「××××××××××××」擬音語にするのもめんどくさい不快な音で俺は目を覚ました。
季節は冬。それも冬休みに入ったばかり。
そう、冬。
この時期はだれもが暖房の入った暖かい布団の中ですごしたいだろう(たぶん)。
結構規則正しくすごしている・・・だろう、俺でもこんな状況なのだ。
その気持ちよさは筆雑に尽くしがたい。
しかし、妹は・・・雛(ひな)はまだ学校があるのだ。その分の弁当を作ってやらなくては・・・
暖かい布団の誘惑から逃げ出す意味もこめて、立とうとすると。
ズルッ・・・と頭の上から帽子が落ちてきた・・・え?帽子?
真っ白でふわふわの帽子が頭の上から落ちてきた。
それも、ものすごいかわいい奴。
そういえば、ほかにも違和感がある。布団と触れ合う肌と服の面積比がどうにも俺のもともと着ていたパジャマのものとは違うような気がする。
主に下半身がなんか・・・こう・・・スースーするというか・・・。
靴も履いてるみたいだし。
もう、なんか変どころではない。ものすごく変だ。
とにかく、どんなことが起きているか鏡で見ようと布団から出たのだが・・・
「寒・・・」
布団から出たことで、見えるようになった足と、なぜか若干露出している肩がもうとてつもなく寒い。
それよりも、まず鏡。早く鏡を確認してコタツとかで暖を取りたい。
俺は自分の部屋。そして妹の部屋がある、家の二階をできるだけ音を立てずに、そしてすべるように駆け、洗面がある脱衣所へと向かった。
そこに映っていたのは栗色の肩まである髪に、ふわふわの防寒着のようで、それにしては少し露出が多い服装をした女の子だった。
そんな女の子が本来、自分の姿がうつってるばしょにいるのだ。
いや、それだけではない。その容姿を俺は知っている。現実で、ではないが。
「これって・・・あれだよな・・・ブラン」
そう、俺は今はそこそこ有名になっているゲームの主要キャラの一人になっていたのである。
●
「ふう・・・」
今、俺はコタツで温まっている。
ん?弁当はって?
元々、弁当を作った後で少し休憩(と言う名のだらけきった時間)を過ごすのが俺の日課だ。
休日は、本当に自分の趣味(ゲームとか読書)とかで時間をつぶす駄目な奴だが、外ではしっかりするように気をつけている。
結構中と外で使い分けるタイプなのだ。
あ、ちなみに帽子はもうかぶってない。中だと意味ないし邪魔だから・・・と言ったら、チャームポイントなのにどんな扱いだよ。と自分でも思う。
でも、あのままな訳ねえだろ。現実を見ようよ。しっかり。
というか、俺がこの姿になっているということは妹はどうなんだろうか?
残念ながら一人しか妹がいないが、もしかしたらロムかラムのどちらかになってたりするんだろうか?
だとしたら、ちょっと・・・いや、すごくうれしいんだが。
あ、まず言っておくが俺はロリコンじゃない。
あのキャラが好きだというだけだからな。そこんとこ勘違いしないでくれ。
このつるぺたな・・・から・・・だ?
?、なんだろう?なんか、黒いものが心の中に・・・。まあいい。
とにかく、俺はそういうんじゃない。
とにかく、もうこの寒さに耐え切れるぐらいにはあったまったし、食事(みかんである)も済ませたし、弁当を作ろうか・・・といっても惣菜をつめるだけだが。
そして、俺は台所に行き弁当箱におかずをつめる。
そういえば、この状況ってどう見えるんだろう?
弁当箱におかずをつめるブランって・・・うわ・・・なんか恥ずかしい。
今、脳内で描いたことを俺が今やっていると思ったら恥ずかしくて顔が真っ赤になる。
ともかく、変化した高さも乗り越え俺は弁当箱に中身を詰め替え終えた。
「んん・・・」
140台後半にもいってないだろう身長だ。
そりゃあ、もともとの背だってそんなに高くはなかったが、それでもやっぱり力のかけぐあいがわからなかったりとかして、やっぱり疲れる。
というか、声がかわいいなと思ってしまうのはやっぱり自画自賛になるのだろうか?
自分が出しているので、いつもの声とは若干違って聞こえるが・・・
かたかたという音とともに妹が降りてくる音が聞こえる。
いつもどおり、眠くてふらふらなのだろう。不定期に足音が聞こえてくる。
みかんをむきながら、テレビを見てるこの姿を見られるのはなんとも癪だがこのさいだがまんしよう。
あ、忘れてた。
「え?誰?」
言い訳何言うか完全に忘れてた。
いや、混乱したが故の忘却であっておっちょこちょいとかじゃない。
絶対に違う。
「えーと、ほらお兄ちゃんだよ~」
「ふざけるな」
一刀両断された。流石まじめなわが妹。そんな簡単に乗ってこないか。
「その見た目だったらおねえちゃんでしょ!」
ちがうよね?そこじゃないですよね?突っ込むところ完全に間違えてないですか?
思わず半目になりながらそう突っ込みたくなるが、そんなことを言うと取り返しがつかなくなるので言わないが(半目にはなった)
「うわ、何そのジト目超かわいい・・・」
「うるせえな!かわいいとか言うな!」
俺がかわいい?冗談じゃない。
妹の言葉に、頭が痛くなる。
「ちょっと、触らせて・・・ハァハァ・・・」
何この人超こわいし、超気持ち悪いんだけど。
「ねえ、いいでしょ?ねえ」
「おい!ちょっと待て!来んな!」
「ああ、男言葉もかわいい」
だめだこの人目が月の彼方まで逝っちゃってる。
「来る・・・な!」
にじり寄ってきた妹の顔面を足で思いっきり蹴る。
華奢な見た目にそぐわず、結構な音『パガッ』というすがすがしい音がして
「ぶぎゅっ」
仮にも乙女が出さないような音を出しながら、うちの愚妹は気絶した。
●
都合のいいかくがくしかじかで状況説明中・・・
「なるほどね・・・ふんふん・・・はー」
「もうなにも言ってねえぞ」
適当に話を合わせようとするな腹立つ。
「しっかし、お兄・・・お姉ちゃんがこうなるとはねえ」
「おい、身内がTSした時にありがちなセリフを言ってんじゃねえよ」
これは、普通にこの導入をしている小説家様方への挑戦だぞ。
「で、お兄ちゃんはそのゲームのキャラになったと」
「(コクリ)」
「ああ・・・もうほんとかわいい・・・」
たのむからお前はこの状況を真摯に考えてくれ。三百円あげるから。
「じゃあ、とりあえず学校に行ってこいよ。帰ってきてから続きにしようぜ」
「はいはい、わかったよ・・・で・・・」
「?」
「一人で、あんなことやこんなこと・・・キャッ」
「なんで、お前はあんなことをやっておいてそこで赤くなれるんだ・・・」
お兄ちゃんはお前の価値観にびっくりだわ。
後悔はしていません。
男言葉でいけるのってこのキャラぐらいだよな(好きなキャラで)と思いました。