霧島悠斗は勇者?である   作:sーk

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無意識

あの話し合いから数日。

次の戦いが始まった。

 

「今回は前回と同じくらいか。なら連携して当たろう」

「お、おい悠斗?あそこになんかいるんだが……」

 

球子が指を指した方にいたのは腕は短いが顔?らしきところが大きいバーテックスだった。

 

「……変態か?」

「変態ね」

「変態さんだね」

「変人ですかね?」

「変態だろ」

「変態だな」

 

満場一致であのバーテックスが変態だということが決まってしまった。

 

「まあ、いいや。とにかく行くぞ」

「待ちタマえ!悠斗!」

 

変態のところは向かおうとすると球子が止めてきた。

 

「どうした?なんかいい策があるのか?」

「ふっふっふっ。あいつらにも知能はあるんだろ?ならばこれの出番だ!」

 

球子が取り出したのはうどん玉だった。

 

「そ、それは!?」

「え、何その反応?」

「それはこの香川でも有名で人気のありすぎてすぐ売れてしまう高級うどん玉ではないか!?」

「いやいやちょっと待てよ」

 

あまりにも詳しく目を輝かせる若葉。しかし悠斗はそんな若葉を見て疑問に思った。

 

(あの変態に口ってあるか?)

 

「さあ行くぞ!喰らえー!うどん玉だー!!」

「いや待てって!」

 

止めようとしたが時すでに遅く、うどん玉が投げられていた。

しかし──

 

ドテッ

 

『なっ!?』

「は〜」

 

変態はあろうかとかうどん玉を無視して神樹に迫る。

 

「な、何故だ!?あの高級なうどん玉だぞ!?許せん!!」

「嘘だろ!?」

「ありえません!!」

「変態さんおかしいよ!」

「狂ってるわ……」

 

五人共変態を責めるが、悠斗だけは呆れていた。

 

「いやあの変態に口は見えるか?」

『…………』

 

ぐうの音も出ない正論に押し黙る。

 

「んじゃ先にあいつを処理してくる」

 

悠斗はそう言うと走り、変態に迫る。

 

「さてと……」

 

幸いにも変態の他にはまだ来ていない。こいつが特段速いのだろう。

 

「なら増援が来る前に仕留める!!」

 

一気に踏み込み、鎧を纏わせた拳で顔を狙う。

しかし、その後鋭い一撃を変態は軽やかに避けた。

 

「なっ!?ぐっ!」

 

避けた後すぐに変態が蹴りを悠斗の横っ腹に入れる。その威力は高く、一気に飛ばされる。

樹海の根に当たったが、鎧のお陰でそこまでダメージは無かったが、その分飛ばされた。

 

(やべーなあいつは……単発でちまちまやるよりは当たる面積を大きくして攻めた方が当たるか……)

 

考えをすぐさままとめ、実行する。

 

「『モードチェンジ:ハンマー』」

 

拳の鎧を変え、二つのハンマーを作り出す。

 

「よし」

 

確認を済ませてすぐさま飛び立つ。

そして見えたのは若葉達が変態に苦戦していた。

若葉が斬りかかるが、それも飛んだりして避けて進み、飛んで来た球子と杏の攻撃もタイミングよく避ける。

 

「全員距離取っとけ!!」

「っ!わかった!」

 

若葉が悠斗の姿を見て瞬時に理解して離れる。そして真横から超突進してくる悠斗は二つのハンマーを構える。

 

「オォオオオラァァ!!!」

 

片方のハンマーを横から大きく振るう。当然隙ができる所に蹴りを入れようとすると、悠斗が先程の勢いで回っていた。

そして逆にそれが隙となり次の一撃が放たれる。

 

「吹き飛べぇえええ!!」

 

もう片方のハンマーが変態の顔にハンマーをブチ抜く。

そのまま遠くまで吹っ飛ぶが、その後は再起不能だろう。

何せ追い討ちをかけに向かったのはあの二人だから。

 

「やあああ!!」

「セイッ!」

 

変態がやってきた所にやって来たのは友奈と千景だ。

千景は大きく鎌を振り、脚を削る。動けなくなった所に友奈が勢いをつけた拳で胴体を殴りつける。

変態も流石に耐えきれずに消えた。

 

「こっちは終わったよー!」

「了解だ!そのまま近くの奴から倒してくれ!」

「はーい!」

 

悠斗は友奈と千景に付近のを排除させてこちらも逆方向の奴を倒そうとしたが……

 

「よしじゃあ行くぞ……って若葉は?」

「若葉さんならタマっち先輩を連行先に飛び込んでいきましたけど……」

「は?杏、それは本当だな?」

「は、はい」

 

悠斗の顔を覗くと、額に大きな青筋を作っていた。

 

「あいつらは後で説教だ。行くぞ杏。まずはこいつらを倒すぞ」

 

見渡せば星屑達も接近しており、再び戦闘が始まる。

 

「援護は任せてくださいね!」

「ああ、頼りにしてるぞ」

 

視線を交え、悠斗は前に、杏は矢を構えて敵を相手にする。

 

「とりあえず邪魔だっ!」

 

二つのハンマーで敵を正面から殴って行く悠斗。それ後ろで杏がサポートをする。

時には悠斗が武器を変え、臨機応変に対応する。

 

「ゆうくーん!!」

 

そこへ上から友奈が降って来た。真下にいた星屑を踏み潰して。

 

「中々えげつないな友奈」

「真っ先にそれ!?」

「それよりこっちは終わったわよ」

 

千景も少し遅れて悠斗達と合流する。

 

「なら千景。若葉の手伝いに行けるか?」

「乃木さんの?なんで……いや、そうね。分かったわ」.

「理解が早くて本当助かるよ。千景」

 

若葉は技術こそあるが、一対複数はまだまだ全然だろう。それに対して千景は、鎌という広範囲で威力のある武器を使う。技術は未熟だが、若葉達と協力すれば問題はないだろう。

 

「んで、友奈と杏はこっち側を一緒にやんぞ」

「はーい!」

「なら悠斗さんは武器を範囲型にして先頭を。友奈さんは後ろで撃ち漏らしを。私は二人のサポートをします!!」

 

杏はすぐさま作戦を考え、それを伝える。悠斗は多種多様な武器で戦えるからそれを生かし、友奈は手数の多さを生かす。

二人の戦い方をよく見てないと出来ない作戦だが、杏らしいだろう。

 

「なら、『モードチェンジ:槍』」

「おお槍だー!」

「じゃ、突撃するからよろしく!!」

 

悠斗はそう言うと鍛えられ、鍛えられた脚で突撃してくる。

 

「はああ!!」

 

横薙ぎに一振り。その後に槍を返して前方に進みながら斬る。

 

「友奈!そっちに何体か行った!」

「数は四体です!友奈さんは前の方を!」

「わかった!」

 

前に進んで来た星屑を得意とする武道で殴る。綺麗に決まった右ストレートは一撃でその胴体を歪ませる。

 

「もう……一体!」

 

振り向きざまに右脚の踵で星屑の顔を貫く。

 

「あと二体は……と、アンちゃんがやってたか〜」

 

他の二体を見ようとしたら、矢が降ってきて一度にいくつも星屑に突き刺さる。

その間にも悠斗は槍を振り回し、斬り刻んでいた。

 

(槍だとそろそろ限界か……?アレ試してみよ)

 

「杏!時間をくれ!」

「え?わ、分かりました!友奈さん!」

「オッケー!任せてよ!」

 

入れ替わるように二人の位置は変わり、友奈が素早く動いて敵を翻弄し、杏の矢が仕留めていた。

その間に悠斗は槍を消し、新たな挑戦をしていた。

 

(片方はすぐいける。こっちは後で改良だ)

 

多少は頭痛がするが、頭は働く。

足りない頭をフル回転させて悠斗は挑戦する。

 

(これで……どうだ!?)

 

「っし!行けるぞ!」

「友奈さん!今です!」

 

使った時間はほんの少し。それでも友奈は十分に敵を減らしてくれた。

 

「後は任せろ!」

 

手にしていたのは一本の刀と一つの銃。

そして……

 

「らぁ!!」

 

目の前の一体を斬り、付近のを撃つ。そして再び斬る。これを繰り返して付近の敵を一瞬で倒した。

 

「すごい……」

「ゆう君今の何!?見して!?」

「やめろ友奈!暴発するだろ!?」

 

拳銃の見たさに抱きついてくる友奈。それを側から見ている杏。

 

「むむむ……え、えいっ!」

「なあ!?あ、杏!?」

 

何故か杏も悠斗に抱きつきに来て、悠斗は正に両手に花状態になっていた。

 

「ああもう!くっつくな!」

「ふぎゅ!」

「あう!」

 

悠斗は二人の腕を強引に離して落ち着かせる。

 

「後は向こうが終わるの待つだけだろ!?」

「待つだけだから暇なんだよ〜ゆ〜く〜ん」

 

またふらふらと近づいていくる友奈。

そんな時に、若葉達も終わったようで悠斗達の方へ戻ってきた。

 

「何しているんだ?」

「た、高嶋さんが霧島くんにだ、抱きつこうとしてる……!?」

「え、と。ち、千景?」

 

悠斗が目にしたのは手に持つ鎌に力を込め、明らかに敵意を向けてる千景だった。

 

「霧島くん……なんて羨ま……!いえ、なんて事を!」

「お、落ち着け千景。俺は悪くない」

「問答無用!」

 

地を蹴り、悠斗に襲いかかろうとした瞬間。

 

「ぐんちゃんやめて!私を巡って争わないで!!」

「友奈さん……使い所が違います……」

 

友奈の謎の発言によって、千景は武器を収めていた。

 

「ふぅ、助かったか?」

「お疲れ悠斗」

「ああ、若葉もな」

 

すると辺りが光だし、樹海が終わろうとしていた。

 

「若葉……」

「なんだ?」

「後でひなたと一緒に説教するからな」

「な、何故だ!?」

 

若葉をからかいながら樹海が解けるのを待った。

 

 

 

 

 

 

「さて若葉ちゃん?何か申したいですか?」

「いや……何故私は捕まっているんだ?」

 

目の前には悠斗とひなた。左右には球子と千景が立っていた。そして若葉は正座させられていた。

 

「全く若葉ちゃんは……」

「お前が任せろと言うから俺は任せたんだぞ?」

「んまぁ!それは私の教育がなってなかったと!?」

「いやいや、お隣さんの球子さんや千景さんにも頼ればよかったものを……」

「……これは何の茶番だ?」

「さあ?」

 

目の前で突然始まった夫婦茶番に驚き、固まる若葉。そこへ楽しそうな一言が飛んでくる。

 

「若葉ちゃんもひなお母さんに頼りなよ!親不孝者になっちゃうよ!?」

「友奈さん……茶番に乗っかる意味は……」

「ほえ?楽しそうだから?」

「さっきからなんなんだ……」

 

茶番が続き頭を抱える若葉。

そこへひなたの端末に一本の電話が入る。

 

「もしもし?はい……え?それはホントですか!?」

 

ひなたは珍しく嬉しそうにはしゃいでいた。

 

「なんだぁ?ひなたーなんなんだー?」

「ふっふっふ。球子さんもこれを聞いたら喜びますよ〜」

「やけに勿体ぶりますね」

「だな」

 

ニヤニヤと笑顔で焦らすひなた。

痺れを切らした球子がひなたに聞く。

 

「ああもう!ひなた教えろー!」

「ええ。いいですよ。なんと!大社が温泉旅館で休んで来いって!!」

「温」

「泉」

「旅」

「館!!」

 

あまりの嬉しさに球子は飛び跳ねて、友奈は千景に抱きついていた。

 

「それっていつからだ?」

「えーと明後日です」

「うええ!?早いよ〜」

「そか?普通だと思うが……」

「ダメだよゆう君!女の子は準備に時間がかかるの!!」

 

友奈は立ち上がり、千景を連れて何処かへと行こうとする。

 

「お買い物してくるー!」

「え!?ちょっ、高嶋さん!?」

 

千景は引っ張られて街まで向かってった。

 

「なら、私たちも準備をしておきましょうか」

「そうだな」

 

そう言って女性陣は各自部屋へと戻ってった。

 

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