「どうぞ。ご依頼の品です。お改め下さい。」
私は目の前の男の前にアタッシュケースを置く
「…おう。悪いな。」
私は椅子から降りアタッシュケースに伸ばされた手を掴みそのまま床に組み伏せる
「!テッ、テメェ何を……!」
「…」
私は男の首筋にメスを当てがいそのまま男の耳に顔を近づけ囁く
「ちょっと貴方に聞きたいことがありまして。これ、中身は何です?……私もこの手の仕事をするようになって長い。詮索すべきでないのは重々承知しています。ええ。……ですが、依頼人の方に不義理があった以上話は別です。」
「…」
「ここロアナプラでフリーの運び屋というのは疎まれ狙われても仕方ない。しかし…今回これを運んでいる最中に絡んできたのは明らかに別件だ。」
「答えて頂けませんか?」
私はメスを少し横に引く
「ヒッ!おっ、俺は何も知らない!ホントだ!頼む!助けてくれ!」
どうやら本当に何も知らないようですね
私は彼の上から退いた
「…まあ良いでしょう。取り敢えず報酬を頂きましょうか」
屋敷から出る
外は夜になっていた
「…おっ、ジャッカルじゃねぇか!」
「おや、ダッチ…この時分からどちらに…?」
「イエロー・フラッグだよ。アンタも来るか?」
「…そうですね。同行しましょう」
ダッチ……私と同じくここロアナプラを根城にする運び屋ブラック・ラグーンの代表だ
私とは基本相手にする客層が異なるので仕事中にぶつかる事はほとんど無い
「そうか。……丁度いい。アンタに話があったんだ。」
「そうですか。では店に着いてから聞きましょう。ゆっくりと……ね。」
「…そう言えばダッチ、今日は一人ですか?」
「まあな。正直に言えば他の連中といたらアンタに声はかけなかったよ。特にレヴィがいたら、な。」
「彼女と私は合いませんでしょう。恐らくこれから先も」
「だろうな」
イエロー・フラッグの前に立ちダッチがドアを開ける
「バオ!邪魔するぜ!」
「…何だダッチか…お前一人……ゲ…ジャッカル……」
私は彼に笑顔で声をかける
「私がいては不服ですか?少なくとも私はこの店にあまり迷惑をかけた覚えはありませんが?」
「お前はダッチより色んな奴に嫌われてんだろうが。オマケに毎回殺しに使ったメスを回収しないで帰りやがって……」
「それは失礼しました。」
言ってる事は事実なので私は素直に頭を下げる
「…カウンターでなく奥に座ってくれ。問題を起こすなよ。」
そう言って適当に酒瓶を押し付けられる
テーブル席に付き店主から受け取った酒を並べる
「それで話とは?」