マルチバース スパイダーマン from 国立魔法大学付属第一高校 作:葱山嵐
深雪さんの手を掴んで、雫とほのかには後で合流の意味を込めてウインクした後、僕と深雪さんは達也達がいるE組の教室へ向かった。
僕達がE組の教室に丁度着いた時、教室から達也とエリカ、美月、最後に背の高い筋肉質な男の子が出てきた。
「深雪、葉茅。
どうしたんだ?」
「達也、丁度良かった。
学内見学僕達も一緒にいっていい?」
僕が達也に聞くと、達也は俺は大丈夫だよと答えた。
エリカと美月も大丈夫らしく、見学に向かう前に背の高い男の子と僕と深雪さんは自己紹介をした。
「俺は西城レオンハルト、レオでいいぜ。」
「初めまして、僕は日比田葉茅。
ハカでも、カヤでもハッカーでも、好きな様に呼んでね」
「司波深雪です。
達也お兄様共々よろしくお願いします」
「おう、よろしくな!」
レオはエリカと同じく元気な人の様で、何だかエリカと気が合いそう。
自己紹介を終えて、僕達は達也達が行こうとしていた工房に向かう事にした。
雫とほのかには深雪からメールを送ってもらい、工房で合流する事にした。
因みに雫の予感は的中していて、深雪さんは不機嫌だったらしく、達也達と見学出来る事をすごく喜んでいて、お礼まで言われた。
お礼に関しては雫に言ってあげてと、伝えた。
その後、僕達は雫とほのかと合流して工房や他の活動の見学を終えて、昼食をとる事にした。
流石に、入学二日目でお弁当を持ってきている人は、このメンバーの中にはいないらしく、全員で食堂へ向かった。
食堂にも既に何人かの生徒がいて、僕達は先に席を確保する事にした。
「それじゃぁ、ご飯を買ってくるよ、達也と女子何人かは席確保していてくれる?
レオと僕と後二人で皆のご飯も買ってこようと思うけどいいかな?」
僕の提案に達也は自分の役割を理解したのか、わかった和食ので頼む、と言い、席を深雪さん、ほのか、雫が席で待ち、僕と、レオ、エリカと美月の4人で皆のご飯を買いに行った。
途中で、エリカに頼りになる~とか、茶化されてけど、僕はそうだろう、と笑いながら返した。
ご飯を買い終えて、僕達は昼食に手を付ける。
皆、洋食だったり和食だったり、ラーメン、かつ丼等等。
個性が出るようなご飯を選ぶ。
因みに僕は海鮮丼。
少しお高めだけど、これには理由がある。
僕の蜘蛛糸はスパイダーマン本来の能力では、蜘蛛糸を自分の体からは出せないんだ。
ビデオテープの時代のスパイダーマンだけ、設定が違い、体内で蜘蛛糸を生成して射出する。
漫画や、アニメ、2018年近くの映画に出るスパイダーマンは自分で蜘蛛糸を出すマシンを作っていたんだ。
だけど、体内生成出来たとして、出来なかったとしても、実は蜘蛛糸の成分は同じなんだ。
蜘蛛糸の主成分はタンパク質で出来ていて、僕は摂取したタンパク質を蜘蛛糸として生成する。
故に、僕が日常的にタンパク質を多めに取らなければいけない。
もし、タンパク質が足りなくなって、蜘蛛糸が出せないなんてなったら、スパイダーマンが地面とキスするはめになっちゃうからね。
正直そんなかっこ悪い所は見せたくないし、うつ伏せで大の字で倒れる僕がSNSにでも上がろうものなら、僕は一週間は引きこもりそう。
だから、今日の僕のご飯は海鮮丼。
魚は種類によって違うけれど、肉と同等のタンパク質を持っているからね。
正直、この能力がある事自体凄い事だと分かっているけど、正直、高校生の年齢で蜘蛛糸を射出するマシンを作れるピーターパーカーの方が凄いと思う。
色んなマシンを高校生の年齢で作るんだから、彼は本当に尊敬できる。
僕と達也は早めにご飯を食べ終えたので、プレートを返しに返却場に行き、皆の所へ戻ってくると、何やら、一科の生徒が僕達がいた席に集まっていた。
いや、より正確に言えば、深雪さんの下にだった。
「深雪、彼らは?」
「お兄様実は・・・」
達也が深雪さんの下に行き、事情を聴く。
深雪さんの説明によると、この後の見学の続きを一科だけで行かないかとのお誘いだった。
実を言うと、昼食の途中で既に僕達は何処に行くかを決めていた。
それなら、皆で行けばいいのだが、どうやら、一科の人達は深雪さんを連れて一科だけで行きたいらしい・・・けど・・・
「ねぇ、なんで僕睨まれてるの・・・?」
「さぁ・・・」
分る筈もないけど、達也に聞いてみた。
何故か分からないけれど、集まってきた一科の生徒達から僕は鋭い睨みを向けられてる。
「恐らく、私を連れだした事だと思います・・・」
深雪さんの答えにあぁ、そういう事かと理解した。
仕方ない、元をただせば僕が発端だったんだから、話をしよう。
「ねぇ、確か、森崎君だったよね、僕達ここのメンバーはこの後、射撃場に行くだけど、皆も一緒に行かない?」
「日比田だったか・・・お前も、一科としての自覚が足りないようだな・・・」
あ、これは無理っぽそう。
こういう輩はプライドが高いからなぁ、下手に刺激すると、面倒になりかねない。
「一科のプライドなんてそこら辺のごみ箱にでも捨ててきたらどうですか?
ちょうど、そこにありますし、さっさと行ってください」
ほのか!?
君ってそんなに敵愾心むき出しの性格だったの!?
雫の授業の事より、ビックリだよ!?
「な!?
光井さん、今のは聞き捨てならないぞ!」
「何ですか、人のご飯の時間を邪魔して、私達はここにいるメンバーで見学に行くんです。
それに加わりたいのであれば、別に構いませんけど、それを勝手に分断しようとする人達と一緒に見学なんて行きたくありません。
それに、一科と二科の差なんて、魔法の実力だけでしょう?
座学で負ければそんなもの、鶯(ウグイス)の糞よりも価値がないです」
まずい、これはまずい・・・・・・・・・
入学二日目で大問題が起きそうだ・・・・・・・・・
side西城レオンハルト
入学二日目で友達が沢山出来た。
一科と二科の確執は聞いていたが、雫や、ほのか、深雪、葉茅とも仲良くなれた。
のは、いいんだが・・・
やっぱり人を第一印象で判断しちゃいけないって事を学んだよ。
一見、おとなしそうなほのかだったんだが、一科の奴らが、俺らんとこに来て、深雪を自分達のグループに引き込もうとしている。
正直、こいつらは二科を馬鹿にするし、二科は一科の予備だと堂々と言いやがる。
確かに二科は一科に魔法力で劣っている、それは事実だし、予備扱いなのも元々そういう制度だったんだから、それも仕方ない。
だが、馬鹿にするのは違う。
それも見下すような目で見てくるんだから、余計に腹が立つ!
んだが、そんな事がどーでもよくなる程の事が起きた。
ほのかが売り言葉に、買い言葉で一科の奴を馬鹿にしている。
正直、今ここにいる奴全員唖然としている気がする。
開いた口が塞がらないってーのはこういう事なんだろうな。
だけど・・・
「大体、一科とか二科とかどうでもいいんで、さっさとご飯を食べるなら食べて、見学にでも向かってください。
私達まだ食べ終わってないんですから。
せっかくの昼食不味くなります」
そこまで言うか!?
雫もほのかを止めようと、オロオロしている。
冷静そうな達也もさっきより目が見開いた状態で驚いた顔してやがる。
プッ、ちょっとおもしろいな。
何より面白い顔してるのが、葉茅だ。
葉茅はもうアチャーって感じに手で顔を押さえてる。
「ほ、ほのか!?
とりあえず、落ち着いてくれないかい!?
そこまで言わなくてもいいだろうし、そんな汚い言葉使わない方がいいよ!」
葉茅が再起動して、ほのかを窘めながら止めようとする。
ほのかも流石にもういいだろうとでも思ったのか、不機嫌そうな顔をしながら飯を食べるのに戻る。
こいつの胆力ハンパネェな・・・
そうこうしていると、達也が口を開いた。
「・・・そろそろ昼休みが終わるぞ。
早く次の場所に向かわないと、皆遅刻するぞ」
達也の言葉に皆我に返り、一科の奴も仕方なしといった感じに、どこかへ速足で去っていった。
ついでに言うと、俺達も飯を早く食わなきゃいけないはめになった・・・
ほのかは怒らせない様にしよう・・・
side柴田美月
私達は見学と一科生との言い合いを繰り返す事になり、その後、放課後になり帰宅するのですが、私達はまた一科生との言い合いをする事になりました。
「僕達は司波さんに用があるんだ!」
「だったら、私達全員いても問題ないでしょう?
私達は別に貴方達が一緒に帰る事は問題ないって言ってるんですよ?
私達は深雪と一緒に帰るんです、それに加わえてと言えばいいだけでしょう?
私達と深雪を引き裂く必要は無いでしょう」
ほのかさんがキツイ言葉を一科生に投げかけますが、言っている事に間違いはないんですよね。
と、とにかく、ほのかさんの援護をしましょう!
「そ、そうです、深雪さんはお兄さんと一緒に帰ると言っているんです、貴方達に何の権利があって二人を引き裂こうとするんですか!」
「うるさい!
これはブルーム(一科生)の問題だ!
ウィード(二科生)如きが生意気なんだよ!」
「ハッ!
用があるんだったら、事前にアポ取っとけよな!」
「お、筋肉バカにしては良いこと言った!
この筋肉バカの言う通りよ」
「お前は空気読め馬鹿!」
レオくんも一科生に反論して、何故かエリカちゃんはレオくんをからかったけど言っている事は間違いないんです。
あ、いえ、レオ君が馬鹿っていうのを肯定している訳ではないですよ!
「ひ、引き裂くって!
何を言ってるのかしら美月は!?」
「何故、焦っているんだ?」
「へ!?
あ、焦ってなどいませんよ!?」
「何故に、疑問形?」
「とりあえず、この現状どうにかならないかなぁ・・・」
達也さん達が後ろで何かぼやいていましたが、とにかく一科生の人達をどうにかしないと!
「ウィードなら、素直に僕達ブルームのいう事を聞け!
劣等生の分際で!」
「同じ新入生じゃないですか、今の時点で私達と貴方達でどれだけの差があるっていうんですか!」
side千葉エリカ
「どれだけ、僕達がお前たちより優れているか教えてやろうか・・・!」
マズイ、美月の言葉に一科の奴ら怒りにブレーキが利かなくなってるっぽい。
アタシは右手を一科の奴らから見えない位置に隠して、CADを出す準備をする。
こーゆープライドだけ高い奴ってホントヤダ。
すぐに、キレて怒鳴るんだから。
もっと冷静になりなさいよね!
・・・って、アタシも人の事言えないか。
おっと、動き出すわね。
「なら、見せてやるよ」
一科の確か、森崎って男がCADを取り出して、照準をこっちに向ける。
「これが才能の差だ!」
ゲ、特化型!?
しかも、かなり早い!
なるほど、森崎の名は伊達じゃないって事ね。
そう思っている内にも、アタシはCADを取り出すんだけど・・・
この筋肉バカはなにやってんのよ!
森崎が向けたCADを素手で掴もうと接近する。
ったく、世話が焼けるわね!
アタシは自分のCAD、特殊警棒型刻印CADを伸ばして、森崎に接近してCADをはじく。
ふぅ、後少し遅かったら、レオの腕まではじくとこだったわね。
「この間合いなら、接近した方が早いのよね」
アタシは森崎に嫌味を漏らすけど、返答はレオから帰ってきた。
「それには同意だが、オメー今俺の手もはじく気だったろ・・・」
ん、流石にこいつの体型も伊達じゃないのね。
アタシはわざとらしく笑うけど、誤魔化すんじゃねぇと言われてしまった。
「誤魔化してはいないわよ、あんたの動き見れば避けれるか否かくらい分かるわよ」
「あっそ・・・」
そんなこんなしていると、一科の奴らが魔法を打とうとしてきた。
マズイわね、流石に怪我させるわけにはいかないし・・・
そう考えていると、どこからかサイオンの塊が飛んできて、展開途中だった一科生の起動式が不発に終わった。
「やめなさい、魔法の対人発動は犯罪行為ですよ!」
「風紀委員の渡辺摩利だ。
何があったか事情を聞く、付いて来なさい」
ウゲェ・・・ヤな女が来ちゃった・・・
気が付いたら、3000UA。
ありがとうございます。
活動報告に今作についてのご質問がありますので、もしお時間ありましたら、お付き合いください。
返答してくださいましたWAGU様ありがとうございました。
とても嬉しかったです。
【挿絵表示】
日比田君の素顔はこんな感じです。