「そう言えばまだ礼を言ってなかったね、ありがとう…君があの時私を突き飛ばしてくれなかったら私は今どうなってたか…」
一通り私の話が終わった後サーゼクスがそんな事を言って来た…
「…礼は良い。そもそも最初に助けられたのは私だからな…」
それにお前なら多分どうにか出来ただろうという言葉は飲み込む。
「…そうかい?…君がそう言うならそれで良いか…君の場合ここで何らかのお礼を用意しても受け取らないしね。」
「当たり前だろう?普段から色々して貰ってるのにこれ以上貰えんよ…。」
「…そう言うと思ったよ…ああ、そうそう…今日は憎まれ役ご苦労さま。」
「…何の事だ?」
「…リアスから聞いてるよ、彼女たちに少々キツイ事を言ったそうだね…あー…怒ってるわけじゃないんだ…リアスの事は私も不安視してたからね…」
「…止してくれ…あいつの言った通り理由の大半は所詮は八つ当たりだ…それに偉そうな事を言った割に私も未熟である事を今夜の事で痛感した…大体、あいつらはあいつらなりに努力してるんだ…私程度が言って良い事では無かった…」
「…そう卑下しなくて良い…今夜は相手が悪かったし、リアスが甘かったのは確かだ…私から言おうとも思ったんだが、私はどうも彼女に甘くなりそうでね…」
「…本来はそれで良い筈なんだがな…私の知る限りこの世界のはぐれ悪魔は強過ぎる…確かもう少し弱かった筈だ…」
「…君が来た事が原因とは考えにくい…他の誰かの手がかかっている可能性を考えた方が良いね…」
「…今のままだとあいつらは死ぬ。…私としても死なれるのは寝覚めが悪い…クレアも間違いなく悲しむしな…」
クレアはあいつらに懐いているからな…
「…私もこれからの事に警戒しておこう…リアスたちは…自分たちで奮起してもらうしかないね…私もそこまでは今は手は回らない…」
「…もしかしてもう、三勢力の協定の話が出てたりするか?」
「…ああ。今は何処も戦争を続けられる余力は無いからね…だが、最近は君も知っての通りどうも堕天使勢力がきな臭い…特に総督のアザゼルは最近神器持ちを集めたり…力を蓄えて何を考えているのか…」
「…それは渦の団と言うテロリスト集団への警戒の為だ。」
「…それは君の知る知識かい?」
「…それもあるがアザゼルから聞いてもいる…私は立場上フリーだし、万が一の為に警告も兼ねて伝えられていた…オフレコで、とは言われてるが…オフィーリアが単独か分からない以上お前にも伝えて置いた方が良いだろう。」
「…彼女が所属しているとなると厄介な事になりそうだね…ちなみに他の構成メンバーを聞いても?」
「……私も正直うろ覚えだし、メンバーが変わっている可能性のある以上余り意味は無いだろう…ただ、私の記憶ではその停戦協定の場が襲われていた…」
「成程。協定そのものはもう少し先だし、先に知っておけばある程度対処が出来るね…アザゼルとは情報の擦り合わせをしておくよ…君の正体については取り敢えず黙っておいた方が良いかな?」
「そうしてくれ…万が一目をつけられたら面倒だ。」
「…分かった。今夜聞いた事は私たちの胸の内に置いておこう…では、そろそろお暇するよ…行こうか、グレイフィア?」
「…分かりました。今準備しますね?」
「ミリキャスを連れて来る…」
部屋に入って行くサーゼクス…ん?何故ミリキャスを連れて来ずにドアを閉める?
「…テレサ、二人がお互いにしがみついて寝ている…」
「…ふむ、なら良い。明日はちょうど学校も休みだ。ミリキャスはこっちで預かろう。」
「…すまないね…。」
「気にするな。お前には返し切れない恩があるからな…」
「…では今夜はこれで失礼するよ…」
「テレサ、あんまり無茶をしてはいけませんよ?」
「…肝に銘じよう…今回はさすがに懲りた…」
「「「……」」」
私にジト目を向ける三人…酷くないか?
「…ではこれで…テレサ、今度は何も無い時にゆっくり話そう…」
「…ああ。」
魔法陣が起動しサーゼクスとグレイフィアが部屋から消えた。