剣を取りに戻れば、当然の様に未だ目を覚まさない三人を必死に介抱していたアーシアと遭遇…あれから結構経ってるぞ…治したのなら別に放置しても良かっただろうに…
戻って来た私に注意をしようとするアーシアをあしらい、傷口を再び作るために剣を掴み切り落としたらそれを見たアーシアが気絶した。…咄嗟に受け止めたから良かったものの、下手すれば大怪我だな…アーシアはここに転がってる連中と違って人間だしな…
「…やれやれ…あんまり手間をかけさせないで欲しいものだ…」
…と言いつつ、恐らく私の口角は上がっているのだろう…本当に私は丸くなったな…
アーシアを下ろし腕をくっ付ける…先程の実験で消耗していた事もあり、覚醒の危惧をしていたが問題無く腕はくっ付いた…気持ち少し腕が短くなった気がするな…
「…さすがに四人ともなれば多少重みがあるな…」
男子二人を肩に担ぎ、小猫を背負い、アーシアを横抱きにする…
「…屋敷に戻る前に二人に声をかけて行くか…」
放置するわけにはいかんからな…私は自主練をしているリアスと朱乃の元に向かった…
……行った先で事情を説明したら二人にも説教を喰らいそうになったので妖力解放して逃げた。…四人の顔色が悪くなった気がするがスピードはさすがに抑えたし、人間が耐えられるレベルのGしかかかってないし大丈夫な筈だ…
さて、屋敷に戻れば当然黒歌やグレイフィアからの説教が待っていた…結局四人が目覚めても終わらず、夕飯時まで続いた…このまま食事抜きの流れかと思ったがそれは免除された…理由を聞いてみれば…
『あんたの場合、一食抜いても別に罰にならないでしょ?』
…ごもっとも。私の場合、元々三日間飲まず食わずで活動していた時期が永かった上に、最近になって出た食欲も人並みだ…食事に関する価値観も違うからな、食事が無いなら無いで別にそんなに困らん。恐らく飢えを感じる様になった今でも一日位は耐えられるだろう…
『それにわざわざ作ってくれたここの使用人の人たちに申し訳無いでしょ?一人前が割と量あるから誰も二人前食べられないし』
…この屋敷で現在出されてる食事の中でも夕食はそれなりに量が多い…日中ハードワークをしてるんだから当然だがな…とはいえ、兵藤と小猫が多少多い位で他は一般的食事量とそんなに変わらん…早い話が誰も二人分は食えない量なのだ…つまり私が食べないと食卓に乗ったこの料理は廃棄されるしか無い。…まあせっかく手を付けた料理は既に冷めてしまっていたがな…私に説教をしていた流れで二人も冷めた料理を口にしているのはさすがに申し訳なく思った…
…最も今日私がやった事を反省するつもりは更々無いがね。
「サーゼクス、グレイフィア、ちょっと良いか?」
就寝前、サーゼクスとグレイフィアの部屋に向かいノックをすると声をかける。
「何ですか?」
扉から聞こえて来る声は低い…まだ怒ってるのか?
「そんなに怒るな、開けてくれないか?真面目な話なんだ…」
「…鍵は開いてます、手が離せないので勝手に入って来てください…」
…どうもまだ仕事中だった様だ…私はドアを開ける…
「…悪いな、こんな時間に…」
「…良いさ…で、何かな?」
思いの外憔悴しきったサーゼクスを見て止めようかとも思ったがそれでは来た意味が無いな…
「…明後日がライザーとの対決だな。」
「そうだね。それで君は何をいいに来たのかな?」
「…グレイフィア。」
話しかけて来たのはサーゼクスだが私は敢えてグレイフィアに声をかける。
「…何かしら?」
「…私の記憶だとリアスたちとライザーのレーティングゲームは実際にある場所、この場合は駒王学園の旧校舎を模した空間で行われた…今回もそうなのか?」
「…隠しても仕方無いわね。ええ、おそらくそうなると思うわ。」
「…もし今、それと同じ、若しくは似たような異空間を作れと言ったら可能か?」
「…条件次第だけど一応可能ね。…何となく話が見えて来たけど聞きましょう、何かしら?」
「…頼みがある…」
あいつらの負けを覆す為に一つ布石を打っておく事にしよう…