「私の話はもう良いだろ?元々お前本命は妹の方だろ?どうだったんだ?」
「…サーゼクス…映して。」
険しい顔をした黒歌の発した言葉に応じてサーゼクスが無言でリモコンを操作し、映像を戻す…何だ、一体…?
「…ちょっと見てもらえる?」
「ん?……成程。」
そこに映っていたのはライザーの眷属が振った剣を紙一重で躱し、相手の腕を掴み、それを支点に無理矢理自分の身体を相手の頭上に持ち上げ、相手の顎に膝を喰らわせ、相手が倒れ込んだ後、更に相手の肘の関節を破壊した小猫が映っていた。
「…で、これが?」
「…これ、あんたが教えたの…?」
「…あいつの場合どう力が上がっても拳の威力はたかが知れてるからな、足の使い方を教えただけだ…あそこまでえげつない手は教えてない…だが、あれが何か問題か?黒歌、お前だって敵対者には容赦ないタイプだろう?小猫は今まで甘かったのさ…寧ろ成長を喜ぶべきじゃないのか?」
「……」
黒歌は唇を噛み締めたまま黙っている…やれやれ…
「…あのなぁ…妹にこうなって欲しくなかった、は今更だぞ?こいつは遅かれ早かれこうなってたさ…」
……とはいえこれは原作には無い変化だ…本来は私はもっと気にすべき事なのかも知れない…だが…
「…自分の妹とその仲間を信じろ。あいつは道を間違う事は無い。」
「…何でそんなに落ち着いてられるの…?」
「…あいつがお前の妹だから。それだけで私にとっては信頼に足る。」
「…あんたって冷たいのか、甘いのか分からない…」
「…私は元々単なる合理主義者だ。…だから本当は感情論より打算が大きい…だが血も涙もある…」
「…あんた泣き虫だしね…」
「…揚げ足を取るな。…全く…」
「…テレサ、打算とはどういう意味かな?」
サーゼクスが水を差してくる…どうしてお前はそんなに鋭いんだ…そこはスルーするところだろうに
「私は強くなってもらいたいのさ、あいつらに。…私が覚醒者になった時首をはねられる候補は多い方が良い…」
「…私たちだけでは足りないと?」
「…足りない。この身は最強。もし、覚醒したらお前たちだけで抑えられるか分からん…だからこんな所でつまづいて貰っちゃあ困るんだよ…」
だから私はあいつらを徹底的に鍛えた…結果的にあいつらは今原作のライザー戦後より強くなっている筈…問題はアーシアが眷属じゃない事…タイミングがズレている事…挙げてみると不安になって来た…大丈夫なのか?そもそも一番の不確定要素は私だが…
「…オフィーリアの事もある…あいつら全員を耐えず私がガードするのは無理だ…と言うかもう一度戦っても勝てるか分からないしな…」
…リターンマッチがしたいと思わないでも無い…だが、全てを賭けて戦うには私はもう大事な物を増やし過ぎた…何も無かった昔なら…いや、やはり負けていたかも知れないな…何となくそんな気はする…