奮い立てテキサス・ブロンコ   作:遊人

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読み切りと同時投稿させていただきました

そちらもよろしければ見てやってください

キン肉マン連載再開万歳!


紙一重の意地比べ の巻

「ああっと、いった!いった!翔野がいったァァァッ!

 

自らも額から流れる血を気にする事なく爆豪の傷口に拳をねじ込んでいく!」

 

「翔野の拳は防御に特化した個性を持つ鉄哲にも通用する。生身の、しかも傷口にあの拳は流石の爆豪もキツイな。」

 

「ウオオオオオオッ!」

 

ドガガガッ

 

額から流れる血を振り乱しながら一心不乱にナックルを連打するテリー

 

「ぐあああっ……!くそがアアアアアア!!」

 

いつまでも怯んでいられないと爆豪は髪を捕まれた手を叩きどかし

 

「食らえやぁぁぁ!!」

 

ボボボボンッ

 

辺り構わず爆破を行い怯ませた隙に距離をとろうと試みる爆豪だったが…

 

「き、効かねぇな…!」

 

テリーは腕をクロスしてガードをして一歩も下がっていなかったが…

 

「………ッ!」

 

見るからに膝か笑っておりそれが虚勢だとわかる、だがテリーの目はひたすらに希望を携えて燃えていた

 

「……ッだよ!」

 

「…?」

 

「ムカつくんだよ!てめぇのその目が!!絶対諦めねぇってその面が!弱えぇクセに、傷だらけのクセに、絶対勝つって気でいるその心が!俺がNo.1になんだ!てめぇらみてぇな雑魚が、邪魔してんじゃねぇ!」

 

 

爆豪勝己の信条

 

それは圧倒的強さの上に立つ誇り

 

常に先頭をひた走りその背で期待と羨望を集める者

 

かつて幼き日に見たかの英雄(オールマイト)のような!

 

「……確かにお前からみたら、俺は雑魚かもしれん。

 

個性をみれば俺の個性はすぐに埋もれてもおかしくないような物だ。

 

だが、俺にも負けられぬ理由がある!

 

俺をこの舞台に再び呼んでくれた者!魂をかけて殴りあった者!俺にヒーローの心を魅せてくれた者!

 

そして…。」チラッ

 

「頑張って……テリー。」

 

「こんな馬鹿な男を…己の意地のために傷つけた男を!尚も本気で心配してくれる者がいるんだ!

 

その思いが俺を支えている!ならば俺が折れる訳にはいかんのだ!!」

 

翔野テリーの信条

 

それは古来より受け継がれし人を思い合う心が生む力を尊び

 

自らに託してくれた想いを誇りへと変え奇跡へと昇華していく者

 

己の脳裏におぼろげに映るかの英雄達のように!

 

「だからッ!」

 

テリーは爆豪の髪を掴み

 

「俺は!」

 

左手を回転し

 

 

「負けん!!」

 

『ブロンコ・フィストッ!!』

 

爆豪の鼻っ柱に拳を叩き込んだ

 

「グガァッ!!」

 

「は、入った~~~ッ!!

 

強烈な一撃が爆豪の顔面に吸い込まれていった!!」

 

「おっしゃー、いいぞテリー!!そのまま優勝かっさらっちまえ!」

 

テリーの逆転の猛攻に観客席の鉄哲も興奮してエールを送る

 

「「「テリー!テリー!テリー!」」」

 

その熱に当てられた観客達もテリーへ声援を送る

 

ドシャ

 

「……が……ああ……ッ!!」

 

(お、俺ァ……負けるのか……!?

 

こんな惨めに……!?)

 

自らの理想を追い求めて走り続け体現し続けてきた自分が今、背中から地面に倒れ付している

 

思えば入学以来自らのプライドを傷つけられてばかりだった

 

いきなりのテストで一番になれず、対人訓練では路傍の石ころと見下していた男に不覚をとり

 

入学早々に喧嘩を売ってきた奴に2人対1人という変則マッチで叩きのめされ株をあげる踏み台にされてしまった

 

この体育祭でその失った誇りを取り戻すべく捲土重来を期してここまで駆け上がってきたのに……

 

「……かっちゃん!!」

 

「……ッ!!」

 

そんな暗闇へと意識が落ちていく爆豪の鼓膜を揺らしたのは他ならぬ緑谷出久だった

 

「…立てよ!

 

君はもっと強いはずだ!

 

そんな情けない顔をしないでくれ!

 

君は…なるんだろ!?

 

誰にも負けない、No.1ヒーローに!」

 

「そ、そうだぜ、バクゴー!

 

騎馬戦の時のお前はどうした!?」

 

「完膚なき1位をとるんじゃねーの!?」

 

「弱気な顔なんてらしくないよ!!」

 

緑谷に続き騎馬戦で共に戦った切島、瀬呂、芦戸が檄を飛ばす

 

「……どいつもこいつも、うるせぇんだよォ……っ!」

 

爆豪の目に再び生気が宿る

 

自らが歯牙にもかけなかった者達に心配されている、その状況が爆豪の意地に火を着けた

 

「勝手に心配すんな!!

 

なに今さらな事を言ってんだ!

 

んな事は当たり前だ!

 

てめぇらは俺の背中を拝んでりゃいいんだよ!」

 

オオオオオオッ!?

 

「そうだ!それでこそバクゴーだ!!」

 

切島が吠える

 

「マジか!爆豪ここに来て復活!!まだまだ勝負は終わらねぇ!!」

 

両の足で立ち上がった爆豪に実況のプレゼントマイクのマイクも熱を帯び、それにつられて会場の熱気も高まる

 

「HEY、イレイザー!お前はどうなると思う?」

 

「……結果なんぞ予想しても無意味だ。

 

だが、この極限で己の支えとなるものがいくつあるのか、そこが勝利の分かれ目になるだろうな。」

 

「いくぞ!金髪野郎!!」

 

「来いや!ボンバーマン!!」

 

「ま、また始まった!翔野テリー、今度は爆豪と再びのノーガードのしばき合いだー!!」

 

Bom!!

 

バキィ!

 

Dom!!

 

ドゴォッ!

 

「翔野のダメージもさることながら爆豪も腰を痛め付けられ機動力が落ちてしまっている、下手に小細工をすれば翔野の機転に一気に勝利を持っていかれかねんからな。

このノーガード戦法が一番険しいが勝利への近道だろうな。」

 

 

 

「死ねや!!」

 

爆豪が両手を合わせて爆撃を見舞えば

 

「グハッ、やるなボンバーマン……!お返しだ!」ビシッ

 

テリーは崩れた体勢から一気に立て直しトラースキックで顔面を蹴り飛ばす

 

まさに死闘

 

両者共に傷だらけになりながら永久を思わせる一進一退の攻防

 

だが……

 

「ぐっぞがぁ……ッ!!」

 

「アーッと先に膝がおれてきたのは爆豪だ!」

 

「決定打がないままやりあえばどうしたってフィジカルの差が出てきてしまうな。」

 

相澤の言葉を身を持って体感している爆豪は

 

(ちっ、このままじゃ押しきられちまう……だったら!!)

 

爆豪は軋むように痛む体を無理やり動かし酷使した手の平の痛みをくいしばり上空へと飛び上がり

 

「これで終いだ!金髪野郎!」手をクロスして爆破で加速を繰り返し、上空に舞う。

 

 

手をクロスして爆破で加速を繰り返し急降下してきた

 

「ば、爆豪っ、決死の突撃技だぁ!!」

 

「来い!テキサスの男は退かぬぞ!」

 

対してテリーは両手を広げてまるで向かいいれるように立ち臨む

 

榴弾砲着弾!!《ハウザーインパクト》

 

BOOOOOOOOOOOOOOM!!!

 

「ぐおおおおおっハァッッッ!?」

 

「爆豪の最大火力が決まったァ!!爆豪の一撃が翔野を撃ち抜いた!!」

 

あまりの衝撃にテリーは地面に叩きつけられながら吹っ飛ばされた 歓声と悲鳴が大きく響く、とうとう決着だと誰もが確信した

 

 

「負けないで!テリー!!」

 

ズザアアアアァァァァ

 

ダシュン

 

誰もが息を飲んだ

 

爆豪の決死の必殺技をモロに受け吹きと飛ばさていたテリーが、すんでのところで体勢を立て直し爆豪に向かって走っていった

 

「うおおおお!!」

 

『テキサスコンドルキック!!』

 

咆哮と共に繰り出した両膝の蹴りは爆豪を捕らえるも観客席の相澤は気づいていた

 

(やはりダメージを食らいすぎているな、いくらか浅いぞ。

 

ここからどうする……翔野テリー?)

 

そしてその違和感は爆豪も把握していた

 

このまますぐに立ち上がり今度こそ止めをと頭のなかを切り替えるが

 

ガシッ

 

「なッ…!?」

 

テリーは仰向けに倒れる爆豪の()()を掴んだ

 

「……爆豪よ。今から出すのが俺のこの試合、最後の技だ!」

 

(こ、これがテリーくんの本命!)

 

(関係ねえ!あの技(スピニングトゥホールド)なら対応できる!

 

それじゃなくても返してやらぁ!!)

 

「喰らうがいい!」

 

テリーは片方の足を折り曲げ膝の裏へと持っていき足の間から手を通してクラッチを固め

 

相手をうつ伏せにひっくり返して腰を落とす

 

 

『テキサスクローバーホールド!!』グギイイイィィィ

 

「ぐはああああ!!」ギリギリギリギリ

 

「こ、これはキツい!!先ほどまで攻められた腰にエグい追撃!!」

 

「さらには膝や足首も極められているな。ここに来てなんと言う技を…。」

 

「爆豪君、ギブアップ!?」

 

再びミッドナイトが聞くも

 

「……NOだ!くそったれ!!」

 

どうにかもがく爆豪とそれを必死に抑え込むテリー

 

だが

 

「……ぐふっ、ぐふっ……ゴファッ!!」技を極めているテリーが咳こみながら血を吐く

 

「な、なんと!翔野が血を吐いた!?」

 

「…ここまでの蓄積したダメージがいよいよ隠せなくなってきているな。」

 

見れば先ほどの爆豪の「榴弾砲着弾」を食らったテリーの胸板は爆破の火傷のみならず、赤と紫色に変色している

 

テリーも限界が近い

 

それは誰の目にも明らかだった

 

「テリー君があのかっちゃんからギブアップを奪えるか、逆にかっちゃんはテリーくんの体力が尽きるまで耐えられるか……。」

 

「ぬオオオオオオオオ!!」

 

「がアアアアアアアア!!」

 

両者の魂の叫びが交差する

 

スタジアムが固唾をのみ見守るなか

 

「そこまで!!」

 

ミッドナイトの凛とした声が響く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「爆豪くん、失神により戦闘不能!

 

勝者、翔野テリー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「け、決着だアアアアアアアア!!

 

この死闘を制したのは翔野テリーだ!!」

 

 

プレゼントマイクの声を皮切りにスタジアムは今日一番の熱狂に包まれた

 

 

「ハアッ……ハアッ……。」その声を聞いたテリーは爆豪から技を解き立ち上がる数多の賞賛の声がテリーに降り注ぐなか

 

その声を聞いたテリーは爆豪から技を解き立ち上がる

 

数多の賞賛の声がテリーに降り注ぐなか

 

「…………。」

 

こちらに涙を堪えながら手を振るポニーの姿を捕らえた後テリーの意識は暗闇に落ちていった

 

 

 




次回、強敵現る!?
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