「イ、イズク・・・!」
テリーを助けようと己の身を盾として脳無の前に立ちふさがる緑谷
テリーは自ら命がけで対峙し脳無の強さを肌で感じているため止めようとするも
「カハッ・・・!?」ガクッ
戦いでのダメージは軽くなく意識を暗闇に落としてしまった
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「・・・ハッ!?」
テリーが再び意識を取り戻したのは・・・
「ここは、リング?」
正方形の白いマットの上に四本のコーナーポストと三本のロープが張られたリングの上だった
いきなり一変した状況に辺りを見渡していると
ーハハハハハハ!
「な、なんだ!?この心底不快に感じる笑い声は!?」
「どうしたんだテリー今日のお前はドジが過ぎるじゃないか」
突如として笑い声が響くとリングの上に影が浮かび上がり人の姿を成していく
「だ、だれだ!?」ザッ
「フフフ、相変わらずの勇ましさじゃのうテリー。」
影は腕を組み全く動じる事無く穏やかに話かけてくる
「お、お前は、一体・・・?」
顔は完全に影になっており判別できないがおぼろげに見える腕の太さ、胸板の厚さ、足の逞しさがこの男がどれ程の戦士であるかを物語っていた
「わしの名は今はどうでもよい。でもそれだと不便だしのう・・・。
そうだ!わしの事は名もなき王子とでも読んでくれたまえ。」
「お、王子・・・?」
「おう、王子の前にイケメンとつけてくれれば尚よしじゃ!」
「・・・・・・。」
呆れ顔をしているテリーの表情に気まずく思ったのか咳払いをひとつして改めて話始める自称王子
「さて、今回わしがここへ来たのはおぬしに忘れ物を届けにきたのじゃ。」
「忘れ物?」
「そうじゃ、忘れ物と言ってもそれは目に見える物ではない。
しかし、確かに存在するものじゃ。」
ブォン
するとリングの外の暗闇から映像が映し出される
そこに映し出されたのは・・・
「ハアッ、ハアッ・・・ウアッ!?」
ボロボロの体を懸命に動かし脳無の攻撃を必死に避ける緑谷の姿だった
「イズクッ!?
おい、あんた!
今すぐ俺をここから出せ!
あんたの問答に付き合ってる暇はないんだ!!」
テリーが睨みつけるも全く動じる事無く影はテリーに問いかける
「なぜお主はあの化け物達と戦う?」
「決まっている!アイツは、いやアイツを従えてる野郎は俺の大切な仲間を危険な目に合わせた、仲間を傷つける奴は許せない!
そこにそれ以上の理由なんざ必要ない!」
テリーが力強い叫びを影にぶつけた
すると・・・
ボァァァァァァァァァッ
「こ、これは!?」
「フフフ、それこそがお主に渡したかった忘れ物じゃ!今こそ解き放つのじゃ、どれだけ時空を隔てようとも消えることのなき思いの力を、ワシらが築き上げた繋がりが生む奇跡を!」
カアアアアア
テリーの体が謎の光を発し始めた
「ウオオオオオオオッ!?」(な、なんだこの体から湧き出てくる力は?)
「さあ仕上げじゃ。」スッ
影が自らの手を顔にもってくる
(マ、マスク・・・?)
パアアアアアアアアアア
「こ、この光は!?
す、すごい!体の傷が癒えていく!」
顔からマスクと思われる物をずらした影の顔は眩い光を発し素顔を隠しながらテリーの傷を治していく
「さあ、これで準備は整った。
いくがよい、テリー!」スッ
マスクを元に戻した影が闇に指差すとそこに光の出口が現れる
「あ、あんたは一体・・・。
いや、この感覚は・・・。
あんた、以前何処かでっ!?」
影は手をつきだし言葉を遮る
「・・・余計な言葉は今は不要じゃ。
今お主がせねばならぬのはなんじゃ、テキサスブロンコよ。」
「ッ!?」
「ハアッ、ハアッ・・・諦めるものか!
ここでお前らを倒して、皆でなるんだ!ヒーローに!!」
暗闇に今もなお奮闘する友の声が響く
「・・・そうだな。
俺が今しなくちゃいけないのは・・・アイツらを倒して、皆を、イズクを救うことだ!」ダッ
テリーは光に向けて駆け出す
「誰だか知らないが感謝するぜ!
この力でアイツらを倒してくるからみててくれよな、王子様よ!」
感謝の言葉を叫びながらテリーは光の中に飛び込んでいった
「・・・フフフ。」
テリーが飛び込むと同時に光の出口は消えていった
「死して尚、別世界で誰かの為に戦い続けておるのか。
少しだけ妬いてしまうの、若返った体で
影はどこか悲しく、しかし満足そうに呟きリングの上からその存在を虚空へと委ねていった
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「満身創痍だってのにしぶといな。
いい加減諦めろよお前!」
苛立ちを露にしながら死柄木が叫ぶが・・・
「ハアッ、ハアッ・・・諦めるものか!
ここでお前らを倒して、皆でなるんだ!ヒーローに!!」
毅然と不屈の姿勢を示す緑谷
その姿は出入口でどうしていいかわからず見守るクラスメイト達の心に感動を与えた
そしてこの男にも・・・
ボァァァァァァァァァ・・・
「「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」」
「き、聞こえたぜ、イズク・・・!
そうだよな、俺らはヒーローになるんだ・・・!
てめえらみたいな、悪党になめられっぱなしじゃ生きてる甲斐がねぇんだよ!!」
「テリーくん!」
テリーの体が突如発光したかと思えば足を踏みしめながら立ち上がり
「ウオオオオオオオッ!!」カアアアアアッ!
叫びと共に両肩に金の
するとテリーの体から発せられた謎の光がそのまま吸い寄せられるように緑谷の体を包み始めた
「この光は・・・!!」
緑谷は始めこそ警戒したが
(・・・ッ!!)
やがてなにかを察したかのように身を委ねた
すると見るからに重傷だった傷がふさがり
バチバチバチバチバチバチバチバチッ!!
光から解き放たれた緑谷の体を先程よりも強烈な閃光が迸り
バチバチバチバチバチバチッ!
(こ、これは!?)
(
緑谷からテリーへと伝播していった
「なんだよ、ここでパワーアップとか、そんなご都合主義許せるかよ!
脳無、さっさとその二人を殺せ!!」
「ギャギャギャギャ!!」
脳無の無慈悲な拳が二人に迫るも
「イズクッ!
来るぞ、合わせろ!」
「ッ!?
ウン、テリーくん!」
テリーは左の拳を緑谷は右の拳をそれぞれが閃光を纏わせて脳無の拳に放つ
『『ツイン・テキサス・スマッシュ!!』』
バゴンッ!
完璧に同じタイミングで叩き込んだ二人の拳は
「ギャギャ!?」グラリ
脳無の拳を押し返してしまった
「バカなッ!?おい、黒霧!!
どうなってやがる、あれはオールマイトの攻撃にも耐える筈だろうが!!」
「・・・み、認めたくありません。
ですが、あの二人の今のパワーはオールマイトすら凌駕するものだと思われますっ!!」
「さあ、反撃だ!いくぜ、イズク!!
ここからは俺たち"
の力を見せてやろうぜ!」ボァァアアアアア
「うん、テリーくん!!」バチバチバチッ
次回、二人のコンビネーションが炸裂!?