奮い立てテキサス・ブロンコ   作:遊人

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氷山を越え炎海を渡れ の巻

決着のついたスタジアム

 

「さあ、鉄哲。すぐに救護室に…」

 

テリーは鉄哲の肩を抱えるが

 

「ま、待ってれ…!」

 

鉄哲はそれを振り払い

 

「せっかくお前が俺の要望を飲んでくれたってのに、俺がなにもせずに引っ込むわけにはいかない、だから…!」ガシッ

 

バッ

 

「これくらいはやらしてくれや…!」

 

テリーの手首を掴み高々と掲げた、この試合の勝者が誰であるかを改めて観衆に示したのだ

 

 

敗者が勝者を讃えるこの行動に観客からは万雷の拍手が送られた

 

「ふぃ~、これで満足だ。

 

それじゃ医務室までお願いするぜ。」

 

観客の反応に満足した鉄哲はそこで脱力してテリーに体を預けた

 

「…ああ!」

 

テリーは鉄哲の肩に手を回し抱えながら医務室へと向かっていった

 

二人の姿が見えなくなるまで会場の拍手がなりやむことはなかった

 

「…観客の目が全員二人に向いてくれて助かったな。」

 

「ああ、とてもじゃないが今のミッドナイトさんは人前に出してはおけない。

 

セメントス、すぐにミッドナイトを下げさせろ。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「鉄哲ッ!!」バンッ

 

拳藤を先頭にB組全員が医務室へ入ると

 

「おお、みんな…。」

 

ベッドの上で横になる鉄哲の姿があった

 

「す、すまねぇな。

 

せっかくみんなが託してくれたってのに…この様とはな。」

 

「な、なにいってるのさ鉄哲!」

 

「そうですぞ、鉄哲殿!」

 

「最後まで闘い抜いたお前は立派だったぞ!」

 

敗戦を受け少し弱気な姿を見せた鉄哲に皆が励ましの言葉を送る

 

「その通りだ!鉄哲!」ガラッ

 

「ブ、ブラド先生…。」

 

そこにB組の担任・ブラドキングも加わる

 

「鉄哲よ、お前の闘いは何一つ恥じる所なんてなかった。

 

仲間の為に最後の最後まで退く事なく闘ったお前と、」

 

ブラドキングは他の生徒達を見渡し

 

「その鉄哲に惜しむ事なく声をかけ続けたお前達を、先生は誇りに思う!

 

まだ少しの付き合いしかないが、今日の試合で確信した!

 

お前達は絶対に最高のヒーローになれる!

 

今日の試合を見てまだB組をバカにする者がいたら先生が許さない!

 

だからみんな…胸を張れ!

 

君たちは立派に闘った!!」

 

「「「「「「…ハイッ!ブラド先生!!」」」」」」

 

「それと…。」シャッ

 

「………。」

 

「ありがとう、闘ったのが君で良かった。」

 

鉄哲のベッドの横を仕切っていたカーテンの向こう側にはテリーがベッドで寝そべっていた

 

「別に俺は何もしていませんよ。

 

ただ、熱い男と心いくまで殴りあっただけです。

 

…それじゃ次の試合があるので俺はこれで。」

 

そう言うとテリーはベットから起きてそそくさと医務室を後にした

 

「…角取、もういっていいぞ。

 

そして伝えてくれ、B組の思いは託したってな。」

 

「…ハイッ、ブラドティーチャー。」

 

ブラドに促されポニーはテリーの後を追っていった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

壮絶な闘いの余韻覚めぬまま残りの試合が行われた

 

「女子をもてあそぶ様な不貞な輩には、負けませんわ!!」ビシッ

 

「アデッ!!」バキャ

 

絶縁素材の衣類に包まれた状態で棒を武器に怒りのこもった一撃が上鳴に炸裂

 

バキャ

 

バキャ

 

バキャ

 

バキャ

 

「ちょ、ギブギブギブ!

 

ミッドナイト先生、俺ギブっす!

 

ヤオモモ止めプギャ」バキャ

 

「まあ、さっきのやり取り見てた感じだと君に非があるようだしお灸を据えてもらいなさい。」

 

○八百万 百VS上鳴電気● (タコ殴りK.O.)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おらっ死ねや!」ボンッ

 

「ヌオオッ!?」

 

常闇は個性『黒影』をフルに使い善戦するも

 

「相性が悪かったな、同情するぜ。」

 

「……まいった…!」

 

光に弱いという弱点を見抜かれ爆豪の猛攻の前に散った

 

 

○爆豪 勝己VS常闇 踏影● (降参)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「さあ、さあ、さあッ!!

 

ついに、ついにここまで来たぜ準決勝!!

 

てめぇら体力は大丈夫かっ!?」

 

ワアアアアアアアアアッ

 

控え室でテリーはプレゼントマイクの煽りと観客の大歓声を聞いていた

 

「…さて、行くか!!」

 

「テリー…頑張ってクダサイ!!」フリフリ

 

未だにチアガールの姿でボンボンを振りながらテリーを送り出すポニー

 

「…えらく気に入ったんだな、それ。」

 

「デース!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「行け、焦凍。

 

その二つの力を使えばこの大会を制することなど容易いはずだ。」

 

「………。」

 

轟はエンデヴァーの言葉に目を瞑り沈黙を貫く

 

そしてついに…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「さあ、時間だ!

 

片や圧倒的な実力を示しながら勝ち上がって来たクールなサラブレッド!

 

片や敬意で勝ち取りその思いを拳に宿しのしあがって来た激闘系ファイター!

 

轟 焦凍!!

 

VS

 

翔野テリー!!」

 

 

スタジアムで向かい合う両者

 

「よお、いい顔になったじゃねぇか轟。」

 

「…もうチワワって呼ばないんだな。」

 

「準決勝第一試合、開始!!」

 

ダッ

 

ゴウッ

 

開戦と同時にテリーのいた場所は氷に覆われる

 

「轟は相変わらず初手ブッパだあぁーーー!」

 

「だが翔野も避けているな。」

 

(こいつ…ッ!)

 

 

 

「おお、避けた!」

 

「あいつもセンスハンパないからな~。」

 

A組一同もテリーが避けた事に賞賛を送るが

 

「…スゴいや。」

 

「デクくん?」

 

(そこかッ!そこが安全地帯か!)

 

テリーが取った作戦

 

それは

 

轟の左側に回り込むように走る事

 

「轟くんの個性は手の動きや足の動きが肝になる。

 

つまり、幾ら広範囲に氷を出そうとも真っ正面に向けて放てば左手側の氷は幾らか手薄になる。

 

あとは…。」

 

 

「フンッ!」バキャ

 

迫ってくる氷を拳で破壊しそこから一気に距離を詰めようとするテリー

 

「くそっ!」ピキキキッ

 

そうはさせまいと体の向きをテリーに合わせて再び氷結を放つテリーだが

 

「テイッ!」バキ

 

再び同じ動きで氷結を突破し距離を詰めようと試みる

 

轟の回りを円を描くように動き回り距離をどんどん詰めていくテリー

 

「おおお、スゲー!」

 

「あとちょいじゃねえか!」

 

「…今までの轟くんならこの作戦は効果的だ、右の個性を連発させれば次第に動きは鈍くなり更に近く事が容易になるし、」

 

(金髪野郎の近接能力なら半分野郎なんざ簡単に仕留めれるだろ。)

 

 

「だがしかし!」

 

「ッ!!」

 

ボオオオオオオウッ!

 

「今の焦凍には左側()がある!!

 

それを使えば片手側の空白地帯も自身の体温の調整もカバーできる!

 

まさに最強!流石は俺の息子だ!!」

 

「え、えぐいィーーー!!

 

距離を詰めてきた翔野テリーに炎が炸裂!!

 

おいおい…大丈夫かよ…。」

 

会場がざわめき出す

 

幾らプロヒーロー達も顔負けの体躯を誇るテリーといえども…

 

ズオッ

 

「~~~ッッ!!」

 

誰かが息を飲んだ

 

当然だ炎の中から手が突き出してきたのだから

 

ガシッ

 

「Hello、轟。

 

元気にしてたかい。」プスプス

 

「…ああ、ようやく体が暖まったとこだよ。」タラッ

 

両者危険地帯(レッドゾーン)突入

 

 

 




次回、両者の次なる一手は!?
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