「部長!俺決めました!俺はやっぱり自分の夢を諦められません!俺、悪魔になります!悪魔になって俺のハーレムを実現します!」
「良く言ったわイッセー!」
「……」
…目の前の茶番を冷めた目で見つめる…兵藤一誠の性格を知るならばこの展開は容易に予想出来た筈だ…私は何をしたかったんだろうな…?
「…最低です。」
「……」
さて、すっかり私の近くが定位置になった二人だが…塔城小猫の反応は原作と変わらず…姫島朱乃は…明らかに兵藤一誠に興味を持っていないな…これは後々確実に面倒な事になる気がするぞ…
「…あの…テレサさん…」
「…ん?何だ兵藤?」
兵藤一誠が私に話しかけると二人が一斉に反応した…塔城小猫は精々蔑みの視線を向けている程度だが、姫島朱乃に至っては…
「……」
「…あっ、あの…?」
これは最早殺気を向けているレベルだな…。兵藤一誠は気圧されて喋れなくなっているようだ…仕方無い…。
「…止めろ、朱乃。」
「…はい。」
そう言うと殺気が霧散する…
「…すまんな、それで何だ兵藤?」
「…あの、すみませんでした…。テレサさんは俺の事を思って言ってくれたのに…。」
「……」
……勢いで言ったとはいえ、別に兵藤一誠の事なんて考えてもいなかった。それは確かだな…。でもまあ良いか…。
「…決めるのはお前だ。お前の好きなようにしたらいい。」
「…はい!ありがとうございます!」
そう言って空いてる席に座る兵藤一誠…そこに色々話しかけるリアス…一人で離れた席に座る木場祐斗…認めたくないが明らかに女三人、甘い空気の流れる私の座る席…カオスだな…と言うか誰も木場祐斗の事を気にしないのか?かなり寂しそうに見えるんだが…。
「テレサさん、お茶のお代わりはどうですか?」
「ん?ああ、貰えるか?」
甲斐甲斐しく私の世話を焼く姫島朱乃…私の膝の上に何が楽しいのか口角の上がり緩み切った顔で座る塔城小猫。
「……」
真面目に誰か木場祐斗を構ってやれ…さすがに不憫過ぎる…私が言葉をかけてやりたいが…動けん…。と言うかリアスも長なら何とかしろ…そう思い兵藤一誠との会話に夢中になっている筈のリアスに視線を向ければ向こうもこちらを見ていた…
『木場が不憫過ぎるんだが…』
『ごめん、無理…そっちにフォローしてもらうつもりだったんだけどダメそうね…』
木場祐斗、お前の仕える主は思いの外薄情だぞ…
「テレサさん、今日もお世話になりますわね?」
「…お前…悪魔の仕事は良いのか?」
「しばらくは他の人に任せますわ。…新しい人も入った事ですし。」
どうやら姫島朱乃はもう兵藤一誠の名前すら覚える気が無いようだ…。…最早これは私には修正不可能だな…。完全に原作の流れは壊れてしまった…。
「……」
取り敢えずはずっと一人でいる木場祐斗の行く末を案じてやる事にしよう…どうせ祈るだけならタダだしな。