「良く考えたら用務員の仕事は当面、私だけ行っても問題無いんじゃない?」
「一通り書類は終わってるし、そうなるな…寧ろメインの仕事がこなせない以上、私が行っても仕方無いだろう…」
「いっそ本当に就職しようかしら…」
「そこら辺は会談が終わってから、あいつとサーゼクスと話せ…私に言われても知らん。」
「…あの子の仕事を盗りたいわけじゃ無いのよね…」
「交代制が狙いか?どっちみち、あいつが戻らなければお前がやるしか無くなるな。」
「戻って来て欲しいわ…貴女と一緒に仕事するの…悪くなかったから…貴女はずっとこっちにはいられないのよね…?」
「そうだな…大体、お前が一緒に居たいのは私じゃなく、あいつだろう?」
「……そうね…。」
「まっ、そろそろ出た方が良いぞ?」
「分かった…朝食と昼食は作ってあるから。」
「お前、私に相談する気あったのか?」
作り置きしてる時点で既に一人で行こうとしてるだろ…それに作らなくて良いと言っているんだが…
「あったわよ…でも結論としてはそうなるだろうと思ってたの。それじゃ行ってくるわ…何か困った事があったら電話するから出てね?」
「基本、今の私は暇だからな、出るさ…行ってらっしゃい。」
「行ってきます。」
オフィーリアが出て行き、部屋に残される…
「……ギャスパーの所に行くか。」
夜に仕事をしている事を考えればまだ寝てても可笑しくないが…まあ良いか。
ドアに掛かってる鍵を力技で破壊…中に侵入した…ギャスパーは…
「…寝てるな。」
ギャスパーは寝ていた……ダンボール箱の中で身を縮めて。
「ベッドが奥にある様だが…こいつは猫か何かなのか?」
ダンボール箱好き過ぎだろ…某蛇を思い出す……何で突然蛇が出て来る?…妙な電波を受診し、困惑する私だったが、幸い、あいつの記憶に答えがあった。
「ダンボール箱をこよなく愛する凄腕の兵士…?…あまり関わりたくない人種だな…」
さっさと思考から追い出し…眠るギャスパーを眺める…何もしないつもりだったが…ダメだ…イタズラしたくなる。
「……」
部屋の中を見渡し、デスクトップ画面を映すだけで特に何の作業も行っていないPCがある…他に何か無いか…?
「おっ。」
ペンを見付けた…油性ペンだな。
「顔に落書きしてやろう…」
キャップを外し、ギャスパーの顔に先端を近付けた所で手が止まる…
「こいつは時間を止められるから…下手すると後で報復されるかもしれん…」
ペンのキャップを閉め、片付ける…出来るだけ後に残らないイタズラが良いのだが…ん?
「ギャスパーの携帯か。」
携帯を手に取る…パスワードか…さすが、普段PCを使って仕事をこなしてるだけある…これは無理だな…置こうとしてふと気付く。
「携帯にうるさいアラームをセットでもしてやろうと思ったが…」
それはPCでも出来るよな。幸い電源は入ったままで、インターネットへの接続までそのまま。…適当にネットを周り、うるさそうな音を探す…チラッと背後を見る…
「寝てるな…と、これなんか良さそうだ…」
かなりうるさそうな音を見付けた…無料だな…ダウンロードし、PCのアラームとしてセットする…設定時間は…五分後にしておこう。
「……」
椅子から静かに立つと、ゆっくり足音を出来るだけ立てないように…「んん…」不味い…!
「フッ!」
妖力解放して即座に出口へ行き、ドアをそっと閉める。鍵は壊れているが気付くのには時間がかかるだろう…再び妖力解放して一気に部屋の前から離れる…外にいるとギャスパーは気付くらしいからな…
「何とまあ…多分、今までで一番無駄な妖力解放だったな…」
少し凹んだが、気を取り直してそのまま廊下の角で腕時計を見ながら五分が経過をするのを待つ事にした。
「後5秒…4…3…2…1…時間か。」
ギャスパーの部屋から甲高い電子音が鳴った。
「ヒイッ!なっ、何ですか!?」
「……」
電子音に混じってギャスパーの慌てる声が聞こえる…私は必死に笑いを堪えながら部屋に戻った。