とある師弟のD×D   作:カツヲ武士

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久々。本当に久々に更新でごわす。

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97話

ロキ視点

 

『つーわけじゃ。済まぬが儂への文句が有る

なら、後できちんと話し合いの場を作るんで、

今回は我慢してくれ。つーか何をするにも

とりあえず帰国してからにしてくれんか?』

 

急にオーディンから連絡が有ったから何かと

思えば、私に行動の自粛を求める為の連絡とは。

 

「はぁ、まぁそれなら仕方ないと言いますか

何と言いますか・・・」

 

我々北欧神話群の主神であるオーディンが、

何をトチ狂ったかいきなり

『聖書の陣営の堕天使勢力と同盟を結ぶ』だの

『日本神話群とやらとの会談に向かう』

とか言い出した時には「何をアホなことを」と

思ったが、その理由が連中が開発をしている

神殺しの術式の観測と調査と言うなら文句はない。

 

私が動こうとしていることも向こうには

筒抜けだったようだし、向こうが自分を

殺そうと万全の態勢を整えているところに

ノコノコ突っ込むほど阿呆ではないつもりだ。

 

と言うか是非とも頑張って調査してくれと

言いたい。

何せ聖書の陣営の連中が神殺しの術式などを

持ってしまえば、今まで以上に調子に乗って

くるだろうからな。

 

『うむ、すまんの』

 

いつも以上に素直なオーディンの態度には

違和感を覚えるが、アレだろ?

 

日本神話群の使者の護衛には例の鬼神が居る

のだろう?私は直接会ったことは無いが、

娘のヘルから話は聞いているぞ。

 

少し前にオーディンに真意を問い質しに

日本へ行くと言った際に『日本に行くと言う

なら絶対に逆らってはダメな方が居ます!』

と随分と念を押されたからな。

 

オーディンも妙に恐れているようだが、それは例の鬼神が理由か?

 

「ちなみに聞きますが、その、ホオズキと言うのは・・・」

 

『馬鹿者っ!軽々しくその名を口にするでないっ!』

 

「あ、はい」

 

当たりか。と言うかあのオーディンがマジで

ビビっている件について。

 

いや、基本的に我ら北欧神話は黄昏によって大半

が消える事になるので、自らの死に対しては

耐性と言うか、覚悟が有るモノなのだが、ヘルと

言いオーディンと言いなぜこうも怯えるのか。

 

まぁいいや()とりあえず私は納得したので、

他の連中を説得してくれ。具体的にはスルト。

 

なんかスルトセカンドとか訳のわからんモノを

造られた挙げ句、それを悪魔ごときの眷属に

されてるんだろ?

 

ただでさえ聖書の陣営の情報が流れてくるように

なってからと言うモノ、連中の非道だの無道に

対してかなりイラついてるからな。

 

誰が、何の為に世界を焼く存在のコピーを

造ろうとしたのかは知らんが、所詮は魔王

ごときに従う存在だ。

 

脅威の度合いはそれほど高くは無いが、本人

からしたら我慢は出来んよなぁ。

 

そもそもスルトのコピーって只の火の神の

出来損ないだろ?誰だよ造ったの。

 

神殺しの術式なんか関係ねぇ!って感じで襲われるかもしれんぞ。

 

『とりあえず頼んだぞ!来たら命の保障はせんからな!』

 

「はぁ」

 

言葉は非常に強い言葉なのだが、その内実

を知れば何とも言えない気分になるな。

 

まぁオーディンは最強と言う訳では無いし、

彼を上回る神だっていくらでも居るだろう。

 

自分よりも強いモノを警戒するのは当たり前だ。

 

それに私としても日本で黄昏を行う訳には

行かんし、連中用に何かを仕込むもの面倒だ。

 

態々踏み台になってやる筋合いも無い。

 

それにテロリスト共が何やら蠢動している

ようだからな。

 

踏み台というよりは咬ませ犬のような扱いだが・・・人間がこの私を欺けると思うなよ?

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

奥様視点

 

『向こうはこんな感じだねぇ』

 

「ふむ、オーディンめロキを説得したか」

 

旦那様は「意外だ」と言う顔をしてますね。

 

確かにあの頑固な老人が簡単に己の行動を

改めるのは意外と言えば意外ですが、その

原因である補佐官様のことを知っていれば、

当然の行動だと思いますよ?

 

「おかげでコチラとしても狐殿に迷惑はかかりませんから、問題無いのでは?」

 

重要なのはココだと思うんですけどねぇ。

 

別に来られても殺すだけなのですが、

日本の敷地内で神を殺したら何か面倒

な手続きとかが有るかもしれませんし。

 

「ま、そりゃそうだがな。折角神が挑んで

来てくれるんだから、捕獲の用意をして

おこうと思ったんだよ」

 

「あぁなるほど」

 

奇跡の部屋ですか。本物の神を実験出来る

なんて早々有りませんし、更に言えばその

神は「ロキ」ですからね。

 

向こうとは違うと言うことは分かって

いますが、どうしても興味は有ります。

 

『うーん。神って言っても中途半端に受肉

しちゃってるから、面白い存在とは言えない

と思うけど?』

 

神野的には受肉している時点で神では無い

と言う感覚なんですよねぇ。

 

まぁ斬れば殺せる神なんか神じゃないと

言われてしまえばその通りです。

 

それに連中は私や魔王のサーゼクスらと

同レベルですからねぇ。

 

狐殿は戦ごとに向いた方では無いのでそれも

シカタナイことなのですけど、あのインドで

破壊を司るシヴァが7等ですからねぇ。

 

それに帝釈天がシヴァを敵視するって意味

が分かりませんよね。

 

元々仏教だのインド神話だのは色んなのを

混ぜ込んでいますが、世界の破壊を司る

シヴァに対してその辺の雷の神如きがどう

立ち向かうと言うのか。

 

インドラだとしてもヴィシュヌの力を借りて

ヴリトラを倒したんでしょ?

 

ヴリトラは一度死んでも何度でも甦るので、

殺し方はいくらか有ったみたいですが、それ

でもヴィシュヌ>インドラであるならば

シヴァと敵対しようとすること自体がおかしい。

 

まぁ神話は所詮神話だし、肉体を持つ神には

違う理が有ると言えばそうなのでしょうが。

 

「ソレはソレだ。ロキは伝承だけ見れば

雌雄同体にして悪辣な神なんだから、

学術的には面白いのかも知れんじゃ無いか。

まずは殺ってみんことには何も出来んさ」

 

学術って言うような存在ですかねぇ。

 

『ふぅん。まぁご主人が良ければ良いさぁ』

 

結局はそこですよね。旦那様が望むことを

叶えるのが我々の使命なのですから、

意見を言うことは有っても、ソレを否定

したり訂正させる必要などありません。

 

『そんで、向こうで色々している英雄派

についてはどうするんだぃ?』

 

来ました英雄派。

 

なんでも禁手化を狙って色々な実験をして

いるんでしたっけ?

正直に言えば勝手に禁手でも何でもしろって

感じですが、旦那様にしてみれば・・・

 

「人間が知恵を絞って、さらに命懸けで己を

昇華させようと言うのだろう?ソレを邪魔

するような無粋な真似はせんよ」

 

『「ですよねー」』

 

神野と同じリアクションになってしまい

ましたが、そりゃそうなりますよ。

 

連中は悪魔の『英雄』と違って、しっかり

己を追い込んで、鍛えているんです。

 

旦那様にとっては称賛することは有っても

邪魔をするようなことでは有りません。

 

とは言え加減しては意味が有りませんので、

きっちりと眼鏡公女にも仕事はさせますけどね。

 

「では神野は予定通り適当な兵士を

連れて英雄派を襲ってくれ。

その際のレベルは・・・3等で良い」

 

『りょーかーい』

 

ふむ。今の自称弟子と同レベルの悪魔を

ぶつけることで、連中に絶望を与えると

言う寸法ですか。

 

その絶望を乗り越えたとき、彼らは更に

成長をしていると言うことですね。

 

まぁ堕天使の幹部程度ですから、神器

次第では・・・・・・無理ですね。

 

一体ならまだしも、数体で現れた場合、

人間では攻撃の余波だけで死にます。

 

絶霧の使い手がどこまで出来るのか、それと

魔獣創造のレベル次第では反撃も難しいこと

ではありませんが・・・どこまで期待できることやら。

 

それに指導者は「曹操」を名乗っていると言う

ことですが、曹操とか諸葛亮の魂を引き継いだ

と言うのも意味が分かりませんし、神器

が発現したからってそのまま曹操を名乗ると

言うのもアホみたいなヤツですよね。

 

その名前を名乗ってしまったがゆえに己の

生き様を確定させてしまいました。

 

諸葛亮に至っては・・・何がしたいのでしょう?

 

私たちが知る諸葛亮はタダの夢見がちな阿呆

でしたが、この世界の諸葛亮もまた無駄に

戦乱を広げただけの阿呆ではありませんか。

 

英雄と言うなら侯景くらい弾けて見せなさい。

 

それはそれとして、ロキが止まったことを

簪に伝えましょうか。

 

神野が率先して教えるかも知れませんが

正式な命令は必要ですし。

 

とは言え狐殿の護衛に気を抜かせる気は有りませんけどね。

 

・・・・・・連中にも誰かを

差し向けるべきでしょうか?

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ソーナ視点

 

『と、言う訳でロキは動きを止めました。

ただ天照大神様の代理である神使様を

お迎えするにあたってご無礼が無いように

貴女方はいつも通り業務を行うように』

 

「はい!」

 

良かった!本当に良かった!

 

オーディン様の機嫌とかは良いんですか?とは聞かないわ!

 

だってロキ様が日本に来ていたら、ロキ様と

オセ様の眷属の方々の戦争でしょ?

そうなってたら駒王町なんか消し飛ぶわよ!

 

まぁカンザシ様辺りが何かしらのフォロー

をしていたでしょうけど。

 

それにしたってオーディン様よね。

止めれるなら最初から止めなさいよ!

 

『それと、これからオセ家は英雄派に対して

攻撃を仕掛けます。巻き添えが発生しない

ようにするつもりでは有りますが、現在

連中は何やら妙な真似をしようとしている

そうなので、今まで通りの見敵必殺を

心掛けて動くように』

 

「「「サー・イエッサー!」」」

 

シロネ様のお言葉に対して全員が敬礼で

応えると、満足そうに頷いて通信が切れる。

 

英雄派の拠点を掴んでるんですか?!

とかも聞かないわよ!

 

そのまま固まること数秒。前に気を抜いた

所に『あぁ忘れてました』と言って通信を

再開されたこともあるので、気は抜けない。

 

とは言え今回は大丈夫そうね。

 

「聞いたわね?ヨシコ=サンと匙はこのまま

私と共にオーディン様の案内役を続行。

椿姫はもうしばらくはパトロールを任せる

事になるけど、終わったらボーナスを出す

から何か欲しいモノが有ったら言ってね」

 

王の代わりに動くのが女王の仕事なので

ソレをどうこう言うつもりは無い。だけど

働いた分の補填はキチンとしないと駄目だ

と言うことを考えれば、少しは椿姫にも

報いる必要が有るだろうと思って声を

かけたんだけどね。

 

「私としてはするべきことをしているって

だけですし、欲しいモノと言われても

余りないのですけど・・・」

 

多分そうだろうなぁとは思ってたわよ。

お金を貰っても使う機会が無いし、

お休みなんかあったら鍛えるもんね。

 

ソーナが予想したように、いまのソーナ眷属は

基本的に暇さえあればトレーニングをするのが

流行り(と言うか護衛として鍛錬は義務)

なので、椿姫としても特に欲しいものは無い。

 

有るとすれば精々が「良き師が欲しい」と

言ったところだが、ソレを言った途端に

地獄から手が伸びて来てどこぞに引き摺り

込まれることがが想像出来るので、絶対に

口には出さない。

 

椿姫はあくまで「(程)良い(ところで抑えてくれる)師が欲しい」のであって、死にたいわけでは無いのだ。

 

「うーん。まぁソレも分からないでも

無いんだけどね。ただ前回の『英雄』様の

ゲームのせいで暫くはゲームは無いけど

場合によっては私とゼファードルの

ゲームがありそうだから、ソレに備えた

装備とかでも良いのよ?」

 

最低限全員用の装備は揃えているが

個別になると話は別だ。

 

椿姫だけ特別扱いするようでアレだが、

そもそも椿姫は自分の代理にもなる女王だ。

 

それ故に特別扱いするのが普通だし、椿姫

には匙のような龍気も無ければヨシコ=サン

のような専用の装備も無い。

 

神器を有効に使う為にも彼女には何か

装備品があった方が良いと言うのは

眷属全員の想いでもある。

 

それに予算云々の話になった場合、一応

其々の眷属には冥界に領地を与えているが、

高校生如きが領地経営を出来るハズが

無いので所領は発展しているとは

言えない状況である。

 

なのでやっぱりシトリー家の財布から

出ることになるし、特殊な材料などに

関しては公爵家の伝手が有った方が望む

モノが得られると言うのも当たり前の話。

 

「あぁゼファードル様ですか」

 

椿姫が溜息を吐きながら、将来戦う

事になるであろう強敵を思い出す。

 

ソーナや匙は、彼と同じようにオーディン

の近くで仕事をしているからこそ、

現時点で彼らの実力は自分たちを大きく

凌いでいると言うのは良く分かっている

 

ゴトウは人間の身で有りながらオセと

契約を交わして鍛えに鍛えた戦士だし、

他の3人も物心ついた時から教会に

よって洗脳教育を受け、身心を鍛えて

居た身だ。

 

つい最近まで学校に通い遊びながら

鍛錬モドキをしていた自分たちでは、

到底太刀打ちできるような相手では無い。

 

だからこそ白音はヨシコ=サンを

紹介したのだし、簪もいい勝負が

出来るようにと疑似神器を与えたのだ。

 

「うーむ。確かに彼らとの戦いとなると、現状では厳しいモノが有るな」

 

そのヨシコ=サンとしても、今の自分

では彼らの一人と相打ちが出来るか

どうかと言ったところだろうと言う

ことは理解している。

 

ゲームの勝敗に興味は無いが、自己鍛錬

と言う点で考えれば、身近に超えるべき

壁が有ると言うのは悪いことでは無いし、

負けるにしても痛い思いをしたいわけでも無い。

 

ならば出来るだけ準備をしておきたいと

言うのは当然の話だろう。

 

「・・・麻雀勝負とかにならないですかね?」

 

匙も弱気と言うか何と言うか、微妙なことを

言って来る始末だ。

 

「それじゃ、レーティングゲームの意味無いでしょう」

 

お互いの実力差を正しく理解しているから

こそのコメントであるが、流石に麻雀では

レーティングゲームの意味が無い。

 

もしかしたらアジュカ様辺りが遊び心を出して

東西南北とか白発中の牌を持つ眷属が揃う

ことで、国士無双!(ライジングサンッ!)とか言って

特殊な力を発動できるような仕掛け(ギミック)を作る

可能性も無くはないが・・・

 

いや、チェスだから。と頭の中で起こった

国士無双によって生じた大爆発を無視する

ことにするソーナ。

 

「ま、どんな内容の試合であっても無様を

晒さないように研究と修行は怠らないよう

しないとね」

 

「「「ですねー」」」

 

何せ無様を晒したらシロネ様共々矯正である。

 

眷属一同、来るゼファードルの戦いに備えて

緩むことなく修練することを誓ったと言う。

 

たとえロキが来訪しなくとも、彼女に安息の日は来ない。それが領主と言うモノだ。

 

 

 




ロキ、来ない!

まぁ彼は狡知の神ですからね。危険には近付きませんし、拙作のオーディンは原作の方とは趣が違いますので、当然自分が折檻される可能性は減らしていきます。

北欧神話に於いて全てを終わらせる神であるスルト。彼らがそのコピーを作るとか有り得ません。しかも数え方がセカンドって・・・北欧だって言ってるのに。さらに廃棄処分とか意味が分からない。

そして英雄派に襲い掛かる理不尽ッ!
理不尽を超えてみせろぉぉ!ってお話

噂では拙作の解禁を宣伝してくれた方が居るとか?こんな作品で申し訳ございません。

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