とある師弟のD×D   作:カツヲ武士

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長い!(12000字越え)

殲滅を一話で終わらせたぜ!
本編には影響なし!

魔王復活ッ!魔王復活ッ!魔王復活ッ!

コレで原作5巻終了。

ノリと勢いで書いてるので、後で修正の可能性大!



オリ設定!
オリ展開!

今日も一話だッ!

嫌いな人は読み飛ばし!





76話

ーーアジュカ視点ーー

 

あれから数日。予定していた人員の撤退も

終わり、これからオセによる宣戦布告が

始まろうとしている。

 

・・・ゼクラム老もコノ映像を見ることに

なるのだろう。

 

彼は老害を抱えて死ぬことを選んだ。

 

その為の各方面への根回しや、引き継ぎをした。

 

そして今は冥界に残しておけないような連中を

選別して適当な理由をつけてパーティーをしているという。

 

あれは逃げないように捕えておいて、

戦争に巻き込む気なのだろう。

 

オセへの密命の後、ご老体から連絡が来た

ときの「遅すぎる」と言う叱責は、俺や

ファルビウムに対する叱責だったのか、

それとも自身に対するモノだったのかは

今となってはわからない。

 

だが、「せいぜい悪役として戦ってやろう」

と笑うご老体に悔いは無いように思える。

 

ようやく友の元へ逝ける。そんな顔を

していたご老体へ、お疲れ様でしたと

声を掛けることが出来なかったのは、

彼に引導を渡すのが俺では無いからだ。

 

最後まで不甲斐ない魔王で申し訳ない。

 

だが、これ以上の無様は晒さんと誓う。

 

冥界は責任をもって治めよう。

 

「あ、始まるみたいだよー」

 

セラフォルーの声で我に帰った俺は

ファルビウムとセラフォルーと三人で

この宣言を見ることにした。

 

サーゼクスにとっては母の実家だからな。

変に悩ませるよりはこの方が良いと

判断したんだが・・・実際のところ

どうなることやら。

 

そう思ってると、舞台の中央に造られた、

台のようなモノの前に厳かとも言える

雰囲気を纏う、黒い軍服のような服を来た

痩身の悪魔、オセが姿を見せた。

 

「「「・・・」」」

 

その姿を見て、その目を見て思わず無言になる。

 

肌が粟立つ!なんだこの圧力は?なんだこの威は?!

 

映像越しにもわかる。コレは俺が初めて先代の

ルシファーに会った時の衝撃を越えている。

 

先代を遥かに超える威を放つ悪魔がソコに居た。

 

コレが今のオセ・・・

 

まさしく悪魔の中の悪魔。

まさしく貴族の中の貴族。

 

この映像を見れば、ゼクラム老も後進の

逞しさに破顔するだろうよ。

 

 

そしてその悪魔は静かに語りだした。

 

 

ーーーーーーー

 

 

諸君、この冥界は堕天使領と悪魔領を繋ぎあわせて成立している極めて不安定なものである。

 

三大勢力の大戦が有った。悪魔勢力の内戦が有った。

 

本来なら内戦が終わった後、敗者たる旧魔王派は

解体し、現政府へ恭順させるか、戦争責任を問い

処刑すべきであった。

 

しかし現政府が、内戦後に敗者となった旧魔王派

に対して行った施策は隔離である。

 

すぐ隣に天敵の堕天使が居るにも関わらず、

隔離と言う有り得ない施策を採用した理由は、

老害貴族共が旧魔王派と繋がっていたからに

他ならない。

 

つまり、先代陛下のご子息様方が率いる魔王軍が

勝っても、現魔王様達が率いていた反政府軍が

勝っても、自分達が生き残ることが出来るように

両方に繋がりを持つ連中が多数居たのだ。

 

そのため我々悪魔は内には旧魔王派、外には

堕天使をはじめとした敵を抱える事となった。

 

結局のところ、入れ物さえ造ればよしとして

彼等は中央に引きこもり、真に悪魔社会を統治

することはしなかったのである!

 

私が旧魔王派、すなわち敗者を抹殺するか

現政府への服従を促すよう要求したとき、

バアル家を始めとした貴族家がソレに反発した。

 

それどころか、大王家一党は現魔王様方を

傀儡とし、己らこそが悪魔政府だと騙り、

旧魔王派に対して支援を行っていたのである!

 

そして支援を受けて調子に乗った旧魔王派が

テロリストに加担し、復権を狙って会談の

場で魔王様のお命を狙うというクーデターを

仕掛けてきたことは記憶に新しい!

 

その結果は諸君らが知ってる通り、英雄に

阻まれ敗北に終わった!それはいい!

 

しかしその結果、旧魔王派の頭を押さえたと

勘違いした悪魔政府はさらに増長し!

 

禍の団のような反政府運動を放置し!

 

牙を抜いたと勘違いしたテロリストに対して

継続して支援を行うことで、連中を支配下

におこうとする愚策を行ったのだ!

 

そしてそれは旧魔王陛下の血族を騙る連中に資金を与え、その跳梁を許すことともなった!

 

これが今の状況を生んだ歴史である!!

 

ここに至って私は悪魔が今後、絶対に

内戦を繰り返さないようにすべきだと

確信したのである!!

 

それがバアル領を完全に滅ぼす作戦の真の目的である!!

 

これによって冥界の戦争の源である、権力に固執し続ける老害を粛清する!!

 

諸君!自らの道を拓くため、悪魔のための

政治を手に入れるために!あと一息!

諸君らの力を使わせて貰う!

 

そして諸君は新たなる時代を掴むことになるだろう。

 

そう、新しい時代の覇権を選ばれた国民が

得るは、歴史の必然である。

ならば、我らは襟を正し、この状況を

打開しなければならん。

 

我々は冥界を生活の場としながらも

共に苦悩し、錬磨して今日の文化を

築き上げてきた。

 

しかしながら旧魔王派とソレに味方する

老害共は、搾取するだけの自分たちが

悪魔の支配権を有すると増長し抗戦する。

 

今まで老害貴族共の気分次第で、貴族だけの

都合によって!諸君の父も、子も、その老害共

の無思慮な主張の前に死んでいったのだ!

 

その悲しみも怒りも忘れてはならない!

 

我々は今、この怒りを結集し、老害に叩き

つけて、初めて真の勝利を得ることができる。

この勝利こそ虐げられた死者全てへの

最大の慰めとなるのだ。

 

諸君、私は地獄の様な戦争を望んでいる。

諸君、私に付き従う戦友諸君。

君達は一体何を望んでいる?

 

老害どもを滅ぼす戦争を望むか?

情け容赦のない糞の様な戦争を望むか?

鉄風雷火の限りを尽くし三千世界の鴉を

殺す嵐の様な闘争を望むか?

 

戦争!(クリーク)戦争!(クリーク!)戦争!(クリーク!)

 

よろしい。ならば戦争(クルィィィク)だッ!!

 

我々は満身の力をこめて今まさに

振り降ろさんとする握り拳だ!

 

だがこの暗い闇の底で幾世紀もの間堪え続けて

きた我々にただの戦争ではもはや足りない!!

 

大戦争を!!

 

一心不乱の大戦争を!!

 

戦争を忘却の彼方へと追いやり

眠りこけている連中を叩き起こそう

 

髪の毛をつかんで引きずり降ろし

眼を開けさせ思い出させよう

 

老害連中に恐怖の味を思い出させてやる!

老害連中に血の味を思い出させてやる!

 

私、リシュヴァーユ・オセはココに

バアル大王家への断交と粛清を、

老害貴族共の粛清を、

そして旧魔王派の殲滅を宣言するッ!

 

 

 

各軍団長に伝達。総司令命令である。

 

バアル領へ侵攻し、古きもの全てを破壊しろ!

古きものに味方する者達を駆逐しろ!

古きものを支える者達を焼き払え!

 

さぁ、逝くぞ諸君ッ!

 

 

 

 

地 獄 を 創 る ぞ !!

 

 

 

 

『『戦争!(クリーク!)戦争!(クリーク!)戦争!(クリーク!)』』

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

「「「・・・」」」

 

映像の向こうではオセ家の兵士たちが

シュプレヒコールを上げている。

 

「いや、コレ、大丈夫なの?」

 

映像を消した後、セラフォルーが主語が無い

質問をして来るが・・・まぁ、言いたいことはわかる。

 

「ん~別に僕たちを殺して魔王になるって

言ってるわけじゃないし、他の勢力と

戦争しようってわけでも無いしねぇ。

あくまで老害の粛清と旧魔王派への

宣戦布告でしょ?サーゼクスあたりは

旧魔王派との話し合いがどうこう言うかも

しれないけどさ~。

どうせ話し合いなんかできないんだし。

ゼクラム爺ちゃんも旧魔王派を集めてる

みたいだから、此処までが予定通りって

感じなんじゃないかな~」

 

ふむ。お互いに打ち合わせ済みと言う事か。

 

宣戦布告と断交を宣言し、軍勢が向こうに

到着して戦闘が発生するまで大体3日。

 

これから向こうに老害どもの軍勢が合流する

のを待つだろうから、それが7日か?

 

準備期間が10日と言っていたが、オセは

準備が終わったから宣戦布告をしたのだろうし。

 

進軍が実行の10日に含まれるかどうかが

微妙なところだな。

 

「いや、そうじゃくて、今のオセちゃんって

アレじゃない?帝釈天様やオーディン様より

明らかに強くない?」

 

セラフォルーが映像が消えたディスプレイを

指差しながらそう告げる。

 

うん。知ってた。

 

「いや、まぁ、そうだけど。それはホラ、アレ

だよ。見ないことにしても良いんじゃない?」

 

かなり情緒不安定になるファルビウム。

 

うむ。まぁ今更オセの強さがわかったところで

何ができるわけでも無いしな。

 

元々オセの奥方だって俺より強いと思って

たんだから、今更ではある。

 

ヤツが本気を出したら俺やサーゼクスでも

潰されるだろう。

 

まったく、アイツは一体ナニになろうと

しているのか・・・

 

「まぁ、悪魔勢力を皆殺しにする気は無い

ようだし、我々に強力な戦力が居て困ると

言うこともないだろう。魔王になりたいと

言うなら喜んで譲ってやる」

 

戦争推進派だろうが何だろうが、

少なくとも政治についての見識がない

俺やファルビウムよりはマシな統治を

するだろうしな。

 

「あーまぁ・・・それもそっか」

 

セラフォルーも特に魔王の地位に固執

しているわけでもないから、俺の気持ち

はわかるのだろう。

 

ファルビウムも軍略家として動くなら

別に魔王である必要はないんだし。

 

未だに先代の子供たちやら何やらを

討ち取ったことを気にしている

サーゼクスがアレだが、アイツの

アレは、グレイフィアに対する遠慮

みたいなところもあるからな。

 

正直民には関係ない。

 

あとはこの一心不乱の大戦争に、魔王派の

貴族を参加させないようにするくらいか?

 

これからの展望を話し合おうとした

そのとき、いきなり会議室のドアが

開かれた。

 

普通なら有り得ん暴挙であり、警備兵は何を

していた!と言うところだが、今回はまぁ

シカタナイだろうな。

 

「「「・・・」」」

 

無言で扉に目を向ければ、そこに居たのは

赤髪紫瞳の魔王陛下。

 

「おぉぉぉぉい!!見たか?見たな?!アレはなんだ?どういうことだッ?!」

 

「「「(めんどくさいのが来た)」」」

 

俺たち三人の気持ちが一致したのを確信した。

 

ココまでオセに泥を被せた以上、せめて

コイツくらいは抑えないと無能どころか

老害の仲間扱いされてしまいそうで怖い。

 

あいつら、絶対普通に殺したりしないだろ?

 

とりあえず俺たち三人の仕事は決まった。

 

 

 

オセよ!コイツは任せて(戦場)に行け!

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

バアル領北部はまさしく地獄であった。

 

『我は空戦龍将、タンニーン!我がブレスを受けよ!』

 

隕石に匹敵すると言われる魔龍聖のブレスは

周囲を完全に焼き払い、さらにタンニーンの

配下たちがソレに続く。

 

炎、氷、雷。様々な属性のブレスにより、

バアル領北部の都市や軍事拠点はその全てが

焦土と化していた。

 

龍に挑もうとしたモノはことごとく敗れた。

 

そしてその脅威へ挑むのではなく、逃げようと

湖や川と言った水辺へ向かったモノたちもいた。

 

だが・・・

 

『水戦龍将、ティアマット。アンタらに逃げ道は

無い。ここで殺してやるよ!』

 

天魔の業龍、五大龍王最強と言われた蒼き龍と

その配下が水辺に訪れたモノたちを蹂躙した。

 

タンニーンのブレスから逃れたモノ達の中で、

水辺ではなく山間部へ逃れたモノ達も居た。

何故か彼らは森林へ攻撃を加えなかったからだ。

 

だが、当然ソコにも救いの手はない。

 

『陸戦龍将、クロウ・クルワッハ。これより

キサマらを蹂躙する』

 

邪龍最強と言われたクロウ・クルワッハは、

その言葉通りに挑むものも命乞いをするモノも

平等に蹂躙した。

 

そしてその配下の邪龍たちもまた、一切の

容赦をすることなく、彼らを生きたまま食い漁る。

 

本来なら、例え龍相手でもココまで苦戦

することは無かった。

 

偵察の結果大量の龍が襲いかかってくると

された北部には精鋭が集められていたのだから。

 

最上級悪魔も居た。

王の駒を持ったモノも居た。

オーフィスの蛇を持ったモノも居た。

 

「「「せめて貴様だけでもぉ!!!」」」

 

その精鋭たちが、タンニーンを殺そうと

命懸けで向かってくる!

 

『ちぃ!コレが例の蛇と王の駒を使った連中かっ!』

 

配下では勝てないと判断し、出来るだけ距離を

取らせ自分で戦おうとするが、思った以上に

敵が強い。

 

ドーピングを使ったとは言え、今の彼らには

ティアマットやクロウ・クルワッハには

届かないかも知れないが、数の力を使えば

タンニーンなら相討ちくらいはできたかも

知れない程度の強さはあった。

 

だからこそ彼女はソコにいた。

 

「「「がっ・・・?!」」」

 

タンニーンをして負傷は免れないと判断した

バアル領の精鋭たちの突撃は、彼に届く

ことなく白い槍の煌きとともに消え去った。

 

一瞬の空白が出来、何事もなかったかの

ように静まり返る戦場。

 

だが、タンニーンは助かったなど微塵も思っていない。

 

「未熟。紫。それでもお前は元とは言え龍の王ですか?」

 

白く小柄な少女が、タンニーンの頭上で呟く。

 

いつの間に頭上を取ったとか、そう言う

次元ではない。

 

他とは隔絶したその実力はソコに居るだけで

魔龍聖と言われた龍にさえ確実な死を幻視させる。

 

その少女はそれほどの実力者であった。

 

現在の冥界において彼女の行動を確実に

掣肘できる実力者は4人居るが、その

4名ともココには居ない。

 

そう、次に危険なのは自分だ。

 

「教頭先生から命じられた蹂躙とは相手に

一歩も譲らずに押しつぶすことです。

お前が潰されたら連中に一矢報いたと勘違い

されるではありませんか。それなりに有名

だから使ってやってるのに、それでは意味が

ありません。潰される前に死にますか?」

 

散々な言われようだが、タンニーンは

冷や汗を流したまま口答えしない。

 

龍王としての立場が有るのはもちろんだが、

何かを言えば殺されることがわかりきってるからだ。

 

小龍姫は甘くない。殺すと決めたら必ず殺す。

そう言う存在だ。

 

だからこそ黙る。自分はあくまで外部協力者。

直ぐに殺されることはない。

 

それに黙っていれば援軍が来ると言うのは

わかっているのだ。

 

『お嬢、タンニーンが未熟なのは奥様だって

知ってることだろ?それなのに未熟を理由に

殺したら、奥様の作戦に誤りを認めるって

ことにならないかい?』

 

(来た!)

 

そう、同じ龍王のティアマットや邪龍とは言え

龍のクロウ・クルワッハと、互いに助け合うと

言う条約を結んでいたからこそ、彼は黙秘を

貫いていたのだ!

 

「むぅ。ソレは確かにそうですね。ついでに

言えば砲兵が接近されたら弱いと言うのも

戦の常識。決死の兵に接近されたからと

いって、ソレだけで砲兵を殺していては

戦略が成り立ちません」

 

龍を接近戦が弱い砲兵扱いすると言うのも

アレだが、そう思いながらも絶対に口には

出さない。

 

タンニーンは空気が読める龍なのだ!

 

「シカタナイ。今回は不問とします。

全ての空戦龍は高度を取り、都市部へ

絨毯爆撃を開始しなさい。

精密さは必要ありません。ただ森林破壊は

避けるように。一歩間違えれば空殿による

蹂躙に巻き込まれますからね」

 

『『『『了解!!』』』』

 

(良しっ!助かった!)

 

後でティアマットに何かを贈る必要が有るが、

少なくとも、ここで殺されることは無くなった。

 

圧倒的戦力で蹂躙しているように見えるが、

命の危険を感じているのは督戦されている

龍たちも同じであった。

 

故に容赦はしない。手加減?そんなものは無い。

 

全てを焦土と化すまで龍は止まらない。

 

ーーーーーーーーーー

 

 

バアル領西部は地獄であった。

 

敵味方の様々な魔術、妖術が入り乱れる戦場は

ある意味一番地獄らしい戦場とも言えるモノ。

 

その中でも一際目立つのが、SS級はぐれ悪魔

として名高い黒歌である。

 

今回、反老害貴族の旗頭として立った彼女の

周囲には、同じようにはぐれ悪魔とされた

モノたちや、その家族たちが滅殺の意思を

持って立っている。

 

彼女たちこそ老害の罪の証。

被害者であり、生き証人。

 

オセが言った、耐え偲んできた民たちの

怒りがこの戦場を地獄にしていた。

 

 

ーーシロネコ視点ーー

 

 

「待ちに待った時が来たのだ! 多くの眷属

悪魔が無駄死にで無かったことの証の為に・・・

再び悪魔としての理想を掲げる為に!

無理やり悪魔にされたモノも居るだろう!

悪魔にされたあとに虐げられたモノも

居るだろう!

飽きたと言われて捨てられ、駒を回収する

為に命を狙われたモノたちも居るだろう!

皆の無念を晴らすため!

悪魔の屑の殲滅のために!

老害貴族どもよ!私は帰ってきたぁぁぁ!! 」

 

 

 

・・・黒歌姉さまが血の涙を流しながら

ご主人様の術式を構築していきます。

 

今はご主人様の庇護の元幸せを満喫している

黒歌姉さまですが、元々私を守るために

無理やり実験に参加させられたりしてた

らしいですし、絶対に口には出しませんが

体を求められたこともあるのでしょう。

 

それらの恨みを晴らすため。

 

そして自分以外の虐げられた悪魔の恨みを

晴らす為に老害を殺そうとする黒歌姉さま

の邪魔は誰にもさせません!

 

「百獣。黒歌様を守れ。そしてお前たちの

無念を黒歌様と共にぶつけてこい!」

 

『『『おぉぉぉぉぉぉぉ!』』』

 

悪魔の駒によって転生させられた被害者たち。

 

老害貴族からの刺客に怯え、隠れ潜んでいた

モノたちを集めたこの軍団は、決して素質

が高かったわけではありません。

 

だが死を恐れ、ソレに抗う為に鍛錬を

重ねることで強くなりました。

 

民意の象徴でもあるコノ軍勢を任された

以上、無駄死にはさせません。

 

未だに黒歌姉さまたちをはぐれ悪魔扱いして

被害者面する老害どもよ!我らの怒りを知れっ!

 

 

「くらえ、リトル・ボォォォォォォイ!!」

 

 

殲滅術式が光を放つ。

 

本物は放射能とか色々撒き散らすモノだが、

ソレを術式とすることで調節を可能にしたらしい。

 

だが、その光がもたらす熱量は甚大であり、

直線上にあった要塞だろうが都市だろうが

全てを蒸発させていく。

 

「「「「潰せぇぇぇぇぇぇ!」」」

 

その威力に恐れ慄き、動きを止めた敵は、

黒歌姉さまの配下による魔術で滅ぼされるか

 

「「「「死ねぇぇぇぇ!!!」」」」

 

獣と化した軍勢になぶり殺されることになる。

 

これこそがご主人様が望み、私たちが望んだ地獄です!

 

私も遅れを取るわけには行きません!

 

 

まるで切れ味の悪い刃物で削られるかのような。

 

バアル領の西部ではそんな戦場(地獄)が

顕現していた

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

バアル領東部は地獄である。

 

 

己の影から突如として現れる蟲によって

首を狩られるモノ。

仲間を助けようとして、その体内から

現れた蟲によって殺されるモノ。

 

腐りゆく自分の手を認識しながらも、

迫り来る死から逃れようと必死で魔力を

振るう少年兵。

 

その少年兵の魔力で貫かれる上官。

 

敵が一人も居ないはずの戦場で、味方同士が殺し合う。

 

そんな地獄の中を、一見すれば華奢な少女が、

メガネをかけた青にも見える銀髪の少女が歩く。

 

彼女は滅多に表に出ないから、その名は知られて

いても、その姿を知る者はほとんど居ない。

 

故にバアル家の兵には彼女が敵かどうかがわからない。

 

それ以前に、誰が敵で誰が味方か。

今自分たちに何が起こっているのか

理解できているモノは居ないのだが・・・

 

この場でソレを理解しているのは、地獄を歩く

少女。オセ家第一側室、もしくは第二夫人とされる

簪・オセただ一人。

 

いや、正確には一人では無い。

 

「いやぁ。魔影群団を指揮って言っても、

彼らは勝手に殺ってくれるから楽ではある

んだけどさぁ」

 

そう呟く少女の横には、黒い、そうとしか

表現出来ない大柄の男が居た。

 

いつの間にかソコにある男は、一言で言えば醜悪だった。

 

顔が、ではない。その存在が醜悪なのだ。

 

男が歩けば大地が腐る。

男が見ればモノが腐る。

 

ソレはべんぼう 存在そのものが地獄。

 

アザゼルが見れば我を忘れて襲ってくる

であろうモノの名は神野明影。

 

本来なら領外へ逃げるモノたちを喰らう

のが彼の仕事だが、別にサボっているわけ

ではない。

 

子供を守るために盾になろうとする

親の目の前で子供を喰らい、

親を守ろうとする子の前で親を喰らい、

恋人を守ろうとする男の前で恋人を喰らう。

 

ありきたりだと思えば逆にしたり、

ワザと両方を逃がしたと思えば

繋いだ手の中に蟲を仕込んで腕から

食わせたり。

 

顔から腐っていく恋人の姿を見せつけ、

恋人を捨てて逃げる心の腐った男を嗤い。

恋人に捨てられた顔の腐った女の絶望を嗤う。

 

『好きにやれ』今の主の言葉通り、彼は

好きに殺っていた。

 

『かんちゃんの手を煩わせるのもアレだと

思ってね。それにかんちゃんだと地獄って

言うか一瞬で終わっちゃうじゃない?

それだと勿体無いかなぁって思ってさぁ』

 

今の彼は普段の相手を揶揄う口調ではなく、

真剣に弁明している様子だ。

 

その姿は誰がどう見ても孫娘の機嫌を取る

祖父である。

 

「いや、神野さんの言うこともわかりますよ?

ご当主様が『地獄を創れ』と命じた以上、

私たちは地獄を創らないと行けません。

だけど私の場合、どうしても実験になるし、

実験だと即効性の地獄にはならないですもん」

 

ふてくされるように簪が言うが、実際

今回のコンセプトと自分が創る地獄は

微妙に違うと言うのもわかっている。

 

こういった場で自分が地獄を創るとすれば

細菌兵器の類になるだろう。

 

ソレはソレで立派な地獄だが、残念ながら

自分が愛する男が創ることを望んだ地獄とは

趣が違うのではないかと思うのだ。

 

まぁアノ人はそれでも「よくやった」

と言って頭を撫でてくれるだろうが、

やっぱりちゃんとした地獄を創るべきだ

と考えれば、神野の協力は悪い事ではない。

 

それでもやっぱり、自分の力で・・・と

言うのも有る。

 

『今回はまぁ他に譲ってあげなよぉ。

擬似神器の件で主が褒めてくれたし、

普段活躍してるんだからさぁ』

 

「むぅ・・・」

 

そう言われれば、他のヒトたちへの遠慮が

生まれるのがHENTAI国家のニンゲンである。

 

確かに自分は奥様と一緒に日頃から褒めて

もらう機会が多い。

 

今回だって狐様も参加しようと随分と

頑張っていたみたいだが、結局参加

できなかったとシクシク泣いていたのを

見ているし・・・

 

「はぁ。シカタナイなぁ。即死も実験も

許されないなら削るだけにしようっと。

・・・『アルレシャ』」

 

溜息を吐きながら神器を展開する簪。

 

その神器は、一見すればヨシコ=サンが

纏った擬似神器とよく似ていた。

 

それはそうだろう。そもそもがコレを

参考にして造られた神器なのだから。

 

その神器は黒かった。いや、純粋な黒ではなく

黒を基調にして所々に金を加えた全身鎧。

 

クロウ・クルワッハが奥様やウィーネに

命を狙われ、さらに「色を替えろ」と

言われた理由でもあるが、簪自身は別に

気にしてはいない。

 

むしろ同色が増えれば戦隊が組める程度の考えだ。

 

実際神野も全身黒で金髪赤目だし。

 

『おぉ、ソレを見るのも随分久しぶりだねぇ』

 

神野は簪の神器を見て楽しそうに嗤う。

自身に似ているのも有るが、コレを展開

した簪が創る地獄は、神野をして中々に

趣が有るのだ。

 

「円状十二王方牌大車併展開」

 

簪の周囲に12の球状の物体が浮かび上がる。

 

「範囲は・・・バアル領東部全域。クリア。

それじゃ神野さん。出来るだけ死なない程度に

吸収ヨロシクお願いします」

 

『むぁかせてよ!』

 

神野の声を聞いて、一つ頷き

 

「超振動突撃刃夢現起動。魔力開放」

 

薙刀の様なモノを取り出し、そして周囲の

物体を削る!

 

「さぁ鳴り響け天魔波旬交響曲!!」

 

リィィィィィィィィィィンと言う

音が鳴った。

 

 

その音は通常のモノの可聴域では無かったが、

運良く(・・・)その音を聞き取ることが出来た

モノは、脳を破壊されて死ぬことができた。

 

そして死ぬことが出来なかったモノたちは・・・

 

パン。パン。

 

バアル領東部に住むモノ達の体の一部が

なんの前触れもなくはじけ飛んだ。

 

「うわぁぁぁ?!」

 

「何だッ?!」

 

「あ、足がッ一体何が?!」

 

「腕が!腕がぁぁぁぁ」

 

何がなんだかわからない。そんな混乱の中

 

「やめろ!入ってくるなぁ!!」

 

「痛い痛い痛い!!」

 

「あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”」

 

「蟲がッ蟲が足の中にィィィ!!」

 

どこからともなく現れた蟲に襲われるモノたち。

 

生きたまま蟲に中身を喰われるという地獄。

 

バアル領東部はまさしく地獄であった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

バアル領南部はある意味で幸せだろう

 

『わーい!皆トモダチだぁ!』

 

「「・・・!!」」

 

少女の声と共にアンデッドと呼ばれる

魔法生命体が手をあげる。

 

彼女の呪詛によって死んだモノは姿も形も

残らないが、これらアンデッドによって

殺されたモノは同じアンデッドと化す。

 

アンデッドに殺された死体が立ち上がり、

今も生きる生者を襲い、どんどん増殖

していく様はまさしく地獄。

 

だがそれでも唯一救いと言えるモノがある。

 

それはアンデッドには嬲ると言う思考がないと言うことだ。

 

ただ生者を襲い、同じ存在に堕とすだけ。

運良く即死出来ればそれ以上の痛みや

恐怖から脱却できる。

 

場合によっては少女の呪詛によって

痛みも何もなくそのまま死ねるのだ。

 

ソレは他の地獄と比べればどれだけ幸せなことか。

 

 

ーー奥様視点ーー

 

 

「ははは、アリス。あまり遠くに行ってはいかんぞ」

 

たくさんのトモダチと共にはしゃぐ少女を

見て目を細めるのは、悪魔社会において

『皇帝』と言われるほど知名度が高い悪魔だ。

 

その称号のせいで小龍姫に殺されかけた

ことが有るらしいが・・・まぁそれでも

冥界有数の実力者である。

 

「と言うか、ココにいて良いのですか?

確かに今の貴方なら彼女の呪詛で死ぬ

こともないでしょうし、戦闘の巻き添えで

死ぬことも無いでしょう。

オセ様も許可しましたから文句をつける

気はありませんが、ご実家から文句を

言われるのではないですか?」

 

アリスと共に南部を担当する奥方と

言われる悪魔がそう声を掛けるが

『皇帝』はどこ吹く風である。

 

「ははは。父上も母上も行ってこいと

言って背を押してくれましたとも!」

 

コレが勝ち馬に乗るとかそう言う小賢しい

考えなら殺していたが、彼らの目的は

老害を殺すことだ。

 

だからこそオセも例外的に彼の参戦を認めた。

 

ちなみに例外として認められた外部

戦力はタンニーンと彼だけ。

 

タンニーンは有名で見栄えが良いからと

いう理由で参戦させられている。

 

「・・・クレーリアが死んだのは我々の

教育不足によるものが大きい。

好奇心で貴族の家を探るなど殺されても

しょうがないことだ。それは認めます。

ですが実際殺したのは連中で、連中はその

事実を未だに隠匿し、謝罪すらしてこない!

いや、謝罪でなくても良いのです!

我々に非があったと堂々と告発してくれば

ソレを謝罪することも出来る!そうして

初めて我々も前を向くことができます!

だが連中は何もしてこない。これでは我々の

時間は止まったままではないですか!

ならば我が手で滅ぼすのも道理でしょう!」

 

いや、そこで滅ぼすのが道理なのでしょうか?

 

そう思いながらも、こいつも妹魂の一人

だったと思い直す。

 

それに、この機を逃せば老害へ復讐する

ことは出来なくなると考えれば、コレも

また彼らの選択なのだろう。

 

「貴様らの狼藉もここまでだ!」

 

ん?

 

アリスのはしゃぐ声とアンデッドに襲われる

悲鳴、もしくは戦闘音だけが響いていた地獄に

突如として男性の声が響きわたる。

 

どう見ても2等~3等クラスの実力しか

無いように思えるが・・・

アリスがトモダチを増やすために呪詛を

使ってないから生きているのだろうが、

何やら穴のようなモノを使ってアンデッド

を収容しているようだ。

 

それを見たアリスは新しい遊びと思って目を

輝かせているが・・・

 

「ビィディゼ・アバドンか。そういえば

ヤツは王の駒を使っていたな・・・奥方殿。

アレは私に任せてもらえまいか?」

 

どうやら『皇帝』の知り合いのようですね。

 

まぁ別にこだわりもないし、そもそも自分が

ココに居るのは、オーフィスの蛇を持った

敵や世界に守られた存在(主人公かそれに相当する者)が我々の

邪魔をしに来ることを警戒したが為。

 

クロネコやシロネコには逃げると言う

判断が出来る。伯師妹なら戦えるだろう。

簪の傍には神野が居る。

 

空殿は問題ない。

 

だが、アリスは逃げるという選択が出来ない。

それ故に、こうして護衛を兼ねているのだ。

 

「構いません。ですが我々は無駄に戦いを

長引かせたりする輩を好みませんし、

雑魚のドラマを見る気もありません。

全力で、最短の時間で潰してください。

ソレが出来ないなら私が両方殺します」

 

自分たちが行っている地獄の創造とソレを阻む者(主人公かそれに相当する者)の調査は師の勅命。

 

それを妨げるモノも、怠慢によって

ソレを穢すモノも許さない。

 

「問題ありません。アレは多少の体術を

学んではいますが、所詮根幹部分を王の駒

と言うドーピングに頼るモノ。

今まではゲームで潰すことでクレーリアの

無念を晴らしてましたが、戦場に現れた

なら話は別。もとよりゲームを穢す存在に

かける情けはありませんしね」

 

そう言って『皇帝』は一歩前に出る。

 

「ならば良し」

 

そう言おうとした矢先のこと

 

「貴様は・・・ディハウザー・ベリアル?!

まさか貴様が成り上がりのオセに味方するとはなっ!」

 

あぁん?てめぇ。誰を何と言った?

 

「死ね」

 

気が付けば私の体は、旦那様を侮辱した

下等生物に攻撃を繰り出していました。

 

「「は?」」

 

命奪崩壊拳。手加減抜きの一撃は無礼者の腹部を難なく突き破る。

 

「「「ビィディゼ様っ!」」」

 

いきなりのことで混乱する雑魚の眷属共。

 

「この程度の実力で私の前に立ち、さらに

旦那様を侮辱するとは。

・・・クズがキサマらは無価値に死ね」

 

「だ、旦那?まさか貴様がっ?!」

 

ボンっ!

 

何かを言おうとした無礼者を爆発四散させる。

ハイク?残す必要など無い。

 

そしてその眷属共も同罪だ。

 

「アリス。殺しなさい」

 

キサマらにはアンデッドにする価値もない。

 

『んーよくわかんないけど、そう言う遊び

だったのかな?まぁいいや!』

 

「「「よくも!『死んじゃえ!』がはっ?!」」」

 

アリスの呪詛を受けて駒も残さず消滅する

クズども。

 

何も言わせず、何も残さず。

うむ。これこそが処刑です。

 

「・・・奥方殿」

 

『皇帝』が何か言いたげですが知りません。

言いたいことがあるならハッキリ言いなさい。

 

大体目の前で旦那様を侮辱されて許す妻などいないのです。故にアレは私の獲物でした。

 

「さぁアリス、ココは終わりました。

さっさと次に行きましょう」

 

さっさとコチラを終わらせて、西のネコを

フォローしないと、何者かが来たときに

逃亡を許してしまうかもしれませんからね。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

ソレから数日。バアル領の南部は無数の

アンデッドがひしめく地獄であったが、

ソレらはとある悪魔の玩具となった後、

全てが塵と化したという。

 

南部には中央と同じように血の跡すらも

残らず、残っていたのは初めから何も

無かったかのように平らになった大地だけであった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

(。・ω・。)))))))

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご老体。長年の忠勤お疲れ様でした」

 

「う・む・・流石に・・・疲れた。・・・あとは・・任せた・ぞ」

 

「はっ」

 

 

 

 

 

灰燼と化したバアル領。ソコで何が有ったかを知る者はいない。

 

 

 

 




どこぞの戦争好きな少佐が弟の葬式で
隕石を落下させようとした感じの演説。

対抗する為に演説をしようと思ったが、
作者に文才が足りないため諦めた!

つまりはグダグダである!

主人公か管理者が邪魔しに来る可能性を
考慮していた模様。

神野さんも、空くんが動く前なら余裕が
有るから、援護に入りました。

ダメージを与えても回復される可能性が
あるので、さっさと蟲を体内に入れて
しまえと考えたもよう。

クロネコは怒りの力を放出したってお話!


まぁ、究極的には最後の会話が有れば良いのですよ。
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