ソードアート・オンライン……仮想世界にてモンスターと疑似的な命のやり取りが出来るはずだったそのゲームは本物の殺し合いと化した
HP全損=死……という非常な世界で用意された武器を敢えて使わず徒手空拳すら捨てて身を守るはずの盾に文字通り命を賭けるバカがこの世界にいた……
さて、盾では攻撃は出来ない……というのが今SAOにログインしているプレイヤーの常識だろう。(最も神聖剣というチート以外の何物でもない例外も存在するがここでは割愛する)
もちろんシールドバッシュという手もあるがそれはあくまで敵から少しでも距離をとるための苦肉の策であるのが普通である……否、そうでなくてはならない。
では今、この俺……キリトが見せられている光景はなんだろうか?
「死ね!オラ!」
……今、俺の目の前……盾でモンスターを蹂躙するプレイヤーがいた
敵の攻撃を躱しつつ鎧も着けていないそのプレイヤーは左右どころか上下にすら動き回りながら攻撃を捨てたタンク専門プレイヤーが持つだろう大型の盾で敵をひたすら殴るという暴挙に出ていた
鎧を着けた剣士のモンスターリザードマンが剣をろくに振るうことも出来ず盾でボコボコにされている。……いや。鎧を着ているからカンカン金属音が聞こえているしHPは減ってないから効いてはいないんだろうが攻撃?が激し過ぎて身動きが取れないようだ
「立ってんじゃねぇ!さっさとクタバレ!クソが!」
……リザードマンに理不尽過ぎる罵りをしているプレイヤーは俺に気づいてないようだがリザードマンは先程から俺をじっと見つめている
助けてくれと言っているように感じるがこちとらモンスターまで助ける博愛精神は持ち合わせてない
つーか……
「何で死なねぇんだよコノヤロー!死ね!死ね!」
……ボキャブラリーの欠片も感じられない罵りを続けるこの如何にも沸点の低そうなプレイヤーに声一つだってかけたくなかった
「死ね!死ね!死ね!……」
……声がだんだん小さくなってるところを見ると疲れてきてるらしい
……リザードマンが攻撃をしようと隙を伺っているのが手に取るように分かる
……モンスターを助ける義理はないがプレイヤーは別である
会わなければ良かったんだろうが見てしまった以上このまま放っておくのは非常に目覚めが悪い
取り敢えずもう少し様子を見ることにする
「…早う死ねや畜生!」
……そろそろ盾で鎧の着ているモンスターを倒せるわけないだろうと教えるべきだろうか……?
タイトルでオチてるので説明無し
中身も何もない三秒で浮かんだ話
SAOでやるべきネタじゃない気がしたのは粗方書き終わったあと