「君は一体何を考えているんだ…!」
あれから姫島朱乃や涙目のクレアに説教され、仕事も終わり、家で待機していた黒歌にまで小言を言われて精神的に疲れていた所にやって来た来客にまで説教されていた…全く…何て日だ…。
「…そんな事を言うために忙しい中わざわざやって来たのかサーゼクス?…お前は私の親か?」
「私は君たちの後見人だ。…では、親も同然だとは思わないかね?」
「……」
暴論だと反論しようとしたがあながち間違いでも無い事に気付く…。もう今日は説教はうんざりだぞ…。
「そもそもだ、テレサ?君の名前を言ってみたまえ…無論フルネームで、だ。」
「…テレサ・グレモリー…」
満足そうに頷く顔にいっそ拳を叩き込んでやりたくなるが堪える…黒歌だけならまだしも、クレアもまだ起きているし…何より…
「……」
先程からサーゼクスの横に控えてるグレイフィアから発せられる殺気のせいで下手な動きが出来ん…この状況で無理に動くなら妖力の解放が必要なレベルだろう…魔王とその眷属の女王だとは知っているが、昔から変わらずこいつらの実力は計り知れんな…。そもそもあの頃より上がっている気がするんだが…。
「私は言ったね?後見人になるのは構わないがクレアの教育はどうするつもりなんだと?クレアは君が引き取った時から姓が存在しなかった…クレアを学校に通わせるならいっそ君たち二人とも私たちの家族になった方が良いんじゃないかと、ね。」
「…ふん。」
「…直系としてはさすがに迎え入れるのは難しかったから遠縁と言う事になっているが…私は当然君たちを友人である前に家族だとも思っているよ。…そんな大事な家族が自分の身体を傷付けた…心配にならない方が可笑しいと思うけどね?」
「…テレサ?いい加減に答えなさい?どういうつもりなんですか?」
「…何度も言わせるな。私は私のやりたい様にやる…お前らに借りはあるがそこまで干渉される謂れは無い。」
「テレサ!「グレイフィア、止めたまえ。」しかし!」
「…そういう所は変わらないな、君は。」
「…私は変わらん。…永久にな。…最も死ぬまでの話だが。」
「…いや、変わってる所もあるよ…クレアのおかげかな…そして黒歌…君の存在も確かに彼女を変える事が出来ている…」
「…この馬鹿は無茶ばかりするにゃ。…まっ、人の事は言えにゃいけどにゃ。」
「すまないね、友人を良き方向に導いてくれた礼では無いが何れ必ず君を自由の身にすると誓おう。」
「…期待しないで待ってるにゃ。…でもあんたが頑張ってるのは知ってるにゃ。…クレアがそろそろおねむみたいだにゃ。寝かせてくるにゃ。」
「…さぁそろそろ帰れ。クレアも寝た事だしな。」
「…また来るよ。帰ろう、グレイフィア。」
「テレサ、次こんな事をしたら許しませんよ?」
「…分かったよ…。」
揶揄いたくなるのを堪えてそう返す…こいつをあまり怒らせると面倒だからな…。私は二人が帰るのを見送り、部屋に戻った。