オフィーリアの部屋から離れ、私の部屋で黒歌の作った朝飯を食っている最中…
「…ん?」
「どうしたにゃ?」
「…オフィーリアがこの部屋に近付いている。」
「……貴女か私に用?」
「若しくは両方か。」
さっき部屋の前に来た時、オフィーリアがこちらに気付いている様子は無かったが…
「…どうするの?」
「来たらさすがに出るさ…会話出来る状態なら普通にするし、夢遊病に分類される様なヤバい状態なら即座に意識を奪う。」
「……出来るの?」
「当然だ…ちなみに…覚醒する様ならその場で確実に首を落とす。」
万が一来て妖力解放する様ならその場で殺る…恐らく今のオフィーリアは抑える事無く覚醒してしまうだろう…あいつの様に引き戻す様なまどろこっしい事はしていられん。
「…歩みを止めない…かなり近くまで来てるな。」
「この距離なら私も分かるわ…」
軈てオフィーリアは部屋の前まで来て……止まる事無く通り過ぎた。
「…通り過ぎたみたいね…何だったのかしら?」
少し待ってから、そっとドアを開けて廊下を見る…オフィーリアが廊下の角を曲がって行くのが見えた…ウィッグを着けて、あいつのパーカーを着ている…
「どう?」
その色々な意味が込められた黒歌の言葉に見たままを答える。
「…変装用のウィッグを着けて、あいつのではあるがちゃんとした服を着ていた……出かけるんじゃないか?良く考えたら旧校舎を出るにしても、ここを通る必要があるからな。」
「放っておいて良いの?」
「問題無いだろう。少なくともちゃんと服を着て、変装用のウィッグまで着けてるんだ…まともな思考は出来てるんだろうさ。」
「出かけた先でトラブルを起こすとか…」
「私が様子を見に行けばさすがに気付く。」
まあ…奴が今も戦士であるつもりなら…自ずと何をしに行ったかは分かる気はするな…
「恐らく行き先は新校舎。」
「えっ?不味いじゃない…大体何しに?」
「仕事をしに。」
「えっ…?」
「私の知る限り、戦士の大半がワーカーホリックだ。うだうだ悩むより行動する連中が大半なんだよ。何の解決にもならなくてもな…しかもそういう時に限って妖魔狩りは普段より上手くやれる。…今のオフィーリアに戦う相手はいないからな…多分用務員の仕事をこなすつもりだろう…」
「トラブルを起こしたばかりよね?」
「記憶の改竄はされている…当事者も他の生徒もな。」
「いや、そうじゃなくて…」
「人間と違って余計な事を考えないからな…例え精神状態がガタガタでもな…問題無い…放っておくぞ、どうせ部屋に篭ってるよりは健全だ。」
まあ妖魔狩りとはまるで勝手が違うし、本当は見に行った方が良いんだろうが…はっきり言ってめんどくさい…