~XX年前
「俊典!てめぇにゃまだまだ実践が足りねぇ!そもそもガキの喧嘩止まりのお前では近接格闘のイロハがなってない!」
「は、はい!」
「そこで特別に!その道のスペシャリストを呼んできた!俺の知り合いだ!粗相するなよ!」
「……………こうして当時の教師に連れられた私を待っていたのは今日のようなリングとそこに佇むプリンス・カメハメその人だった。
そこからは本当にキツかった……。
玩具のように投げ飛ばされ、いいように技を極められ、疲弊したところで殴られ蹴られサンドバッグにされ。
更には延々砂浜を走り……思い出すだけでも」ウップッ
(か、完全にトラウマになってる。)
(あんなオールマイト始めて見た……。)
「さぁて!オールマイトのヤバい過去が聞けてシビィ所だがリングの上では相変わらず一方的な展開だ!
あの技をどう見るイレイザー?」
「完全に極ってるな。一見簡単には見えるが、驚異的な肉体のバランスとパワーがあってこそなせる技だ。
年齢的なものを鑑みれば正しく"達人"と評するにふさわしい。」
「さあ、さっさとギブアップしろ。このまま背骨を折っていくぞ!」
「NOだ!!」ギギギ
「そうか、ならば遠慮なく!」
ゴギギギギ……ッ!!
ますます反りあげられるテリーの体に見ている生徒達からも悲鳴が上がる
「よ、容赦無し!一片の容赦なくテリーの体が絞りあげられていく!
おいおい、不味いんじゃねぇの……。止めたほうがいいんじゃねぇ?」
「………それを決めるのは俺たちじゃない。テリー自身か婆さんが決めることだ。」
「………なるほど、流石の諦めの悪さだわい、ならば!!」グワッ
『ゴリー・エスペシャル!!』
「ぐううぅぅっ!?こんな
「なんだありゃ!?」
「凄すぎだろ!あのじいさん!」
「あ、あれこそカメハメの数ある技の中でも最大最高技の連続コンビネーション。
"
私も何度あの技に煮え湯を飲まされたか……。」
「オ、オールマイトに煮え湯を飲ませた技だって!?」
「テリー不味いんじゃ!?」
「………大丈夫デス。」
オールマイトの言葉にざわめく中で凛とした声が通る
「テリーは大丈夫デス。」
「角取少女。」
「さぁこれで終わりだ!」ズアッ
カメハメは技を解除すると速やかにテリーを自身の両肩の上にうつ伏せに乗せると
『バックフリップ!!』バッ
「テリーは、強いデスヨ!」
ドガアアァァァンッ!!
「感触十分!これで終了だろう!」
自らの技に勝利を確信したカメハメだが
「……ロープブレイク。カメハメ、技を解きな。」
「ぐううぅぅっ!」ガシッ
テリーの必死に伸ばされた右腕がサードロープを掴んでいた
「うおおおおおお!?テリーーーーっ!?」ドパアァァ
「最後まで諦めない姿勢!流石の漢っぷりだぜぇぇぇぇぇぇ!!」ドパアァァ
試合終了かと思われながらも土俵際に残ったテリーに鉄哲と切島が感動の涙を流す
「さぁ、ロープブレイクで仕切り直しだ!イレイザーお前の教え子がここから逆転するにはどうするべきだと思う?」
「それを自分達で考えて乗り越えさせるの為の試験だろうが。」
「ゲホッ、ぐふっ!な、なんとか届いた。首の皮一枚つながったぞ!」ヨロヨロ
よろけながらもなんとか立ち上がるテリー
「そうでなくてはな。さぁさっさと立てテリーよ!続きを始めるぞ!」グワッ
「はい!」ダッ
「両者再びのロックアップだ!!」
「はあっ!」
テリーはロックアップを組むや素早くヘッドロックへと移行する
「なるほどこの技のスムーズなつなぎ、ちゃんとレスリングの基礎訓練は怠っていないようだな!」
「お褒めにあずかり光栄です!」ギリギリ
頭蓋骨を締め上げられながらもテリーを褒める余裕を見せるカメハメ
「だがいつまでも喰らってるわけにもいかんな!」ジリジリ
ヘッドロックを極められた体勢のまま後方へと下がり
「むん!」バインッ
ロープの反動を使い
「とうりゃあ!」ブンッ
テリーを反対のロープへと振る
「なんのぉ!」バインッ
ドドドド
「ヌンッ!」ゴガッ
「うぼぉ!」
「これは上手い!ロープの反動を利用してお返しのショルダータックルだぁ!」
「嘗めてくれるなよ!」バシュ
背中から叩き伏せられたカメハメはすぐさま軽快な跳ね起きを披露すると
「なっ!?」
「セイヤァッ!!」
『ジャンピングハイキック!』ゴズッ
「な、なんとカメハメ!驚いて振り向いた翔野テリーの顎を撃ち抜いた!
てか、なんでオールマイトよりも年上であんな身軽に動けるんだ!?」
「まったくもって脱帽だな、今の自分が情けなる程だ。
それほどまでに強い。
いや、強すぎる!」
「カファッ!?」ブシャッ
「そらそら、こんなものでは終わらんぞ!」
ズアッ
「ああっと!またしてもマウントポジションに取られたテリー!もはや絶体絶命か!?」
(ど、どうする!?下手にガードをすればさっきの二の舞だ、だが……)
「ほれ、リングの上で迷うのは致命的だぞ!」ボグゥ
「ブオッ!?」
ボスッドズッポグッ
「て、鉄槌!鉄槌!鉄槌!容赦ない拳がテリーに降り注ぐ!こいつはやべぇ!見てるこっちも肝が冷えるぜ!」
「流石にそろそろ止めるか……?」
「ぐぅぅゥッ!」(このままでは不味い、何か何か打開策を!)
「さあ、これで今度こそフィニッシュだ!!」グワァァッ
とどめの一撃とばかりにカメハメの拳が高く振りかぶられる
「……………ッ!!」
シュオ
ギュルル
「な、なに!?」
カメハメの後ろから何が這い寄り体に巻き付く
「あ、あれはテリーの足だ!腹筋の力で持ち上げた足がカメハメに絡みつく!」
「あいつ、この土壇場でなにを見せてくれるんだ?」
ギュオオオン
「ぬあぉ!?」グルンッ
『TKシザーズ!』
「なんと!今度はテリーが攻守を逆転させた!」
声を張り上げたマイク、更に観戦していた皆が驚くなか一番驚いていたのは渦中のテリー自身だった
(な、なんだ!今の感覚は……体が勝手に反応した!?
そして見える!次にどう動けばいいのかが!)
ガシッ
グイッ
ひっくり返った勢いのままに逆さまになっているカメハメの両足を両肩にかけ両腕で相手の両腕を掴み引っ張りあげる
『カ、カンガルークラッチ!!』ピキィィィ
「ぬううううう………ッ!?」
「おおおっ!テリー、この土壇場で新技の御披露目だぁ!ここまで勿体ぶるとはなかなかのエンターテイナーぶりだぜ!」
「……いや、違うな。それにしては技をかけた本人が戸惑いすぎだ。」
「フフフ、それ!いつまで呆けている!」バッ
カメハメは素早くテリーのクラッチを切ると
「今度はこれでどうじゃ!」グワッ
「あの技は!」
「不味い!」
「さぁカメハメ、テリーを担ぎ上げ再びのバックフリップの体勢を取る!
これで万事休すか!?」
「………見えた!!」バッ
テリーはカメハメの肩から飛び上がり
「バックフリップ、破れたり!」
『グローバルプレーンスピンッ!!』ギュオオオ
カメハメの頭を軸にあん馬の要領で圧迫するテリー
「ぐぅぅぅ……」ガクッ
「ああっと!カメハメの体勢が崩れた!」
「ここだ!!」スサッ
テリーは素早く技を解きカメハメの背後に降り立つと
ガシッ
『変形羽根折り固め!』ガカンッ
「なんとぉぉぉ!テリーここに来てカメハメのお株を奪う大技の連発!」
「………なるほど、とんでもない爺さんだ。」
「はあっ、はあっ、この技といい、さっきの技達といい……体が勝手に、それも師匠の技もあったこれはいったい………っ!?」
「フフフ、どうやら会得したようだな。」
技をかけられているカメハメが声をかける
「口で話すよりこちらのほうが手っ取り早いからのう、これでわしはお主に52の間接技を授けることができた!
………だが!」
ズキィィィッ!!
「うぐぁっ!?」
「まだまだ粗がおおい!そこはこれから鍛え上げよう、ひとまずは及第点といった所かな。」
カメハメは立ち上がると
ガキャ
テリーの顎を膝でかちあげる
「しかし、リングの上では情けは無用!誠心誠意、決着をつけてしんぜよう!」
『ローリングソバット!』ズバッ
「グハッ!」ガクッ
無防備な土手っ腹に蹴りを追撃されテリーの体はロープに寄りかかる
「根津からも一切出し惜しみなくやってほしいと頼まれとるからの!」バッ
カメハメはテリーの向かいのロープに走り反動をつけ
「とああッ!!」バッ
そのままノータッチ・トペコンヒーローでテリーの頭上を越え
「刮目せよ!これが我が48の技の一つ」
足を首にかけロープ越しに相手の両腕を固める
『超人絞殺刑!!』ズバァァンッ
「バハァッッ………ッ!!」ガクッ
「…………終了だね。根津校長、ゴングを頼むよ。」
リカバリーガールの声にうなずいた根津は試合終了のゴングをならした
師匠越え、ならずッ!!