霧島悠斗は勇者?である   作:sーk

5 / 12
遅くなってすいません!!
FGOやゆゆゆいの周回であまり出来ませんでした……
そして今回は色々分かりづらいかもしれませんが何卒よろしくお願いします!


昔話

「俺の話?」

「悠斗さんはあまり自分の事を話してくれないので……」

 

 食堂で昼食を食べていたら杏が言ってきた。

 

「確かに話さないな」

「うーん。まあ、話すのはいいけど、とりあえず食べ終わった後な」

「なんで?」

「いや……吐くぞ?」

『…………』

 

 悠斗の一言に全員が押し黙った。

 そのままの空気で昼食を食べ終わった。

 

「さて、じゃあ話すけど何処からがいい?」

「はいはーい!ゆう君の子供の頃の話が聞きたい!」

「いいですね〜というわけで悠斗さん!お願いします!」

 

 友奈の提案に杏が賛同して悠斗の方を見る。

 悠斗も話すべきだと判断して覚悟を決める。

 

(下手したら引かれるかもな……それだけならまだ耐えれるけど、話さないよりは話した方がいいよな……)

 

「俺には母さんと妹が一人いたんだ。父さんは他界していたから母さんと妹と三人で暮らしてたよ。妹は結構俺に懐いててよく一緒に遊んでたよ。それに友達よりも俺を優先しててさ、近所じゃ有名だったよ。仲良し兄妹って」

 

 悠斗はどこか懐かしむような言葉で話す。その内容をみんなはしっかりと聞いていた。

 

「俺は母さんからいろんな武術を習っててそれで毎日鍛錬してたけど、妹はそんな俺を毎日見ててくれたんだ」

「そんなに面白いやつだったのか?その鍛錬って」

「いや。至って普通の鍛錬と同じだよ。でも理由は知ってるよ」

「それは?」

「一度だけ倒れたことがあるんだ。長時間の鍛錬のし過ぎでうちの道場の真ん中で。それを見つけたのが妹だったんだ」

 

 道場で偶々習った事を全部復習しようなんて思い、お昼からずっと復習していた。基本の形から応用など色んな事を学んでいた為、それを全てやっていると外は日が沈んでいた。

 そして家に戻ろうとしたら気を失い、そのまま道場に倒れ伏していた。

 そこへいつまで経っても帰らない悠斗を迎えに来たところ倒れているのを妹が見つけた。

 

「その時の事は母さんに聞いたよ。凄く大泣きしながら俺のことを教えてくれたって。そのおかげで大事にはならずに済んだらしい。ある意味、妹は命の恩人だよ」

 

 小さく微笑みながら話す姿は、みんなにとって家族想いだということが分かる。

 

「それから妹は俺にくっつく様になって、前以上に仲良くなったよ」

「良いご家庭なんですね」

 

 ひなたは笑顔で悠斗に言う。悠斗にその笑顔はまるで太陽の様に見えた。

 

「あれ?でもそれだとご飯の時に聞いても問題なかったんじゃ……」

「そうね……今のだけならさっきでも話せたはずよね」

 

 友奈と千景は疑問を持った様だ。

 

「……ああ。それは今から話すよ……」

 

 そう言う悠斗の表情は一瞬で暗くなった。

 

「今まで俺の装備について話していなかったよな。それについて話すよ」

 

 覚悟を決め、顔を上げる。

 

「あの日、バーテックスが来た時に俺は母さんと妹と一緒に逃げてたんだ。家は潰されてとにかく走って避難してたよ」

 

 周りからは悲鳴や家が崩れる音。さらに肉が潰れる音まで聞こえていた。

 

「そこで妹が転んだんだ。バーテックスは迫っているし妹もすぐには動けなかったよ」

 

 他のメンツの顔がどんどん青白くなっていくのが分かる。

 

「俺は母さんの手を振り払い妹を助けに走ったよ。家族がいなくなるのは嫌だったからさ。でも……」

「助からなかったんですか?」

「いや、助けたよ。でもその後に俺は喰われたんだ。バーテックスに」

『ッ!!』

 

 あまりにも突然の告白。今まで三年間共に暮らしたのに知らなかった真実を今伝えられた。

 

「その時は右腕と右脚を喰われて苦しんでたよ。でも母さんと妹が俺に近づいてきて助けようとしたら……あいつらがまたやって来た」

 

 妹を助けた代償で右腕と右脚を失った。それだけなら良かった筈だ。

 

「母さんが後ろから喰われかけてて、俺はまた動いたよ。二人を突き飛ばして俺が喰われた。今度は全身をね」

「ッ……まて。ならなんで生きてるんだ?」

 

 既に顔が青白くなっている若葉達。しかし、聞かずにはいられなかった。

 

「それは……食べたんだ」

「食べ……た?」

 

 ゆっくりと頷き、一番重要な事を伝える。

 

「俺はバーテックスを食べた。そして取り込んだ。だからその力を使えるんだ」

「ま、待ってください!!なら……ならなんで!あんな嘘をついたんですか!?」

 

 ひなたは席を立ち、悠斗に向けて声を上げる。

 

 嘘。

 

 悠斗は今まで隠していた。この事実を。より正確に言うならば誤魔化していた。

 

「貴方は言ったじゃないですか!バーテックスの一部が取れたから大社に持ってったら解析出来たから使えたって!」

「あれはその場凌ぎの嘘だよ。みんなに嫌われたくなかったからね……」

「そんな……」

 

 その場にいる全員が戸惑う。

 

「ごめんな。突然こんな事言われても困るよな……」

「いえ……でも少し……考える時間を下さい」

 

 明らかに動揺をしているが、落ち着く為にも若葉達は一度悠斗抜きで話し合うことになった。

 

 

 

 

 

 

「……」

「…………」

 

 悠斗を除いた全員は若葉の部屋に集まっていた。そして未だ一言も言葉は発せられていない。

 

「それで…………みんなはどう思う」

 

 ようやく若葉が話し始める。そしてすぐに杏が意見を述べる。

 

「私は……問題は無いと思います」

「あ、あんず!?」

「悠斗さんは今まで必死にあの力をコントロールする為に頑張って来たのは私たちがよく知っている筈です。それに……私は知ってます」

 

 最後の言葉は周りには聞こえない小さい声だった。

 そこへ友奈と千景も話し始める。

 

「わたしも問題無いと思うな〜。ゆう君が危ないって思えないもん」

「そうね。仮に危なくなっても私たちなら平気でしょ?」

「でも……危険がある事には変わりありません。それに悠斗さん自身にも問題があったら……」

 

 ひなたは泣きそうになりながらも、悠斗のことを考えている。あれ程の力を代償なしに使えるなんて考えられないし、暴走なんてしたら若葉達がどうなるか。

 

「タマには難しい事はよく分からん。でもさ、悠斗はあんだけ苦しんだからさ、タマ達だけでもあいつの支えになってやんなきゃダメだと思うんだ」

「タマっち先輩……そうだね。悠斗さんを支えてあげなきゃ」

「あとは貴方達よ」

 

 千景が二人の方を見る。

 

「私は……できれば苦しんで欲しく無い。だが、あいつの事だ。止めたって止まらないだろう。ならばせめて私達でサポートするだけだ」

 

 若葉は立ち上がり、覚悟を決める。

 その瞳は硬い意志を感じられる。

 

「ひなたはどうだ?」

「私も信じます。若葉ちゃん達が信じるんですから……ですが、無理は絶対にさせません。それは譲れませんし譲りません」

「なら決まりだ」

 

 若葉はみんなの方を見る。

 それぞれの目には覚悟が決まっており、悠斗のいる部屋へと歩いていく。

 

「戻ってきたって事は話し合いは終わったのか?」

「ああ、みんなの意見も聞いた上で決めてきたさ」

 

 座っていた悠斗の正面に座るように若葉達も座る。

 

「悠斗、私達はお前を信じる。仮に暴走しても私達が止める。だからお前も信じて戦って欲しい」

 

 頭を下げながら言った若葉に悠斗は驚いていた。

 正直、あの話をしても信じてくれるなんて思っていなかったからだ。

 

「こんな話をしても信じてくれるなんてお前達は重度のお人好しだよ……」

 

 そう言う悠斗の目からは涙がボロボロと落ちていた。

 そんな悠斗に若葉達が駆け寄り、涙を拭いたり安心させたりと、色々する羽目になった。

 

「お前ら」

「どうした?」

「ありがとな」

 

 悠斗の顔は先程とは変わり、今は満面の笑みになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある場所では……

 

「ほほう。あれが妾の星屑を喰らった者か」

 

 一人の少女が目の前の映像を見ていた。

 

「が、まだ弱い」

 

 映像に映っているのは少年。それも銀髪の。

 

「もうちっと張り合いが欲しいのう」

 

 そう言うと少女はパチンッと音を鳴らす。すると出てきたのは大量の白いバーテックス。通称、『星屑』と呼ばれたもの。

 それが一箇所に集まり、融合し始めた。

 

「さて、時間がかかるがまあ、良いだろう。それまで楽しませてみよ」

 

 少女の笑い声が辺りに響く。

 その周りには異形の化け物達がバラバラに侵攻していた。

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。