ネタ帳   作:三和

126 / 830
ハイスクールDxDにクレイモアがいたら41

私はアーシアに接触するに辺り一つ失念していた事があった…原作で兵藤一誠と普通に会話出来てた印象が強かった為、私が接触しても問題無いだろうと思っていたのだ…

 

「ありがとうございます!本当に助かりました!…誰に話しかけても通じなくて困ってたんです…」

 

「…そっ、そうか…」

 

……そう、アーシアが日本人では無い事を忘れていたのだ…兵藤一誠がアーシアと問題無く会話出来たのは悪魔に転生していた事が原因だった…

 

…原作通り道に迷い途方に暮れていたアーシアを見つけた時、最初私は放っておくつもりだったのだが…既に原作とは展開が変わってしまった今、無事に兵藤一誠と接触出来るか分からなかった為、仕方無く私から話しかけたのだが…そこで日本語で声をかけた際のアーシアの困惑顔を見て私はやらかした事に気付いた…

 

……幸い前世の私は語学が堪能だったらしい…その後のアーシアの言葉は普通に分かり私からも違和感はあまり感じる事無く話しかける事が出来たが…これからはもっと気をつけなければ…

 

「…でも驚きました…てっきり駒王町界隈の教会に赴任したと思っていたのにこの住所がテレサさんの家だなんて…」

 

「…お前のいる堕天使勢のトップとは訳あって昔から懇意にしててな…」

 

アザゼルめ、確かに場合によっては引き取るなんて事を言ったが…何故最初から行き先が私の所なんだ…!…いや、これは寧ろ感謝しなければならんか…原作通りならこの後間違い無く面倒事に巻き込まれていたからな…とは言え認めるのは癪だ。私も食事が出来るようになった事だし、次に奴に会った時には思いっきり高い店を奢らせるとしよう…!

 

「……聞かないんですか?」

 

「…ん?何がだ?」

 

アーシアから話しかけられ思考の海から戻って来る。

 

「…その、どうして人間の私が堕天使の所にいるのかって…」

 

……アザゼルの奴…私の事を話してないのか?

 

「…私からは聞かんよ。色々あったのは想像出来るがな…話したくなったら何時でも話せば良い。」

 

…そもそも私は原作知識があるから知ってるしな…それに情報屋に調べさせれば多分出て来るだろう…奴の情報の出処こそ私は知りたいが…

 

「……どうしてそんなに優しくしてくれるんですか?」

 

……こいつは本当にアーシア・アルジェントなのか?原作であった一見儚げだが芯は強かった鮮烈な印象が全く見受けられないが…いや、そもそも今まで良くしてくれた人間が突然手の平を返して迫害を始めたんだ…普通はこの位人間不信に陥っていても可笑しくないか…

 

「…短い間かもしれないが家族になる…それが理由じゃいけないか?」

 

「…家族…」

 

……吐き気がする…私はアーシアを利用しようとしてるだけだ…こんな事を宣う資格は無い筈だ…!…いや、こんな事を考えるべきでは無い…言った以上は本当にしなければな…私はテレサなのだから…

 

「…そう、家族だ…だから気にするな…大丈夫だ。私の家には他にも二人住んでて一人はお前と言葉は通じないが、きっと二人共お前を歓迎してくれる…」

 

……黒歌は反対しなかったし、クレアは家族が増えるかもしれないと言ったら大喜びしていたからな…やはり寂しいのか…はぐれ悪魔の討伐も今は出来ないし、どうせならもう少し一緒にいるようにしようか…黒歌も何時までもいるとは限らんからな…

 

「…私は…魔女と呼ばれました…今まで私を聖女と呼んでくれた人たちから…私は聖女になんてなりたいわけじゃなかった…ただ皆に笑っていて欲しかっただけ…!」

 

「…そうか。」

 

……敵わんな。兵藤一誠はどうやってこれだけの負の感情を浄化したんだろうな…素行は最悪の一言に過ぎるが…やはり良く言われる主人公補正とは違う何かがあるのか…

 

「…私は生きていても良いんですか…?」

 

「…私はあまり笑えないが…二人は笑ってくれるだろうさ。ただ、お前が生きているというその事実だけでな…」

 

私に泣きながら抱き着いてきたアーシアを受け止める…あまりこういうのは得意じゃないんだがな…クレアや塔城小猫よりは大きい少女の頭を撫でながら私は必死に知り合いが通らない事を神が存在しない事を知りつつも必死に祈っていた…

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。