とある師弟のD×D   作:カツヲ武士

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今日も一話だ!

とうとう始まったペニーワイズ会長VS英雄!

英雄は数の少なさを覆すために
誰もが思いつかない策に出る!


オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばし!

かなり荒いので、修正の可能性大!


72話

ーー兵藤一誠視点ーー

 

あ、危なかった!いや、ナニカ危険なこと

があったわけじゃなく、朱乃さんと

見つめ合ってもう少しで朱乃さんの唇と

俺の唇が重なるってときに「ピピピッ」

って言うあと五分のアラーム音がしてさ。

 

そのままハッとなって離れたんだけど、

あの雰囲気は本当に危なかった!

 

もしも朱乃さんとあんな雰囲気でキスした

なんてバレたら部長に怒られるしな!

 

何回も来たことが有る場所だったから、下見の

報告も出来たし、上手く誤魔化せた・・・と思う。

 

部長に俺の知ってることを報告した後は、

俺はアーシアやギャスパーと話してるし

朱乃さんは部長と作戦会議してるけど、

どうしてもさっきのが気になって目で

朱乃さんを追ってしまう。

 

俺の視線に気付いた朱乃さんは、軽く

微笑んで小さく手を振ってくれるけど、

部長が気付いたら大変なことになるので

やめて下さい!

今は地図に集中してるけど、いつ視線を

上げるか分からないから、本当に心臓に

悪いっす!

 

そんな俺たちを見て「むーむー」と言って

服を引っ張るアーシアも可愛い!

 

『・・・定刻です』

 

俺たちが思い思いの時間を過ごす中、作戦時間

の30分は終わったようだ。

 

それにしてもグレイフィアさんの声が、

いつもと違うというか何というか。

 

柔らかさが無いって言うのかな?

前に朱乃さんを叱った時ほどでは

ないけど、何かを我慢してるみたいに

聞こえるのは気のせいだろうか?

 

もしかしてアレか?部長の応援したいけど

出来ないから、我慢してるのかな?

 

うんうん。わかるぜ!義姉としては義妹を

応援したいし、悪魔としては英雄を

応援しないと行けないんだけど、部長が

サーゼクス様の妹で、グレイフィアさんが

サーゼクス様の女王だからな!

そんなあからさまなコトは出来ないってことだろ?

 

そりゃ色々我慢してるよなぁ。

 

『開始のお時間となりました。尚このゲーム

の制限時間は三時間の短期決戦形式を採用

しております。それではゲームスタートです』

 

「え?!」

 

グレイフィアさんの内心はともかくとして、

急に告げられた短期決戦形式と言うルール

に驚く俺。

 

だけど驚いてるのは俺だけで、部長を始め

とした皆は特にリアクションを取っていない。

 

本番のゲームでもこうしていきなり告げられる

こともあるんだろうか。

 

いや、だからこそ30分の作戦時間を

用意したと考えれば予想は出来たのかも。

 

流石部長がハマってるレーティングゲーム。

本当に奥が深いぜ!

 

感心していると、部長が椅子から立ちあがり

気合の入った力強い視線を俺たちに向けて言う。

 

「作戦はさっき話した通り。まずはギャスパー

の神器を使うわ。

イッセーは直ぐにチャージを開始して」

 

「はいっ!」

 

部長の指示に従い力を溜める!部長は

一気に決める気だ!

 

「デパートの内部の全部を停止したら

イッセー以外の全員が停止する。

つまり私たちまで動きが止まるわ」

 

そ、そうだな。俺は前の暴走状態でも

動けたし、今回は暴走ってわけでもないから

多分問題なく動けるだろう。

 

だけど部長を始めとした他のみんなが

止まったら見てる方も困るよな。

 

「だからまずはイッセーとギャスパーを

除いた私たちみんなで立体駐車場へ向かうわ。

イッセーはギャスパーに譲渡したあと、

店内を突っ切って、本陣を目指しなさい」

 

「はいっ!」

 

向こうの本陣は一階の西側だ。

 

突っ切るってコトは吹き抜けを利用して

中央突破しろってことか?

 

「ギャスパーは合図が有り次第、神器を

使って頂戴。ココからなら視界に入るのは

デパートだけだから、特に問題はないはず」

 

あーデパートと駐車場が一体化してたら

同じ建物扱いになるってことか。

その辺はどうなんだろうな?

 

「もしも私達が停まってもイッセーは

無視して動きなさい。

私が停まるって言うことは向こうも止まる

ってことだからね、そのままソーナに拳を

突きつければグレイフィアが勝利を宣告

するでしょう」

 

「な、なるほど。俺しか動けないなら

ソレで終わりですもんね!」

 

何の対処もせずに部長たちも停まったなら

アレだけど、キチンと対処した上でも

停まったら、それはギャスパーが強いって

ことになる。

 

そうなればその強いギャスパーを眷属に

してる部長も強いってことになるのか。

 

完璧だ!完璧な作戦だぜ!

 

「そういう事よ。問題はソーナ達もソレを

警戒して、屋外や立体駐車場に移動する場合ね」

 

ふむふむ。そうか、向こうもギャスパーの

神器は知ってるんだもんな。

 

そりゃ警戒するか。その場合どうするんだろう?

 

俺が考えていると、朱乃さんが柔らかい笑みを

浮かべて説明してくれる。

 

「そのためのイッセー君ですわ。私たちの

メインアタッカーで有るイッセー君が脇目も

振らずに中央突破しようとしていたら、

こちらにどんな狙いが有っても向こうは

イッセー君を止めないといけません。

まさか素通りさせて、イッセー君を女王に

させるわけにはいきませんからね。

だけど今のイッセー君を食い止める為には

それなりの戦力が必要になるでしょう?」

 

あ~それはそうだよな。匙は兵士の駒を4つ

使ってるらしいけど、俺はその倍だ。

 

その上、経験を積んで更に堕天使の幹部に

鍛えられた今の俺を相手にするには、

初陣の匙一人じゃ無理だろう。

 

そうなれば最低でも何人かが俺を止めに

来る事になる。

 

ソレを全部停止させて撃破すれば、向こう

の眷属を一気に減らせるってわけか!

 

すげぇ。十重二十重って言うのか?

 

一つの動作で何重にも罠を仕掛けて、どれか

を外してもしっかりと部長の計算通りになる

ように会長と俺たちを動かしてるぜ!

 

コレが掌の上って奴かッ!

 

「わかってても避けられない策こそ上策。

戦力を分散させたところを各個撃破でも

良いし、纏まって停まるならそれまで。

もしもイッセーを無視して本陣を捨てて

動くなら、イッセーにはそのまま女王に

なって無双してもらうわ」

 

おぉ!完璧だ!まさしく完璧ッ!

 

この勝負もらったなっ!

 

 

 

 

ーーソーナ視点ーー

 

 

『・・・定刻です』

 

グレイフィア様からの作戦時間終了の連絡

がアナウンスされたけど、何かしら?

なんか奥歯にモノが挟まったような感じが

したけど、リアスがナニカ面白いことでも

したのかしら?

 

『開始のお時間となりました。尚このゲーム

の制限時間は三時間の短期決戦形式を採用

しております。それではゲームスタートです』

 

「「「えぇ?!」」」

 

眷属の皆がいきなりソレ?!と言った感じで

驚くが、まぁリアスやサーゼクス様の立場を

考えたら想定できるわよねぇ。

 

元々接待で来賓の方に見せるゲームだし、

チンタラするのは問題外。

 

更に制限時間無しでどっちかの全滅なんて

ルールにしたらリアスが大変な目に遭う。

 

英雄が無様に負けるわけにはいかないものねぇ。

 

「疑似神器開放。七剣抜刀!『時に煙る白亜の壁』」

 

開始と同時にヨシコ=サンが早速神器を展開した。

 

ヨシコ=サンの神器を開放した際の姿は、

三メートルくらいの大きさの全身鎧。

色は上半身の装甲は青を基調にして

下半身は白が多いわね。

そして爪先や正中線の所々に赤が有る。

 

背中の翼にも大きな盾にも見える剣と、

黒い銃にも見える槍がメインだけど、

そもそも彼女の神器である七剣の『剣』

とは剣だけではなく7つの武器と言う意味を持つわ。

 

教会の7つの丘とか、7つの首を持つ獣を

打倒する武器をイメージしたらしいけどね。

 

その内訳が酷い。

 

1・盾にも翼にも見える剣。ある意味正しい

  バスターソード。

  殴り倒すこともできるし、結界の起点

  にも使えるわ。召喚?ハハッ。

 

2、3・マンゴーシュとサーベルの雌雄一対剣。

  武器破壊と他にもナニカあるようだ。

 

4・魂を刈り取るハルバート。重いのよね。

 

5・忍者刀。自分や相手の血液を武器に

  纏わせ様々な効果を生み出すわ。

 

6・クナイ。何故か胸元から無尽蔵に出てくる。

  ヨシコ=サンは豊満である。

 

7・銃のように見えるけど、実際は槍になる。

  魔力を始めとした異能を破壊する槍ね。

 

コレ全部に聖なる属性付与って・・・

もう全部彼女一人で良いんじゃないかしら?

 

ま、まぁ使いこなすにはまだまだ技量が

足りないらしいけど。

 

とりあえず今回使ったのは一つ目の剣。

コレでこの一帯に対する結界を張る

ことで魔力攻撃は遮断出来た。

 

今からギャスパー君の神器を発動させても

自爆で終わるわ。

 

なにせ結界内部はある意味で異界。

私たちが居るのはデパート建物の中ではなく、結界の中。

 

ギャスパー君が直接視認してくるなら

まだしも、建物と言う括りで私たちを

止めようとしても無効化出来る!

 

・・・それにしても不可解なのはリアスよね。

 

なんでダメもとで初回神器の一手を使って

こなかったのかしら?

 

赤龍帝のチャージが間に合わなかったから?

 

ソレとも私たちが何らかの対策をしている

と判断したから?

 

もしくは自分が停止する可能性を考えて臆した?

 

・・・最後のが一番ありそうなのが何とも言えないわ。

 

「とりあえずコレで本陣は問題ないわね。

ではこれから予定通り、匙と留流子が先行。

赤龍帝とぶつかってもらいます。

もしギャスパー君がコウモリとなって監視

や情報収集してたとしても、出来るだけ

落とさないようにしてください」

 

後半になったら、何人かが本陣から出て

ワザと彼の神器を受ける必要があるのよね。

 

そうしないと勝負にならないから。

 

『彼の神器で動きを止められたから、

危険と判断してリタイアさせました』

ってところかしら?

 

英雄様に華を持たせるのも大変だわー(棒読み)

 

「了解です。俺たちはど真ん中を普通に

歩いてれば良いんですよね?」

 

「えぇ。そうよ。吹き抜けを利用して

まっすぐ向こうの本陣を狙って頂戴」

 

匙の確認に対して首肯する。

 

「了解です!それじゃ早速出ます!」

 

「行ってきます!」

 

そう言って匙と留流子は店内の中央に

ある吹き抜けを目指して出発した。

 

同級生と戦うことに迷いはないみたい。

兵士は前に進むのが仕事だもんね。

 

その調子で強くなりなさい。

いずれ上級悪魔になったら留流子や桃と

結婚させてあげることも出来るでしょう。

 

そんな眷属の未来を夢見てふと笑みが溢れる。

 

まぁ今はそんな未来よりもゲームよね。

 

本当のチェスと違って、レーティング

ゲームでは兵士をプロモーションさせる

必要はほとんど無い。

 

特に今回みたいに力任せに戦えない

ようなフィールドなら、底上げされた

力より、普段通りの力で戦うのが上策。

 

兵士の駒を4つ持つ匙が女王になったら

その力の制御だけでも大変だろうしね。

 

赤龍帝なんかさらに力に振り回される

んじゃないかしら?

 

結局のところ今回リアスが私たちに勝つために

取れる手段は、開幕の神器開放か、赤龍帝を

女王にプロモーションさせてから一旦退かせて

後半に禁手させて半ば暴走気味の無双。

 

赤龍帝の暴走に関しては、建物の被害が

アレだけど、負けるよりはマシ!って

割り切ればヤってくる可能性が高いわ。

 

もしくはそう見せかけて、あえて赤龍帝を

中央突破させてこちらの注意を引き、

人狼と姫島朱乃とギャスパー君により本陣を強襲。

 

そこで私たちが強襲に対処しているうちに

赤龍帝がリアスと合流。

 

譲渡と滅びの力の組み合わせで本陣ごと

消すって形よね。

ライザー・フェニックスさんの使った強襲

に近い戦法だけど、赤龍帝の譲渡が有れば

さらに効果が増すから、普通なら侮れない。

 

後は一丸となっての中央突破かしら?

 

数が少ないからこそ戦力を集中させて

くるでしょうね。

 

一応発見しても潰さないようにとは

言ったけど、ギャスパー君を監視や

情報収集には使わないでしょう。

 

折角今の自分には扱いきれない特上の

神器の開放許可が下りてるんだから、

最大限活用しないとダメよね。

 

普通に考えたら全体の動きを止めるより、

人狼あたりが担いで持ってきて正面から

乗り込み、私たちの動きを個別に止めて

そのまま撃破って言う流れが一番効果的だもの。

 

わざわざ短期決戦で単独行動をさせて、

各個撃破されるような手段は取らないでしょう。

 

あとは、兵藤一誠を囮にして駐車場から来るかしら?

 

囮と見せかけて主力と見せかけて更にって

言う何個かの策のウチの一つに使うんで

しょうけど、それは戦力の逐次投入よ?

 

その場合は譲渡が無いから、分散した方を

そのまま力の差で潰せるのよねぇ。

 

とりあえずコチラは赤龍帝狙い。

 

性犯罪者への折檻と、チームの要を抜くことを最優先させてもらうわ!

 

「椿姫、憐耶と巴柄を連れて駐車場に

行って罠を張って頂戴」

 

椿姫の追憶の鏡の禁手を使えば、駐車場に

来た敵は間違いなく潰せるわ。

 

時間稼ぎにもなるし、建物への被害もない。

今回のルールに一番役立つわよね。

 

と言うか魔王様方はリアスをどうしたいのかしら?

 

リアスってなんだかんだで脳筋だし、

感情と依怙贔屓の塊みたいな上司だから

指揮官としての適性は無いでしょ?

 

それぞれの眷属の個の力を暴走させる

以外に勝ち目がないって言うのは当然

わかってるわよね?

 

「了解です。ですが、駐車場に英雄様が

来た場合はどうしましょう?」

 

椿姫が確認を取って来るけど、有り得るかしら?

 

リアスが駐車場にってことは、それは

つまり完全に兵藤一誠を囮にするってことよ?

 

あのリアスが、ゲームとは言えそんな非情の手を打てるの??

 

普通なら兵藤一誠を囮としたと見せかけて、

その後ろからアーシアさんを連れて来ると

思うけど・・・

 

でも可能性は考慮しなきゃだめよね。

 

リアスが駐車場に移動する利点は何かしら?

全員で本陣への奇襲?無いわね。

私たちの力を知らないのに総大将が奇襲に

動くなんて有り得ないわ。

 

少なくともギャスパー君の神器に対して

どんな対処をするかって言うのを見るはず。

 

彼女にとっての勝ち筋は「どれだけ上手く

ギャスパー君を使うか」なんだから。

 

それはともかく。

 

「普通なら無いと言い切れるけど、その場合

は罠は解除ね。

でもね椿姫。色んな状況を想定するのは

良いけど、指示に問題がないならまずは

さっさと動いて頂戴」

 

その方が効率的だし、無駄に使って良い時間は無い。

 

そう言う意味合いも兼ねて、殺気を込めた目を椿姫へ向ける。

 

「は、はいっ!スミマセンデシタッ!」

 

私の視線を受けて直立不動で敬礼する椿姫と何故かそれに続く眷属のみんな。

 

そうよソレで良いの。今の私は学園の

生徒会長じゃなく王。つまりは上官よ。

 

指示そのものに問題があるならともかく、

罠を張った結果に対する想定は罠を張る

前にするべきじゃないわ。

 

とは言え誤解されても困るわね。

 

「みんなもわかってると思うけど、今のは

意見を言うなって言うことじゃないわよ?

動きながら考えて、疑問に思ったことを

その都度聞いてきてくれれば良いの。

まずは指示通り動けってことだから。

・・・イイね?」

 

「「「「サー・イエッサー!」」」」

 

返事を返すのは良いことよ。でも

今は作戦行動中。

 

「わかったらさっさと往け」

 

来賓の方々も見てるんだから、いつまでも

学生気分で居るんじゃないわよ!

 

「「「サー・イエッサー!」」」

 

椿姫達はそう言って立体駐車場へ向かう。

 

気付かれても対処できない策なんてのは下策。

本当の策とは最後まで気付かせないモノよ。

 

「むっ?」

 

リアスが考えているであろう策を潰す為に

色々な想定をしてたら、隣で待機してたヨシコ=サンが声を上げた。

 

「どうしたの?」

 

トイレなら3時間は無理よ?

 

流石に実戦慣れした彼女がそんなことを

言うとは思ってなかったが、どうやら

リアスは私の予想以上にアレらしい。

 

「結界表面にナニカの干渉を感じた。

どうやら向こうの吸血鬼が神器を使った

ようだな」

 

今更?ナンデ?何かの準備をしてたの?

 

そう思いながら「見ろ」と言われて彼女が

指差す方向を見れば、いつの間にか胸元から

抜かれていたクナイが投げられており、

雑貨品を売っている店の商品を破壊していた。

 

商品を破壊したクナイはそのまま消えたけど、

破壊された商品は時が止まったかのように

地面に落ちることなく静止している。

 

なるほど、クナイは聖なる力が内包されて

るから大丈夫だけど、商品はそうじゃない。

 

つまり店舗全体が停められたってわけね。

 

「まったく厄介な神器ね。とは言え

間接的な干渉ではヨシコ=サンの結界を

破れるほどの出力は無いってわけか。

一応威力確認の為に結界の外に出る必要が

あるわね・・・翼紗!」

 

「ハッ!」

 

本陣に残っている翼紗に結界の外に出る

ように指示する。

 

本当はこんな毒見みたいな真似は嫌い

だけど、この中で動けるかどうかって

言うのは今後に大きく関わるからね。

 

「「「・・・」」」

 

私たちが見守る中、恐る恐る結界を出る翼紗。

 

怖いわよねぇ。ごめんね。

 

そんな気持ちを表情に出さないように苦心

しつつ、ゲームの後で皆にナニカ欲しい

ものをあげようと心に決める。

 

当たり前に部下を殺せるような、でも

絶対に無駄死にさせない指揮官が理想だと

言うのは知ってるけど、やっぱり眷属の

皆を危険に晒したくないと思う。

 

・・・私には兵士を鍛えて地獄に送り込むことなんかできない。

 

レーティングゲームの学校を作るなんて

無謀で外道な夢を早めに諦めてよかった。

 

本心からそう思うわ。

 

胃を痛くしそうな時間の中、翼紗は

普通に動いて、壊れた雑貨をもって、

結界内に戻ってきた。

 

結界に入ると共に砕け散った雑貨を見て、

私たちにはギャスパー君の神器が通用

しないと言う結論が出た。

 

コレは力の差なのか、それとも護符のおかげなのか。

 

とりあえず最悪の状況は脱したわ。

 

コレで今回のゲームで私がシトリー家の顔を潰すことはない。

 

「「「ふぅ・・・」」」

 

私も予想以上に緊張してたみたいだけど、

私以外の皆も相当緊張していたみたいね。

 

溜息のタイミングが完全に私と被っていたのがちょっと面白かった。

 

時計を見れば、開始から10分ほど経っていた。

 

なんでこのタイミングで神器を使って

来たのかはわからないけど、この時間

全部チャージに使ったとすれば、

一体どれだけの力がギャスパー君に注がれたかわからないわね。

 

・・・性犯罪者が溜め込んだ力を注がれる男の娘かぁ

 

 

 

 

 

・・・

 

 

ま、まぁいいわ!

 

これから赤龍帝を潰せばこれ以上の力は来ない。

つまり私たちの動きが封じられることはない。

 

第1段階にして最終段階はクリアしたわ。

 

後はずっとこちらのターンッ!リアス。これから先は地獄よ!

 

 

 

 

・・・どうやって負けようかしら。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーアザゼル視点ーー

 

 

擬似神器だと?!ならアレはカンザシ・オセの作か?!

 

シトリーの戦車が展開した神器を見て

驚いたのは俺だけじゃない。

 

「へぇ。なんつーか。聖書の神が創った

鎧より洗練されてんNA!それに結界まで

使ったZE?それも中々の強度DA!」

 

明らかにオヤジや俺とは違う作風の

神器に興味を示す帝釈天。

 

「ほほう。コレはコレは。神秘と科学の

融合と行ったところかの?」

 

知識に貪欲なオーディンの爺さんも、

赤龍帝や吸血鬼そっちのけで向こうの

神器を観察している。

 

だが一番動揺してるのは・・・

 

「ば、馬鹿な!小柄だが上半身に青が多めの、

対ビームコーティングを施されたEカーボン!

翼にも見える大剣ッ!銃のように見える銃剣!

・・・いやアレは他にもナニカ隠しているな?!

そして脚部や腰の部分にも収納がある!更に

背中のDNドライヴまで忠実に再現しているッ!

間違いない!アレは00ダンガムの主人公である

イナバ・U・レイセンが乗るダンガム七剣!

セラフォルー様!アレは一体どういうことですかッ?!」

 

普段温厚なアガレス大公が、目を血走らせて

セラフォルーに質問している。

 

いや、ありゃ質問というよりもはや詰問だな。

 

「え、えぇ?そんなこと言われても・・・」

 

アガレス大公のあまりの勢いに、さっきまでの

目つき悪っと言われるような目つきから一転、

わけがわからないよと動揺するセラフォルー。

 

まぁダンガム云々言われても、魔法少女にしたら

さっぱりわけがわからないよな。

 

アジュカもいねぇし。

 

とりあえず、この神器を展開したことにより

リアス・グレモリーの策は根底から覆された。

 

元々策ってほどのもんじゃなかったが・・・

作戦時間でアホやってた連中に期待する

のが間違いか。

 

残るは分散した戦力の各個撃破だ。

 

いやはや、初手で相手の策を潰すのは

基本だがよぉ。まさか結界によって

建物との境界を定めることで、間接的な

停止を無効するとは。

 

 

元々勝敗がわかってたゲームだから、

特に見るべきものはないと思って

居たがとんでもねぇ。

 

奴らがオセの関係者だとわかれば、使う

技術の一つ一つが革新的なブレイクスルー

の可能性を孕むってことだ。

 

この試合は一瞬たりとて目が離せねぇな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つーか、こっからシトリーの嬢ちゃんが

どうやって負けるのか・・・逆に興味が出てきたぜ。

 




ヨシコさんの神器は完全にネタだからな!引っ張らないぞ!


手に汗(脂汗)握るレーティングゲーム第三戦!
勝つのは常勝(腐敗)と不敗(初陣)か?!。

フェニックス?最終的に婚約破棄と言う
目的を果たしたから、コレはもう戦略的な
勝利と言っても良いのではないでしょうか?


感想で頂きましたが、獅子王の戦斧に
使われているネメアの獅子は、沢山居る
獅子の中の一頭らしいですね?
(原作10巻参照とか)
・・・いや、それで良いのか神滅具?

まぁネメアの獅子の父親であるオルトロス
の兄貴のケルベロスが量産されてて、
堕天使のペット扱いで前座にされてる世界ですからねぇ・・・

後は「サー・イエッサー!」についてですね。
元々サーは閣下という意味がありますので、
現地で女性に使っても失礼でも何でもありません。

まぁ学校とかではどうかわかりませんが。
現場で戦う兵士に男も女もありませんからね。



ちなみにこんなコメントがありました

Q・作者サンは原作が嫌いですか?
愛が感じられません

これに対する作者の答えは

A・原作に関してはともかく、
原作主人公一味の行動が大っ嫌いです。

となります。

まぁ愛は人それぞれなので、作者の
作風が合わないと感じたら無理して
読まなくても良いのですよ?

読者様も嫌いな作品を見て不快な思いを
したくはないでしょうし、わざわざ
低評価して価値観押し付けられても
作者だって困りますってお話。

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