「本当に驚いたわよ…妖力解放無しの素の脚力だと中々追いつけないし、試しに出してみた蹴りはあっさり躱すし…本当にあの二人、ただの人間なの?」
放課後、書類が一通り終わり帰り支度をしている最中に校内の見回りが終わったオフィーリアが戻ってきて先の電話での一件を報告して来た。
「…本当に生物学上、純粋な人間だよ…悪魔だったりはしない…何らかの特殊な一族なのかもな…あいつも一々追っかけるのが面倒だから手間かかるのは承知の上でトラップを仕掛けて止めていたらしいな…」
「それなら先に言ってくれたら「私もそうだが、お前一々相手の通る場所予想してちまちまトラップ仕掛けるなんて性に合わないんじゃないか?それに発動したトラップも、不発のトラップも自分で片付けないといけないんだぞ?」うっ…確かにそうね…」
そう考えるとあいつは本当に面倒な手段を使っていた物だな…ただあの二人には非常に有効だが…あいつら正面からの致命の攻撃はどれだけのスピードであっても確実に躱してくるからな…その代わりアクシデントにはとにかく弱いからトラップには面白いほど引っかかる。
「それで?何だその袋は?」
オフィーリアが手に持っている袋を指差す。
「ああ、これ?…あの子の知り合いだって言ったら、あの子にお見舞いとして渡そうとしていたお菓子を渡されたのよ。ほら…」
オフィーリアが袋から出した物を見て絶句する…
「お菓子というか菓子折りだろこれ…」
外箱入りの和菓子の箱…高校生がお見舞い程度で持って行く物じゃないだろ…
「それだけあの子が慕われてたって事ね…というか今どきの高校生のお小遣い程度でも特に懐痛めずに買えるわよ、これくらい。…どうやって渡そうとしてたのかは知らないけどね。」
「そうだな…」
私の元住んでた家は既に無く、というか生徒は私の元の家の場所すら知らなかった筈…教師連中も私の現在の所在を知らなかっただろうから、オフィーリアに会わなかったら渡せずにいただろう。
「取り敢えずこれは渡しておくわね、ハイ。」
「…私に渡してどうするんだ?」
「貴女が食べたら良いじゃない?…身体は同じなんだし…ある程度長持ちはするだろうけど、放っておいたら腐っちゃうわよ?」
「…仕方無い。」
私は袋を受け取った。さて、
「書類は終わってるの?」
「ああ…生徒はまだいたか?」
「ええ。…部活の生徒は残ってるけどね。」
「むっ…まだいたか…」
「いや、そんなにいるわけじゃないし、後は帰るだけだし、何とかなるんじゃない?」
「そうだな…行くか。」
仮に見つかったらその時考える事にしよう…