オフィーリアはNo.4。この時点でどれ程の実力か分かりそうなものだが…そもそもこいつの厄介な点はその性格だ…こいつは興味を持った相手なら同じクレイモアや人間にすら斬りかかりかねない危険人物なのだ…!その癖…!
今こいつは遊んでいる…!
「…どうしたの?反撃しないならこのまま殺すわよ?」
抜かせ…!お前が私を防戦一方に追い込んでいるんだろうが…!
私はオフィーリアの剣を受けるだけで精一杯だった…
こいつは私の実力を正確に測り、私に見えるギリギリのスピードで攻撃して来る…。そして反撃に転じようとすれば一段階早いスピードで攻撃をして来る…私はそれを受け切れず傷を負う…!
…そしてその二パターンを想定して受けている際、時折わざと遅い動きで首などの急所を狙う致命の一撃を繰り出して来る…!悪辣な…!下手に前に出れば私は何度死んでいるか…!…まさか私が木場祐斗と同じ気持ちを味わう羽目になるとはな…所詮は私も驕っていた…というわけか…。
「…つまらないわ。」
「グフッ!?」
突然腹に衝撃を受けて後ろに倒れ込む…また蹴られたか…リズムが乱れ、息を荒がせ、喘ぐ…無様だな…いまの私は…
「…ねぇ?貴女本当にお仲間?」
そんな私を見下ろし声をかけるオフィーリア…何を言っている…?
「…どういう意味だ…?」
「…言葉通りの意味だけど?」
私の傍にしゃがみ込むと私の首に剣を当てがう…動けない…迂闊に動けば私の首は飛ぶ…何でもいいから答えるしか無いか…
「…大剣を持ち、銀色の髪に銀色の瞳…これこそ妖魔の血肉を取り込んだ半人半妖の戦士の特徴「分かってないわね~。そういう事じゃないわよ。」何?」
「貴女妖気の扱いが下手過ぎるのよ。…ちなみに貴女の使っていた技、確かNo.8のフローラが使っていたって言う風斬りの真似でしょう?」
「……」
「そうなると単純に貴女は妖力が戦士になった時点で元々少なかった…だから妖力解放の要らないその技を使う様になった…と言うのが考えられる可能性かしら?…それなら妖力の扱いが下手なのも一応は辻褄が合うしね…無理に使うとすぐに限界を超えるだろうし。」
「…いけないか?創意工夫をしてこその私たちだが自分で編み出すより先駆者がいるなら無駄な努力を積むくらいなら結局はそれに習った方が効果はあるだろう?」
こいつは何を言おうとしている…?一体何に気づいた…?
「…私を舐めないでね?戦士を見たら大体どれ位の妖力を持っているのか位分かるわよ…貴女は持っている妖力がかなり多い…つまり風斬りに頼る必要は無い…ましてや貴女は明らかに風斬りを使いこなせてない…多分真似する様になったのも最近じゃない?」
「…はっきり言え。何が言いたい…!?」
「…貴女は正式な戦士じゃない…というか、そうねぇ…上手く説明出来ないけど…正式に戦い方を学ぶ事無くその姿になったと言うか?…もっと言えば…」
まさか…こいつ…私が転生者だと…私が偽物だと気付いたのか?
「…これが一番しっくり来るかしら?ガワだけ戦士で中身はまるでつい最近までろくに戦いも知らなかった一般人みたいな…ね?」
「…!…何を根拠にそんなわけの分からない事を…」
「動揺が声に出てるわよ?…最も顔にも出てるけど。貴女は隠し事の出来ないタイプみたいね?」
「……」
「…そうねぇ、せっかくだから答えてもらおうかしら?貴女一体何者?…あー、答えないなら別に良いわよ?このまま首を刎ねるだけだし。…どうせ貴女もうろくに動く事も出来ないでしょ?」
「…答えたら、私はどうなるんだ?」
「殺すわ。…良いわよね、この世界。組織も無いから面倒臭い掟も守らなくていいし。」
どっちにしろ私は殺されるのか…
「…殺せ。」
「…教えてくれないの?」
「さっさと殺せ。」
「…そう、残念ね…なら、お別れね。」
彼女が剣を振りかぶるのを私は黙って見詰めた…ああ…後数秒とかからず私の首は地面に落ちるだろう…クレア…私はお前を…
その時何処からか魔力弾が飛んで来てオフィーリアが私の前から飛び退いた…何が起きた?
「テレサ!」
声の聞こえた方を見ると久々に見る険しい顔を浮かべたサーゼクスが立っていた。