マネージャーの掛け持ちは大変です!   作:しゅ〜

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最近、千聖さんが推しになりつつあるしゅ〜です
初めましての方は初めまして。見たことある人はこんちわ〜!

千聖さん小説書きたかったので書いてみました!
見切り発車だー!



マネージャー

桜岡高校 体育館

 

「オーライっ!」

 

普段大勢で使うことが多い体育館にポツリと3人の男子学生が円になってバレーボールをしていた。

 

「やべっ」

 

そのうちの1人がボールを落としてラリーが終わりトントンと音を鳴らしながらボールが転がっていく。

 

「少し休憩だな」

「おーけー」

 

3人は壁際に座り込み各々ドリンクを飲んだり携帯を確認する。間もなくして1台の携帯が鳴り出した。

 

悠司(ゆうじ)、お前の携帯鳴ってんぞ」

「ん、あぁ…『もしもし、…はい。了解しました』…っつーわけで呼び出し(ラブコール)だ。またな〜!」

「おう、頑張れよ〜」

「じゃあな〜」

 

悠司と呼ばれた青年はカバンを持ち颯爽と体育館を出ていく。その様子を見送ると友人2人は口を開く。

 

「あいつも中々頑張るよな。この間のテストも学年1位だったんだろ?」

「そうそう。それに加えて顔も普通にイケてると来たもんだ、どうなってんだか」

「頭脳明晰、容姿端麗なんてそうそういないぜ…それに加え仕事もしてるしさ。今日の呼び出しだってあの有名女優の''白鷺千聖"からだろ?」

「だろうな。何せあいつは…」

 

 

 

「あの有名女優"白鷺千聖"の専属マネージャー兼アイドルバンド"Pastel*Palettes"のマネージャーだからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

赤塚 悠司(あかつか ゆうじ)は車を走らせていた。

先程の電話から10分、目的地を目の前にして頭の中で今日の仕事を整理しながら運転していた。

 

「今日は…楽器を使った全体練習とダンスの稽古か。」

 

今日の稽古メニューを口にしながらいつも通り慣れた道を走っていくと目的地に着く。駐車場に車を停め建物の入口付近で人を待つ。

程なくして入口のドアが開き人が出てくる。

 

「待たせてしまってごめんなさい。少し撮影が長引いてしまって」

「問題ありませんよ。次の現場に向かいましょう」

 

出てきたのは今、若手女優として名を馳せている白鷺 千聖(しらさぎ ちさと)。悠司は千聖と共に車に向かう。そう遠くない位置に車を停めていたので歩いて数分で駐車場に着く。後部座席の扉を開け千聖を先に車に入れると悠司は再び運転席に着く。

 

「出発致します」

「えぇ。…それより、もう2人切りよ?敬語はよしてちょうだい」

「……そうだな。それより仕事、お疲れさん」

 

出発するやいなや千聖に指摘される悠司。マネージャーと芸能人という関係ではあるがその前に同い年で学生という事から、2人の時はお互い敬語は無しでフラットに会話をしようと千聖からの提案で前々から決めていた。

 

「ありがとう。次の現場はパスパレよね?」

「そ。18時まで楽器を使った全体練習とダンスの稽古だってよ」

 

いつも次の現場に向かっている車中では次の現場の確認やドラマ等の台本の確認、たまには愚痴などと言った流石芸能人とマネージャーといった会話が繰り広げられていた。

 

「わかったわ。それより、明日は予定入ってるかしら?」

「明日?えーっと…確かパスパレの練習が…」

「私のじゃなくてあなたの予定よ悠司」

「ん、俺のか。明日は日曜だから特に何もないな」

「パスパレの子達がこの間、悠司の歓迎会まだやってないって言い出しちゃって」

「歓迎会…かぁ…」

 

歓迎会、と言っても悠司がパスパレのマネージャーに就任したのは1ヶ月程前の話で歓迎会を開く事も無い。と悠司は思った

 

「自分の歓迎会なんて今更、なんて考えてるでしょ?」

「さらっと心読むのやめてくれません?」

「あなたの考えなんて手に取るようにわかるわ。それに歓迎会、なんて言ってるけどいつも頑張ってるあなたへの労いでもあるんじゃないかしら?」

 

悠司は千聖の専属マネージャーとしても仕事しているがパスパレのマネージャーとしても仕事をこなしている。悠司が仕事を頑張っているのは千聖を含めパスパレメンバーの承知のこと、それに対する労いの意味も歓迎会には含まれているらしい。

 

「芸能人がマネージャーに労い、なんてのもおかしい気がするがな。普通逆だろ」

「そんないことないわ。私も、あの子達も、あなたには感謝しているのよ?」

「よせよ。ホントだとしても小っ恥ずかしい」

「ふふっ、顔が少し赤くなってるわね、嬉しいなら素直にそういえばいいのに」

「んなことねーよ。ほら、着いたぞ」

 

車を走らせること数分、パスパレの事務所に到着する。駐車場に車を停め車を降りる。トランクから千聖のベースが入ったケースを取り出し2人で事務所内に入る。

予め指定されていた階に着き待機室に入ると見慣れたメンバーがこちらに視線を向ける。

 

「あ、千聖ちゃんに悠司君!お疲れ様!」

 

気づくやいなや駆け寄ってきたのはピンクの髪をしたパスパレのボーカル、丸山彩だ。

 

「彩ちゃん、お疲れ様。日菜ちゃんにイヴちゃんもお疲れ様」

「おつかれー、千聖ちゃん!」

「おつかれさまです!」

 

彩に続いて挨拶をするのはギターの氷川日菜、キーボードの若宮イヴだ。

日菜は何事に置いても『天才』でアイドル業では台本を1度ペラペラ見ただけで全て覚えたりギターの譜面もちょこっと音を出せば出来てしまうという稀に居る本物の天才。

イヴは日本とフィンランドのハーフで元は芸能事務所のモデルだった。パスパレ結成時にキーボードとしてスカウトされモデル業と並行してパスパレの仕事も受けるようになった。

 

「そういえば麻弥ちゃんが見えないのだけれど…」

「麻弥ちゃんなら機材のメンテナンスするって機材室にいるよ〜」

「練習までに戻ってくると仰っていました!」

 

麻弥、というのはメンバーの1人でドラム担当。パスパレに入る前はスタジオミュージシャンで初めは代理でドラム担当をしていたが千聖本人が麻弥のビジュアルの高さに見込まれ代理から正式メンバーになった。機材オタクで楽器関連の知識が広く深いためメンバーの機材メンテナンス等を引き受けることが多い。

 

「それでは私はミーティングがありますのでこの辺で。皆さん遅れずに練習に行ってくださいね」

「「「はい!」」」

 

返事を聞くと悠司はエレベーターに向けて足を進めようとする。その時千聖に呼び止められる。

 

「悠司、ミーティング頑張って」

「はい。千聖さんも頑張ってください」

 

さっきの車中とは違いとても丁寧な口調で話す悠司に「別にいいのに」と言いたげな表情で見送る千聖。その様子を見た日菜が千聖に尋ねる。

 

「ねー千聖ちゃん。千聖ちゃんと悠司君って付き合ってるの?」

「そんなことないけれど…どうして?」

「なんかねー2人を見てると、るんっ♪ってするんだ〜!」

 

日菜はよく「るんっ♪てきた!」「るんっ♪」と言ったほとんど理解されない擬態語を使う。それが日菜にとって楽しい事を指すのはわかっているのだがそれ以上が分からないのだ。

 

「でも確かに千聖ちゃんと悠司君って仲良いよね〜!」

 

日菜と千聖の話を聞いて近くにいた彩も食いつく。

 

「付き合いは古いけれど…あくまでマネージャーと芸能人って関係よ?それ以上でも以下でもないわ」

「ホントかな〜?私達はマネージャーって分かってるからいいけど傍から見たらカップルだったよ?ねっ?彩ちゃん」

「う、うーん…?そうなの…かな?」

「彩ちゃんには後でお説教ね」

「なんでっ!?」

 

日菜は他人事の如くあははと笑っているが彩だけ説教という言葉を聞いて涙目になっている。そんな茶番を繰り広げていると待機室に1人のスタッフが入ってくる。

 

「パスパレの皆さん、これから練習が始まりますのでスポーツルームに移動お願いします」

「「「はーい!」」」

 

パスパレの面々は待機室を出てスポーツルームと言われる別室に移動する。スポーツルームというのはダンスの稽古や演奏練習の時に使う部屋で事務所が完備しているものだ。いつもならばそこに悠司も着いていくのだが今日はいない。

 

「そういえば麻弥さんは移動のこと知っているのでしょうか?」

 

イヴがふと口にする。

 

「麻弥ちゃんは時間守るしだいじょーぶじゃない?」

「日菜ちゃんはもう少し時間に厳しくなろうね…?」

「えー、結局時間には間に合ってるし別に良くなーい?」

 

雑談しながら移動する。スポーツルームに着くとそこには麻弥の姿があった。

 

「千聖さん、来てたんですね!お疲れ様です!」

「えぇ、麻弥ちゃんもお疲れ様」

「そういえば悠司さんは来てないんですか?てっきりジブンは千聖さんと一緒かと…」

「悠司なら部長や専務達とミーティングらしいわ。すぐ戻ってくるとは思うのだけれど…」

「わっかりました!…にしても悠司さん、お偉いさん方とミーティングなんて凄いですね!」

「まぁ仮にも私たちのマネージャーなんだからそのくらいして貰わないと。それより練習が始まるわ、行きましょ?」

「はいっ!」

 

タイミング良く講師の先生が入ってきて集合がかかる。かくして練習が始まった。

 

 




ありがとうございました
2話はあるのか!(多分ある)
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