奮い立てテキサス・ブロンコ   作:遊人

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短かめですみません


未来への一歩目 の巻

ーテスト終了後

 

「・・・・・・。」

 

「相澤くんの嘘つき。」

 

グラウンドに佇み一人物思いにふける相澤

 

そこに冷やかしを言いながら現れたのは

 

「覗き見とは趣味が悪いですね、オールマイト。」

 

「HAHAHA、許してくれたまえ。

 

去年の君がしたことを思えば気が気でなくてね。」

 

去年、彼の受け持ったクラスは全員見込み無しとしてヒーロー科から除籍させた実績を持つ。

 

そして今回も最下位の者は本当に除籍勧告をしようとしていた。

 

しかし

 

「結局君はそれを取り止めた、それは最下位ではあったが緑谷少年になにか可能性を感じたからだろう。」

 

「・・・、随分と緑谷に肩入れしてますね。

教師としてそれは如何なものかと思いますが。」

 

「グフッ!」

 

痛いところをつかれて呻くオールマイト

 

そんなオールマイトを横目に相澤は校舎へ歩きだした

 

(可能性、ね。感じたさ、ある意味誰よりも。

 

だが故に危うい。付け焼き刃が完成するまで敵は待ってくれない・・・。)

 

冷酷に見える彼の行動もすべては優しさ故にだった

 

下手な力のままで無責任に戦場に送り出すことは出来ない

 

ならば早々に見切りをつけ新たな戦いなど知らない世界で生きたほうが結果的に幸せになれる。

 

その考え方の上での決断

 

相澤自身その考え方が間違いとは思っていない

 

しかし

 

(それでも見たくなった。

 

緑谷と・・・そしてその可能性を引きずり出したこの男の歩む行く末を。)

 

「相澤くーん。待ってくれよー。」

 

相澤は後ろから聞こえた声に振り向きもせず歩き続けた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

放課後

 

いきなりとんでもテストが行われたとは言えどもここは教育機関

 

その後は教室に戻り各種資料やパンフレット等々が配られそれらの説明が行われた

 

小難しい話を聞き終え初日は終了

 

ポニーと合流し帰宅の徒につく

 

・・・なぜか帰り際に複数の視線を感じたが無視することにした。

 

「そういえば・・・なんで、テリーのクラスは入学式にいなかったんデスカ?」

 

視線に無視を決め込んでいるとポニーから声をかけられた

 

「ん?ああ、俺らのティーチャーがなかなかサプライズが大好きでね。」

 

今日あった事のいきさつを話すテリー

 

「Wow!それはベリーハードでしたね。こっちのブラドティーチャーはすごくいい人で私たちに優しく色々教えてくれマシタ。」

 

「まあ、一筋縄ではいかないと思ってたがな。」

 

「テリーくーーーーーん!」

 

不意に後ろから名前を叫ばれ何事かと振り向く二人

 

「イズク?イズクじゃないか、どうしたんだそんな駆け足で?」

 

緑谷は二人の元にたどり着くと息を切らせながら

 

「はぁ、はぁ、今日の、お礼を、言いたくて・・・。」

 

「お礼?」

 

緑谷は改めて息を整えてテリーに向き直る

 

「今日のテストの時、テリーくんのアドバイスがなければ僕は・・・。

 

相澤先生は合理的虚偽なんて言ってたけどあそこでなにも残せず終わっていたら本当に除籍されていたと思うんだ。

 

君は命の恩人だ、本当にありがとうテリーくん!」バッ

 

感謝を述べ勢いよく頭を下げる緑谷

 

「・・・イズク、頭を上げてくれ。

 

俺は対した事はしていない、あそこで道を切り開いたのは君自身の力だ。

 

それに、俺らはもう共にヒーローを目指す仲間だろ。」

 

ハッとなり緑谷が顔をあげるとテリーが手をさしのべていた

 

「テリーくん・・・!」ガシッ

 

緑谷はその手に応え握手をした。

 

すると

 

「テリーとフレンドということは私ともフレンドということデスネ。

 

ヨロシクね、イズクくん。」スッ

 

二人の握手の上に手を重ねたポニーが緑谷に声をかけた

 

「へっ?ファッ!?ええと・・・あなたは・・・?」

 

ポニーが声をかけた瞬間からみるみる顔が赤くなる緑谷

 

「Oh!ソーリー、私はテリーの幼なじみの角取ポニーデス。クラスはB組デス。」

 

ポニーから話しかけられたことにより急上昇した緑谷の心拍数が落ち着くのを待ち三人は途中まで一緒に帰ることになった。

 

すると

 

「失礼、僕もそこに入れていただいてもよろしいかな。」

 

と堅物な挨拶で飯田が

 

「オーイ、私もそこにいーれてー!」

 

明るい爛漫な笑顔で麗日が合流

 

ポニーと自己紹介も済ませると五人で帰ることになった

 

その道中で

 

「・・・ねぇ、テリーくん。一つ聞いていいかな。

 

どうして僕なんかにアドバイスしてくれたの?」

 

緑谷はテリーに尋ねた。

 

除籍を懸けた戦いの中で自分最下位回避の為には誰かを蹴落とさなくてはならない。

 

そんな中で誰かがより良い成績を出すためにアドバイスを送るというのは普通に見ればありえない行動だった

 

「結局最下位だったけど、あのままいけば確実に僕は最下位だった。それを見捨ててもいいはずなのに「イズク。」へ?」

 

「スーパーヒーローの条件ってなんだと思う?」

 

個性が発現してから今や職業として、資格としてヒーローは定着している

 

派手な見た目

 

見映えのする個性

 

それらによって決まる人気

 

これが一つの評価の尺度にされていた

 

でも、翔野テリーの考え方のは違っていた

 

この考え方は翔野テリーが物心つく時から胸の中にあり

 

その事をテリーは一度たりとも間違ってるとは思わなかった。

 

「俺はこう思うんだ。

 

『心に愛が無ければスーパーヒーローじゃない』ってね。」

 

翔野テリーの奥底にある記憶

 

幼い頃テレビで見たものだろうか?

 

いやそんな事は翔野テリーにとって重要じゃなかった。

 

次々と迫り来る巨悪達の魔の手を

 

強い絆を携え退けていく英雄達

 

時には己の命と刺し違えてでも最後まで背を向けることなく戦い

 

残されたものはその姿に涙を流し

 

それを無下にせぬよう奮起し、

 

最後の最後まで諦めることなく立ち向かい奇跡とも呼べる逆転劇を何度も体現していた

 

そんな英雄達の姿が脳裏に浮かぶ度にこの言葉が彼の心に浮かぶ

 

「心に、愛・・・。」

 

「ええ言葉やね。」

 

「ウム。」

 

こうして初日は終了した

 

次の日より本格的にヒーローを目指す勉強が始まり

 

そして数日後

 

「さあ卵たち!戦闘訓練の時間だぜ!!」

 

 

 

 

 

 




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