とある師弟のD×D   作:カツヲ武士

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ゲーム開始直前!作戦ターイム!

『英雄』はリアス様単体ではない、チーム皆が
居てはじめて『英雄』なんだっ!

オリ設定!
オリ展開!

今日は1話だけっ!

嫌いな人は読み飛ばしっ!


71話

ーー兵藤一誠視点ーー

 

「コチラの戦力は全部知られてるけど、ソレは

夏休み前までの情報よ!」

 

部長が自信満々に宣告すれば、

 

「向こうは戦車を増やしてますね。その分更に

数が劣ることになりますが、ギャスパー君の

神器の解放許可が出ていますから、数については十分覆せますわ」

 

朱乃さんは冷静に戦力分析をしている。

 

俺の目の前では、部長と朱乃さんによる試合前の

最後のミーティングが行われてるんだ。

 

俺も参加したいけど、俺にはそんな知識も

才能もないからな。

 

邪魔しないのが一番だ。いつか上級悪魔に

なったときにソレだと不味いらしいけど、

いきなり何でもかんでもってのは無理だからな!

 

俺も部長みたいに一歩一歩着実に進むぜ!

 

その結果とも言えるけど、今回の修行で俺は

最終的に禁手に至ることは出来なかったけど、

地力は間違いなく上がった。

 

さらに新しい魔法も覚えたしな!ぐへへへへ。

あの魔法があれば匙以外が全員女性である

会長のチームには圧倒的に有利に戦えると思う。

 

部長にも魔法の概要を話したけど、凄い!って

手放しで褒めてくれたしな!

 

「問題はイッセーの使い方よね」

 

ん?俺ですか?

 

「そうですわね、普通ならリングを用いた禁手

を使ってアタッカーとして動いてもらうのです

けど、その後がもちません」

 

うっ、た、確かにそうだ。リングのお陰で体を

捧げなくても禁手は出来るけど、一度使えば

その日一日は神器が使えないんだよな。

 

だから俺は最初は通常状態での倍加でギフトを

使って部長や朱乃さん。場合によっては

ギャスパーを強化するって言う話だよな。

 

会談の時みたいに、建物の中の相手の動きを

停止させることができれば、俺たちは停まってる相手を倒すだけだし。

 

建物に居ない相手を各個撃破出来るって戦法も有るらしい。

 

あのとき相手にやられたことでも、使えると

判断したら何でも使うって言うのは中々出来る

ことじゃない。

 

そう言うのを飲み込む度量ってヤツが必要なんだ!

 

飲み込んだ上で、更に改良を加えてゲームで

活用しようとするなんて考えもしなかった。

さすが部長だぜッ!

 

「サポートとして使うなら私かギャスパーの

側に置くべきだし、アタッカーとしてなら

ルー・ガルーと組ませるべきよね?」

 

俺の頭を撫でながら告げる部長。

そうか。ルー・ガルーさんを強化しつつ

俺も戦う形にしないと、ルー・ガルーさんが

一人でアタッカーしなきゃ行けないのか。

 

「あらあら。私と組んでも良いのでは?

圧倒的戦力で相手を潰して、他に援護に

行くと言うのも間違いではないでしょう?」

 

そう言って俺の腕をとる朱乃さん。

 

ちょ、や、柔らかいモノが当たってますって!

 

「朱乃はダメよ!だってまだ力の制御が完全じゃ

ないじゃない!倍加なんかしたらどうなるか

わからないわッ!」

 

部長はそう言って朱乃さんから俺を引き離そう

とするけど、朱乃さんはあらあらと言って

微笑みながらも俺の腕を離そうとはしない。

 

また二人の間で火花がッ。

 

ま、まぁコレがいつもの俺たちだもんな!

緊張もしてないし、油断だってしてない。

 

なんなら鳥野郎みたいに、開幕と同時に速攻

をかけても良いんだ!

 

フィールドにもよるけどさ。ギャスパーの神器に

俺がギフトして、相手の動きを止めるんだ。

 

そのまま他の皆が動いて試合を終わらせるって

言う手も有るんだぜ?

 

ソレを聞いたとき、やっぱり部長は天才だって思ったね!

 

誰もが気付かない事をサラリと発見してサラリと

やってのける!ソコに痺れる憧れるぅぅ!

 

ま、まぁソレで部長が停まったら意味が

無いから、やっぱりフィールド次第って

話だけどさ。

 

観てる方はつまらないかも知れないけど、これ

だって立派な戦術だしな!

 

会長を踏み台扱いするのはアレだけど、初陣で

緊張してるところを一気に終わらせることで、

力の差ってヤツを見せつけて、ゼファードルに

挑戦状を叩きつけてやるって言ってたし!

 

みんなの夢を賭けたゲームであんなふざけた

マネをするヤツを認めるわけには行かねぇし、

来賓の人たちにだって、あんなのが悪魔の若手

みたいに見られても困るしなっ!

 

会場の全員に見せてやるぜ、英雄の戦いをなっ!

 

 

・・・ついにゲームが始まる!

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーソーナ視点ーー

 

試合前のミーティング。特に言うことは

無いけど、油断慢心を無くすためにも

しっかりと準備と対策をしないとね。

 

今回のゲームにおいて、勝敗は既に決まってるわ。

 

試合には負けても良い。

だけど勝負に勝つ必要があるのよね。

だからこそ油断も慢心もしないわ!

 

「一番厄介なのは、赤龍帝の倍加を受けた

ギャスパー君の神器の使用よ」

 

コレに停められるのが最悪のパターン。

 

会談の際に天使や堕天使、そして悪魔の精鋭

を停めた力。

現在の出力は未知数だし、可能性を考えるなら

コレが一番厄介だわ。

 

魔法使い達が停まらなかったことを考えれば、

何かしらの対策は取れるみたいだけどね。

 

ソレに対して、今回私たちが用意したのは

ヨシコ=サンよ。

 

正確には私たちが用意したわけじゃないけど、

その辺はどうでも良いわ。問題は私が彼女を

きちんと戦力として使いこなせるかどうかよ。

 

とりあえず私たちが急に停止したときに、

狼狽しないで動けるように打ち合わせを

しておかないとね。

 

「ならば予定通り、開始と同時に私が神器を

使う形で良いかな?」

 

そう言って腕を叩くヨシコ=サン。

 

確かに彼女が簪様から与えられた神器には、

アレに対抗するだけの力があるって話だし。

 

サイラオーグみたいに温存して負けるのも

馬鹿らしいし、普通に使って貰いましょう。

 

「それにヴリトラを宿す俺にもアレは通用

しないみたいですから、最悪は俺が前に出て

時間を稼ぐ形になりますね」

 

匙は自信ありげにそう言って来る。

 

まぁ確かに。暴走状態で有りながら当時の

禁手すら出来なかった赤龍帝が動けたくらい

だから、アレは龍気でも防げるみたいよね。

 

それならば向こうが成長したとしても、暴走

以下の出力なら今の匙の動きを停めることは

不可能でしょう。

 

地力の違いを考えれば、私たちも多分大丈夫

だとは思うけど、油断は禁物よ。

 

そう考えながらみんなの装備を見る。

 

基本的に蒼いローブ着用で、下はヨシコ=サン

がエクソシスト時代に使っていたような肌着を

鎧下にして、その上に特殊な素材の革鎧っぽい

鎧を纏って体の線が出ないような格好をしてるわ。

 

ヨシコ=サンはさらにフルフェイスの兜も

装備してるわね。

剣を携える様子は、なんて言うのかしら

どこぞの傭兵団を率いる鷹って感じ?

 

他の皆も、ソレなりに高価な素材を使用した

防具で、魔力による攻撃やらナニやらを軽減

する効果が有るのを装備させてるわ。

 

公爵家のお金をこんなことに使うのはアレ

だけど、眷属の皆に怪我をさせない為だし、

次期当主の面目を保つ為だもんね。

 

要らないなんて言えないわ!

 

ちなみに体の線が出ないってことは、随所に

余裕が有って行動を阻害するってことだけど、

筋肉や関節の動きから行動を予想されない

ってことでもある。

 

何よりそれでも学生服と比べれば十分に

動きやすいし、戦場へ行くのに部下に防具も

持たせない王なんて言われたくは無い。

 

それに防御力が有るって事は、それだけ思い

きった行動が取れると言うこと。

 

赤龍帝の保持者が禁手をした時なんかは、

攻撃力より防御力の強化が厄介だしね。

 

後は赤龍帝対策。本人の倍加に関しては私達

ではどうしようも無いけど、ヨシコ=サンの

神器なら対応出来る。

 

ギフトによる上乗せも洋服崩壊もシロネ様が

用意した護符が有るから、間違いなく防げる。

 

原理については簡単な説明しか受けて無いけど、

ソコを疑う気はない。

 

まぁ龍気対策だから、ヴリトラを宿す匙には

護符が無いけどね。だけど、赤龍帝の性格を

考えれば男にアレは使わないと思うのよねぇ。

 

使われたらリタイアしろとは言ってるけど、裸に

された不良と裸にした性犯罪者の絡みかぁ。

 

ウチの子が腐らないか心配だわ・・・

 

ま、まぁ良いわ。私は私がするべきことをする。

そこに感情は交えない。

 

・・・だけどね。

 

「性犯罪者、兵藤一誠は必ず殺るわ。ソレを

可愛がるリアスにも屈辱を味わってもらうし、

立場を弁えずに同調する姫島朱乃も同罪よ!」

 

リアス。学園の秩序を乱す連中は許さない。

私はそう宣言したわよっ!

 

「「「サー・イエッサー!」」」

 

確固たる意思を宿した私の言葉に、直立不動の敬礼で答える眷属のみんな。

 

「このゲームが終わったら、連中はグレモリー

が隔離して教育するらしい。だけどその前に

思い知らせて殺るのよ!奴らの愚行に対して

私がどれだけ怒り狂ってるかをねッ!」

 

私たちが血の池で溺れてた時、奴らは学園の

プールでナニをしてるのかしらねぇ?

 

「「「サー・イエッサー!」」」

 

その他にも沢山報告が上がってきたセクハラや

痴態の数々。

 

アイツら、この私を舐め腐りやがってっ!

 

叫び声を上げたくなる激情を抑えて、努めて

静かな声で語りかける。

 

「私たちはこれから『英雄』とゲームをするわ。

とても大変なゲームになるでしょう。

もちろん逃げ場はない。

勝負に勝って明日を手に入れるか、負けて全てを

失い地獄に落ちるか。

どう?殺り甲斐を感じるわよね?」

 

下手を打てば物理的にも精神的にも地獄に

堕ちる。まさしく崖っぷち!

 

だからこそ楽しみよね?

 

「「「サー・イエッサー!」」」

 

皆も理解してるようで何より。ならば問おう!

 

「ではみんな。私たちの特技はナニ?」

 

「「「殺せ!殺せ!殺せっ!」」」

 

「この試合の目的はナニ?」

 

「「「殺せ!殺せ!殺せっ!」」」

 

「私たちは学園を愛してるか!?闘争を、

戦争を、殺戮を愛してるか!?」

 

「「「ガンホー!ガンホー!ガンホー!」」」

 

「OK!往くわよっ!私たちの戦場へッ!!!」

 

「「「サー・イエッサー!!」」」

 

 

リアス!箱入りの英雄様にインガオホーと言う

言葉の意味を教えてあげるわっ!

 

 

 

・・・ついに戦争が始まるっ!

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーアジュカ視点ーー

 

両チームがステージに転送されて、これから

若手交流戦第三戦が始まろうとしている。

 

始まろうとしているんだが・・・

 

「んん?なぁ、オーディンサン?俺の記憶が

確かなら『英雄』で赤龍帝を擁してるのって、

紅い髪をした方だよNA?向こうの眼鏡の方

じゃ無いよNA?」

 

帝釈天が心底不思議そうな顔をして隣の

オーディンに確認を取る。

 

「儂もそう聞いておるがのぉ。眼鏡の方は

セラフォルーの嬢ちゃんの妹で、今回が

初陣と言う話じゃったが・・・」

 

自信無さげに髭を撫でるオーディン。

 

うん。わかる。

 

片や学生服で、試合を頑張るわ!って感じの、

見るからに未熟な若手連中。

 

片やガチ装備で、落ち着いて殺るべきことを

殺るって感じを漂わせる歴戦の兵士。

 

どう見ても実戦を潜り抜けてきた『英雄』は

ソーナにしか見えん。

 

「なぁサーゼクス。あの嬢ちゃん・・・何だ?」

 

アザゼルの情報でも、ソーナはリアスと対を

なす阿呆としか知らなかったのだろう。

 

明らかに怪訝そうな目でソーナ陣営を見ている。

 

そんなアザゼルの質問に答えたのは、質問された

本人ではなく、隣にいるセラフォルー。

 

「もちろん私の可愛い妹のソーナちゃんだよ!

うんうん。前の会合の時も思ったけど、アレから

さらに成長してる☆頑張って鍛えたんだね♪」

 

歌いだしそうな程の上機嫌でセラフォルーが

来賓にソーナを紹介するが、気持ちはわかる。

 

一時期は阿呆だの何だのと陰口を叩かれて、

貴族連中の中でさえ孤立しかけたソーナが、

貴族派筆頭のオセに目をかけられて育成まで

してもらえたのだ。

 

その結果を来賓にもわかるようにお披露目

出来たとなれば、そりゃ上機嫌にもなるさ。

 

それに、個の力はゼファードル並みとまでは

行かないが、チームとしての完成度の高さは

一見しただけでわかる。

 

全員が最上級悪魔に匹敵し、ソレが連携を

組めると言うなら、チームの総力としては

サイラオーグを凌ぐのは確実。

 

もともと教師を目指していて、冷静さと

視野の広さを兼ね備えた彼女は、指揮官と

して高い資質を誇ると目されていたのだ。

(我々の身内贔屓も有るがな)

 

このまま順当に経験を積めば、直ぐにでも

ゲームのトップランカーに名乗りを揚げる

ことになるだろう。

 

まぁ会合の時はアレだったから、今の彼女が

ゲームに夢を抱いてるかどうかは不明だが。

 

つくづくあの時のサイラオーグやリアスの

暴走が痛い。

 

反対にサーゼクスは冷や汗が止まらない様子だ。

 

しかしこれ以上の贔屓は流石に許さんぞ。

 

なんと言っても今回は、未だにリアスが満足に

使いこなせない吸血鬼の神器の使用を許可し、

会場も建物の内部にしたんだ。

 

更に建物の破壊を行わせない、つまりは力を

セーブして戦わせることで、怪我の可能性を

減らすと同時に地力の差による被害を抑え

ようとしたわけだ。

 

英雄が惨敗するわけには行かないし、ソーナも

大怪我をする可能性が減るからセラフォルーも

認めたが・・・そんな小細工はこれっきりだ。

 

ソレにあの二人を見比べればわかるが、この程度

の小細工が通じるほど戦力は拮抗していない。

 

サーゼクスの狙いは初手でリアスが吸血鬼の

神器を発動させ、建物内部のメンバーを

敵味方問わず全て停止させることだろう。

 

そして赤龍帝が動けることを確認したら、

危険だからと言ってゲームを終了させる。

 

動きを停められたソーナには英雄と戦うだけの

力が足りなかったと言う形で収めるわけだな。

 

だがその為には、リアスが自分が停まってでも

相手を停めて、赤龍帝に全てを託すと言う

決断をする必要が有る。

 

更にオセによって鍛えられていた彼女達が、

あの神器に対して何の対策も取っていない

マヌケだと言うことも必要条件になる。

 

つまりは無理だ。あきらめろん。

 

「はぁ~新人でコレかYO!昨日の麻雀野郎と

言い、あの眼鏡の嬢ちゃんと言い、中々層が

厚いじゃないKA!これに赤龍帝を擁する

英雄が加わるんだRO?こりゃテロリストも

大変DA☆」

 

若手のゲームや赤龍帝以外にも見るモノが

有ったと上機嫌な帝釈天。

 

どうやら第一戦では相当退屈させたようだな。

 

まぁ、普通なら若手ではなく皇帝の試合を

見せるのが筋なのだろう。

 

ボクシングで言えば四回戦、いや、デビュー

前の新人の試合を見せられるようなモノだ。

 

接待ならタイトル戦見せろと言われるのが

当然だからなぁ。

 

若手に夢を見ているのは我々の勝手。そんなの

相手には関係ない。

そんな当たり前の事すらわからんから、我々は

いつまでもガキ扱いなのだろう。

 

この辺の判断も政治力になるのだろうな。

 

「うむ。若手の育成能力を見れば決して

侮れぬ。悪魔勢力単体でも厄介よな」

 

オーディンはソーナやゼファードル本人では

なく、ソレを育て上げたモノ。つまりは師や

環境を見ているようだ。

そうして俺たちを敵に回した際のリスクを

計算しているのだろう。

 

サーゼクスや俺と言った個の力以外にも見る

べきところが有ると判断してもらえたとも

言えるが、結局はオセのお陰と言うのがな。

 

『作戦時間は30分です。この間に対戦

相手と接触することは禁じます。

ゲーム開始は30分後を予定しています。

・・・では作戦時間です』

 

と言うか、何故グレイフィアが審判役なんだ?

 

前回のゲームで、殺りすぎを止めれなかった

からと言う名目で強者を送り込んだのは

知ってたが・・・せめて派閥の悪魔にしろよ。

 

いつの間に潜り込ませたのかは知らんが、

いくらなんでも公平性に疑問が出るだろう?

 

アレか?可愛がってた従兄弟のサイラオーグ

みたいに、リアスが蹂躙されたら困るからか?

 

ソーナ側から文句が上がらないから良いと

言うのかも知れんが、普通はそこで文句は

言えないぞ。

 

セラフォルーは変態貴族を見るかのような

目をサーゼクスに向けてるし。

 

つーか、目が怖っ!

 

「あの馬鹿・・・」

 

セラフォルーの目に驚いてる間にも、

ゲームの作戦時間は着々と進んでいる。

 

そんな中、アザゼルが頭を押さえてナニかを

呟いている。

 

何があった?そう思い、ディスプレイを

見てみれば・・・

 

『イッセー君?ナニを見てるのかしら?』

 

そう言いながら赤龍帝に抱きつくリアスの

女王。そして赤龍帝の居る場所は本屋だ。

 

それも成人用雑誌が置かれてるコーナー。

幾つかの本が開かれているところを見ると

どうやら赤龍帝が立ち読みしてたらしい。

 

・・・ナニをヤってんだアイツらはっ?!

 

事態を把握し、一瞬固まった俺は、思わず

手にしていた双方の眷属のデータが書かれた

書類を地面に叩きつけた!

 

そんな俺のリアクションを見て、セラフォルー

やファルビウム、サーゼクスや他の来賓も異常に

気付いたらしい。

 

『今度、こう言うの着てあげましょうか?』

 

『ま、マジっすか?!』

 

驚愕する俺達を放置して、馬鹿どもの痴態は

会場に居る全員が目にすることになる。

 

帝釈天は眉を潜め、オーディンは見るに

耐えんと他に目をやり、悪魔の貴族たちは

あまりの出来事に目を見開く。

 

ヤツらがサーゼクスの妹の眷属で、バラキエル

の娘や赤龍帝だからこそ何のリアクションも

されてないが、そうで無ければこの場で

査問委員会が組織されているだろう失態だ。

 

我々の法に国家侮辱罪とか有ったかな?

現実逃避してる間にも、昼ドラは続く。

 

抱き合う赤龍帝と抱き締める腕に力を込める女王。

 

『あ、朱乃さん。どうしたんですか?』

 

『イッセー君から戦う勇気を貰ってるんです』

 

何を言うかと思えば今さらソレかよ!

ゲームの前から覚悟くらいしとけやっ!

 

つーか、主を差し置いてナニしてる?!

いや、ソレ以前に今は作戦時間であって、お前ら

の恋愛の時間じゃねーよっ!

 

ツッコミが追い付かんっ!

 

「「舐め腐りやがってっ!」」

 

声のした方を見れば、サーゼクスとセラフォルー

が変態を見る目で連中を凝視していた。

 

セラフォルーはわかる。ヤツらは完全に

ソーナを舐めてるからな。

 

サーゼクスはアレか、リアスを差し置いて

赤龍帝と仲良くしてるからか?それとも

大事な作戦時間をあんなことに使って、

主の顔に泥を塗ったからか?

 

どちらにせよ。二人の魔王は殺意を込めて

ディスプレイを眺め、ファルビウムはソーナの

眷属の動きを見ることにしたようだ。

 

来賓の相手をするアガレス大公の背中が

煤けて見えるのは気のせいでは有るまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲーム開始前の作戦時間。その中の僅か十五分

にも満たない時間で『英雄』が己の眷属を御し

きれてないことが露呈することになった。

 

今まで散々鍛えられたと思っていたが、まだまだ甘かったようだ。

 

奴等をどうやって『英雄』のまま隔離するかを

考えるが、俺にはナニも思い付かん。

 

 

 

 

 

すまん。ファルビウム。後は任せた・・・ぞ。

 

そうして俺は緊急用の医務室に搬送された

のであった。




知将、リアス部長の策を読めるヤツなんか
居ないぜっ!

サーゼクス、色々援護射撃をしているもよう。

セラフォルーはずっとあの目をしている。
(一応解説すると、ウサミちゃんの目です)

魔王を倒すのは英雄の仕事だろ?
そんな感じの事を言ってた槍使いが居るらしい。

お前らに反省と言う文字はねぇのか?
主の為に全力を尽くすとか、匙の夢を潰す
とか言っておきながら、衆人環視の上で
エロ本の立ち読みとラブコメである。

いや、なにしてんの?ってお話。


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