「四日目が過ぎたけどどうにゃ?調子の方は?」
「…予想外…と言ったら失礼かもしれんが意外に成長が早い。」
初日、二日目、三日目と大して結果が出ないまま日にちは過ぎて行った…とはいえ、だ…別に全く成果が無いわけじゃない…レギュラーの特訓でイベントが無いのなら十分なペースで伸びてはいる…が…たった二週間先に格上との戦いが待ってるならこのペースでは遅過ぎる…原作では一度負けた後、特例で兵藤一誠がライザーを下して終わらすなんて贔屓にも程がある展開があった記憶があるが、そこはそれ、この世界でも同じになるとは限らんし、私が教える以上無様な負けを認めるわけにはいかない…そう思って三日目はかなりキツい事を言ったところ…
…奮起するものがあったのか、四日目には見違える程に成長が見られた(出来るなら最初からやれと思わんでも無いが今のあいつらにそこまで求めるのは酷だろう…)
が…問題もある…
「チーム戦である事を考えればこのままでは駄目だな…」
「…兵藤一誠の事にゃ?」
「…あいつだけ伸びが悪い…完全に足を引っ張っている…あいつはあいつなりに頑張っているつもりなんだろうが…足りん。」
素人である事を差し引いても成長が遅過ぎる…今のリアスたちのレベルに見合わないのだ…
「どうするのにゃ?」
「…放置、のつもりだったがこのままでは間に合わん…少し仕込みをする…」
「…具体的には?」
「…ドライグと話す…此方から接触しないと埒があかん…」
「…方法は?ドライグは兵藤一誠を相棒と認めてないんでしょう?」
「恐らく、な…兵藤は存在を感じてもいないようだ…」
「…どうするの?」
「…今日のランニングは出なくて良いと言ってある…グレイフィアに用意して貰った薬を使った…まだ眠っている筈だ…そこを突いてドライグと対話する…で、黒歌…一つ頼みがある…」
「…何かしら?」
「…恐らく今日、私は午前中の修行に付き合えん…お前に代わりを頼みたい…」
「頼ってくれるのは嬉しいけど…リアスちゃんたちの相手を今の私が一人でするのは骨が折れるんだけど…」
「…心配するな、今日は全員自主トレをしろと言ってある…お前がするのは監督だ…クレアとアーシアと一緒に当たってくれ。」
病み上がりの黒歌に無茶はさせられんからな…
「…それくらいなら良いけど…あんたは大丈夫なの?」
「…さぁな…案外いきなり敵意を向けられるかもしれん…当たってみるしか無いだろう…」
実は私は兵藤一誠を含むリアス眷属一同には自分の正体を話していない…即ち、自分が観測世界からの転生者だと言うことを、だ…変な先入観を抱かれても困るからな…ドライグは正体の分からない私を警戒しているだろう…
「…あんたはどうせ駄目って言ってもやるんでしょ?」
「…すまんな、苦労をかける…」
溜息を吐く黒歌に私は苦笑いしか返せない…
「…今更ね…行くんなら早く行って来なさい…今日の事は引き受けたから。」
「…ありがとな、埋め合わせはちゃんと「要らないからちゃんと戻って来なさい」…ああ、分かった。」
黒歌と別れて兵藤一誠の部屋に向かう…さて、鬼が出るか蛇が出るか…おっと、出るのはドラゴンだったな…