沢山の感動をありがとう、世界のリアル超人達よ!
雄英高校への襲撃事件
前代未聞の騒動は主犯格の二名は逃がしたが彼らに加担したチンピラ数十名は
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「・・・では先程搬送された二人を除く19名の生徒に特に目立った外傷は無し、と。」
オールマイトに続き脱出し危機を知らせに奔走した飯田を筆頭に先生であるプロヒーローたちにより残党たちは瞬く間に鎮圧された
その後警察による事後処理が行われることになり19人は出入口に集められているところだった
「あの、相澤先生は・・・。」
「命に別状はないが複数箇所の骨折、特に眼窩底骨の損傷がひどく後遺症が残る可能性がある・・・だそうだ。
13号も同様に命に関わるような怪我はないが背中の傷がひどく二人ともここで応急処置をしてから病院へ向かうことになるね。」
「デ、デクく・・・緑谷くんとテリーくんは・・・!?」
「ああ、あの二人なら心配いらない。
おそらく張り詰めた緊張の糸が切れてしまっただけで特に目立った怪我は無し、リカバリーガールの治療を受けた後に保健室で休めば大丈夫さ。」
その言葉に安堵のため息が漏れる
「ああ、そういえば尾白さん。
ありがとうございました。
あなたの援護がなければ私たちは危ないところでしたわ。」
「そうそう、上鳴を人質に取られたときはどうなるかと思ったけど尾白がその後ろから一撃で倒してくれて・・・。
あん時の尾白、めっちゃ決まってたよ。」
「え、いやそんな・・・。
あれはホントに偶然だし、それに援護に行けたのだってテリーがほとんど敵をワンパンで倒しまくったからであって・・・。」
八百万と耳郞にお礼と賛辞を言われ照れる尾白
「おい尾白!!
てめぇ裏切り者!
なに女子の前でカッコいいことしてくれちゃってンだよ~~~!!」
「峰田ちゃん、うるさいわよ。」バシッ
その姿に嫉妬をむき出しにした峰田は哀れにも舌ビンタの餌食になってしまった
自らの安全が約束され和やかな雰囲気が包むなか
心中穏やかじゃない者が二人
(プロヒーローでも敵わない敵をデクが倒したぁ!?
んな訳あるか、あいつがそんなに強いわけねぇ!
あいつは、あいつはただの木偶の坊だ!
あの金髪野郎もだ、思い知らせてやる誰が上で誰が下かを・・・!!)
(緑谷出久、翔野テリー。
この力で奴等を越えて頂点に立てたなら、俺は・・・!!)
激闘の終幕、それは新たなる火種を蒔いていた。
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「まったく、君には驚かされっぱなしだよ。」
ベットで眠る緑谷に付き添うガリガリの男・オールマイトは慈愛に満ちた顔で緑谷を見つめていた
「弟子思いも結構だけどちゃんと力の使い方を教えときな!
今回は何事もなかったけど、これから先戦う度に傷ついてちゃ早死にしちゃうよ!」
「は、はい!恐れ入ります、リカバリーガール・・・。」
そんなオールマイトの背中に渇を入れたのが雄英高校の屋台骨と称されるリカバリーガールだった
さすがのオールマイトもその言葉に頭が上がらず謝っていると・・・。
「・・・オ、オールマイト?」
「おや、目を覚ましたようだね。」
「緑谷少年、大丈夫かい!?」
意識を取り戻した緑谷にリカバリーガールの診察が行われた
「フム、特に異常はないようだね。
後は・・・ほれ、飴ちゃんをお食べ。」
「あ、ありがとうございます。」
緑谷に飴を食べるよう薦めた後リカバリーガールは別室にいるテリーの様子を見に行くと部屋を出ていった。
「・・・緑谷少年、よく無事でいてくれた。
私は自分が恥ずかしいよ、本来なら君たちを守るべき立場の人間なのに君たちを危険にさらしてしまった。」
オールマイトは拳に力を込めた
「そ、そんな!
オールマイトそんなに自分を責めないでください!」ガバッ
自戒の念に苛まれるオールマイトを気遣い起き上がろうとした緑谷だったが
「うっ!?」ズキィ
「ああ緑谷少年、無理はダメだ!
・・・でもそうだね、過ぎてしまった事を悔やんでもしょうがない。
これからもまだしばらく平和の象徴として居続ける為にも足踏みしてる時間はないからな!」ニカッ
オールマイトが見せた笑顔に緑谷も安堵の笑みを浮かべる
「それはそうと緑谷少年、一つ聞かせてくれたまえ。
君とテリー少年はあの黒いヴィランを倒したようだが一体どのように個性を制御したのだい?」
オールマイトは緑谷に目立った外傷がないことに安心したと同時に不思議に思ったのだ
未だ個性を制御しきれず使えば自壊してしまう緑谷だが今回の襲撃で強大な敵と対峙したとなれば個性の使用は必須
何をきっかけに成長したのか?
その事について緑谷に訪ねると
「それが・・・よく覚えてないんです。」
バツが悪そうに緑谷が答えた
「最初は初めて人に向けて使うから、っていうので無意識にセーブしていたんだと思うんですけど・・・。
テリーくんのピンチに駆け出した後は無我夢中で、でも覚えてるのは2つ」
逡巡を挟み緑谷は語り始めた
「テリーくんが光始めたと思ったらその光が僕を包んで、そしたら傷も消えて力が増したと言うか・・・。」
死闘の記憶を懸命に繋ぎ話す緑谷
「あ、それと・・・女性の声が聞こえました!」
「ッ!?」
「僕のことを九代目って言ったり、叶えきれなかった未来を見せてとかなんとか。
あの方はいったい・・・オールマイト?」
「・・・ああ、すまない緑谷少年、少し用事を思い出してしまってね。
後でまた来るけどその話はまた今度にしよう、今は少し休みなさい。」
「は、はい・・・。」
緑谷の話を打ち切りオールマイトは部屋から退室した
「・・・・・・。」
部屋から出たオールマイトの顔は険しくなっていた
(女性の声・・・まさか、今もまだあの力の中におられるのですかお師匠・・・?)
気づけばオールマイトは目に涙を溜め先程出てきた扉に背を預けたまましゃがみこんでしまった
(申し訳ありませんお師匠、そしてありがとうございます。)
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「テリー・・・。」
「ポニーちゃん、元気だすノコ・・・。」
「ん・・・。」
生徒の証言で頭に打撃を喰らったと言うのもありテリーは職員用仮眠室にて安静に寝かされていた
そこに今回のA組襲撃の事件を聞いたポニーを含むB組女子が駆けつけたのだった
未だに目を覚まさないテリーの手を両手で祈る様に握りしめるポニー
普段明るく振る舞う事が多いポニーの悲壮に暮れる姿に他の女子達もかける言葉を見失っていた
「テリー、お願い・・・目を開けてください。
まだ日本に来て少ししか経ってません。
まだまだ行ってみたいとこも、見てみたいものも沢山あります。
その隣にあなたが居ないのは寂しいです。」ポロポロ
少しでも呼び水になればとポツポツと言葉を紡ぐポニー
すると・・・
ピクッ
「ああ!」
「・・・ポニー、どうして泣いているんだい?
君にそんな顔は似合わないぜ。」
テリーが意識を取り戻した
「テリー・・・テリー!!」バッ
安堵から涙を流しながら寝ているテリーに抱きつくポニー
「ウウッ感動ノコ・・・。」グスッ
「うち、こういうの弱いんだよね・・・。」ウルッ
一緒に見守っていたB組の女子も感動に涙を流していた
すると
「あっ、よかった目を覚ましたんだね!」
テリーの見知った顔しかいなかった部屋に更に女子が二人入ってきた
「君らは・・・?」
「自己紹介が遅れて申し訳ありません。
わたくしは塩崎 茨と申します。」
「で、私が拳藤 一佳。
B組の委員長をやらせてもらってる。」
二人が簡単に自己紹介を済ますと
「そうだ!目覚めた事をリカバリーガールに伝えてこなきゃ。
茨はここで待ってて、私がすぐ行ってくるから。」
そう言うと拳藤は慌ただしくきびすを返して部屋から出でいった
「すまないな。他所のクラスの君たちにこんな迷惑をかけてしまって・・・。」
「いえ、私たちができたことなど微力なものです。
あなたが目覚めるまで見守り片時も手を離すことなく握り続けたポニーさんに比べればとてもとても・・・。」
塩崎の言葉にテリーはポニーに首を向ける
「テリー・・・。」
「・・・。」スッ
目が合うやテリーは手を伸ばしポニーの髪を撫でる
「すまないな。ポニー、君にまで心配をかけて。
ありがとう、こんなに遅くまで・・・。」ナデナデ
「あっ、もうテリー!
私たちは同い年ですよ、こんな子供みたいな・・・。」
ポニーがむくれて抗議するが
「ならやめるかい?」
「・・・テリーはイジワルです。
・・・もう少しこのままでいいです。」
この言葉に観念して身を委ねていった
「おーい、リカバリーガール連れてきたよ。」
拳藤とリカバリーガールが部屋に入ってきた
「さて、あんたも大丈夫そうだけど・・・。
話によると頭を殴られたそうじゃないか。
大事をとって今日は学校に泊まっていきな。
私の方で話は通しておくから。」
「は、はい。」
「あっあの・・・。」
「ああ、あんたも付き添ってやんなさい。なにぶん私も歳には勝てなくてね、人手はあると助かるし気心知った人が近くにいた方がいい。」
リカバリーガールは手早く話をまとめると拳藤達に向き直り
「あんた達もご苦労だったね。
もう遅いから早く帰りなさい、おたくらの担任には校門に車を回すように言ってあるから。」
と促した
「わかりました。それじゃあ・・・。」
と拳藤の言葉を皮切りに皆別れの挨拶を告げ退室していった
「ふぅ、それじゃ私も仕事があるから職員室に戻るさね。
トイレはそこで、晩御飯はランチラッシュに頼んで作らせたお弁当が冷蔵庫にあるから落ち着いたら無理しない程度にお食べ。」
諸々の説明を終えるとリカバリーガールはやれやれと呟きながら部屋を後にした
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「すっかり遅くなっちゃったな。」
拳藤を先頭に担任のブラド先生が待つ校門へ歩く一同
「ええ、ですがあのお方が無事でなによりでした。
ポニーさんの悲しみにくれる顔は見ていてこちらも心苦しいものがありましたから・・・。」
とその少し後ろを歩く塩崎が答えるが・・・
「「「「・・・・・・・。」」」」
「・・・そこの四人はどうしたの?」
あまりに不自然な沈黙にたまらず拳藤が話しかける
「いや、ねぇ・・・。」
「ん・・・。」
「ええ・・・。」
「ノコ・・・。」
なんとも歯切れの悪い返しに
「なんだよ、すっきりしないなぁ!」
「いやさ、拳藤も塩崎も考えてみなよ。」
「はて?」
「あの二人は間違いなくうらめしい関係にあるわ。」
「そんな二人が夜の密室に二人きり・・・。」
「さっきの感動も相まって・・・なんてこともあり得るノコ!」
・・・ボンッ。
「・・・はっ、えっ///・・・いやいや///・・・そ、そんな・・・。」
「ああ///、いけません!
まだ学生の身分だありながらそのような・・・。」
四人の言葉の真意を汲み取った二人は顔から火が出そうなほど赤面し慌てだした
「・・・・・・プッ、アッハッハッ!」
「「・・・ハッ!?」」
「ヒー、お腹痛い!」
「二人とも顔真っ赤ノコ!」
「二人とも、なに考えてたのかしら?」
「ん。」
自分達がからかわれたと気づき
「~~~~~~ッ!!」
「こらぁ~~~~~~ッ!!」
「キャー、逃げろ~!」
女子が三人集まれば
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夜も深まった校舎
「・・・・・・。」
テリーは一人ベッドに横になり天井を眺めていた
すると、
「テリー・・・。」
隣のベッドに寝ていたはずのポニーがベッド脇に立ち話しかけてきた
「隣、いいですか?」
「・・・おいで。」
体を少し端に寄せスペースを作り掛け布団をめくり招き入れる
「ありがとうテリー、フフッ。」
ベッドに入るなり優しく微笑むポニー
テリーがどうしたのかと思っていると
「ねぇテリー、こうやって寝てると子供の時を思い出すわ。
貴方の家の牧場で二人で干し草の上でお昼寝していたあの頃を・・・。」
「ああそうだな、そんなこともあったな。
そういえば最初は服が汚れるからって嫌がってたっけ。」
幼き日にアメリカで過ごした二人の記憶を懐古するように笑顔で語り合う二人
「・・・ねぇテリー。」
「ん?」
「一つだけ約束してください。なにがあっても必ず私の所に帰って来るって、絶対私を一人にしないって。」
「・・・・・・・。」
「ごめんなさい、テリーが強いことはよく知ってます。
でも、ときどき怖くなります。テリーがどこか違う所を見ている様に感じてしまって、テリーがどこか手の届かない様な所に行ってしまいそうで・・・。」
自らの不安な胸中を吐露するポニー
その何かに怯える様な姿に
ガシッ
「・・・約束するよ。」
微かに震えているポニーの手を、励ますように力強く握るテリー
「これから先どんな困難や恐ろしい敵の牙が待ち受けていたとしても、翔野テリーは必ずポニーの元へ帰って来る!」
しっかりと目を合わせ、されど優しい眼差しでテリーは誓いの言葉を伝える
「・・・嬉しいです。テリーもうひとつわがままを聞いてくれますか?」
「なんだい?」
「今夜はこのまま、このまま手を繋いだまま寝させてください。」
「ああ構わないさ。」
こうして二人の夜は過ぎていった
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襲撃事件の後、休校を挟み
再び登校日になり教室に入るテリーを待っていたのは
「あっテリー君!よかった、大丈夫だったんだね!」
「おお、イズク!!」
緑谷を始めとするあの戦いの目撃者たちからの労いの言葉だった
「・・・・・・チッ。」
「・・・・・・。」
一部から鋭い視線を向けられるがテリーは完全に無視を決め込んだ
それよりも
「テリィィィィーーーー、お前どう言うことだ!
起きたらB組の女子全員に囲まれてたって話を聞いたぞ!
なんじゃその羨ましいシチュエーションは!!
そして角取ポニーと校舎に一泊したとか!
おい吐け!その日の夜の事を洗いざらい吐かんか!」
「そんな人に話さなきゃいけないことなんかないっての!
というより制服に変なシミがつくから離れろって!」
脱水症状を起こさん勢いで涙を流しながらズボンにしがみつきヤイのヤイのと詰問してくる峰田の対処が先決だった
やがて予鈴がなり
「おはよう。」ガラガラ
全身を包帯でぐるぐる巻きにした担任が入ってきた
その姿に生徒達は驚愕し、声をあげるが
「俺の怪我のことはどうでもいい。」
と一蹴し
「それよりもお前ら、戦いはまだ終わってないぞ・・・。」
その言葉に教室の空気が張り詰める
「・・・"雄英体育祭"が迫っている。」
教室が歓喜の声で爆発した
次回、燻る火種が・・・。
選手宣誓についてどちらがいいか皆様の意見をお聞かせください
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爆豪のままでいい(テリーもしゃべります)
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テリーの選手宣誓で