多少内容が分かりづらかったらすいません!
そこら辺を暖かく見守ってください!
では!
7月30日
徳島県徳島市の街を朝早くから走る一人の少年がいた。
その少年は黒いフードを被り、黒いジャージを身に纏い、街を一周していく。
「ふぅ」
走り終わるとフードを取り、素顔が晒される。
銀髪の髪に銀色の目。
普通ではあり得なさそうな髪や目をしている少年、『霧島悠斗』が近くのベンチで休んでいた。
「…帰ろ」
一人で朝早くから走り、日が昇り始めた為家に戻る。
悠斗の家はそこまで大きくない一般的な家庭であり妹が一人いた。
時刻は既に6時を回っており、霧島家は早起きのため全員が起きてた。
「おかえりーお兄ちゃん」
「ただいま。ノノ」
可愛いクマのパジャマで出てきたのは妹の『霧島ノノ』。悠斗の二つ下で小学三年生。
「悠斗ー?早くシャワー浴びてきなさーい」
「分かったーすぐ入る」
悠斗は脱衣室に向かっていく。
その間に母の『霧島裕美子』は朝ごはんの支度を済ませる。父は若くして他界しており、普段はこの三人で過ごしていた。
これがいつもの日常。変わらない日常。
そんな日常がこの日、終わりを告げる。
その日の夜。
いつも通り、悠斗は練習をしていた。
何の練習かと言うと…
「はあ!ふっ!たあっ!」
空手や柔道といった武道の練習をしていた。
それを見ているのは母である裕美子とノノが怪我をしないように監視をしていた。
悠斗は霧島家にある武術を全部習っており、その種目は多く剣道、柔道、空手、薙刀、居合、etc…。
とにかく沢山の武術を習い、そのほとんどをマスターし始めていた。
「悠斗、もう十時になるからそろそろ…」
「あ、うん。分かったよ」
裕美子に言われ終わりの時間である十時になっていた。
この後はもう寝るだけだが、この日はそうはいかなかった。
ゴゴゴゴゴッ!
「っと、また地震かしら?」
「最近多いね〜」
「でも強くなかった?」
激しく揺れた地面。
ここ数日ではあまりにも多い地震。
ただいつもとは違い、鳥や犬が騒ぎ出していた。
「何だ?」
刹那
空から何かが降ってきた。
三人は急いで外に出るとそこには見たこともない白い化物が人を喰らっていた。
その姿は虫にしては巨大で鳥にしては羽はないなんとも言えないような形をしており、人を喰らっているため口周りは血で染まっていた。
そして食べ終わるとこちらと目があった。
「逃げるよ!!!」
「きゃぁああああああ!!」
何処からか女性の叫び声が聞こえてくる。
しかし、それには構ってられない程に悠斗達も余裕が無かった。
先程空から落ちてきた白い化物は人を喰らう。それも建物に逃げても壊して強引に喰らっていくからだ。
「二人ともこっちに!」
裕美子の誘導の下に外へ逃げて避難場所に向かう。後ろを見ると、そこにあったはずの霧島家の家が無くなっていた。
「お母さん!家が…!」
「待っててノノ!もうちょっとしたら休憩できるからね!」
二人の手を引っ張りながら避難場所の学校へと向かって走る。
しかし…
「きゃっ!!」
「ッ!ノノッ!」
ノノが転び、裕美子の手から離れる。
そこへ化物達がノノを喰らいにやってくる。
「やめろぉおおおおおお!!」
悠斗は走った。
裕美子の手を振り払い、ノノの下へと走っていく。そしてノノを掴み投げ飛ばす。
「きゃ!」
ノノは多少血を流しているが、無事だった。
「お兄ちゃんッ!!」
グシャッ!!
「あああぁぁああああああ!!!!」
悠斗の叫び声が響き渡る。
「お兄ちゃんッ!!!」
「悠斗!!」
悠斗は右腕と右脚が無くなっていた。
噛み千切られた場所からは血が大量に流れていて、とても助からないだろう。
「嫌だよ!死なないでよお兄ちゃん!!」
「そうよ悠斗!母さん置いていくなんて許さないわよ!」
二人は涙で顔がクシャクシャだった。
しかしそれでも悠斗は助からないだろう。
仮に助かったとしても、義手義足の生活になり今までの生活には戻れないだろう。
そこへ化物が迫ってきた。
「「ッ!!」」
「かあ…さん、の、の……にげ…!」
悠斗が二人の体を左半身だけで突き飛ばす。
「ッ!悠斗ォォ!!」
瞬間、悠斗の体は化物に飲み込まれた。
気がつくとそこは赤黒い場所だった。
「こ、こ…は?」
辺りを見渡すと何処か部屋みたいだが部屋にしては小さく赤黒い。
左手で床らしき所を触ると、ブニブニしていて好ましくなかった。そして微かに揺れながら空気が入ってくるとかが理解出来た。
「俺はあの時に飲み込まれたはず…」
いつのまにか血は止まり、先程よりは楽になった。
(とにかくしばらくはこの場所について考えないと、まだ助かるかもしれない…!)
そう考えると悠斗はひとまず寝た。
そして気づかなかった。
ここが化物の腹の中ということに。
「ん、むう?」
気がつくと、先程とは違い揺れは無くなり、空気がより多く入ってきたと感じられた。
「なんだ?何かが変わったのか?」
そう考えてると、突然何処からか音が聞こえてきた。
ぐ〜〜!!
「そういやあれからなにも食べてない…」
しかし、その考えに至っても食料も何も無い。
ついでに言うとあの光景を見た後に何かを食べようとは思えなかった。
「それでも食わなきゃ死ぬ…」
そう言うと悠斗はある物に手を出す。
それは……
ギリィブチッ!
瞬間、辺りが揺れて悠斗は転がる。
「おわわ!!」
悠斗がやった事は、ブニブニする化物の肉を食い千切った事だ。
それに驚き化物は動き回り、ついでに中の悠斗まで揺らされた。
しかし突如として状況は変わった。
「いてて…って!腕が生えた!?」
そう、腕や脚から白い何かが生えてきて、元の体に近くなった。
「なんでだ…何にもしてないし…」
まあ、悠斗は脳筋なので頭を使う事は慣れていないため、理由なんて考えても仕方ないと判断した。
(それにこの腕や脚…凄え力が出てくる…これなら!)
悠斗は得意の武術の構えを取る。
そして…
「はあぁ!!」
一点集中の突き。
それによって目の前にあった肉壁が粉砕されて光が入ってくる。
「っ、外だ!」
悠斗は喜びによってはしゃいで外へ出て行く。
その先には………
「えっ…………」
地獄に成り代わっていた。
目の前には無数の化物がうようよしており、街のビルや建物は崩れてたり、破壊されていた。
そして悠斗の後ろには腹の抉れた化物が倒れていた。
そして悠斗は悟る。
自分はこいつの肉を食ったんだと。
そう考えてると強烈な吐き気が迫ってくる。
「おえっ…!げほっ!げほっ!…!おえぇええ!!」
ほとんど何も入っていない胃の中から何かを吐き出そうとし続ける悠斗。
しかしそんな事をしても起きてしまった事はもう塗り替えれない。
そんな中でも化物共は悠斗を襲いかかる。
「けほっ!……!あーくそ…!分かっちまったじゃねーか…!」
周りにいた全ての化物が近くの食料である悠斗を狙いに来る。
その数はざっと二十はいるだろう。
完全に逃げれないように包囲され、死が近づいてくる。
しかし、逆に死んだのは化物達だった。
それはあまりにも一瞬の出来事。
襲いかかる化物共を殴り蹴り、化物の体を抉り破壊していく。
「俺は…人じゃないんだな……」
右腕や右脚だけにあった白い身体はいつのまにか両腕両脚についており、体は完全に治っていた。
「それに分かる…」
彼はもう人ではなく化物になってしまった。
そして化物を喰らった事で化物が手に入れた情報を知ることが出来た。
化物になった少年は歩いて行く。
希望のある場所へと。
三年後。
あの日、空からの化物ーーバーテックスが地上に降りてきてから三年。
今丸亀城には六人の少女と一人の少年が住んでいた。
桔梗の勇者、乃木若葉
山桜の勇者、高嶋友奈
彼岸花の勇者、郡千景
姫百合の勇者、土居球子
紫羅欄花の勇者、伊予島杏
巫女、上里ひなた
そして、化物の勇者、霧島悠斗
神樹さまの神託を聞ける巫女と、唯一バーテックスと戦える勇者が丸亀城に住み、日々訓練を重ねてきた。
「よ、若葉」
「悠斗か」
「また難しい顔してたぞ」
二人は丸亀城の天守閣にいた。
そこから景色を見ながらあの日の事を思い出す。
「あれから三年か…」
「ああ…」
二人は思い出す。
三年前、あの日に人は空を奪われ、四国以外の世界を奪われた。
「必ず取り戻す…それが人として、勇者としての責務だ…!」
「ああ、勿論だ」
若葉は巫女で幼馴染のひなたと一緒に、力に目覚めて勇者として人々を四国まで誘導してきた。正に勇者と呼べるだろう。
しかし、一度は死にかけたが、化物の力を手にして復活してきた悠斗。
本来なら勇者は悠斗を切っても問題はない。しかしそうしないのは友奈や球子が止めたしひなた達も大人を説得しようと頑張った結果、三年の月日の中でその力を物にした悠斗。
そんな七人だから超えられるものもある。
「絶対に負けてたまるか!」
七人の絆は何よりも硬く強い。
その絆がいずれ、神に牙を剥く。