「…で、本当にここで良いのか?」
クレアの提案で私たちがやって来たのはチェーン店の回転寿司屋だった。
「私たちに高級料理の味が分かると思うか?」
「お前金あんだろ?お前やそこの猫又はまだしも、クレアとアーシアにはもっと良いもん食わせてやりゃ良いのによ。」
「何時までも金が有るとは限らんしな…そもそも二人が将来自分で稼ぐ様になった時、金銭感覚が崩壊していたら問題だろう?」
「……この二人に関してそんな心配必要か?」
「……」
私はクレアとアーシアの方を横目で見ると直ぐに逸らす…クレアが食べたのは比較的安いネタを五皿のみ…育ち盛りである事を考えれば少々少ないのでは無いのだろうか…?…そしてアーシアの方はと言うと…
「…美味しいです…!」
外国人である(そう言ったらクレアも本来そうなのだろうが)アーシアに生魚は食べられないのではないか、と思っていたが、意を決して口に運んだ所、あまりの美味しさに感動したらしく泣き出してしまった…食べるペースが異常に落ちているので、私たちはアーシア以外はもう全員食べ終えているのに席を立つ事が出来ない…
「……確かにこの二人に関しては杞憂かもしれないな…」
実際アーシアも大した量は食って無い様だ…
「アーシアにはもっと美味い物食わしてやれって、マジで。」
「…外食の機会を増やすか。…どう思う黒歌?」
「私も別に異論は無いにゃ。…と言うか、アーシアちゃんが来てからまだ一回も行ってないんだけど?」
「……そう言えばそうだったな…」
アーシアが来たその日からずっとバタバタしてたのもあって忘れていた…
「まだ歓迎会もやってないにゃ。」
「お前の時はやっていたな…」
「猫の時と人型になってからの二回、ね。」
「……私がそう言う祝い事に気の乗らないせいもあるが、二回もやった奴が他にいるのにやらないのは問題か…」
「元々提案したのもクレアだけどね…」
「何かお前ら、何時もクレアが中心にいるのな。」
「…否定はしない。そもそもクレアがいなかったら私たちは一緒には暮らしてなかったかもしれん。」
「当時聞いた時は驚いたぜ…まさかお前がガキと暮らし始めるなんてよ。」
「…そうだな…」
……当時はあくまで"テレサとして"身寄りの無いクレアを引き取っただけだったが…あいつは原作のテレサよりもずっと不器用に接する私と向き合い続けた…今では私自身にとって本当に大事な存在だ。
「…アンタが私を拾うわけないし、そもそもクレアを通してのアンタを見ていなかったら、正直私の方からアンタを見限ったと思うわ…」
「…だろうな…」