連中が少々不甲斐ないのでさすがに冷めて来る…あくまで予行演習とはいえ、もう少し楽しめると思ったんだが…!
「…ふんっ!」
「わひっ!?」
並んでいるロッカーの内、一台を蹴り飛ばす。ドアが変形するのと同時に中から声が聞こえた。
「……兵藤、ここは男子更衣室だぞ?そういう趣味もあったのか?」
「…ちっ、違いますよ…!そんな事言ったらテレサさんだって…!」
ここを通りかかった際、気配を感じた時は何の冗談かと思ったが…
「…なら、何でこんな所に隠れた?私が来るとは限らないだろう?」
「…テレサさんは俺の気配を読んでるんでしょう?」
「…誘いをかけたつもりか?だがお前はこうやって見つかって「いえ、貴女がここに来て俺と話し込んでる時点で俺の作戦は成功です…木場!」何!?」
私の背後のロッカーが開き中から木場が現れ斬りかかって来る…チッ。兵藤の気配に気を取られた…!受け止めなくては…!
「…成程な。木場の方が囮だったのか。」
「…いえ。どっちに最初に対処するのかは賭けでした。テレサさんは一人しかいませんからね、必ずどちらかを先に相手しなきゃならないでしょ?」
私の背中には兵藤の拳が当てられていた。
「…良いだろう。一ポイント先取だ。…木場、兵藤、この場は見逃してやるよ。」
私は手で掴んだ木場の剣を離す。…油断したな、上等だ。もう少し本気を出すとしよう…!
私の元を二人が脇目も振らず走りながら去っていくのを見送る…
「…殴るのではなく当てるだけ…甘いな…」
兵藤のあの甘さは何れ自分の身だけでなく味方も危険に晒すだろう…この戦いを通じて矯正出来れば良いがな…
理科室で私に倒れて来た棚を剣で両断する。…いないな。
「…私が見失うとは今回一番成長してるのは木場かもしれんな。」
木場がここにいるのは間違いないが具体的な場所は分からん…最低でも一クラスが授業を受ける事を想定してるからかある程度の広さはあるがそこまでじゃないんだがな…
「…!そこか!」
並んだテーブルの内の一つに剣を刺す。
「惜しいですね!」
僅かに逸れたらしい…木場の近くを刺してしまった剣は抜けなくなった…木場が掴んでいるらしい…
「…それではお前も動けないだろう…どうするんだ?」
「…部長!」
「…ほう?」
これまで一度も会わなかったリアスがここで、か。
「…ありがとう祐斗。テレサ、悪いけど勝たせてもらうわよ!」
入り口から入って来たリアスから放たれる魔力弾を見ながら私は…
「…ふんっ!」
テーブルを蹴飛ばす…固定されていた筈のテーブルが浮き上がりテーブルに刺さった剣を掴んだままの木場に一緒に空中に…
「…なっ!?祐斗!避けなさい!」
魔力弾がテーブルに当たる直前に木場は剣から手を離し、テーブルを踏み台に無理矢理その場から飛び退く…
「…グフッ!」
妖力解放をして剣を引っこ抜くと同時に木場に近付いた私は体勢を立て直される前に側頭部を蹴り、吹き飛ばす…
「祐斗!「余所見は感心しないな」しまった!?」
吹き飛ぶ木場に気を取られたリアスに近付き剣を横向きにしてリアスの頭に向けてフルスイングした…
「…三時間経ったか。」
二人が転送されたのを確認しつつ、時計を見る…中々奮戦しているが私に攻撃を当てられたのは先の兵藤の一発のみ…さすがに後一発位は当てて欲しい所なんだがな…私は付近に気配が無いのを確認すると理科室を出た。