「…で?まだグダグダ悩んでいるのか?聞こえていたよな?お前に対して投げかけられた言葉が?」
『……』
その日、再びあいつが現れた。
「私を言い訳にして引きこもるのは止めろ…良くギャスパーの事を色々言えたもんだな…あいつは自分の部屋から出て来れるようになったぞ。」
『私は…!』
「どうした?それ以上何も言い返せないか?…強く振舞って、勝手に壊れて、無様としか言い様が無いよな?」
『弱い姿なんて見せられなかった…!私はあいつらのために…!』
「それが間違いだ…言った筈だぞ?心を守れと。…それが強い振りして壁を作る事じゃない事ぐらいは分かると思っていたがな…」
『……』
「挙句、守ると誓った連中を捨てようとする…甘ったれるな。お前は子供か?何でそんな状態になるまで何も言わなかった?自分の闇を曝け出さないことを強さだとでも思っていたのか?」
『……』
「それが強さでは無い事を少なくともギャスパーは良く分かっている…ところでお前、内心でギャスパーを見下していただろう?」
『なっ!?そんな事あるわけが「眠っていたからと言って今現在も身体も精神も共有している私が分からないと思っているのか?」……私、は…』
「……これ以上私はお前に何も言わない…早く決断しろ…どうしようがお前の勝手だ…じゃあな。」
意識を浮上させていく……
「……」
目を開ける…黒歌は…眠っているな…時計を見る…夜明けまでまだ少しあるな…
「……」
私はジャージを着ると部屋の外に出た……一声かける事にする。
「…何か用なのか、オフィーリア。」
「あら、バレてた?」
左側から声が返って来る…やれやれ…
「あいつでも横にいれば気付くだろ…というかお前、さっきまで私の部屋にいただろう?」
「…そっちもやっぱりバレるのね…そうよ…ごめんなさい…」
私たちクレイモアが普通なら絶対に爆睡出来ない体制で寝るのを強いられるのは、敵の襲撃を警戒している為だ…だから本来なら部屋にいる筈が無く、しかも妖力を発しているオフィーリアが部屋に入って来た時点で通常なら私は目覚めそうなものだが…あいつに会っている時は予想以上に深く眠ってしまっているらしい…妖力の残滓が部屋に無ければ私も気付けなかっただろう…
「別に謝罪は要らん…何かされたわけじゃないしな…で、何か用だったのか?」
「…えと…その…!」
オフィーリアがソワソワし始める……成程な…
「疼いているのか?」
「……」
「私は別人だが…良いのか?」
「……」
「…お前の部屋に行こうか?私の部屋は黒歌がいるからな…」
無言で頷くオフィーリア…別に喋るなとは言ってないんだが…そんなに余裕が無いのか…並んで歩きながら私はオフィーリアの肩を抱いてみた。
「ッ!…」
一瞬ビクッとしたものの、抵抗はせずされるがまま…全く…立場が逆転しているじゃないか…これで仮にあいつが戻って来たらどうするんだ?あいつがこんなに積極的に動くとは思えん…そんな事を考えながら私はオフィーリアの部屋のドアを開けた。