家にやって来た姫島朱乃に渋る黒歌を引っ張って来て自己紹介させる…名前でさすがにピンと来た様だがそこは原作でも聡明な姫島朱乃だ…多少変な所へ振り切っていてもそこは変わらず私が唇に人差し指を当てて、その後首を横に振るという動作のみで察してくれたらしく黙って頷いてくれた…ファーストコンタクトは問題無いな…さて…
「それでは改めまして…テレサさん、黒歌…お姉様、今夜は宜しくお願いします。」
『…良し、黒歌…後は任せるぞ?』
『待つにゃ!?あの子の目を見るにゃ!?明らかに私に変な期待してるにゃ!?』
『……頑張れ…』
『ふざけんじゃねぇにゃ!?』
ここまでアイコンタクトによりほとんど一瞬で交わされた会話だ…同居人と心が通じ合っているようで私は嬉しいよ…
『現実逃避するんじゃねえにゃ!?とっ、とにかく今のあの子と二人きりにしないで欲しいにゃ!?』
『何とかしろ。今のあいつをクレアに会わせて変な影響受けたら困るだろ?』
『だからって私を生け贄にするんじゃねぇにゃ!?』
『…安心しろ…骨は拾ってやる…』
『お前最低だにゃ!?』
「…あの…どうかしましたか…?」
「…ん?いや、何でもない。…黒歌、朱乃の事を頼むぞ?…朱乃、今夜は存分に可愛がって貰うといい。」
「…はい…。」
「…仕方無いにゃ…。取り敢えず私の部屋に案内するにゃ…。」
私たちが住む部屋は狭いが二人分の寝室は確保出来ている…要するに私とクレアの相部屋で黒歌が一人部屋だ…と言っても大抵黒歌はクレアにせがまれて私たちの部屋で一緒に寝ているので黒歌はほとんど使ってないが…。
「…もう朱乃は寝たのか?…なかなかテクニシャンじゃないか。」
「…誤解を招く様な事を言うんじゃないにゃ…。…あの子、あんたが思ってる通り愛情に飢えてるみたいだったから単に抱き締めた後、リラックスした所で布団に寝かせて子守唄を唄ってあげただけにゃ。…最悪仙術で無理矢理寝かせるつもりだったから、あっさり寝てくれて正直ホッとしたにゃ…。」
「…本人も色々気張ってたんだろうさ…リアスは眷属を家族の様に思っている様だし、特に朱乃とは立場を越えて親友でもある様だが…本人はあくまでもリアス・グレモリーの女王としてリアスを立てることの方が多い様だしな。」
「…歪だにゃ。」
「他に生き方を知らないんだろうさ。」
「…この子の相手は私には荷が重いにゃ…。」
「…確かお前も母親を知らないんだったか?」
「…少しは覚えてるにゃ…私が言ってるのはそういう事じゃないにゃ。そもそも私はあくまでも他人でしかなくて…折り合い付けるのはあの子自身にゃ…こんな関係性絶対あの子に良くないにゃ…。」
「…そう言うな。私より人生経験は豊富だろう?」
「…あんたがそういう事言うと歳の話で煽ってる様にしか聞こえないにゃ…まあ確かに所詮背伸びしてるだけのあんたより豊富な自信はあるけどにゃ。」
「…人間は守る物があるから成長するし身の丈以上の物を求める…それが何か間違ってるか?」
「…どの口が言うにゃ…あんたはどうせ自分を人間と定義してないにゃ…そもそもあんたはクレアと必要以上に触れ合おうとしないにゃ…これの何処が守ってるって言えるにゃ…」
「…所詮、私に愛情を与える事は出来ない。…人間ではない私には…。」
「……それ、クレアに言ったら私はあんたを殺すわ。」
「…ああ。私が暴走したら殺してくれ。」
「……もう寝るにゃ。今日は自分の部屋で寝るにゃ。」
「…ああ…。」
最近黒歌と会話するとこんな暗い話ばかりになるな…。