奮い立てテキサス・ブロンコ   作:遊人

1 / 55
これは作者の頭に浮かんだもうひとつの構想がもったいなかった為に供養として投稿したものです

複数あった為、皆様のアンケートで多かった喧嘩士の話を投稿させていただきます

本編とは関係ありませんのでご了承ください


読み切り墓場
読み切り~喧嘩仮面の正義~


「改めて再認識させられた!この世に完璧なものがひとつだけある。それは正義超人の友情だ!」

 

富士山にて世界五大災厄(ファイブ・ディザスターズ)との戦いに敗れ命を落としかけたネプチューンマンはカオス・アヴェニールに救われ彼から産み出されたエキゾチック物質により21世紀へと送られていった

 

グワン グワン グワン

 

「このまま負けた記録を残して21世紀に帰るのはシャクだが致し方あるまい。

 

ロートルはここらで退散というところか……。」

 

力場の流れに身を委ねていると…

 

グンッ

 

「なッなんだ!? 」

 

ググググググググ…

 

「な、なにが起きている!?

 

急に力が不自然な方向に…ッ!?」

 

必死に抵抗しようと試みるが力がどんどん強くなり

 

やがて…

 

「う、うおおおおおおおおぉぉぉ……。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う…。」

 

気がつくとネプチューンマンは

 

「ここは……なんだ?」

 

一体がゴツゴツとした岩肌むき出しの山岳地帯に倒れふしていた

 

「まったく、一体全体どうなってんだ。」

 

立ち上がり辺りを見渡すネプチューンマン

 

その時

 

コツッ

 

「…ムッ?」

 

足になにかが当たった感触がした為、下を向く

 

「おっと、こいつは……ん?」

 

拾ったのは見覚えのある、いやあまりにも見覚えがありすぎる物が転がっていた

 

「このマスクは……さっきまでひび割れていたはずだが?」

 

自らの強さを誇示してきたマスクが新品同様に転がっていた

 

「フム、まったく訳のわからない事が次から次へと起こるもんだな。

 

まあいい、なんだかわからんが直してくれたってんならありがたく使わせてもらうとしよう。」

 

そう言ってマスクを被ろうとした時

 

「ウンッ?」

 

どこからか声が聞こえてきた

 

岩の影から声がする方を覗いてみれば

 

「おいおい、どういうこった?」

 

明らかに子供と思われる少女二人が仲間と思われる少年一人を人質に取られて両手を挙げさせられていた

 

「フム、どうしたものか?」

 

岩影に身を潜め少年少女の救出へのシュミレーションを行っていたとき

 

ヴォン

 

「……ッ!!」(こ……これは!)

 

己の内になにか力が満ちるような感覚が走る

 

そしてその感覚の正体はすぐに理解した

 

「………………。」スッ

 

ガシャアアアァァァン

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「手ぇ上げろ個性は禁止だ。

 

…使えばこいつを殺す。」

 

この春、雄英高校に入学した耳郞響香は先ほどまでの自惚れに悔いていた

 

入学早々に学校施設内でヴィランの襲撃に合い

 

個性を使われて飛ばされた先に待ち構えていたチンピラヴィラン達を撃退したと一息ついた途端、潜んでいた一人に上鳴を人質に取られてしまった

 

なんとか打開策をと試みるも

 

「気付かないとでも思っているのか?

 

子供の浅知恵なんて馬鹿な大人にしか通用しないさ。」

 

見破られてしまった

 

そこで初めて恐怖が襲って来る

 

人質に取られた上鳴の安否

 

マウントを取られなにも逆らえないこの状況

 

自分が思い上がっていた事をここで悟る

 

私はまだまだとても無力なんだと思い知らされてしまった

 

そこに

 

「俺に言わせりゃどっちも大したことねぇけどな。」

 

「ああ!?誰だ!!」

 

ヌッ

 

「ガキ相手に人質取らなくちゃ吠える事が出来ねぇってのも俺に言わせりゃ下の下って所だ。」

 

その大男は現れた

 

隠れていた岩場をそのまま着こんでいるかと思わせる程に鍛えこまれた筋肉

 

どれ程の修羅場を潜り抜けてきたかを雄弁に語る傷痕達

 

そして発せられる己が絶対的強者だと言う自信

 

まったく闘いなんて知らない私でもわかった

 

この人は……強い!

 

 

「……なんで学校にジジイがいんだよ。

 

まぁいい、おいジジイ!

 

てめぇも動くなよ!こいつがどうなってもいいのか?」

 

人質を取って気が大きくなっているのか男の発するオーラを気に止めることなく強い口調で迫るヴィラン

 

だが…

 

「ふんっ、つまらん。

 

どうやらこの世界の悪党どもは小物揃いだな。」

 

「なにッ!?」

 

ヴォン

 

「うわっ!」グンッ

 

「ウェイ!?」

 

「わからねぇか?喧嘩を売る相手も見定められねえバカだってことだよ!!」

 

急にヴィランが大男の方に引き寄せられその弾みで上鳴が解放される

 

「ヌンッ!!」バコッ

 

「グハッ!」

 

憐れヴィランは無防備な顔面にフロントキックを入れられ岩場に叩きつけられ失神してしまった

 

「…ハッ、上鳴さん!大丈夫でしたか?」

 

「ウェーイ。」

 

突然の出来事の連続に呆けていた八百万が慌てて上鳴の元へ向かう

 

「フーム、まったくつまらん。どうやらこの世界には奴らの様な気概のある者はいなそうだな。」

 

「ねぇあんた。」チャキ

 

ネプチューンマンが声の方へ視界を下ろすと先ほど助けた少女がこちらに武器を向けて構えていた

 

「そんな耳郞さん、せっかく助けていただいたのに…!?」

 

「待ってヤオモモ、それすらこっちを油断させる罠かもしれないし!

 

取り敢えずオッサン、両手を上げて!」

 

「…フフッフフフフフ、ハッハッハッ!」

 

「な、なにがおかしいの!?」

 

「じ、耳郞さん。落ち着いて…。」

 

「なぁに健気だなって思っただけさ。

 

それに俺はお前達に危害を加える事はないさ。」

 

やれやれと男は首を振る

 

「なにを証拠に

 

グンッ

 

あっ!?」

 

先ほどの様に手に持っていた武器が大男に引き寄せられ

 

バシッ

 

「ふんっ!」

 

ボギッ ポイッ

 

無惨な姿に変えられ地面に転がった

 

「な?殺ろうと思えばいつでも出来るからさ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「それじゃあなに?あんた別の世界から来たって言いたいの?」

 

「…俺も認めたくはないがどうやらその様だな。」

 

「ウェ~イ。」

 

取り敢えず双方危害を加えないという口約束の元、八百万の提案により皆が集まっている中央広場へと向かう一行

 

一応男手という事で上鳴はネプチューンマンに雑に担がれていた

 

「そろそろ着くはずなんですけど…ッ!?

 

あれは!!」

 

「え!ヤバイじゃん!?」

 

中央では担任の先生が黒い化け物に倒され敵のボスの様な手だらけヴィランの魔手がクラスメートに向けられていた

 

「……嬢ちゃん達、こいつを頼むぜ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(ヤバイッ、ヤバイッ、ヤバイ!!)

 

緑谷出久は今、己の無力に押し潰されそうな心を奮い立たせてヴィランに立ち向かっていた

 

まったくもって制御が効かず使えば自壊してしまう個性だが学友を守るためには四の五の言ってられない!

 

「スマーーーッシュ!!」

 

そう思い放った拳は

 

「オールマイトリスペクトかい?」

 

(手応えがない!?)

 

 

絶望へと吸い込まれていった

 

 

見れば黒い怪物が立ちふさがり拳を受けられていた

 

「邪魔は無くなったし今度こそ!」

 

「や、やめろおおおおおっ!!」

 

絶望が支配しようとしたその時

 

 

 

 

「おい小僧。オイタが過ぎるぜ。」

 

「ッ!?脳無!!」

 

「ギャギャ!!」

 

一人の男により戦況は一変する

 

 

 

グループのリーダー、死柄木弔は今までにない寒気を感じ気がつけば叫んでいた

 

それほどまでに本能が警告をならしたのだ

 

「ギャギャ!」

 

主人に呼ばれ盾として矛として仇なす者を排除しようと動く怪物・【脳無】

 

 

「フム、少しは骨のありそうな奴じゃないか。」

 

目の前にいる大男を葬ろうと組み付くが

 

「…まあまあ、って所かな。」

 

「バ、バカな…!脳無で押し潰せないだと!

 

ッてか、なにもんだてめぇは!!」

 

「……なーに、通りすがりの喧嘩男さ。」

 

自分がイメージしていた物とまるっきり違うリアルに死柄木は驚愕していた

 

「どれ、少し見てやるか。」

 

『審判のロックアップ』

 

「やれ、脳無!そんなワケのわからんジジイなんて潰せ!!」

 

「ギャギャギャギャ!!」グググ

 

「ほうほう、パワーに少しは自信アリってか。

 

それで……どうやらだいぶえげつない事をしてる見てぇだな。」

 

組み合いながら相手の情報を読み取るネプチューンマン

 

「フーム、高い回復能力に衝撃を押さえる体か。

 

どうやら打撃戦に強めに造られているなコイツは。」

 

 

「ああ、そうさ!コイツは対平和の象徴として造られたんだ!貴様の様などこの馬の骨かもわからねぇジジイに敵う筈がねぇんだ!」

 

「その平和の象徴ってのはわからねぇがこんな粗悪品で息巻こうってのはムリがあるな!」

 

バッ

 

ネプチューンマンはロックアップを解き距離を取り

 

「見せてやろう、本物の完璧(パーフェクト)というものを!!」グググクグ

 

自らの左腕を掲げ力を込める

 

「脳無!そんなのは無駄だと教えてやれ!!」

 

「ギャギャ!」

 

死柄木の言葉に脳無は両腕を体の全面に縦に構えた

 

ネプチューンマンはその姿に体の奥底から怒りが沸き上がるのを感じた

 

その構えが自分に(まこと)の完璧を教えてくれた者の取る構えに似ていたからだ

 

「おい、紛い物。

 

その構えはてめぇみたいな下劣な奴が取っていいもんじゃねえぞ!!」ダダダ

 

ネプチューンマンは怒りをのせて猛スピードで走り

 

喧嘩(クォーラル)ボンバー!!』

 

その勢いを乗せたラリアットは

 

「ギャギャ?ギャギャギャギャ!?」グンッ

 

「吹き飛びやがれ!!」カァァァァァ

 

ボシュン

 

なんと脳無の体を吹き飛ばし瞬く間に天井を突き破り姿が見えなくなってしまった

 

「そ、そんなバカなあアアアア!!」

 

 

これは友情の尊さを再確認した喧嘩男が異世界で英雄になる話である!!

 

~完~




本編も更新しましたのでそちらもどうぞ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。