「…大丈夫ですか…?」
「ん?ああ、助かった。ありがとうアーシア。」
「いえ、お役に立てて良かったです…それで…」
「あー…悪いがクレアと黒歌には内緒で頼む。」
「…分かりました。あんまり無理はしないで下さいね?」
木場の剣を掴んだ左手の傷は思いの外深く直ぐ塞がらなかった…練習にもなるし妖力の解放をしようとした所、ちょうどアーシアが通りががったので治して貰う事にした。
「…それじゃあ私は他の人の所を回りますから…」
「ああ。…悪いな、面倒な事をさせて。」
そもそもこれは今のアーシアには無関係だ…少なくとも率先してリアスたちの治療のため歩き回る必要は無い…
「いえ、好きでやってる事ですし。」
去っていくアーシアの背を見送る。
「…さて、アクシデントがあったが…続けるか木場?」
「はい!お願いします!」
木場の横っ面を狙い、繰り出した拳が躱され…
「…そこで終わりだと思ったか?」
「…くっ!」
拳を開き木場の服の襟を掴み、こちらに引き寄せ頭突きを喰らわせる。
「…がっ!」
威力は抑えたつもりだったが鮮血が飛ぶ。…怯んではいるが目は死んでない。なら、応えなければな…
「…ふん!」
「…うごっ!」
後退した木場を追い懐に入り大剣の柄を鳩尾に叩き込む…むっ?
「捕まえました!」
鳩尾に入った大剣を左手で掴み、私の首に向け剣を…
「…いや、武器を捨てれば良いだろ。」
「…あぐっ!」
安易にさっきの私と同じ手を使った木場に半歩下がってから勢いを付けて膝を脇腹に叩き込む。
「…今日はこれで終わりだな、大丈夫か?」
「…大…丈夫です…ありがとうございました…」
「…すまんな、やり過ぎた。」
「…いえ…」
「…屋敷まで送る。」
仰向けに倒れている木場の身体を持ち上げ、担ぐ…軽い…本当に男か、こいつ…筋肉は着いてるし、ガッシリした身体付きだが、余りに軽過ぎる…
……明らかに同年代の男子より軽い木場に驚きながらも私は屋敷に向かった…
「…アーシア、疲れてる所悪いが…」
「…いえ、大丈夫です…」
今日は一体何回神器を使ったのか…顔色の悪いアーシアに罪悪感を感じながらも木場の治療をして貰う…やれやれ…途中から少々本気になってしまった…
「…お疲れみたいね…」
「黒歌、今日は私に着いてなくて良いんだぞ?」
何故か今日も同じ部屋、同じベッドに入ろうとする黒歌に言う。
「……ダメにゃの?」
「…構わないが…そう言えばクレアとアーシアはどうしてるんだ?」
昨日は疲れてて気にならなかったが…二人は何処にいるんだ?
「…リアスちゃんたちと一緒だにゃ。」
「…そうか。」
それ以上考えるのは止めにする…目蓋が重くなって来た…今日も爆睡出来そうだな…