「アアアアア…!」
「テレサ!」
サーゼクスの声が遠く感じる…無理だ…これは抗えない…!…これは耐えられないのも納得だ…ダッテ、コンナニモ…
『…おい、そっちじゃ無い…こっちだ…』
…ダレダ?
『良いから早く来い。』
コエノスル方へワタシの意識は引っ張ラれる…
「…何時まで寝ている気だ?とっとと起きろ。」
目を開く…
「…やっと起きたな。…で、お前か?私の身体を使っているのは?」
私の身体?
「何黙りこくってる?口が無いわけじゃ無いだろ?」
「…どういう意味だ…?」
「…言葉通りだ…それとも、私が誰か分からないか?」
私は目を凝らして目の前の存在を見る…今まで輪郭しか見えなかった物が見えてくる…お前…は…
「…テレ…サ…?」
「そうだ。私はテレサだ。」
「…本物…なのか…?」
「…知らん。少なくとも私には組織に所属し戦士として生きた記憶が確かにある…これで満足か?」
「…どうしてお前が…」
「…何言ってる?お前が人の身体で醜態を晒すからわざわざ出てきてやったんだ。」
「……オフィーリアとの戦いか…」
「分かったらとっとと剣を抜け。」
「…何…?」
「早く抜け。…私が戦い方を教えてやる…それとも…」
「…っ!」
「この場でその首を刎ねてやろうか?…今私はサーゼクスの補助をする形でお前を人間の側に引っ張ってる…つまりここでお前が死ねば手綱は外れる…サーゼクス一人では抑えられないからお前は間違いなく覚醒者になるだろうな…」
「……分かった。」
私はテレサに向けて剣を構えた。
「どうした?もっと早く剣を振れ。」
「…くそっ!」
「そもそもお前に私と同じ戦いは出来ないんだよ。…熱くなりやすいお前に妖気を感知しての先読みは向いてない。」
「…痛っ!」
「…カウンターは出来ない以上もっと早く動け!妖力解放による限界超えを恐れるな!その程度は本来、出来て当たり前なんだよ…自分の意思で捩じ伏せろ!」
「…くそっ!簡単に言うな!私はお前じゃない!私はお前の様な…!」
「何を今更…私は私でしかないし、お前はお前にしかなれん。…大体私だって別に天才とかじゃない。…妖気感知を使いこなすにはそれ相応の経験が必要だ…居場所を測るくらいならまだしも普通、戦闘中も絶えず感知して相手の次手を見極めるなんて狂気の沙汰なんだよ…出来なくて当然だ。」
「だが!お前は出来た!だから…!」
「そもそも妖魔のいないお前の世界で妖気感知能力を磨くなど不可能だ。」
「…私には真似しか出来ないんだ…!」
「だったらそれで良いだろう…模倣も極めれば自分の力だ…お前は何処までも中途半端だ…技の本来の使い手に失礼だと思わないか?」
「テレサアアアア!」
「…本当に熱くなりやすいな、お前は。何処までも私と正反対だよ。…だからこそお前に興味が湧く…!」
「アアアアア!」
「どうした?まだ遅いぞ?早くこの首を取って見せろ。」
その余裕が私をイラつかせる…!高みから見下ろすその態度がただ、気に入らない…!