原作に関わりたくない…そう言いつつサーゼクスと懇意にしていたり、リアスに助言の様なものをしてみたり、そんな矛盾した事をしていたからかも知れないな…この光景を見てしまっているのは…
その日、私は用務員の仕事を休んでいた…と言うか休みを取らされた…
クレアの通う学校が授業参観を行うそうなのだが…クレアがそのプリントを私に見せず隠していたのを黒歌が見つけ、私に行けと言ったんだ…無論、何だかんだ行きたいのは山々だが用務員の仕事をどうするのか聞けば、自分が仙術で私に化け行くつもりだと…。
基本黒歌は器用なタイプだ…仕事そのものは問題無くこなすだろう…そう考えた私は黒歌に任せる事にした…。
学校からの帰り、少し散歩しようと遠出したのもいけなかったかも知れないな…通りがかった公園で兵藤一誠が堕天使に襲われている光景を見てしまっているのは…
兵藤一誠の事は原作知識抜きに当然知っている…と言うか何度か女子生徒の頼みで逃げる三馬鹿を捕獲した事すらあるからな…。しかし…
「テレサ!イッセーお兄ちゃんを助けて!」
「……」
クレアが兵藤一誠と面識があると言うのは何の冗談なんだ…?クレアがレイナーレと歩く兵藤一誠に気付く…そんな事が無ければ決定的なシーンを迎える前にさっさと通り過ぎたと言うのに…!これでは助けない訳にいかないじゃないか!?
「…チッ!」
既にレイナーレから攻撃は放たれようとしている…いくら私でもこの距離を普通に走っては間に合わん…!
「仕方無い…。」
私は妖力を解放する…良くこの世界に来てからした事が無いと言ってるが…実際の私は正真正銘初めてだ…!やり方は分かる…だが、一体どれくらい解放すれば追いつける!?やり過ぎれば私は覚醒者になる…!そうでなくても勢い余って通り過ぎれば瀕死の重症を負う兵藤一誠の姿をクレアに見せる事になる…!
「…ふざけるな。私は…テレサだ…!」
兵藤一誠がどうなろうとどうでもいいがクレアを悲しませるつもりは無い!確実に助ける!
「…なっ…!」
尻もちを着き惚けている兵藤一誠の襟を掴みレイナーレの前を走り抜ける。…上手くいったか…。
「…ゲホ!ゲホ!」
首が締まったのか噎せる兵藤一誠を公園の植え込みに放り投げる…気絶しなかったのは褒めてやっても良いが何時まで惚けている!?
「ボケっとするな!とっとと逃げろ!」
「は?…え?」
「チッ!クレア!兵藤一誠を連れて逃げろ!」
「うん!お兄ちゃんこっち!」
「…へ?クレアちゃん?何でここに?」
「良いから早くこっちに!」
クレアが兵藤一誠を連れ公園を出ていく…さて…
「よくも邪魔してくれたわね…!」
「個人的にはアレがどうなろうと別に良いんだがな。…妹の知り合いなら話は別でね…まぁとにかくだ…!」
私はレイナーレに向かって妖力を解放しつつ一気に踏み込むと顔面を殴りつけた。
「…ガハッ!」
吹っ飛ぶレイナーレに告げてやる。
「…戦争の火種になっても困るからな、殺しはしないがそれなりに痛い目にはあってもらうぞ。」
とっととこいつを潰してクレアたちと合流しなきゃならん…今駒王町を訪れている堕天使は恐らくレイナーレ一人では無い筈だからな…。