奮い立てテキサス・ブロンコ   作:遊人

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ハードモード の巻

 

死柄木との邂逅は終わりを告げ麗日により呼ばれた警察・プロヒーロー達によりショッピングモールは閉鎖され二人はそのまま事情聴取で警察に連れていかれた

 

「なるほど、これでおおよそ聞きたいことは終わりだね。

 

遅くまで申し訳なかったね。」

 

こうして二人が取り調べ室を出ると

 

 

「テリー!」

 

「ポニー!待っててくれたのか!」ダキッ

 

「彼女は待ってると言って聞かなくてね。

まぁ聞けば君たちは同じアパートに住んでいるみたいだし一人で先に帰らせても心配するだけだろうから君が終わり次第一緒に送ろうと思ってね。

 

あっちに送迎車を手配しといたからそれに乗って帰りなさい」

 

「ありがとうございます。

 

……イズク、また明日学校で会おう。」

 

 

「うん。」

 

 

 

こうして二人は先に警察署を後にした

 

「さて君にも今お迎えを手配してるから少し待っててくれ。」

 

「ありがとうございます。」

 

 

取り調べを担当した塚内警部と話していると

 

「取り調べは終わったようだね。」

 

「お、オールマイト!?なぜここに?」

 

そこにはガリガリのトゥルーフォーム姿のオールマイトの姿があった

 

「彼とは個人的に話すことがあってね。呼んでおいたんだ。」

 

「そういうことだ。緑谷少年。

 

……………すまなかったね、USJに続きまたしても間に合わなかった。平和の象徴の名が聞いて呆れるよ。」  

 

 

「いえ、そんなっ……」

 

オールマイト(あのゴミ)がヘラヘラ笑っているからだ!

まるで救えなかった者などいなかったかのようにヘラヘラ笑っているからだ!

 

「……………あの、オールマイトでも誰かを助けられなかった事ってあるんですか?」

 

 

「……………あるよ、たくさん。」

 

オールマイトは空を見上げる

 

「今も世界の何処かで誰かが傷つき倒れているかもしれない。

 

悔しいが私も"人"だ。

 

手の届かない場所の人間は救えないさ。」

 

「………………。」

 

「だからこそ、笑って立つ

 

"正義の象徴"が人々の、ヒーローたちの、悪人たちの心を常に灯せるようにね」

 

 

オールマイトの"覚悟"に触れた緑谷はその後警察署に到着した母と共に帰宅した

 

 

こうしてショッピングモールでの騒動はひとまずは終了となった

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

週があけてのホームルームにて

 

「既に知ってると思うが例の事件に伴いここ最近(ヴィラン)サイドの動きが活発化してきているため、こちらも対策としていつも使わせてもらっている合宿先はキャンセル。

 

当日まで宿泊場所を明かさないようにする。」

 

 

目の前でおそらく配られる予定であった合宿のしおり破り告げる相澤

 

 

「もう親に言っちゃってるよ」

 

「故にですわね……。話が誰にどう伝わっているのか、学校が把握できませんもの」

 

「合宿自体をキャンセルしねぇの英断過ぎるだろ!」

 

突然の出来事にクラスがざわめくなか

 

 

 

「てめぇ、骨折してでも殺しとけよ。」

 

爆豪が後ろの席に向けて呟く

 

 

「ちょっと爆豪くん!

緑谷くんとテリーくん状況聞いてないの!?

 

そもそも公共の場で個性の使用は禁止されてるし!」

 

 

「知るか。だいたい金髪野郎もだ、揃いも揃って敵にいいようにやられてみすみす見逃してんじゃねえよ。」

 

 

「ちょっ、爆豪!それは言い過ぎだって!」

 

 

「いや、いいんだ。切島。」

 

止めようとする切島を制してテリーが口を開く

 

 

「確かに今回は不意を突かれてしまい状況を悪くしてしまった。

 

あの場面、周囲への被害を考えればあれが限界だった。

 

だが俺とイズクは奴から宣戦布告を受けた。

 

そう遠くない未来、奴とは雌雄を決しなくてはならない時が来るだろう

その時は腕の一本、いやこの身命を賭して立ち向かうことになる!

 

その時までにこの生き長らえた体を鍛えあげるさ。」

 

 

テリーの覚悟に教室は静まりかえるが

 

「…………お前ら、まだホームルーム終わってないからな。」

 

 

教壇に全員の視線がいくそこには修羅のような面持ちになった担任の姿があった

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

合宿当日

 

A組B組各々荷物を持って学校敷地ないに停められたバスの前に集まっていた

 

 

 

 

「え!? A組、補習いるの? つまり赤点を取った奴がいるって事だね! おかしくない!? おかしくない!? A組はB組より優秀なはずなのにぃ!? あれれれれ!?」

 

「ペチャクチャしゃべっとらんでさっさと荷物の積み込みの手伝いをせんか!」パァン

 

 

物間の嫌味攻撃が炸裂するも手に持っていた竹刀を地面に叩きつけて一喝するカメハメ

 

なぜカメハメがいるのかとテリーが聞けば

 

「そりゃワシも着いていくからに決まっているだろう。」

 

 

と言い返してきた

 

 

今やヒーロー科のみならず教師達も認めるレジェンドクラスの参加……なのだが

 

 

「いや~、やっぱりB組の女子もいいですなぁ。」

 

「ああ、テリーの所によく集まるからこれを機に俺らも少しお近づきに……。」

 

 

「ほれ、そこの二人もだ!さっさと積まないと着く頃には日が暮れるぞ!」パァン

 

 

 

再び竹刀で地面を叩く音が響く

 

「ヒイィィィ!は、はい。やります!」

 

「てか、レジェンドってより一昔前の体育教師みてぇになってるんですけどぉ!」

 

 

「つべこべ言わず手を動かさんか!」

 

 

こうして荷物の積み込みも終わり

 

「じゃあ、今度はムコウデネ、テリー!」

 

「ああ」

 

「A組のバスはこっちだ!みんな席順に並びたまえ!」

 

飯田の先導によりバスに乗り込む一同

 

(今回の合宿、いくらか楽出来るかもしれん!)ピンッ

 

その一連を見ていた相澤はそう閃いていた

 

 

 

 

ーーーブロロロロッ

 

 

 

こうしてバスは出発しどんどん山の中へと進んで行き

 

 

「休憩だ。」

 

 

 

 

休憩エリアに到着して止まるバス。

 

一同はわらわらと体を伸ばそうと外に出ていく。

 

 

 

「つか、パーキングじゃなくね?」

 

 

「あれ、B組は?」

 

 

 

休憩場所としては不自然な程に何もない崖の高台にA組一同は降りていた

 

 

 

「よーうイレイザー!!」

 

「ご無沙汰しています」

 

 

 

そこに声をかけてくるヒーローコスチュームを身に纏った二人の女性

 

まるでその人物が誰であるかわかっていたように頭を下げる相澤

 

「お前らも挨拶しろ。

 

今回お世話になるプロヒーロー」

 

 

 

 

 

「煌めく眼でロックオン!」

 

「キュートにキャットにスティンガー!」

 

 

 

「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!」

 

 

 

 決めポーズを決めた2人のヒーローがそこにいた。

 

 

「"プッシーキャッツ"の皆さんだ」

 

 

「こ、こいつはまたキョーレツな人達だな。

 

イズクこのヒーロー達知ってるか?」

 

 

 

「もちろん!連名事務所を構える4名一チームのヒーロー集団!山岳救助を得意としていて、()()()()()()()1()2()()()()()()()()()()()()()()……」

 

 

「心は18!!」ボフッ

 

よほど齢のことには触れられたくないのか片方のヒーローが緑谷の説明を物理的に遮り

 

「言ってごらん。心は?」

 

「じゅ、じゅうはち……。」

 

 

鬼気迫る顔で諭していた

 

「……ゴホン、えーと年齢の事を気にしているのがピクシーボブ。

 

私がマンダレイ。

 

言われた通り四人組でね、後の二人はあなた達が泊まる宿泊施設にいるわ。

 

それでその宿泊施設の場所ってのがあの山の麓ね。」ピッ

 

 

「遠っ!!」

 

皆がザワつき始める。

 

「え、じゃあなんでこんな中途半端なところで?」

 

「なんかすごいイヤな予感が……。」

 

「な、バスに戻ろうぜ。」

 

 

 

何人かが何かを察しバスに戻ろうと促すが 

 

「いや、」

 

テリーだけが悟っていた

 

 

 

 

「今は午前9:30。早ければ12時前後かしら」

 

 

 

 その言葉に皆がぞっとした顔をしバスに戻ろうと声をあげ引き返すが

 

「もう遅い。」 

 

 

「12時半までに辿り着けなかったキティは、お昼抜きね」

 

その言葉と同時に急激に盛り上がった土砂がバスに向かい走る皆を崖下へ押し返していく。

 

 

 

「悪いね諸君、合宿はもう………始まっている」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

土砂がクッションになりケガなく降ろされた一同に

 

 

 

 

「おーい!!私有地につき、『個性』の使用は自由だよぉ!今から3時間!自分の足で施設までおいでませ!!」

 

上からマンダレイの声が響く 

 

その言葉に緑谷達は目の前に広がる森に目を向ける。

 

 

 

「この……魔獣の森を抜けて!!」

 

 

 

 

「なんだよ魔獣って……。」

 

「ゲームじゃねぇんだから……。」

 

 

「まっ、なんだっていいじゃないか。試練を与えられたなら喜んでぶち破ってやろうじゃないか。」パンパンッ

 

砂を払いやる気十分なテリーに対し

 

 

「おーい、一つ忘れておったわ。テリーと緑谷はこれを着けろ。」

 

カメハメの声と共に頭上から何かが2つ落ちてきた

 

「これは……。」

 

「試験の時オールマイトが着けていた……。」

 

 

「二人もそれを着けて宿泊施設まで向かってもらうぞ

 

安心せい、体重の半分位の負荷が増える程度だ。」

 

 

「いやいやいや、十分ヤバいじゃんか!」

 

「距離だってまだ検討つかないのにそんなの「よっと。」おい!?」

 

 

競呂や切島がしゃべっている途中にも関わらずテリーと緑谷は腕に重りを巻き付ける

 

ズシッ

 

「こ、これは……。」

 

「ぐっ、なかなかッ!!」

 

そこへ

 

 

ズザッ

 

物音がした先へ視線を向ければ土色の四足の獣がこちらに牙を剥き出しで現れた

 

 

 

「「マジュウだー!」」

 

 

 

 上鳴と瀬呂が叫ぶ。

 

 

 

「静まりなさい獣よ。下がるのです!」

 

 

 

 口田がすぐさま“個性”を発動するが

 

 

「ウソ、効果がない!?」

 

試験で口田の"個性"が如何に力があるか知っている耳郎が驚く

 

 

まったく静まる気配のない魔獣に対して

 

「なるほどな、そういうことか!!」バッ

 

すぐさまテリーが正面に躍り出して

 

「テヤッ!!」ボゴオッ

 

強烈な右ストレートを繰り出すと魔獣は粉々に砕け散った

 

グラッ

 

(ッ!?

 

体がいつも以上に流れる!腕輪のせいか!)

 

 

 

「気づいたか。お主らにはこれで麓まで来てもらうぞ。

 

ないとは思うが途中で外そうとは思わんようにな。

 

鍵はワシが持っておる、麓まで来たらはずしてやる!」

 

 

「おいジジイ!!」

 

とんでもない追加メニューが発表された直後、爆豪が声を荒らげる

 

 

「俺にも重りをよこせ!あいつらだけ特別扱いしてんじゃねぇ、俺だって重り有でも余裕で麓までいってやらぁ!」

 

 

「……カメハメさん!僕にも頂けないでしょうか!」

 

爆豪の言葉に飯田も声を上げる

 

「お、俺だってやってやるぜ!」

 

「僕も!」

 

「俺だってパワーには自信有りだぜ!」

 

それに呼応し次々と重りを注文する男子達が現れる

 

「フッフッフッ、ならば適当に投げるから着けていくがよい!余った分は後で回収しとく!」

 

こうして落ちてきた重りを一部の男子達は巻いていく

 

そして

 

「……………。」

 

「……………。」

 

「……………。」

 

「……………。」

 

 

着け終わるのを待っていたかのように次々と魔獣が木々の間から現れてくる

 

「流石は師匠だ、最初からやってくれるぜ!

 

行こうイズク!こんな森さっさと抜けて重りを外してもらおうぜ!」

 

「うん、行こう!テリーくん!!」

 

「てめぇら二人だけで勝手に盛り上がってんじゃねぇ!一番に辿り着くのは俺だ!」

 

 

「みんな、テリーくんに続いて行こう!みんなでこの森を突破するんだ!」

 

 

 

 

こうして林間合宿がスタートした

 

 

 

 

 

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