『…で、今回は彼女のせいでは無いが…もう正直あまり自由にしても結局面倒事が起こる予感しかしないからね…会談の日の前日までそのまま入院して貰うことにした。』
それから三時間後携帯がなり、私はサーゼクスから事の顛末を聞かされていた。
「…それで、奴は納得したのか?」
『…特に文句は言って来なかった。彼女も迷惑をかけたと思っている様だし…一応、彼女の世話はこちらの関係者のみにして、更に女性で固めさせて貰った。』
「……手を出すかもしれないぞ?」
『その点はそこまで問題無い…彼女と同じ趣味の子ばかりだからね…寧ろ皆、彼女の顔を見たら喜んで引き受けたよ…しかも彼女がいるのは関係者以外立ち入り禁止の区画にある病室だ。』
「…ほとんど推奨している様な物なんだが…」
『……不満を溜めて問題起こされるよりずっと良い。』
「成程…理にかなっている…だが、覚醒者になったらどうする?」
『……君と私にすぐ連絡が行く手筈になっている…その時はすまないが…』
「…そういう事なら分かった。その時はすぐに私がオフィーリアの首を取る。」
『すまないね…君にこんな役をやらせたくは無いんだが…』
「気にするな、私はあいつと違って奴に特別想い入れは無い…あいつには納得して貰うしか無いがな…」
『そうか…さて、もうすぐそちらにグレイフィアが向かう…さっき言った区画に入るにはIDカードが必要なんだ…一応君と黒歌の分を用意させたから受け取ってくれ…最も、私個人としては黒歌をオフィーリアに会わせたくは無いんだが…』
「会おうとしてるのは黒歌の意思だ…私はもちろん、お前にも…当然グレイフィアにも止める権利は無い。」
『そうか…ところで序では無いが、クレアとアーシアもそちらに連れて行くそうだよ。』
「……なぁ?今の私は『グレイフィアの話だと初めはショックを受けていた様だが、もう二人とも、事実をちゃんと受け止めているらしい…だから君は自然体で会ってくれて問題無いそうだ』…本当に大丈夫なのか?黒歌は私の顔を見るなり泣きながら抱き着いて来たんだが…泣き止ませるのにもそれなりに時間もかかったんだが…」
『それは…申し訳無いがこちらにもどうする事も出来ない…彼女たちが帰りたくないならこちらとしても考えるが、戻るのを希望しているのは彼女たちの方だ…私たちでは止められない。』
「…分かったよ、会ってみる…」
最も、私に選択肢は無いようなものだが…
『すまないね…』
「良いさ、お前らも何時までも二人に構ってもいられないだろう?そろそろ日が無くなってきたしな…ただ、お前が言った通り、私はあくまでも私、として二人に接するだけだ…あいつの様には出来ないからな…」
所詮私に取ってあの二人は他人だ…家族としての反応を向ける事は出来ない…その資格も無い…私にとってあいつらが赤の他人である様にあいつらから見た私も、何処まで行っても別人なのだから…