてくれ」

 

首をかきながらそう言って来るゼファードル。

 

確かに通路の真ん中で話してたのは迷惑かも

しれねぇけど、コイツはグラシャラボラスの

次期当主じゃないんだろ?

 

それが公爵家の次期当主である部長に向かって

その態度、一体何様だってんだ!

 

俺は殺気を込めてゼファードルを睨み付ける。

 

だが向こうは俺のことなんかおかまいなしに

部長だけを見ている。

 

俺なんか眼中に無いってか?鳥野郎並にシツレイなヤツだっ!

 

コレが普通の悪魔の貴族の態度だと思うと

胸糞が悪くなるぜ!

 

「・・・ゼファードル殿。向こうは特に

動く様子がありません。つまりは先に入場

しても良いと言うことではありませんか?」

 

ゼファードルの後ろに立っていた大柄な

男がそう告げる。

 

コイツも俺の視線なんか気にしねぇってか?!

 

主従揃って気分が悪りぃ!そう思ってると

ゼファードルはひとつ頷き

 

「それもそうか。別に中央を歩くことに

拘りはねぇし。邪魔されなきゃソレで

問題ねぇよな」

 

ヤツは特にその眷属の言うことを否定

することもなく、全員でコッチに向かって

間合いを詰めてくる!

 

その様子は完全に無防備で、通路の

中央で止まってた俺たちをあっさりと

無視して横に寄って歩いていく。

 

ここで俺が挑みかかったら、部長が

問題を起こしたって言われっちまう!

 

『いいか、主君に恥をかかせるな』

 

待機室での匙との会話を思い出し、ここで

このままコイツの態度を見逃すのと挑み

かかって説教することのどっちが部長に

とっての恥になるのかを考え・・・

 

俺は動けなかった。

 

そんなゼファードル一行に対し、俺は

殺気やら何やらを込めた目で見送ること

しかできなかったんだ。

 

情けねぇ。勝つとか負けるとかじゃなく、

部長に無礼を働いた野郎を見逃したのが

この上なく情けねぇ。

 

唇を噛む部長と朱乃さん。奴が行った後を

見つめるルー・ガルーさん。俺たちの殺気に

怯えたアーシアとギャスパー。

 

少しの間無言で固まった俺たちは、誰が

言うでもなく、そのまま会場へと歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶対アイツにだけは負けねぇ!第三戦だって

しっかり観戦して、サイラオーグさんが

アイツを倒すところを見届けてやるっ!

 

でもって弱点とかも研究して、俺たちも

あいつをギャフンと言わせてやるぜっ!

 

今も悔しそうに唇を噛む部長の横顔を

見て俺はそう決意したんだ!

 




匙は前回も血を吸ってますね。噂では
赤龍帝の血は神器の成長に役立つんだとか?

と言うか、いくら簡単なパーティとは言え、
貴族家の当主が集まるパーティに名目上の
主役の眷属が学生服で参加って有りなの?ってお話

ちなみに、この時点では匙君に先生になると言う
夢を聞いて涙を流す『お袋さん』が存在します(原作5巻)

いや、別に良いんですけどね?







ここから先は感想やら何やらに対する
作者の価値観です。前と同じように不快に
なる可能性もあるから、それが嫌な方は
読まなくても良いですよ?






基本的にシロネコ達が無能だの性犯罪者
だのと呼んで相手を貶すのは、個人を評価
していないのと、相手を自分たちの潜在的な
敵とみなして馴れ合うつもりが無いからです。

本人やその親族が居るような場では○○殿
とか言う程度の気遣いをしますが、
いない時まで遠慮する価値が無いと判断
してるというのも有ります。

他の陣営所属のゴトウ=サンの前で
ゼファードルを自称弟子と呼ばないのも
一応彼には配慮する価値を見出している
ということでもあります。

ちなみに阿呆眼鏡から貧乳眼鏡になったのは
一応彼女の中では評価が上がってるんです。

シロネコさんは自分が成長したとき
どうなるかを知ってますからねぇ。

それでもまだまだ個人を評価するには
実績が足りないと判断しています。

今までのマイナスがありますからね。
しっかり成長したと言うことを実績で
証明しない限り認められることはありません

努力は誰でもしてるんですからね。

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