「…手酷くやられたね…」
「……」
私の傷はかなり深い…さすがにすぐには再生しないだろう…
「…取り敢えず家に帰ろうか?送って行こう。」
「…その前に、一つ良いか…サーゼクス?」
「何かな?」
「…お前、 何でここにいるんだ…?」
「今言わなきゃ駄目かな?」
「…ああ…」
助けて貰って何だが…さすがにこれは気になる…
「…先に謝っておこう、すまない。実は今日は仕事が一段落したんで私とグレイフィアとで君の所に寄るつもりだったんだが、家に着いたら君がちょうど家から出てくる所を見かけてね?どうも君の様子が可笑しかったからグレイフィアに後を任せ、私は申し訳ないが跡を着けさせて貰ったんだ…最もすぐに見失ってしまったが…その様子だと私の尾行に気付いていてスピードを上げた訳じゃないようだね?」
「…ああ…」
就けられていたのか…全く気付かなかった…
「…ん?私を見失ったんなら…どうして、ここに来れたんだ…?」
「…戦闘の気配じゃないが力の流れを探ったんだ…魔力はともかく君の言う妖力とやらを探るのは初めてだったが…」
「…お前、妖気を…感知したのか…!?」
「…そうだね…私にとっても賭けだったが…何とか間に合って良かったよ…」
まさか妖気を感知出来る様になるとは…!本当にこいつは底が知れん…一つアイディアが浮かんだ…一人なら試す気にはとてもなれなかったが…妖気感知を身に付けたこいつなら…!
「…サーゼクス、頼みがある…」
「…それも今じゃなきゃ駄目なのかい?クレアたちが君を心配しているよ?」
「…ああ、寧ろ、クレアたちには…見せられない…!」
「危ない事なら協力しかねるが…」
「…問題無い。この傷を治すのに、妖力解放をするだけだ「何を言ってるんだ!?」サーゼクス、この傷はそう簡単には治らん。…だがお前の懸念通りこのレベルの怪我を治そうとすれば間違いなく覚醒するだろうな…」
「ならば手当をすれば良い!魔術による治療は難しいかもしれないがそれなら効果はあるだろう!?」
「それ以上に試したい事が一つあるんだ。…サーゼクス協力してくれ…。」
「……まずは内容を教えてくれ。」
「…半覚醒を…したいと、思う…」
「半覚醒?」
「…クレイモアの内、何人かは…覚醒が決定的になった者や、完全に覚醒した状態から見た目だけなら、通常時に戻った者が存在する…。」
「…見た目だけとは?」
「クレイモアとしての能力に、変化が訪れる…今以上の力の底上げが…測れるのは確かだ…デメリットがあるとすれば必ず戻れる訳じゃないことと、メカニズムが不明な事…それから、人を食べたくはならないが食事量が極端に増える事だ…」
「…成功するのかい?」
「…戻れたのは数人の戦士だけだ。「なら!」待ってくれ。だからこそ、お前に協力して貰いたい。」
「……何をすればいいんだい?」
「…覚醒者から戻るには…人の側に意識と妖力を調整する必要がある…だが性的快楽にすら匹敵するこれに抗って妖魔側である…覚醒者に傾かないのは難しい…だから妖気感知の出来る様になったお前にそちらの調整をお願いしたい…要はそちら側に引っ張って、欲しいんだ…!」
「何を言ってるんだ!?私は君の言う妖気感知が出来る様になったばかりだ…そんな事出来るわけが「奴に勝つならそれしかない!多分奴はまた私の元に来る!私はまだ死ねないんだ…!」テレサ…」
「…頼む!協力してくれ…!」
「…分かった。」
サーゼクスは目を閉じる。
「…分かるか?私の妖気が。」
「…ああ、分かるよ…」
「…今から妖力の制御を離す。…頼むぞサーゼクス?」
「…ああ、任せてくれ…テレサ?」
「…何だ?」
「私はこの場で君を消したくは無い。必ず戻って来てくれ…」
「……お前次第だ。…じゃあ行くぞ?」
私は妖力を解放した…!