「あら?全然食べてないわね?どうしたの?」
「これ以上お前の世話になるわけにも行かないからな…」
オフィーリアがせっかく作ってくれたのに悪いが…私は食事に手を付けなかった。
「…あー…成程ね…断食して今の精神状態をどうにか元に戻そうとしてるわけ?…半覚醒してるとはいえ、私たちはそう簡単に餓死なんてしないから、胃を空にして、精神を安定させるのは難しいと思うわよ?元々私たちにとっては使わなくても問題無い臓器だし「だが、やらないよりは」確かに普段よりまともな目付きしてるけど…正直私も言い難いんだけど…もうそういう段階じゃないのよ…今何時だか、分かる?」
……今の時間…?私は時計を見る…なっ…!?
「気が付いた?今の時間は午前九時「そんな馬鹿な!私は今朝少し眠っただけの筈」…そこまでは覚えてるわけね…貴女にとっては酷な話になるけど…聞く?」
「……聞かせてくれ…」
「貴女は"昨日"昼になる少し前に起きて、そのまま暴れ始めた…私が見に行ったら完全に可笑しくなっていた…と言うかアレは子どもの癇癪ね…貴女は幼児退行を起こしてた…止めようとしたけどどうにも出来なくて仕方無く放っておいたら夜になって漸く大人しくなって眠ったの…で、今朝改めて見たら貴女は目を覚ましてて元に戻ってたってわけ。」
「まさか…!」
「分かった?要するに貴女は、今更食事を抜いた所でどうしようも無い段階に来てるの…一応サーゼクスにも報告してるけどどうしたら良いか決めあぐねてるみたいよ?普通の人間の病院には連れて行けないし、冥界の医師でも今の貴女の症状をどうにか出来るか怪しいそうよ?…というわけでほら、口を開けなさい…今の貴女は食事を削っても体力が無くなって衰弱死するか、飢餓に負けて覚醒者になるかの二択しか無いの…ほら、あ~ん…」
私はもう余計な事を考えるのを止めた…ただオフィーリアの言う通り開いた口に運ばれる物を咀嚼して行く…
「これが最後よ…はい…それじゃあ歯を磨くわね「それぐらい自分で」貴女昨日の記憶飛んでるのよね?一人で、なんてさせられると思う?」
口を開け、オフィーリアの膝の上に横になった私の歯にオフィーリアがブラシを当て、一定の力で動かして行く…情けなくて涙が出そうになるが、堪え「あら?泣いてるの?」られなかったらしい…
「ハイ、これで良いわ…それじゃあ私は戻るわね「オフィーリア…その」ごめんね、今日は無理「どうして?」…さっきは濁したけど…昨日貴女、幼児退行したまま私に襲いかかったの…半日以上、無理矢理…されたから…身体がちょっと…まさか頑丈な筈のこの身体で回復が追い付かないなんて思わなかったわ…だから今日は…ごめんなさい…」
そう言って頭を下げたオフィーリアが背を向けて出て行く…私はもう…駄目なのかもしれないな…