あまり書く時間が無くて……
言い訳はここら辺にして、では本編どうぞ!
戦いが終わった後、病院に送り込まれた若葉達は暇を持て余していた。
「暇だ〜…」
いつもなら球子の適当な言葉にも返事をしてくれる悠斗や友奈は今、まだ検査を受けていた。
「長いわね、あの二人」
「確かに長いな」
「まあ、友奈さんは切り札の『一目連』を使ったから異常が無いかをしっかり調べてるはずだけど…悠斗さんは?」
「呼んだか?」
不意に聞こえた声の方を振り向くと、そこには所々湿布を貼った悠斗がいた。
「遅かったが何を調べてたんだ?」
「ああ、それならほら。これだよ」
悠斗が服の袖を上げると、目に入ったのは見た目は普通の腕だが、その気配は完全にバーテックスと同じ気配だった。
「入念に調べられてたけどそんなに大したもんじゃないらしいぞ」
「ならいいけど…」
明るめに言葉を言う悠斗だが、杏だけはその言葉に疑問を持っていた。
(そこまで入念に調べられてたのに特に無し?そんな事は無いはず…悠斗さんは一番負担が掛かるはずなのに……)
人ならざるものをその身に纏い、その力を振るう。そんな事が出来る奴は人では無い。
杏はその疑問を聞くことが出来なかった。
その次の日。
友奈は切り札を使った代償が無いかを調べるため数日は入院。その間に千景は高知の故郷に帰っていた。
そして若葉達は、街でお昼を食べていた。
「うんまー!!やっぱここの雛は美味いな!」
「それを言うなら親だって美味いぞ。この食感は雛では味わえないだろう」
「なにおう!?雛はこの柔らかさがタマらないだろ!?」
二人はどっちがいいかで今にも争いを始めようとしていた。
そんな所に…
「おねーちゃん達ケンカはだめっ。親も雛も美味しいでしょ!」
この店にいた子供が二人のケンカを止めに入る。
「こ、こら!す、すいません娘が…」
「い、いや……」
「こちらこそ……」
若葉も球子も流石に子供に言われたら引き下がるしか無いだろう。
「ふふっ、若葉ちゃんも球子さんも子供相手は引き下がるしかありませんね」
「だな」
「恥ずかしいくらいですね」
悠斗達は恥ずかしがる二人を見て微笑む。
あまり外での食事を取らない悠斗にとってはこういった事はない為、嬉しく感じられた。
「友奈はもう少しは入院か…やっぱり切り札は負荷が大きいな」
「使わないな越した事はないけど、やっぱり難しいよな…」
昨日の戦闘は杏の変身の遅れや千景が怯えたりで、多少のトラブルがあった。
それに樹海を傷付けたりすると、現実でも被害が出る為に迅速に倒すことも要求される。
「またあいつらもやって来るからその時はしっかりと対応出来るように頑張ろう」
「そうだな」
「タマに任せタマえ!」
「わ、私も出来る限り頑張ります!」
悠斗の言葉に三人も賛同し、気合いを入れ直す。
その頃、千景は……
(また帰ってきた……)
故郷である高知県のある街に帰ってきていた。
その街の人口は少なく、田んぼや畑が多い。
(あまりいい思い出なんて無いのに……)
今回千景が故郷に帰ってきた理由は、天恐である母の様子を見てこいとの事だった。
そもそも天恐とは、あの日、バーテックスがやって来た事をキッカケに空を見ることが怖くなることだ。それにもステージがあり、ステージ三以降は入院が必要だそうだ。
(母さんは寝てるとして……父さんが看病してるとは思えない……)
などと考えてる内に家に着いていた。
「ただいま……」
「ん?おお!千景じゃないか!!」
出て来たのは少し大きめだけど細い男だった。
そう、彼こそが千景の父なのだ。
「帰って来てたのか!言ってくれれば車を出したのに」
「いいよ別に……それより母さんは?」
「あ、ああ。今は寝てるよ。さっき薬を飲んだからぐっすりだ」
父の言う通り、母の様子を見ると今は本当に寝ているようだ。
「そうだ千景。久しぶりに帰って来たんだし街を歩いて来たらどうだ?」
「……」
正直、気が進まなかった。
理由としては、過去に千景はこの街でいじめの標的にされ、酷い目にされていたからだ。
「お前の同級生も久々に会いたいだろうし」
「そう、ね……」
千景はそう言うと家を出て、散歩をしに行く。
久しぶりに街を見るがあまり変わっておらず、時が経った気がしない。
「誰もいないわね……」
見える景色は畑や田んぼ。なのに人は見えず、案山子がポツリと立っているだけで、寂しい景色が続いていた。
しかし、目の前から人影が見えてきた。
それはーー
「あれ?郡さん!?」
「ほんとだー!」
「久しぶり!覚えてる!?私だよ!同じクラスだった!」
三人は千景と知るなり、近づいてきて話しかけて来た。
(前はもっと態度が違ったのに、私が勇者ならすぐに態度を変えて持ち上げる……)
普通なら疑ったり色々あるが、千景はそうならなかった。なぜなら千景はこの街の人たちに優しくされたことが無かったから。
そして人はドンドン増えていく。
「千景ちゃんかい?今度うちに来てくれよ。サービスするぜ」
「怪我してないかい?風邪は?薬ならうちに任せておくれ」
「郡さん!今度遊べる!?」
あれやこれやと街の人たちは千景に群がる。
そして千景のとった行動はーー
カツンッ!
その音で場を静めた。
常備しとけと言われて持っていた神器、『大葉刈』で地面を鳴らし、静かにさせる。
「私に……私に価値はありますか?私を……愛してくれますか?」
今の千景が聞きたいこと。
自分には価値があるか。
自分を愛してくれるか。
それを聞いた街の人達は……
「勿論じゃないか!」
「貴方はこの街の誇りよ!」
「この街は安泰だな!」
「千景がいるからこそ俺らも食っていけるんだ!もっと自信を持ってもいいぞ」
街の人達は千景の事を誇りに思っていた。
千景はこれまで言われたことがないような言葉を聞き、次なる戦闘に向けて闘志を燃やし始めていた。
千景が帰って来てから数日後、二回目の戦闘が来た
「前回よりは多いか」
悠斗の呟いた通り、前回よりも数が増えていた。
「私は先に行くぞ」
「あ!待ってください若葉さん!」
杏の言葉を無視して若葉は先に向かってった。
その場には悠斗、杏、球子、千景、そして病院から抜け出した友奈がいる。
「しゃーない。とにかくやるぞ。球子と杏で後方から援護を頼む」
「はい!」
「任せタマえ!」
「千景と友奈は協力しながら頼む!」
「はーい!」
「ええ……!」
各自バラけて、バーテックスを倒していく。
特に凄いのは悠斗と千景だ。
まずは悠斗からだ。
強化された脚で吹っ飛ばし、速攻で敵を倒す。
「おおっ!」
拳の先を尖らせ、貫通力を上げて突撃する。
「どけぇ!」
一気に貫通して突き進む。そこから空に飛び上がる。
「白玉速射!!」
掌から複数の白玉を作り、すぐさま撃ち放つ。それは一瞬で地面に落ち、的確にバーテックス共を撃ち抜く。
「第二射!!」
地面に降り立った後も即座に撃ち放つ。
そこへ後ろからバーテックスがやってくるが、悠斗は気にせず前に進む。
悠斗のガラ空きの背中に噛み付こうとしたその時、神樹の下から矢と楯が飛んでくる。
「サンキュ!球子!杏!」
二人の方を向き、親指を立てる。二人も悠斗の方を見て親指を立てた。
安心して悠斗は敵の中に走っていく。二人が後ろにいるから安心できる。
一方千景はーー
「セイッ!」
自分より少し大きめな鎌を横に薙ぎ、複数の敵を屠る。
鎌は隙が大きい武器だが千景はそれを克服し、流れるような動作で鎌を振るう。
「ッ!はぁぁ!」
気付いたら真上にいたバーテックスは杏の矢が射抜いた。そこから囲んで来た奴らは、千景の鎌と球子の楯の一撃で倒す。
いつもは友奈と連携する千景だが、故郷から帰って来てからは練習も努力して、今もこうして杏や球子と協力してバーテックスに立ち向かっていた。
(私が頑張ればみんなが私を認めてくれる……!だから今は死ねない……!!)
握っている鎌に更に力が加わる。
四方八方からやってくる敵を見て千景は不敵に笑った。
「来なさい……鏖殺してあげるわ……!!」
時間が経った頃、バーテックスが集まり始める。
しかし、前回と違うようで今回の奴はデカイだけに見えてくる。
「私が行こう!」
若葉が敵の隙間を通り、進化体に近く。
「ッ!!ダメだ!退がれ若葉!!」
殆ど反射的に悠斗は叫んでいた。
それは自分の中にあるバーテックスによる共鳴かそれとも……いずれにせよ危険と思い叫んでいた。
しかし時すでに遅し。
「ぐぁあ!!」
「若葉ちゃん!!」
若葉を攻撃したのは矢のようなもの。それはバーテックスの口のようなところから射出され、勇者達を狙っていた。
友奈も助けに行こうとするが、敵の飛ばして来た矢のようなものに行く手を塞がれる。
全員が逃げに徹しているしかなかった。
だが、そんな中ただ一人進化体に向かって走る姿があった。
「ダメだよ!ぐんちゃん!!」
千景だ。
しかし、その姿は彼岸花を連想させる勇者服から変わり、白い布のようなものを被っている姿に変わっていた。
そして決定的に違うのは今の千景が七人いるということだ。
「千景!」
気が付けば千景は貫かれていた。
「ぐんちゃぁあん!!」
「大丈夫よ。高嶋さん」
聞こえた声は変わらず七ヶ所から聞こえた。
「え?」
「ち、千景……?」
みんなが混乱する。
そんな中悠斗は気が付けた。
(精霊……攻撃よりというよりは耐久型か?)
「安心して……これが私の切り札……『七人御先』よ」
先程死んだはずの一人の千景も復活しており、再び七人になっていた。
そのまま千景は進化体に向かって走る。
迫り来る矢は多少受けるが、避けつつ接近しにいく。
敵も焦りを感じ取れたのか、一気に数が増えて避けるのが困難になった。
「千景ぇえええ!!」
七人共避けれないように見えたがそこで気付いた。
一人の千景がもう一人の千景を投げようとしていることに。
そして矢が刺さる前に千景を投げ、進化体に当たる。
六人の千景は刺さって死んだ後、残りの千景の下に戻ってきた。
「これで終わりよ……ッ!!」
七ヶ所からの同時攻撃。
流石に進化体も崩れていった。
これで二回目の戦闘は終わった。
「友奈さん!」
「はぃ……」
現実に戻ってきた勇者達は、その光景を見ていた。
友奈は病院から抜け出して戦闘に参加したため、こってりとひなたに説教をされている。
「なんで抜け出すんですか!?まだ安静なんですよ!?」
「うぅ……許してひなたちゃぁあん」
若干(かなり)泣きかけている友奈を見て流石のひなたも怒るに怒れなかった。
「千景、異常は無いか?」
「問題ないわ……少し疲れただけよ……」
切り札を使ったから友奈みたいに入院かと思えばそうでもないらしい。
「まあ、なんにせよ無事に終わって良かったな」
「っ!」
千景は突然見せる悠斗の笑顔を見て一気に顔が赤くなった。
「ん?どうした千景?異常あるのか?」
「な、なんでもないわよ!」
千景はそう言うと走って部屋に戻っていった。
「なんだったんだ?」
まあ、鈍い悠斗は勿論ついていけなかったのである。
どうでしたでしょうか?
あまり自分は文章力が無いのですが頑張ってみました!
今回は千景の出番が多かったですね。
すこーしキャラが変えてみましたがどうですか?
これからはこんな感じで書いていくので今後ともよろしくお願いします!