「下らないわね…」
私はしばらく旧校舎内を彷徨き、不毛な議論をした後唐突にやって来た黒歌に無言で部屋に連れ戻された…聞けば私は何度かギャスパーの部屋の前を通っていたらしく、私のデカい独り言を聞いて、さすがに可笑しいと感じたギャスパーは今現在唯一、旧校舎にいる私の関係者で番号を知っているクレアの携帯に連絡…
…私を待ち続け、疲れて既に眠っていたクレアの代わりにアーシアが電話に出て、ギャスパーから聞いた内容をそのまま黒歌に伝え、こうして私を探しにやって来ていたらしい…そして今、二人の前で正座させられ、こうしてあいつとの話の内容をそっくりそのまま話したのだが…下らないだと…!?
「三時間も二人で議論して、内容がそんな事じゃ、ねぇ…」
「黒歌…少なくとも私が大事なのはクレアだけだ…この場でお前を斬っても「好きにすれば?」……はっ?」
私の怒りは消し飛んだ…こいつは…何を言っている…?
「何?気付かなかったの?私も同じなの。さっき聞いたらアーシアももう、そうなんだって…私はあいつに好意を抱いているけど…そんな想いよりクレアの方が結局大事なの…ハッキリ言うけどクレアに救われてまともなのは多分、もうギャスパーしか居ないわよ?」
「私もクレアちゃんが幸せならそれで良いって…そう思ってるんです…どうしてか分からないけど…その為に私がどうなろうと気にならないかな、って。」
「…という訳で貴女でも、あいつでも良いけど私たちがあの子の幸せに邪魔だと言うなら、斬れば?…抵抗したいけど本気で来られたら私も厳しいわ…アーシアに至っては戦えないし…そもそもこの場で唯一貴女と戦える私が積極的にアーシアを庇う気、全く無いから。」
背筋が凍るのが分かった…こいつらは本当にこの場で私に殺されても構わないと思っている…
「…というか、最悪私がアーシアを殺す可能性もあるでしょうね…この状況が可笑しいと思ってるなら貴女は所詮、まだ正常よ。」
「私は…悔しいですけど普通にやってもお二方に勝てませんし…最も寝てる時なら、とか考えなくも無いですけど。」
吐き気がして来た…何だこれは…!?
「…で?殺るの?殺らないの?」
「……」
……なぁ?お前はこうなると思っていたのか?
『…薄々は、な…こいつらが私たち以上にもうイカれてるのは気付いていた…もう戻れない…どうするんだ?』
「…私には出来無い…!」
結局私はクレアの方が上でも…本当はこいつらだってもう大事なんだよ…!私には殺せない…!
『安心したよ…お前がまともで…私なら、斬っていたかもな。』
「…あっそ。なら、この話はおしまい…貴女のご飯取って置いてるから食べて…私とアーシアはもう寝るわ。」
「お前ら…お互いの気持ちを知って何とも思わないのか…!?」
「…私は別に貴女やあいつ、アーシアが嫌いな訳じゃないわ…単にクレアが最優先ってだけ。」
「私も…もう皆さんの事は大好きですから…それじゃ、おやすみなさい。」