『…とまぁ色々言った訳だが「ッ!今度は何だ!?」落ち着け、また口に出てるぞ?』
誰のせいだ誰の…!お前が下らない事を言うから私は部屋に戻れず旧校舎内をウロウロする羽目になってると言うのに…!
『…お前はある意味私以上にクレアに対して想い入れが強いんだな…』
当たり前だ…あの子は私の知るクレアよりずっと幼い上に、あまりにも危うい…あいつの行動次第で黒歌やアーシアの運命すらも変わりかねない程にな…私たちと同じく異物でしかない上にこの世界への影響力が強過ぎる…本来なら排除すら考えるレベルだ…だが…
『お前にそんな事はもう出来無い…クレアを知った者は大抵が彼女を愛し、守ろうとしてしまう…例え、自分を削っても、彼女を幸せにしたくなる…』
……あんな、あんな歪なあり方をする子どもがいてたまるか…!私も、嘗てお前が自分をそう評した様に人でなしだが、アレを放置せず、殺すのではなく、どれ程犠牲を出しても守りたいと思う程にはまともでいるつもりだ…!
『……こうして離れて見て良く分かる…あの子は人を変えていく力がある…それは一見、良き方向に変わる様に思えるが…大抵は依存し、他が全て二の次になる…自分の命さえも…お前でさえこうも変わる…冷静になれ、テレーズ。このままではあの子は自分が変えた者に潰される…他ならぬお前が壊してしまう…!力のある私たちだからこそ、あの子をちゃんと正しく見極めなければいけない。……良いか?あの子は確かに異常だが、結局はその手で掴める物の限界も分からない、まだ幼いただの子どもだ…』
……分かっている…だが、私にはもうあの子しか見えない…!だからあの時離れたいと言ったんだよ…こうなるのが分かってしまったから…!私は、あの子に会うべきじゃなかった…!あの子の声も、髪も、目も、その歪な在り方でさえも…!その全てが今、私には愛おしい…!もう離れられない…誰を犠牲にしてもあの子だけは救いたい…!……黒歌もアーシアも本当はどうなろうが知った事じゃない…!あの子が二人を大切に思っているからついでに守るだけ…邪魔になるなら何時だって切り捨てる…本当に嫌になる…!あの子はどうせこの歪んだ愛情さえ受け止めてしまうのだろう…!
『そうだろうな…今は直接顔を見る事も声を聞く事が無いから良いが…もし対面すれば、私もお前の様になる…いや、戻ってしまうだろう…だが、だからこそ過ちを起こしてはいけない…一度道を外れたらもう戻れない…!後には引けなくなる…』
だから殺すな、と?あの子と生きていく為に…それが本当の理由なのか…?
『そうだ…あの子にはまだ綺麗事を信じていて欲しい…子どもの世界は広いようで狭い…見える物が限られるから、当然だ…悪意に近付き過ぎればそれが世界の全てであると思ってしまう…普通の子どもなら立ち直れるかもしれないが…純粋過ぎるあの子には刺激が強過ぎる…だから、近くにいる私たちは迂闊に理を外れる訳には行かないんだよ…』
そんな事は…無理だ…!