「あら?起きた?」
「…あいつ程、寝起きは悪くなくてね…」
結局、私たちの戦いは夜明けまで続き、実は近くにいたグレイフィアによって人間界に戻された。
被害状況は…山が広範囲に渡って更地…地面も相当抉れたので生態系に多大な影響が出た可能性が高いとか…そして私たちの方はと言えば…
「…で、日常生活もそうだが、戦いは出来るのか?」
「取り敢えず手伝って?食事の支度も難しいの…」
「無理に作りに来なくても良いと言ってるんだがな…」
斬り飛ばしたオフィーリアの右手が行方不明になった。…私たちは消耗が激しくなければ自前の妖力で回復出来るので大して傷は残らない…なので被害はそれくらいか…
「お前攻撃型だったな…」
「そうよ…だから再生は難しいわね…」
「クレアがイレーネに言われた話だが…時間をかければ攻撃型でも腕は生えるらしいぞ?」
「そうなの?」
「数日かかる上に、人間並の筋力しか無いらしいが…」
「それじゃ、使えないわよ…剣が振れないし。」
捜索はされてるらしいが、見つかるか…
「サーゼクスの話によると更地になってる事もあって探しやすくはなってるそうよ?ちなみにグレイフィアがあの状況を伝えたら胃薬一瓶一気飲みしたらしいけど…」
「そうか。」
その感想を聞いてもへー…という感想しか出て来ないな。…まぁその辺はオフィーリアも同じの様で…
「お見舞い行く?」
「面倒だし、私たちが行っても余計に体調が悪くなるんじゃないか?」
「そうよね。じゃあ行かなくて良いか。」
サーゼクスの様な奴は普段、机に向かっていて前線に出ない代わりに、最終的な責任を取るためにいる…例えそれが下の我儘に端を発した物であっても…それが組織に所属する戦士として現場で戦っていた私たち二人の共通意見だった。
「取り敢えず早く腕が見つからないと不便よねー。」
「私たちも探しに行くか?」
「サーゼクスからは君たちが行くと更に被害が酷くなりそうだから待っていてくれ…ですって。失礼だと思わない?」
「いやそれはさすがに同意する。」
私たちはかなり大雑把な方だからな…
「えー…何で?」
「いや、お前見つかるまで木を切り倒すだろ?」
「そりゃ邪魔なんだから当然でしょ?」
「…それをされたくないから止められたんだろ。」
「えー…別に更地になった所は畑でも作れば良いと思わない?」
「掘り返され過ぎた上、そもそも私たちにもどういう力なのか分からない妖力の影響を受けたせいなのか、土の状態があまり良くないらしいぞ?」
「…妖力って他の物にも影響出る力だったの?」
「知らん…だが、そうとしか考えられないらしい…あの場所はこれから先、百年位は何も生えてこないそうだ。」
「ふ~ん…そんなに長い時間じゃないだろうし、そんなに目くじら立てなくても良いでしょうに。」
……サーゼクスたち、悪魔は元々長命種だし、私たちは何も無ければほぼ不老不死だからな…百年くらいなら問題無いだろうという結論になるわけだ。
「ふわぁ…それじゃあ部屋に戻って寝るわ…この身体、食べてすぐに寝ても太る心配は無いから、そこだけは喜べるわね…」
「ああ…おやすみ。」
オフィーリアが望んだ通り、ほぼ結果が出た以上…残りの日程は戦う必要は無いわけだが…だからと言って気を抜き過ぎじゃないか…?
「いや、そんな事も無いか…」
そもそも私たちが本気で爆睡する事はこれから先も絶対に無いからな…どうせ敵が来ればすぐに目覚める…なら、その間は力は温存しておくべきか。