とある師弟のD×D   作:カツヲ武士

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神野君とオーフィスが邂逅するとき、ナニかが怒るっ!(誤字に非ず)

紅茶をキメてる紳士の元に現れる悪魔の影。
紳士は悪魔の誘惑を乗り越える事が出来るか?


オリ設定!
オリ展開!

嫌いな人は読み飛ばしッ!



85話

ーーアザゼル視点ーー

 

『いやぁ。可哀想な悪魔君だねぇ。悪魔と

しては何一つ間違ったことは言ってないのに

魔王様に逆らったが故に、貰った力も失って

腹に穴を開けられて、散々に嬲られた上で

殺されそうになるなんてさぁ』

 

俺からの殺意を軽く受け流し、手の内にある

クルゼレイを甚振りながらサーゼクスを煽る神野。

 

そのクルゼレイは体内を蟲に喰われる痛みに

襲われ、されど死ねず。ただ呻き声を上げるている。

 

「・・・ッ!」

 

その言葉に歯を食いしばるサーゼクス。

実際、蛇の力を消す必要はなかったし、

あの力が無くなった以上は腹を抉る必要も

まるでない。

 

妹の『英雄』みてぇに大きめの魔力で全体を

消滅させれば終わりだったんだ。

 

嬲ったと言われても反論はできねぇだろう。

 

だがそんなことはどうでも良い!

 

問題は俺らがコイツに対して何の準備も

出来てねぇってことだ。

 

さっきは勢いに任せて攻撃しちまったが、

やはり全く効いちゃいねぇ。

 

サーゼクスの消滅の魔力も、クルゼレイの

手足と一緒に喰われた。

 

つまりサーゼクスもコイツを殺せねぇってことだ!

 

あとはオーフィスだが、そもそも神野は・・・

 

「無貌。久しい」

 

心持ち目付きを険しくしたオーフィスが

神野に話しかける。

 

久しい?あぁ、神野は裏で禍の団を操って

たって話だからな。オーフィスとは直接の

接触をする必要もねぇか。

 

『やぁオーフィス。相変わらずつまらない

渇望を抱えてるねぇ。

って言うか何だいその格好?禍の団の中に、

老人だった君を少女にして着飾らせるような

倒錯した趣味のヤツでも居たのかい?』

 

「「・・・」」

 

俺たちが気になってしょうがないことを

いとも簡単に聞いてのけやがった!

 

憧れはしねぇが凄ぇとは思うぜ!

 

「この姿の方が我の望みを叶えやすいと言われた」

 

誰だよそんなことを教えたヤツは?!

 

『あぁ、もしかしてアレかい?ハニトラ的な

意味も有るけど、無知であどけない老人なんか

キモいからって理由で吹き込まれたかな?』

 

神野はそう言いながらゲラゲラと笑う。

 

まぁ、偉そうにふんぞり返るなら爺の方が

良いかも知れんが、普通に会話するとなると

コッチの方がマシかもしれんよな。

 

あとは庇護欲的な感じか?赤龍帝あたりなら、

爺には目もくれねぇが、今のコイツなら話

くらいは聞こうと思うかも知れねぇ。

 

ソレを考えればこの格好もわからなくはない。

・・・いや、そうじゃねぇ!

 

オーフィスとの会話に気を取られたが、重要

なのは、コイツはオーフィスを裏で操っては

居るが仲間じゃねぇってことだ。

 

まぁそもそもコイツが誰かと仲間になるなんて

事はねぇけどよ。

 

「それで、何故ここに来たのだ?」

 

怒りを隠そうともせずにサーゼクスが問う。

殺すつもりだったとは言え、今も神野の

腕の中で苦しみにもがくクルゼレイの姿は

我慢がならないのだろう。

 

・・・元々こいつが遊んだのが原因だがな。

 

サーゼクスの問いに、何を今さらと言わんばかり

の目を向ける神野。

 

『僕の渇望はねぇ。君たち聖書の陣営が苦悶と

絶望の果てに滅ぶことさぁ。ならばこの悪魔君

だって苦しめる対象になるだろぉ?』

 

「ぐっォォォォォ?!」

 

クルゼレイの傷口に指を突っ込み、そのまま

掻き乱す事で更に痛みを与えていく。

 

絶え間なく続く痛みに気を失いそうになるも、

ソレを許さない絶妙の力加減で痛みを与え続け、

その慟哭を聞いて愉悦に浸る神野明影。

 

確かにヤツの渇望を考えれば、旧魔王派の悪魔

こそ人間が恨みをもつ悪魔とも言える。

 

ならば苦しめるのは道理ってか?!

 

「これ以上の冒涜はさせんっ!」

 

さっき以上の魔力を纏い神野へ、いや、その

腕の中に居るクルゼレイへ向けるサーゼクス。

 

普通なら避けるか防ぐだろう。だがコイツは

そんな次元の相手じゃねぇぞっ!

 

『滅びの魔力ねぇ・・・馬鹿じゃない?』

 

心底つまらなそうなモノを見る目で、神野は

あっさりとサーゼクスの魔力を掻き消した。

 

「なっ?!」

 

何のリアクションも起こさずに自らの力を

消されたサーゼクスが驚愕の表情を浮かべる。

 

『いや、何を驚いてるのか知らないけどさぁ。

所詮はバアルを起源とする悪魔の魔力だよ?

悪魔の祖たる僕にソレが通用するわけ無い

じゃないか。スルトを炎で焼こうとするよう

なモノって言えばわかりやすいかい?』

 

煽るでもなく、ただただ事実を述べるのは、ソレが一番サーゼクスに効くと確信しているからか?

 

実際に己の力を正面から破られたサーゼクスは、

目を見開き、完全に思考停止をしているようだ。

 

力の象徴として悪魔を率いるサーゼクスの力が

一切通用しないと言うのは、コイツにとっての

存在意義の崩壊に等しい。

 

しかしソレはサーゼクスの過信だ。

ルシファーらしく言えば傲慢か。

 

サーゼクスの魔力が通用しない相手なんざ

神野以外にも居るんだよ。

 

たとえばソコのオーフィスもそうだ。

 

そう思ってオーフィスの方を見れば、ヤツは

神野に向かって魔力を放出するところだった!

 

「やべぇ?!」

 

クルゼレイに言ったように、オーフィスが

殺意を持って放つ攻撃は俺たちとは桁が違う!

フィールドは持たないだろうし、俺たちも

余波で死ぬっ?!

 

無駄だと思いつつも障壁を張る。しかしソレは

俺が予想もしない形で無駄となった。

 

『つまらないねぇ』

 

回避しようが防御しようが、例えどんな形で

あれこのままならこのフィールドごと消滅

するだろうと言う威力が込められた極大の

一撃は、神野がそう呟くとなにも無かったかの

ように消え去った。

 

自分の攻撃に対して、防ぐだの流すだのではなく

消すと言う荒業を行った神野に、オーフィスも

目を見開く。

 

『ん~何したかわからないって顔してるけど、

所詮君って存在は馬鹿力を放出するだけの存在

だからねぇ。一定以上の実力があるなら君への

対処法は簡単なんだよねぇ。

・・・つまるところ君じゃ僕は殺せないよぉ』

 

無限と言われた龍神の攻撃を事も無げに

消し去ったバケモノは、笑いながらそう告げた。

 

『因みに僕も君を殺せないけど、今の君なら

壊すことは出来るよぉ?中途半端な渇望を

抱えた事を後悔しながら壊れてみるかいぃ?』

 

最悪だ・・・何をしたかは知らねぇが、神野が

オーフィスですら勝てねぇバケモノだったとは。

 

それに一定以上だと?つまり今のヤツは本来の

八等の実力が有るってことか?!

 

まだ一ヶ月程度しか経ってねぇのに何故ッ?!

 

俺が必死で考えている間にも、オーフィスは再度

攻撃を行おうとしている。

その表情には嫌悪のようなモノが宿っていて、

明らかに神野を拒絶していた。

 

『いや、ワンパターン過ぎるんじゃないかな?

まぁ今まで我慢を知らなかったんだろう?

工夫を知らなかったんだろう?新たに芽生えた

感情のままに振る舞う有り様は正しく小娘。

はっきり言えば君は世俗に浸かりすぎたね』

 

そう言いながらヤツはオーフィスの攻撃を受け、

無効化して行く。

 

『アヒャヒャヒャヒャヒャ!惨めだねぇ~。

無限?最強?グレートレッドに勝てない君が?

静寂も獲られず、力も獲られず、知識も協力者

も獲られず、ひたすらに世界を歩き回り、無駄に

汚れただけの君が?自惚れはいけないねぇ~』

 

オーフィスを指差して嘲笑う神野。

 

「うるさい」

 

ソレに対して、更に明確な殺意を込めた攻撃を放つが・・・

 

『アヒャヒャヒャヒャヒャ!』

 

ヤツはその攻撃を飲み込むかのように消していく!

 

どんな原理かは知らねぇが、ヤツにはどれだけ

強力な攻撃でも通常の攻撃が効かねぇらしい。

 

こんなヤツどうしろってんだよ・・・

 

だが諦める訳にはいかねぇ!コレほどの存在を

相手にコカビエルは立ち向かったんだ!

堕天使の未来を俺に託して逝ったんだッ!

 

自分に活を入れ、諦めそうになる自分を奮い立たせる!

 

「・・・なぁ神野よぉ。今回のてめぇの狙いが

そこのクルゼレイを苦しめてサーゼクスを

からかうことってんなら、もう一人の旧魔王派の

シャルバはどうなんだよ?」

 

まずは時間稼ぎだ。情けねぇ話だが、今は

どうやっても勝てねぇからな。

 

それにだ、さっきはクルゼレイを苦しめるのが

目的とか言ってたが、実際の狙いはサーゼクスだろう?

 

俺が確信を込めて言えば、サーゼクスは驚いた

顔で俺を見て、神野はニタリと笑うことでソレ

を肯定した。

 

とりあえず、今のコイツは俺たちを殺しに来た

わけじゃねぇ。

 

なら何とかして別の標的を見つけてもらい時間を

稼ぐ必要が有る。

 

『彼かい?彼はもう少し惨めな思いをしてから

こうしてあげようと思ってさぁ~』

 

「アァァァァァァァァァァ?!」

 

目に指を突っ込まれ苦悶の声を上げるクルゼレイ。

 

ソレを見てサーゼクスは悲痛な表情を浮かべ、

オーフィスは通じない攻撃を続けている。

 

明らかに苛立つオーフィスだが、その攻撃は

工夫と言うものがなく、ただただ強力な

攻撃を高速で放つだけ。

 

普通の相手ならそれで即殺だろうが、

相手はオーフィスと同格のバケモノ。

 

吸収なりなんなりをしているなら許容量を

超過すれば倒せるだろうが、コイツの場合は

そうじゃないだろう。

 

と言うか、既に連中は次元が違う戦闘を行って

いて、何をしてるかすらわからねぇ。

 

ただ、オーフィスが感情に任せた攻撃を加えていて、神野がソレを消しているのだけはわかる。

 

当然俺に手が出せるような状況でもない。

 

あの詠唱さえ解読出来ていればっ!

 

意味の無い仮定では有る。それにヤツは一度

アレを受けて今は対策もしているだろう。

 

それでも、アレを使えるかどうかは大きな違いだ。

 

ここでヤツを止めなければ、ヤツを止める手段が

ねぇ俺たちはずっとヤツの影に怯えて過ごす事に

なるだろう。

 

更に言えば、オーフィスと戦えるだけの力を持つ

コイツなら、オーディンの爺さんやゼウスの

オヤジすら殺せるんだ。

 

今は俺たちを標的にしているから良い。

 

いや、俺たちの協力者ってだけで殺される可能性が有るか。

 

そうなった場合、主神を失った連中の恨みはどこを向く?

 

特にギリシャなんざ「誘いに乗った自分が悪い」

などと言うような連中じゃねぇぞ。

 

つまり神野だけじゃなく、俺たちに対しても敵対

行動を取るはずだ。

 

なんせヤツが現界したのは俺たちのせいだからな。

 

ここで何とかしねぇとダメだ!だがコイツを倒す

ためにはどうすればいい?

 

何が必要だ?考えろ!怒りに任せて動くな!

 

今はクルゼレイを痛め付けることでサーゼクス

をからかって遊んでいるから、クルゼレイが

死ぬまでは時間が稼げるはずだ!

 

更に攻撃を続けているオーフィスにだって、

何かしらの対処はしているはずなんだ。

 

故にまだ時間はある。考えろ!どんな

強力なヤツにだって弱点は有るんだからなっ!

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーディオドラ視点ーー

 

 

アーシア・アルジェントが奥の寝室で仮眠を

とっている間に、僕の元にアジュカ様から

作戦完了の合図が来た。

 

どうやらクルゼレイもこの場に現れたらしい。

いやはや、流石は英雄殿。

 

一人で旧魔王派の幹部連中を釣り上げたよ。

コレはアレだ。黄金ダンゴ並の集客力だね。

 

いや、結局はアレを英雄として使おうとした

オセ様がここまで考えてたと言うのが妥当な

ところだと思うけど。いやはや、ここまで

アッサリと成果を出されたら驚くしかない。

 

逆らうなんてとんでもない!ってところかな?

 

さて合図も来たことだし、そろそろ動くかな

と思ったところで、丁度良く魔法陣が現れる。

 

そこから現れたのは当然シャルバだ。

 

「ディオドラ殿。オーフィスは動き出した。

準備を急いでもらおう」

 

再度僕が居る神殿の最奥に転移してきた

シャルバがそんなことを言ってきたが、

やはりコイツ理解していない。

 

「ん?あぁ、そうだね。それじゃやってくれ」

 

こちらにも合図があったし、もう擬態する必要はない。

 

そもそもオーフィスが殺意を持って動いた

なら既に僕たちだって消し飛んでるだろうに。

 

そんな事すらわからないから貴方達は勝てないんだ。

 

「・・・何を?」

 

コイツが転移してきたことも計算通り。

 

まぁ無駄にプライドが高いコイツらが、

オーフィスを動かそうとして、彼の気分を

害して殺されたり、他の派閥の連中に

阻まれる可能性も有ったらしいけど、

こうして現れるのも予想の範囲内。

 

つまり・・・モウニゲラレナイ。

 

何も無い空間に声をかけた僕を訝しげに見るシャルバ。

 

だが次の瞬間その目は見開かれることになる。

 

「了解。『結べ蜻蛉切』」

 

その声と同時に、何かが光り、そして……

 

ガラガラガラ

 

音を立て、神殿の最奥に設置された祭壇が、

後ろの壁ごと切断された。

 

「なっ?!」

 

どういうことだ?何があった?破壊不能ではなかったのか?!そんな事を考えているのだろう。

 

目の前で起こった不可解な現象に、驚きを隠さないシャルバ。

 

つーか敵の目の前で動きを止めてどーするのさ。

さっさと逃げるか戦うかを選ばないと・・・無意味に死ぬぞ?

 

椅子に座り、紅茶を飲みながら、未だに動きを

止めている「自称真なる魔王様」の醜態を見る。

 

敵の目の前で無防備に立つ。

 

ソレがどれだけ危険なことかわかってないのだろうか?

 

「『獅子には肉を 狗には骨を 龍には無垢なる魂を』今宵の虎鉄は血に飢えている!」

 

「な、後ろだとッ?!ぐぉぉぉぉ!」

 

呆然としていたシャルバは突如現れた鎧武者に背中を斬られた。

 

言わんこっちゃない。

 

「ディオドラ!貴様裏切ったのかッ?!」

 

この期に及んで何を言うかと思えば・・・

遅い。遅すぎる。

 

「いや、最初に裏切ったのは貴方達でしょう?

この装置を起動したら、間違いなく僕だって

死ぬじゃないですか」

 

フィールド全体に神にも損傷を与えるレベルで大ダメージを与えるんでしょ?

 

一悪魔に過ぎない僕が耐えれるとは思えないね。

 

「なっ?!貴様っ!!」

 

驚くシャルバに更に声をかける。

 

「今回の襲撃でサーゼクス様の妹である英雄を

討ち取り、さらにアジュカ様の実家である

アスタロト家を貶め、その上で来賓たちに

ダメージを与える事で完全な決別を狙ったの

だろうけど、そもそもが堕天使の開発中の

技術を人間の神滅具で補強すると言う、正直

どこに勝算を見出だしたかわからない策が

成功すると思い込めたのは凄いと思うよ?」

 

自分の策が見破られていたことが信じられない

のか、いまだに目を見開いて僕を見るシャルバを

見ていると、自分も一歩間違えばあんなサンシタ

になって居たんだと言う事がわかり、冷や汗が

流れてくる。

 

だけどココはもう終局だ。コイツに生き延びる道はない。

 

「特に反論が無いってことは、彼にはこれ

以上の策も情報も無いようだね。それで、

捕らえるかい?それとも殺すかい?」

 

ココで死ぬか、ソレとも尋問されて死ぬかの違いだね。

 

サーゼクス様ならともかく、アジュカ様や

ファルビウム様はコイツに遠慮なんかしない

だろうし。

 

鎧武者にそう尋ねれば、彼は無言でカタナを構える。

 

どうやらココで殺すようだ。

 

「後ろからの奇襲を当てた程度で図に乗るな!」

 

そう言いながらシャルバが懐からオーフィスの

蛇を取り出す・・・迂闊だねぇ。

 

「『結べ、蜻蛉切り』」

 

再度聞こえた声と共に、オーフィスの蛇が

容器ごと切断された。

 

「何だとッ?!」

 

ドーピング剤を破壊されて目を見開くが、

態々敵を強化なんかさせるはずが無いだろ?

 

それに、敵が鎧武者の彼だけだといつから錯覚していた?

 

「すまねぇが仕事でな。お前と遊んでる暇はねぇんだわ」

 

そう言って僕の横に現れたのは、二メートル程

の大男。その表情は布袋に隠れて見えないが、

隙間から覗く目は、明らかにめんどう臭そうな

雰囲気を放っている。

 

気だるげに槍を持つその姿は、隙だらけの

ように見えて一切の油断も慢心もしていない。

 

「その姿、貴様がコカビエルを破り、ヴァーリを

一蹴したと言うYOSHITUGUかッ?!」

 

・・・あぁ、彼がゼファードルだってのは

一応秘密だったね。

 

ついでに言えば、いまだに20にもならない

グラシャラボラスの若僧にそこまでの力が

有るはずか無い、って言うのが旧魔王派の連中の

言い分らしい。

 

ファルビウム様を認められないなら、その

血族も認められないよな。

 

それはアジュカ様の親族である僕も同じなんだろうけど。

 

「俺が何者でもお前には関係ねぇ。殺してやるからさっさと首を出せ」

 

そう言いながら槍を向けるゼファードル。

 

本来なら姿を見せずに殺せた筈なのに、態々

こうして姿を現したのは、彼らの戦闘訓練も

兼ねているのだろう。

 

中途半端な実力者を追い詰めて確実に狩る

訓練でも有るかもしれないけどね。

 

傷を負い、強者二人に挟まれたシャルバは、冷や汗を流しながら退路を探している。

 

だが、ココはすでに転送禁止だ。

ボスキャラからは逃げられないのさ。

 

逃げ場が無いと理解して焦るシャルバを見てると

自然と口元が緩んでくる。そうか、コレが愉悦か。

 

因みにシャルバはオーフィスの蛇が無ければ、

大戦を生き延びたコカビエルよりもずっと弱い

と思うんだけど、その辺はどうなんだろうか?

 

血の滲むような鍛練でもしてたとか、何か

秘密兵器が有ると言うなら調査するべき

だとは思うけど・・・まぁいいや。

 

勝敗の見えた戦いに興味を示すこともなく、

僕は少し冷めてしまった紅茶を飲む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし英雄殿が邪魔しに来ると思ったけど、何も無いな。

 

そのことに対して心底ありがたいと思うけど、

不安も有る。

 

とりあえず胃薬と頭痛薬の準備だけはしておこう。

 

 

 

 




神野さんに煽られてオーフィスが怒るの図。

まぁ普通に笑ったり、グレートレッドに対して
指で銃を作ってBANする情緒が有りますからね。

相手をイラつかせる存在である神野さんに
対して素直な悪意をむけてしまうのは
シカタナイネ。

サーゼクスさん。何を言ってもブーメランである。

紳士の元に現れた謎の槍使いと鎧武者の
正体とは?!

次回、シャルバ死すっ?!

因みに虎鉄は誤字ではありませんってお話。


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