目を開ける…暗い…目は確かに開いているのに視界は暗い…人の気配を感じる…恐らく腕があるだろう部分に力を込める…動く…右手を上げ、顔の上にかかっている布の様な物を退けた。
「おっ。目が覚めたか…身体の調子はどうだ、テレーズ?」
視界に入って来たアザゼルの声に応じて、右手の指を握り、開く…左手も同じ様にする…ふむ…動く、な。
「…良好だ…良い仕事だな、アザゼル。」
「当然だろ、俺がする為に作った身体だぜ?」
「フッ…そうだったな…約束は忘れてないから、安心しろ。」
床に手を付け、力を入れて上体を起こす…身体の上に掛かっていた布がズレる…何となく下を見る、裸の私の身体が見えて…?
「…アザゼル…傷が…無いんだが…」
クレイモアは攻撃型でさえ、腕や足を無くす、という致命的な物で無ければ、大抵の傷は治るが…例外として半人半妖の身体に成る前の傷と、妖魔の血肉を肉体に取り込む際に付いた傷は治らない…だが、私の身体には傷が無い…
「…下手に見た目を変えてどんな影響があるか分からないから、俺も渋ったんだが…あいつ…テレサの言葉で吹っ切れてな、敢えて傷を付けなかったのさ……あった方が良かったか?」
私はその部分を右手で撫でた…
「……いや、無いなら無いでそれで良い。…あいつと話したのか?「ああ、昨日の夜にな。」…そう、か…あいつは何と言っていた?」
「…憧れていたお前に…人としての幸せを掴んで欲しい…だとさ。」
「フッ…ハハハ…あの…馬鹿…」
私が幸せになるなら、お前だってそうならなければ私が納得出来無いだろうに。
「あの馬鹿に一言言わなければ、な…あいつはどうしてる?」
そう言うとアザゼルの顔は曇った…何だ?
「どうした?」
「いや、それがな…」
私はドアを開けた…
「あ…テレーズ「あいつは?」…それが…まだ目を覚まさないの「退いてくれ。」あ…」
仰向けに横たわるあいつの前にいた黒歌を押し退ける…全く…
「何時まで寝てるんだこの寝坊助が。とっとと起きろ!」
「ちょっと!?」
私は身体の慣らしも兼ねてあいつの顔に懇親の蹴りを放った…放っておいてもじき、目覚めるだろうが…そろそろやって来るサーゼクスたちと明日の事について打ち合わせをせねばならんからな…
「痛あ!?…何するんだテレーズ!?「うるさい。寝坊助を起こしてやったんだ、感謝しろ。」ふざけるな!?」
起きるなりあいつが噛み付いて来る…
「何だ?それともキスで起こして欲しかったのか?お前、アザゼルに私に人としての幸せを掴んで欲しいとか言ったそうだな?…憧れなのはチラッと聞いていたが…まさか、そういう意味だったとはな…私は鈍感じゃないからな、そこまで聞けは大体分かるぞ?」
「な!?アザゼルお前、テレーズに話したのか!?」
「おう。別に話すなとは言われてねぇしな。」
そこでまた騒ぎ始めた馬鹿の頭を殴り付ける。
「痛!?「何時までやってるんだ、そろそろ切り替えろこの馬鹿が。」お前のせいだろ!?」
……結局、サーゼクスたちがやって来るまでこの馬鹿は騒いでいた…全く…先が思いやられるよ…