とある師弟のD×D   作:カツヲ武士

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1日にむこうで歴史を1話。ローファンタジーを3話。

そしてコッチでDDを1話。

・・・作者は何をしているのだろうか?
消える前の蝋燭?

オリ設定!
オリ展開!

短いぞ!

嫌いな人は読み飛ばし!


第96話

ーーアザゼル視点ーー

 

一回目の顔見せから数日後、俺達は再度

の情報の擦り合わせの為に駒王町の某所

に集まって協議していた。

 

「オーディン様に伺い、指示が出ました。

『そのウィーネと言うのは知らないが

鬼灯には逆らうな。むしろ関わるな。

向こうの護衛と会話が出来るなら護衛に

関しては全て相手に一任せよ』とのことです」

 

がっくりと力を落として報告してくる戦乙女。

 

つまり今回コイツに出された命令は

「主神の護衛だけをしてろ」と言うことだ。

 

ある意味で先日自分が悪魔達に言った

「余計な事をするな」と言うのが

叶った形では有るが、なんとも言えん

表情をしているな。

 

「お初にお目にかかります。悪魔側の

護衛責任者、シロネ・オセです。

戦乙女様にご迷惑をおかけすることは

無いので、オーディン様の護衛に全力

を注いでください」

 

そして、やや凹み気味の戦乙女に丁寧に止めを刺しに来るシロネ・オセ。

 

その辺の悪魔が相手なら戦乙女も反発

するだろうが、明らかに自分より強い

シロネ・オセを見れば、向こうの人員の

怖さもわかると言うものだろう。

 

懸念事項としては、オセ家の眷属たちの心証だ。

 

まぁコイツらの本心なんざ探るまでもねぇ。わかるぞ、「面倒なことしやがって」と言ったモノだろう?

 

奥方の友人はともかくとして、そもそも

俺達がここで研究・再現しようとしてる

術式はオセが開発したものだ。

ソレを盗みに来た俺達に良い顔をする

理由が無い。

 

オセの許可が無ければココで戦闘になってもおかしくはないくらいだからな。

 

だがここで研究の許可を出したところが

オセの内心を物語っている。

 

そう、つまりオセとしても神野に対抗する

手段は多い方が良いと判断してるのだ。

 

研究所が一箇所しかなかったら、ソコを

やられたら全部お終いだからな。

リスクの分散は当然だし、今は俺達に碌な

技術が無いからアレだが、俺達がオセの

持つモノとは別のモノを造り出したなら

その時は技術交換もできるだろうさ。

 

ちなみに案内人のソーナ・シトリー達は今回ココには来ていない。

 

シロネ・オセからの「掃除してて下さい」と言う命令に従って全員が兵士として動いている。

 

・・・コイツに鍛えられたら、そりゃ歴戦の兵士みてぇにもなるよな。それにソーナ・シトリーやYOSHITUGUもヤツを知ってる感じだったし。

 

金棒での洗礼でも受けたか?

 

あの若さで地獄の底を体験している不運に同情すべきか、高みを知ることができて良かったなと言うべきか・・・

 

少なくとも『英雄』みてぇに慢心する

ことはねぇってことは確定してるから、

兵士としては信頼しても良いだろうさ。

 

「前回の顔合わせには参加しませんでしたが、お話は伺ってます。そのため今回の護衛に関して最大の問題はどこまで殺るか。と言うことです」

 

俺がソーナ・シトリーに対する評価を

定めてる最中にシロネ・オセがそんな

事を言って来たが・・・

 

「どこまでってのはアレか?テロリスト

に対してか?なら殲滅一択だろ?」

 

別に生け捕りにして拷問したり、神器を抜くってんなら止めねぇけどよ。

 

「なるほど、ではこの会談を邪魔しに来る連中は殲滅ですね?戦乙女様も異存は有りませんか?」

 

ん?何か引っかかる言い方だな?

 

「え、えぇ。ソレで問題有りません」

 

戦乙女の方は、明らかに気圧されてやがる。

 

まぁ爺さんに邪魔するなって言われてるしな。

ソレを考慮すれば前回の顔合わせで知った

情報で、向こうがどんだけ恐ろしい存在か

を理解出来るし、目の前で「良し」と頷く

シロネ・オセも「殺すと決めたら必ず殺す」

って雰囲気を隠しもしてねぇからな。

 

しかもなんか邪魔が入ることを確信してるみてぇだし・・・

 

コレはアレだな。後から「殺すな!」って言われても既に言質は取ったから知らんってことだよな?

 

つーか誰が来るんだ?貴重な神器使いか?

まさか神滅具?

 

「ではロキ様が来たらコチラで処分します。ラグナロクに関しては・・・そちらで何とかしてください」

 

乱入者が北欧神話の神だと?!

しかもロキ?!

 

「( ゚Д゚)ハァ?」

 

戦乙女が完全に固まりやがった!

 

「いやぁどうもロキ様が今回の会談に対して

かなり不満が有るらしいんですよ。

それでオーディン様に文句を言う!って宣言

してるみたいですね?そんな彼が来たらどう

するかは我々の中でも決めかねてましたが、

総督殿と戦乙女様の許可を頂けて助かりました」

 

コイツ!爽やかな顔して何てことを言いやがるッ!いや、コレは俺が迂闊だった!完全にしてやられたっ!

 

「彼はまず、日本神話群に対して自分たちの

神話の主神がアイサツするのが気に入らない

のと、我々聖書の陣営との同盟も気に入らない

ようですね。まぁ基本的に我々は嫌われてます

ので理解はできます。あぁ文句はソコの堕天使

の総督様にお願いしますよ?

ここまで嫌われる原因を作ったのはこの人と

ミカエルと先代魔王様と神です」

 

「・・・」

 

ぐうの音も出ねぇとはこのことだな。

俺達が他勢力に手を広げたのは事実。

その方法が他の勢力から嫌悪されてる

のも事実だし、まさか親父やミカエル

だけのせいには出来ねぇよ。

 

「まぁロキ様が我々を嫌おうが何だろうが

日本神話群の方々には関係ありません。

無断で侵入してきたら滅ぼします。

正面から来たら話は聞きましょう。

ですが我々に宣戦布告をするような言動を

した場合は滅ぼします。

北欧神話の事情?喧嘩を売られたから

買っただけですが何か?」

 

反論の余地を許さぬように畳みかけてくるが、言ってることは何一つ間違ってねぇよな。俺らからすれば優先すべきはオーディンの爺さんだが、オセにしてみたら優先すべきは奥方の友人である日本神話群の使者なんだろ?

 

神野への対抗策に関しても、日本神話群に粗相して護衛の代表のヤツに目をつけられたらソレどころじゃねぇからな。

 

恐らくヤツには神野も何も関係ねぇ。俺たちが滅ぶ?勝手に死ねって感じだろうよ。

 

「そもそもオーディン様はロキ様が凶行に

及ぶと予想していながら今回の訪日を決定

しました。せめて内部の意見くらい纏めて

から来て下さい。率直に言って迷惑です」

 

「「・・・」」

 

丁寧な口調ではあるが迷惑とまで言い切りやがった。

 

やべぇな。コレがオセの眷属の意見

だとすれば、ロキと一緒に俺達も

消される可能性が有るぞ。

 

何せオーディンの爺さんは5等か6等。

奥方もそのくらいなはずだ。

 

そしてソレを上回ると言うからには

ウィーネって奴は6等か7等。

 

つまり低くてトール。高ければシヴァレベルだ・・・洒落にならん。

 

神野が俺を苦しめる為に生かすって言う

なら死ぬことは無いかも知れんが、

下手にダメージを受ければそれこそヤツに

生かされるだけのモノに成り下がるだろう。

 

そうなれば残った仲間たちは鋸を引くかのようにゆっくりと嬲り殺される。

 

俺らではオーフィスですら拘束したあの

術式を破壊出来るとも思えねぇしな。

 

だからこそ要注意だ。向こうには出来るだけ関わらねぇ。

 

会談の場にも俺は行かねぇ・・・ってわけにはいかねぇよなぁ。組織の代表である俺が日本に来てるだけなら良い。だが向こうに天照の代理が来てるってのに挨拶もしねぇとなれば、ヤツの金棒で俺の息子が再起不能にされちまう。

 

そうなれば神野もソレを見て指差して嗤うだろうよ。

 

そんな致命傷のダメージを受ける気も無ければヤツを楽しませる気もねぇ。だからこそ当たり障りのない挨拶をしてさっさと会談を終わらせようとしたってのによぉ。

 

まさかロキがきて問題を起こそうとしてるなんてなぁ。

 

「ろ、ロキ様が動くと言うのは確かなのですか!?」

 

完全に停止していた戦乙女が再起動した。

まぁ気持ちはわかる。何せソレが事実なら

ロキの目的はオーディンだ。

 

そしてオーディンと向き合われたら

自分一人で相手をする必要が有るし、

オーディンと向き合う前ならロキが

滅ぼされてしまう。

 

しかもその許可は先ほど自分で出したばかり。

 

いやそもそも護衛としては襲って来たヤツを始末したところで正当防衛だし、シロネ・オセが言うように、内部の問題を片付けてから来いってのは当たり前の話だ。

 

迷惑をかけるのが同盟を組んだ俺達だけならともかく、全く関係ねぇ日本神話群なんだからな。

 

俺ら聖書の陣営はテロリストの件で、北欧神話群は同じ神の件で迷惑を掛けるんだから、印象は最悪だ。

 

ロキ?あのシロネ・オセだけならまだしも、奥方を上回るって言う小龍姫や、ヤツに勝てるわけねーだろ。

 

下手に向こうに絡めば肉団子待ったなしだし、向こうに絡まないところで襲ってきたなら、俺たちがヤバイか?

 

まぁどちらにせよ、北欧神話群が受けるダメージは甚大なモノになるだろう。・・・どーすんだよコレ?

 

「確かに悪魔からの情報に信憑性など期待は出来ませんよね。では戦乙女様ご自身でご確認してみては?」

 

コテンと首をかしげて答える様子には嘘は見受けられん。コレは確実に来る。

 

ならば備えねばならんが、神が相手となると俺たちだけでは厳しい。しかもロキが単体で来るはずがねぇ。

 

話だけなら良い、一騎討ちも良い、だがもしも本気でオーディンに何かをする気なら、ヤツはフェンリルを連れてくるだろう。

 

そうなればオーディンの爺さんは戦えねぇし、俺達だってやべぇ。だが、駒王町で戦うことで強制的に向こうを巻き込めば・・・何とかなる。

 

少なくともフェンリルはヤツが回収するだろうし、ロキも小龍姫ってのに殺られるだろう。だがソレは北欧神話にとってどうなんだ?

 

他の神話群との接触で新たな可能性を探すとか言ってるらしいが、新し過ぎるよな?

 

まさかヤツがロキを、タコ殴りにして終わりだと思ってるとか?・・・有り得る。ヤツは己の力を知るが故に、世界の均衡を破壊しようとはしないからな。

 

だが小龍姫がなぁ。戦争上等のオセの眷属が、自分達に喧嘩を売られた挙げ句(シロネ・オセが現場にいればそうなる)、奥方の友人に迷惑をかけられた場合、相手がロキだからと言う理由で止まるか?

 

さっきシロネ・オセが言ったように、容赦なく消されるんじゃないか?

 

・・・こうなったらアレだな。ロキが正面から、正規の客として訪問してくれることを祈るしかねぇ。

 

名目は「単独行動をしたオーディンの回収」なんてのはどうだ?爺さんが下手に抵抗しなければ地元には帰れるんじゃないか?向こうで何があるかは知らんが、それでも日本で最終戦争をおっ始めるよりはマシだろうよ。

 

「た、確かにそうですね。その件については至急確認させて頂きます!」

 

よし、ならばその時に、向こうに伝言してもらうか。ここで戦争なんか起こすわけには行かねぇからな!

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ーーシロネコ視点ーー

 

 

いやいや、自称弟子と眼鏡公女からの情報通りでしたね。コイツらどんだけ報連相が出来て無いんですか。

 

戦乙女はマゴマゴしてるし、アザゼルは保身に走るし。まぁ組織の長とすればソレが正解なんですけどね。

 

補佐官様に喧嘩を売るのは勇気ではありません。自殺です。

 

かと言って今のこいつらでは、ロキが敵として来たら勝てませんからね。どうしても神クラスの力を持つ援軍が必要になりますが、いきなりそんなん用意出来ません。

 

その為オーディンを殺さない為には狐様の護衛の皆さんが必要になります。あとは・・・そうですね。ロキを説得出来れば問題ありませんね。

 

つーか最初からソレをやれって話ですが、神野さんの情報を隠したままだとソレも難しい。

 

それに、ここでロキやフェンリルを討ち取れば、北欧神話は強制的に新たな道を模索することになりますよね?つまりは停滞からの脱却です。

 

つまりご主人様の望みにまた一つ近付きます!

 

そのお手伝いをするために、ウィーネ様もロキが駒王町に現れた時点で殺すつもりですからね。戦乙女の許可なんて関係ありません。

 

ただ「私たちはテロリストを殲滅する」と言うのを宣言しただけですからね。

 

ソレが嫌なら来るな。来るなら覚悟を決めろ。ただソレだけのお話です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやはや、ロキの選択が楽しみですねぇ。

 

 

 

 




前置きが長すぎる?作者も自覚してますが、作者の中ではこの絶体絶命のピンチで、どうやってロキを長生きさせるかを考えてます。

いや、だって、一回目で瞬殺したら出番が・・・ってお話。


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